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第2章 学園都市ウォーレン

オーガ戦

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オーガってオーガ?鬼のオーガですか?


『そのオーガで間違いありません』


・・そうですか、それが2匹ですか。ちょっと逃げたい気分なんですけど

モノリスさんに聞いてみるとオーガの平均身長が3m、無骨な剣か斧、若しくはこん棒を振り回し、相手の動きを止める為に威圧の咆哮を放ってくる。

遠くの敵には投擲や火の魔法を使ってくる。皮膚が硬く厚いので攻撃が通りにくいのが一般的なんだそうだ。

えっと、強過ぎない?何でそんな魔物が近くを歩いているんだよ。

気になって眠れないんだけど

取り敢えず近くにはいないのは分かっている。危険度は低いと思うし黒猫や蒼鳥が索敵してくれているので大丈夫だと思う。

明日皆んなで確認した後直ぐにギルドに戻って報告かな。

それからあまり深く眠る事が出来ずにちょっと寝不足気味で朝を迎えた。

朝ごはんを4人で食べた後、昨日見た事を伝える事にする。

「な!?お、オーガだ・・と」

「何でそんな魔物がこんな所に」

「昨日何で教えてくれなかったのよ!」

いや、話してパニックになられても困るじゃん?言い訳だけどもさ

「夜だったし確証が無かったから、今から皆んなで調べに行こうか」

流石にオーガの足跡と聞くと二の足を踏んでいる。そりゃ気持ちはわかるけどさ。

調査と討伐が仕事なんだから調査はしないと

そう言うと何とか納得してもらい昨日の現場へと向かう。

「こ、これがオーガの足跡」

「冗談であってほしかったよ」

だよね、俺もそう思うよ

「これ、学園都市側に向かってない?」

サーニャの一言で2人が驚愕している。

そうなんだよね。そう思って朝から蒼鳥に空から探してもらっているんだけどまだ見つからないんだよね。

なんかウロウロしてるみたいで足取りがぐちゃぐちゃになってるんだよ。

「まぁ、一応ギルドに連絡した方がいいよね。」

「勿論だ!オーガと言えば別名国落としとも言われている。1匹でも大災害だぞ!

学園都市なんか簡単に蹂躙されてしまう!」

海斗の意見にレオンが物騒な説明付きで納得してくれたおかげで調査を切り上げて急いで戻る事にした。

レオンとメア、海斗は走って、サーニャはキックボードで走行している。こんな事ならもっと沢山作ってもらうべきだったかも

『ピュイ』

学園都市が見え始めた頃、蒼鳥から連絡が来た。オーガを見つけてくれたみたいだ。

くそ、結構学園都市の近くに来ているぞ。不味いな

「全員このまま聞いてほしい。オーガを見つけた。学園都市の近くに出没している。急いで戻って知らせないと不味い事になりそうだ」

海斗の言葉に驚愕する3人、出来るだけ急いで戻るように速度を上げるが疲れが出るだけだ。こうなったら仕方ない。

全員を一旦止める。

「どうしたんだ?急いで戻らないと不味いんだろ?」

その急ぐ為に止めたんだと説明して保存の中からバイクを取り出す。レオンとメア、サーニャは初めてみる乗り物にびっくりしている。

細かい説明は後にして海斗、レオン、メアの順で乗ってもらう。

サーニャはキックボードなので後ろからついてこれるスピードにして走り出す。3人乗りとか凄い不安定でしかないけど、フラフラでも走るよりは早く学園都市に帰れる。

「こいつは凄いな!」

「馬もいないのに早いです。」

「ちょっと!早いわよ!」

あぁ、ごめん。ちょっと焦って離してしまった。少しスピードを落としサーニャが追いついてきた。

このままいけば後、10分位で入口に辿り着けそうだなと走っていると

『ピュイピュイ!』

蒼鳥が慌てたように思念を送ってくる。

どうしたのだろうかと地図を見る。オーガは地図の端っこに映っていた。取り敢えずピン留めをすると蒼鳥がまだ慌てている。

もしかしてトラブルか?と思い片目だけ視界を共有する。

オーガの近くに3人の人を見つけた。思わずバイクを停める。

「ど、どうした!?」

海斗の焦る表情に気付いたのかレオンが心配そうに聞いてきた。

「不味い!オーガの近くに3人の人がいる。格好といい多分騎士学校の生徒だ!」

「なっ!?」

「うそ!?まさか、お小遣い稼ぎの為に出てきたんじゃ!?今はギルドで外出制限を出してるはずなんですけど」

「多分、無視したんじゃないかしら?私の友達達もギルドの話を聞くような人達じゃないし」

レオンとメアは元生徒なのでちょっと納得している表情だ。サーニャは困った様子でクラスメイトの安否を心配している。

流石にそのままにしておくわけにもいかない。生徒達がオーガとかち合う前に助けださないと

3人は恐怖心を何とか抑え騎士学校の生徒達の所へと向かう

「ガアァァァァァァァァァァ!!」

巨大な咆哮がこだまする

不味い!生徒達が見つかってしまったみたいだ

3人を置いて先行すると生徒達の前にオーガが1匹近づいていた

咆哮の所為で生徒達は腰を抜かして動けないようだ。このままだと危ない!

