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第3章 魔王編

知らない所でフラグは立つ

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「海斗さん!何で急にガチャ切りするんすか!後、自分の視界にコールってアイコンが浮かんでるんだけど、コレ何ですか!?」

ヨシユキが海斗を見つけ此方へとやってきた。他の人の手当ては途中で投げ出してきたのだろうか?自分の事は棚に上げておく

あ!そう言えば途中で切ってしまったんだった、忘れてた。遠くからはスミレも向かって来ている

1度会話するとコール機能が追加されるのかな?スミレにも聞いてみないと

「海斗さん、さっきのは結局何だったんだ?」

別々に説明するのも面倒臭いので2人揃ったところで魔物を倒したことでレベルが上がり『スマホ』がアップデートされた事を説明した

ちなみにスミレに聞いてみるとコール機能が追加されている様だ。意識して視界から消す事も可能らしい

「マジっすか!一体何が出来るようになったんですか?」

「私もちょっと気になります」

まあ、1人で考えるよりも皆んなで共有した方が色々とアイデアが出てくるんじゃないだろうか?と思い、かくかくじかじかと説明してみた


「それ何てチートだよ・・」

だよね、そう思うよね

「海斗さん・・・何処かに魔王の称号とか貰ってないですよね?」

ちょっと待て!

貰ってないから!!そんな称号!チートだとは思うけど人類を滅ぼすような事はしないぞ?多分・・・

「皆んなこんな所でどうしたんだい?」

いつの間にか背後からアルフさんが声を掛けてきた

だから気配を殺して近づかないで欲しいんだけど

めっちゃ怖いし近いよ!

「いや、海斗さんがまた強くなったって話をしてたんだ!」

待って!この人にそんな話をしたら・・


「ふふ、そうなのかい?いいね!それは素晴らしいよ、そうゆう事なら早速殺ろうよ」

ほらー!目を輝かせながらこっちをみてくるー!

「嫌ですよ・・さっきまで戦っていて疲れてるんですから」

「そんな事言わずにさ、ちょこっとだけ、ちょこっとだけだから!すぐに気持ちよくなるよ」


待てコラ!

何だその卑猥な言葉の羅列は!?止めろ!そして兄妹よ、変な目でこっちをみるんじゃない

元々はヨシユキの発言だろうに

「ふふふ、やっぱり僕の見込んだ通りだね。この戦いが終わったら是非心ゆくまで殺り合おうね!」

そう言い残して軍の所へと帰っていった

「ご、ゴメン海斗さん・・」

落ち込んでいる海斗に謝るヨシユキ。

取り敢えず逃げる算段は後から考える事にして海斗はSAのアプリを立ち上げる。

これ以上アルフさんに怪我の事で言われるのは避けたい。サッサと治しておこう

スピーカーポッドを負傷している人達の上に飛ばして範囲を設定

効果の設定を怪我・体力回復にして曲を選ぶ。今回は癒しのバラードだ

アカペラから入る曲でお気に入りの歌

曲が流れ始めると暖かく陽だまりのような光が包み込んで傷を塞いでいく

皆んな驚きと共に傷が治っていく状況に喜んでいたが、それを快く思っていない人達がいた。教会の神官だ

教会の専売特許である神聖魔法を使い、1人で大規模な回復魔法を目の前で使われという屈辱的な光景を見せられて快く思うはずがない

神官達は軍や冒険者達に対して1人1人傲慢な態度で接していた。

常に上から目線で、怪我を治せるのは我々だけだという心が透けて見えるよう

しかし、海斗が全員をあっという間に治してしまった。それもどの神官にも出来ない完全回復付きで

この奇跡に神官達は顔を真っ赤にさせながら震えて見てるしかなかった

光が収まり、全員が怪我の具合を確かめて完璧に回復していると分かり各々が片付けと移動を開始する

因みに海斗への感謝はあまりなかった。そりゃそうだ、助かったとはいえ怪我を被ったのは海斗のせいなのだから


飛んでくる言葉は
「クーデターとか絶対するなよ!」とか

「あんなあぶねーもん使うんじゃねー!」等のクレーム、

「もうお前が魔王でいいじゃ無いのか?」や「頼む!俺の街は襲わないでくれ」など散々な発言


だから魔王じゃないです


心のHPがガンガン削られていく。その後落ち込んでいる海斗と東堂兄妹、レオンとメアは一緒に村へと移動を開始した。


神官達に後方から睨みつけられながら
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