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第2章 学園都市ウォーレン

真相

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ウルは海斗を睨みつけ、まるで仇を見つけたかのように叫び出した。

「海斗君、ウルの恨みでも買ったのかい?」

「いや、初めましてなんですけど。」

急に相手が意味も分からずにヒステリックになるとこっちは困惑するんだけど

というか俺何かしたのか?勘違いって事はないよな

幾分か冷静になり状況を確認していると、ウルの操っている影の様なものからアリアが現れる

「アリア!」

「おっと、動くんじゃないぞ!は手癖が悪いんでね。アリア嬢がどうなるか分からないぞ」


影はアリアの身体を拘束しながらウルの斜め後ろにアリアを置き、ゆっくりと首に纏わりつく

「ウル、何故だ?何故そこまで彼を憎む。それに彼女は関係が無いだろう?彼女を離すんだ」


「そいつが俺の計画を何もかも潰しやがったからだ!それにアリア嬢も無関係じゃない。アリア嬢は俺にとって大事なキーパーソンなんでね」


計画?どうゆう事だ?俺何かしたっけ?

「ウル、計画っていうのはどうゆう事だ?」

アルフは武器を構えて警戒している。


「あんなに頑張って、綿密に計画を立て、冒険者も情報と誘導したおかげで途中までは上手くいっていたんだ!後少しで全部成功すると思ったら、お前が邪魔に入ってきた!」


んん?なんか要領を得ないぞ?

「ゴメン、マジで意味が分からないんだけど」

「クソ!こんな馬鹿に止められたのかよ」

この野郎、自分だけが分かる言葉で喋るから理解出来るわけないだろ!

「まあいい、馬鹿なお前でも分かりやすいように説明してやる。自分のした事がどんなに罪だったか理解するといい」


それからウルが自分の計画がどれだけ完璧だったかを饒舌に語った。

冒険者ギルドに足繁く通い、情報を集め有望株の冒険者には別の街で珍しい魔物が出たと誘惑したり、又は推薦状を偽造して王都へ勧めたりして間引きをしていた。

そして、ある日ゴブリンの群れを使い、ある街を襲わせる計画を立てる。すると狙い通り救援要請が学園都市の冒険者ギルドにも入ってきた。

ゴブリンに長期間に渡って襲わせるようにすると、ある程度強い冒険者が討伐の為に居なくなった。

するとある日、2人組の男女が凄い魔法を使って殲滅したと言う話がでた。

これはとある所から情報を仕入れていたので、2人組が必ず街を通り倒す事まで計算していた

その話を自分だと分からないようにギルド経由でヴィンの耳に入れさせると、こちらの狙い通りの冒険者を連れて直接スカウトに向かっていく事に成功

冒険者達には他の街でやって欲しい依頼を出しておき、一緒に帰る事が出来ない様に説明させる。

そうすると必ず向こうで冒険者を募るはずなので、向こうのギルドに盗賊の冒険者を紛れ込ませ依頼を受けさせることに成功した。

その帰り道、馬車を襲わせて攫い、ついでにヴィンを亡き者にする予定だったのに海斗に邪魔をされてしまう

冒険者ギルドで依頼の失敗とヴィンの死亡の連絡を待っていると、海斗がヴィンと一緒に冒険者ギルドに現れて驚愕し、計画を潰されたと確信して恨んだ。

それから海斗の事を冒険者ギルドで調べつつ他の計画を練り直す事にした

元々攫ってきた後、盗賊達を始末する為に近場にオーガ達を待機させていたのだが、

計画を変更し学園都市をオーガ達に襲わせてその最中に攫うようにしていたが、それも事前に海斗に潰されてしまったと

「貴様の犯した罪が理解出来たか!俺がどれだけ苦労して計画を立てたと思っているのか!全部お前が邪魔をしたせいで潰れてしまったんだ!」

ええー、完全なる逆恨みじゃん。てか全部コイツの所為だったのかよ


「つーか、そこまでしてアリアを攫いたかったのかよ」


アリアを攫って何が目的だったんだ?もしかしてロリコンなのか?引くぞ?



「違う!」


あれ?違うの?アリアもアルフもそうだと思っていたようでビックリしてるんだけど


「俺が迎えに行きたかったのはたった1人だ!間違えるな!!


さぁ!もう遠慮しなくていいんだぞ。無理してこんな奴等の所に居なくてもいいんだ。

俺は全部分かってる、全て受け入れる準備もしてきたよ。俺の処に来て!一緒に幸せになろ?」


ウルはミュージカル俳優のような身振り手振りで演説している。そして此方を見なくなり観客席を見つめる


「さあ!こんな所から出て一緒に暮らそう!


・・マリー!!」



「はぁぁ!?」


待て待て待て!マリーさん!?え?メイドの?

振り返ってマリーさんを見る、マリーさんも驚いている。

そして現状も理解出来てないその他の人達は完全に置き去り状態

海斗は困惑しながらも、取り敢えず狼狽えているマリーさんを手招きする。

マリーさんは動揺していたのだがアリアが心配で、しかも犯人から名前を呼ばれたからには競技場に出て行かなければならないと思い海斗の側までやってきた。


ウルは自分の為に出てきてくれたと思い破顔している。

その顔が非常に非常に気持ち悪い

「あぁ、マリー、やっと、やっと一緒になれる日がやってきたんだ。随分と長く待たせてしまったよね?小さい頃からの約束が果たせるよ。さぁ!一緒に幸せになろう!」

大振りの仕草でマリーに求婚?してきた。


静まり返る会場




マリーは1度下を向いてからウルを見つめて1歩前に出る







「・・私、ずっと考えていたのですが、どちら様でしょうか?」



「「「ええええええ!!?」」」



会場に全員の驚きの声が響き渡った




もう訳わかんないんだけどー!
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