瞬動で生徒達の前に出る。空間の術でオーガの動きを停める。

「ガッ!?ガァア!」

やべぇ!めっちゃキレとる

振り向くと完全に戦意が喪失していた。逃げろと言っても動かないだろうと思い、全員を瞬動で移動させようと思い行動を開始する


ピシピシッ!


は?


オーガを見ると空間の術にヒビが入っていた。


なっ!?嘘だろ!

「ガァァァ!!」

ガラスの割れるような音と共に空間の術が破られる。オーガは石のような斧を持っており海斗に振り下ろしてくる。

速い!

スローモーションでも速いと感じて瞬動で避ける。地面にぶつかった衝撃で起きた石や土の礫が生徒達を襲い軽く吹き飛ばされる。

なんていう馬鹿力だよ!?

オーガは石の斧を横薙ぎで海斗に襲い掛かった。空間の術で厚さ30cmの壁を2枚置く

一撃目を受け止めれたが、それに怒ったオーガは何度も叩いてきて、空間の壁にヒビが入る。

「まじか!?」

1枚目の壁が壊された。これは不味いと思い、先ず生徒達を避難させようとバックステップで距離を取る。

「ガアァァァァァァァァァァ!!」

オーガの咆哮で身体が竦み立てなくなる。

もしかして威圧ってやつか!?

その間にオーガは2枚目の壁を壊す。そして海斗を完全にロックオンして攻撃を仕掛けてくる。

海斗は幻術を使い何人もの海斗を作り出してオーガの周りに配置した。

困惑したオーガは手当たりしだいに海斗を攻撃している。そしてオーガが後ろを振り返った瞬間にフラフラと1人づつ生徒に近づいて3人を集める事に成功した。

しかし、その間に幻術の海斗は全てやられてしまい海斗が気付いた時にはオーガが目の前で振り下ろしている途中だった

瞬動だと全員に触れていないので移動させられない。ギリギリで空間の壁を作ったが、薄く威力を弱めるしか効果は無かった。

「ぐはっ!?」

吹き飛ばされる海斗と生徒達。転げ回る海斗は辛うじてオーガを視界に捉える。

オーガは近くにいる生徒の1人を踏み付けようと足を上げていた。

カシャ!

オーガを視界に入れ保存の中に入れる事に成功する。

「さ、最初からこうすれば良かった」

ホッと一息つき、写真の保存に入っているオーガを見て勿体ないなと思いつつゴミ箱をタッチしようとしたが、ゴミ箱が無い。

嘘だろ!?消去出来ないのかよ!生き物だから?それとも他に理由があるとかなのか?

こんな危ないもの入れっぱなしとか嫌だぞ!

ヨロヨロと起き上がり身体を確認する。打ち身が多いけどポーションで回復する程でもなさそうだ。

そうこうしているとレオン達が追いついたみたいだ。

「おい!オーガはどうなった?」

「今の所何とか動きを封じているよ。襲ってきたのは1匹だけみたいだ。今の内にその3人を連れて行ってほしいんだけど」

海斗の言葉に驚き、ボロボロになった姿を見て

「なら海斗も一緒に行くぞ!」

そうしたいのは山々なんだけど

「それは出来ない、まだもう1匹いるんだ。全員が固まっている所を襲われたら不味い。流石に全員を守りながらは戦えないよ」

その言葉に苦虫を噛み潰したような顔になり、生徒達を何とか起こして肩を貸しかながらその場を離れていく。

「海斗、死ぬなよ」

「そんなフラグを立てんでよろしい!」

「相変わらず意味が分からん。出来るだけ早く応援を呼んでくる。持ち堪えろよ」


「直ぐに逃げてくるよ」

レオンはふっと笑い、直ぐに真面目な顔になった後急ぎその場を離れていった。

「さてと・・」

このまま逃げたいのは山々だけどさ、もう1匹近くにいるし、こんなのが学園都市に入ってきたらやば過ぎるだろ!

それにずっとオーガを保存に入れておきたく無いってのもある。ならに倒されてもらおうか。

上空を見てズームをかける。そしてオーガをリリースした。

今回は2500mのスカイダイビングだ!自分の自重で潰れろ!

約23秒なら何も出来ないだろう。



リリースされたオーガは自身の置かれている状況を素早く理解した。身を捻り地面に向かって火の魔法を何度も放つ。そしてぶつかる瞬間に吠えた

「ガアァァァァァァァァァァ!!」


地面にぶつかった衝撃で舞い上がった土煙の中、ゆっくりと蠢く影が現れる


な!?なんでそれで生きてるんだよ!
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