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第3章 魔王編

道中

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「何でいきなりボタンを押しちゃうかな?」

ギャグみたいにヘッドスライディングをかまして、お尻が上がったまま動かないレオンの姿を呆れながら見つめる3人

「うぅ・・だってよ、押すな押すなと言われたら、押してくれって言ってるようなもんじゃん?」


芸人か!

何故に異世界人がそのギャグを知ってるかな?てか実際にやる奴初めて見たよ

レオンが回復するまで暫くかかり無駄に時間をロスしてしまった

「あー、まだ首が痛ぇ・・」

そりゃそうだと思い街道を走行している。

あの後、もう一度念押しをして走り出したのだがレオンがあまり懲りて無さそうだったのでビニールテープを取り出してボタンをガチガチに巻いて押せないようにした。

最初からこうすれば良かったよ

いきなりこれじゃ先が思いやられそうだけど今のところは順調に進んでいる

レオンとメアが乗り慣れてないので1番前を走ってもらい、その速度に合わせてサーニャと海斗が付いていく形をとっている。

海斗の地図で確認、魔物を見つけるとSCで拘束、3人がトドメを刺すサーチアンドデストロイ作戦でいく事にしている。

「海斗がいると道中が楽だな」

「なんか今までの苦労が何だったのかと思います」

「やっぱり理不尽なのよ」

3人とも酷い言い草だな。楽なら良いじゃん?

あ、そうゆう事じゃなく。気が緩んでしまうのがマズイと

確かに緩んでいるよね。

キックボードが楽しいのか3人ともはしゃいでますもんね

さっきからずっと俺だけだぞ?働いてるの

お昼を早目に取るために街道を外れて休憩する事にした。

今日のお昼は意外と暑かったので素麺だ。

細い麺が珍しいのか3人ともしきりに質問してくる。

取り敢えず食べてみろよと、麺つゆの入った小鉢とわさび、刻みネギを渡す。

後一品欲しいなと思い、米を炊く。やっぱり素麺にはオニギリでしょう!と言って握りすぎた

氷水の中に入っている素麺に困惑顔の3人、海斗は気にしないで食べ始めた。

うん、青空の下で食べる素麺は最高!オニギリも塩と海苔だけだけどそれがまた良い。

幸せそうに食べる海斗を見て食べ始めると、もう止まらなかった。

「冷たっ!?けど美味い!」

「オニギリって言うんですか?凄く美味しいです」

「これお代わりしてもいいの?」

そうだろう!この組み合わせは最強でしょう!あ、サーニャはあまり食べ過ぎるなよ?後でマーライオンになっても知らないからな?

そう言うとちょっとだけ遠慮して食べていた

「うっぷ・・ちょっと食べ過ぎたかも」

レオンはお腹をさすって仰向けに倒れている

いや、お前がやるんかーい!

呆れてモノが言えない。メアもよくレオンと一緒になろうと思ったよな

何時もは引っ張ってくれるしカッコいいんだよと

惚気か!

CDで爆破させてやろうか・・

おっと、心の闇が

残念な理由でお昼休憩を長くとって、また走り出す。

暫く走っていると町が見えてきた。

「そう言えば思い出したけど今回もジャンケンしてみるか?」

海斗がそう言うとサーニャに断固として拒否された。流石にもう引っかからないか


まだ日は高いけどこのまま進むと確実に野宿になる。なので早目に寝て朝早く出る事にして今日はこの町に泊まる事にした。

町の中に入ると先行していた冒険者がチラホラ見受けられる。

多分馬車の人達だろう

町の中を進んで行き、宿を探す。前回はヴィン様が出してくれて、護衛も兼ねていたので良い宿だったけれど

流石に今回は普通の宿が良いだろう。

海斗にとってはシャワーが浴びれればどの宿でも構わなかった。

やっぱり近隣から避難してきた人、これから志願していく冒険者達でどの宿も予約が一杯になっている。

手分けして探しているとサーニャが確保出来たみたいだ!やったね

合流してその宿に向かおうとしたのだがサーニャが微妙な顔をしている

「サーニャ?」

「確保は出来たんだけど、ちょっと宿でトラブルがあったみたいなの」

えー、何それ

聞くと宿の人と客の間で食い違い?みたいな事が起こっているそうだ

トラブルは勘弁してほいなぁ、無視出来るなら無視していこう。

3人にも自分からなるべく首を突っ込まないように注意してから宿へと向かった。

宿に到着し、カウンターに進むと何やらまだ言い争っている様子だ。

3人は訳も分からず首を傾げている。

海斗が聞き耳を立てていると、どちらもチンプンカンプンな事を言っていた。

何というか会話が噛み合っていないのだ

変な客だなと思い隣のカウンターに立って呼び鈴を鳴らす。

「いらっしゃいませ」

受付の人が元気に挨拶してくる

「すみません、先程この子が4人で部屋を予約したと思うんですけど」

「はい、伺っーー」

「あーーーー!!」

急に大きな声を上げて海斗を指差してきた

先程まで言い争っていた客だ。

何だろうと思いよく見ると2人の男女で男は黒髪の黒目、女性は茶髪に黒目で2人とも少しボロボロになっている服を着ている。

「おま、え?日本語ーーー!?」

男は海斗の言葉に反応したみたいだ

ん?日本語?え?

もしかして・・

「日本人?ですか?」

男女2人は驚いたあと海斗の腕を掴んできた



「ううぅ、た、助けてくれ」



もう、何がなんだか
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