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第3章 魔王編

東堂兄妹2

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朝起きたら言葉が通じるようになっていた

何じゃそりゃ?

朝から3人同時に首を捻っている

「海斗さんが何かしたのでは?と思ったのですけど」

昨日した事といえば、あ!電話帳に名前が出ていたのを押したんだ

もしかしてあれなのかな?教えてモノリスさん


『電話機能のグループ通話と翻訳機能です』

ほほう?つまり電話帳に登録されたらグループで翻訳機能が使えるようになったって事なのかい?

凄いな!電話帳。なんだよ、『スマホ』便利じゃん!

そうだよ、スマホは便利だから普及したんだよね。

うーん、彼等にはこのスキルは言っても良いのかもね。これから行動するなら言っておかないと説明が難しいし

東堂兄妹に『スマホ』のスキルを話して翻訳機能が2人にも付いたと説明する

「マジか!?そんな便利なスキルがあったなんて・・」

「でもお兄、スマホってあの特典の中から選ぶのは勇気がいるよ」

でしょうね。あのリストの中じゃネタにしか見えないし、俺も完全にハプニングだったから

「何よりも先ずは助かった!サンキュー。あ!言葉の問題は解決したけどちゃんと付いて行くからな」

え?いいの?

「私達ももう無関係ではないですし、海斗さんから離れたり、海斗さんが死んだら翻訳機能が無くなるかもしれないので」

中々辛辣な事を言いますね、スミレさん・・

その後3人も起きてきて全員で朝ご飯を食べる。

宿を引き払って準備を進める前に東堂兄妹を呼び止める

「2人とも服がボロボロになってるよね。保存の中に服があるから好きなの選んでいいよ」

部屋に案内して保存の中から地球と異世界の服を出す

「おお!いいのか!やった、何が起こるかわからない世界だったから服に金をかけられなかったんだよ」

「地球のまである・・うぅ、嬉しい。」

スミレは我慢の限界だったみたいで泣いてる

「地球のショッピングアプリもあるから必要な物があれば言ってね」

これにはスミレが超食いついた

スーパーから持ってきたものでは心許なかったそうだ

ヨシユキは高校2年生、スミレは高校1年生、どちらもお年頃だから余計に助かったんだろう

ショッピングアプリの画面は表示が見えるそうで、スミレが超食いつきヨシユキは呆れたように眺めていた



「ゴメンゴメン、遅くなった」

レオン達は先に宿の前で待っており2人(特にスミレのショッピングチェック)の準備で待たせてしまったようだ

「いや、故郷について募る話もあったんだろうよ」

レオンの温かい言葉に目をそっと逸らすスミレ

「改めて、俺はヨシユキと呼んでくれ。よろしく」

「スミレと呼んで下さい。今日からよろしくお願いします。」

2人の挨拶に3人は驚いた。急に言葉を喋るようになっていたから


「これはどうゆう事だ?」


レオンの疑問に簡潔に答える


「「「相変わらず理不尽」」」


声揃えて言うなよ・・俺だって知らなかったんだから





「ーーじゃあ今日は行けるところまで行きますか」

サーニャ、レオン、メアは自分のマジックバッグからキックボードを取り出して準備をする。

「え?この世界にもキックボードがあるの!?」

そうだった。ヨシユキとスミレにもキックボードを渡さないと

2人にも保存の中から比較的マトモな物を取り出して渡す。

驚いている2人にこの世界で作って貰ったといい、使い方を説明する

決してボタンは押すなよと念を押すと

「そんな危ない事しろと言われてするわけないじゃん!」

レオンは明後日の方向を向いている

そして6人と大人数での出発となった。東堂兄妹は流石に乗りこなしており先頭は昨日に続きレオンとメアだ。

海斗は1番後ろで索敵しながら全体を見ているように走っている

「前方にゴブリン3匹!」

海斗の地図で引っかかり皆んなに報告すると

「じゃあ俺に任せてくれ」

ヨシユキが名乗り出た。自分の実力を見せておきたいという事だそう

ゴブリンが見えてくる

「おお!スゲェな。マジで居たよ」

地図の事も伝えていたけど実際に索敵が出来ていると驚いていた。2人ともいつ魔物に出くわすか分からない旅をしていたので羨ましいみたい

「じゃあ、俺もビックリさせてみようかな!

エクスプロージョン!」


は?


ビー玉のような火の塊が高速で飛んで行き、ゴブリンに当たる寸前に凄い爆発音と共に直径5mが爆破した


「待て待て、ちょっと待て!火の魔法だよね?何で爆発するん?」

唖然とする4人の中、直ぐに我に返った海斗が聴きだす

「火の魔法って言ってもイメージ次第で何でも出来たんだよ。だから燃やせるんなら爆発もいけるんじゃね?と思って放ったら出来た」


マジか・・発想が豊か過ぎて逆に凄いな


「頼むから超新星爆発とか核爆発とかやめてくれよ?」

発想次第では出来てしまうのではないかと思って一応釘を刺しておかないと

若いって時々暴走するからな

「大丈夫だって!出来そうにないから。」


おい、今はまだって何だ!絶対するなよ。この星が終わってしまうだろう

ヨシユキのポテンシャルがヤバいという事は理解した。

こりゃマジでこの世界に飛ばされたメンバーはチート持ちなんじゃなかろうか?

「お兄は私がちゃんと首輪をしておきますので安心して下さい」



海斗の心配を察知したスミレがフォローしてきた



いい兄妹なんだね。頼むからマジで暴走は止めてね


「そう言うスミレも爆発系使ってるくせに、俺よりエゲツねぇじゃねぇか」


え?今何と仰った?

「よ、ヨシユキ君?それはどうゆう・・」

「いや、水の魔法って言っても必ず水である必要はないよね?って話していたらガソリンとか塩酸とか作れたんだよね。

スミレ、理系の大学行きたくて色々勉強してたからさ、成分のイメージしやすいみたいで

そしたら水蒸気爆発とかブリーブ現象、ナパームまで出来るようになったんだよ

塩酸の水刃とかエゲツなかったよ、マジで」

ええぇ・・

マジか、無いわー、スミレさん無いわー

海斗は顔が引きつり、レオン達は話がよく分からず首を傾げる


「お兄!私そんなに酷くは無いよ!ほら、海斗さん引いてるじゃん」


よし、スミレさんだけは絶対に怒らせないように気をつけよう


そう心に誓った海斗であった
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