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第2章 学園都市ウォーレン

第3魔法科学校、アリアの護衛

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「海斗様!私もキックボードに乗ってみたいです。

あっ!今日からよろしくお願いしますね」

護衛初日の朝、マツキヨ商会の前で待ち合わせをする事になり、店先で待っていると馬車が走ってきた。

最初に出会った時に乗っていた馬車である。

その馬車から降りてきたアリアの開口一番の一言だ。

「あ、うん、はい」

何と答えて良いのだろうか?お付きのメイドさんが苦笑いしていた。

まさか、いの一番にキックボードの話題が出るとは思ってもみなかったよ。

なんか目をキラキラさせて見られているのでキックボードを取り出す

「まぁ!これがキックボードなのですね!」

手を合わせて喜んでいる。取扱を説明して絶対にスピードを上げないように注意した

アリアは最初は恐る恐る乗り、初めはキックしながら乗っていたが、慣れてくるとアクセルを少し開けて店先をグルグルと回るようになった。

それをメイドさんがハラハラと見守っている。


苦労してますね。

アリアは乗り慣れて余裕が出てきたのかこちらに向かって手を振ってきた。


その瞬間アクセルを開けてしまったのかウィリーをして吹き飛んだ。

「お嬢様!?」

地面に叩きつけられる瞬間に、瞬動の術で近付いて抱き上げる


「あ、ありがとうこざいます」

「いいえ、お怪我は無いですか?」

「はい」

顔を真っ赤にしていたので地面に下ろしてあげ、立たせてあげた。

メイドさんが寄ってきてアリアを心配している

絶対にやらかすと思ってましたよ。先にSCをセットしておいて正解だったね。

キックボードを見ながらアクセルを取っ払うか、スピード制限を付けたら乗せても良いのかなと、今度キキに相談してみようと思う


今日からアリアの護衛なのだが、一緒にメイドさんも付いてくるとの事。


あれ?いきなり2人分になっちゃったよ?

メイドさんはマリーさんと言う名前で年は20才、アリアの小さい頃からの専属メイドなのだそうだ。

今回アリアの護衛でも専属なので絶対について行きますとの事でマリーさんが自動的に護衛対象となった訳だ

うん、そうゆうのは早目に教えて欲しかったかな

という訳で護衛対象が2人となりました。アリアとマリーさんと一緒に馬車に乗って第3魔法科学校へと走り出した。


第3魔法科学校

外見は洋風なお城のようだ。ザ・魔法学校という感じ

周りの生徒達もローブを着ているし、これで箒持っていたら完璧なんだけどなぁ。

学校の入口で馬車を降りて3人は先ず校長室へと向かう事にした。

コンコン

「失礼致します。お祖父様、参りましたわ」

中に入るとヴィン様と、30才位の男性と50才位の女性の3人で、机の上の書類について話し合いをしていた。

「おお!アリア、来たか。海斗殿、今日からよろしく頼む」

「はい、分かりました」

マリーさんの事は何も言わないのね。あ、暗黙の了解ってやつですか。

ま、ここで文句を言うほど空気の読めない人間ではないですよ。

「貴方が海斗さんなのですね。初めまして、孫と主人を救って頂きありがとうございます。」

50才位の女性からお礼を言われヴィン様の奥さんだと気付く。

名前はサーサさん、座学の授業を担当しているそうだ。

もう1人の30才位の男性はマルコさん。こちらは実技の授業の総合担当をしている。

「いえ、偶々通りかかってタイミングよく助けれただけですので」

「ふふっ、主人の言う通りの方ですね。それに聞くと凄くお強いらしいとか?」

俺の個人情報ぉ!

「そうなんです!お祖母様、海斗様は凄くお強いのです。」

アリアは助けられた時の事や道中の事を思い出したのか、フンス!と拳を握りながら熱く語っている

「そうなのですか?校長、そんな逸材ならどうでしょう?良いタイミングかと」

ん?やな予感しかしないぞ

「ふむ、海斗殿。第3魔法科学校に入学してみる気はないか?目立ちたくないのは理解しているのだがの」

困ったような顔で入学を打診されてきたんだけど

「申し訳ありません、私は魔法の適正が無いみたいなので」

「「えっ?」」

ヴィン様とアリア、マリーさんが凄く驚く

「けど、一瞬で移動したり空中から物を取り出したり、防具を瞬間装着したりとか時空間系の魔法を使われていたのではないのですか?」

ああ、そうゆう事か

「いえ、あれは私が持っているスキルの1つですよ。装置で確認したら真っ白な魔力で適正無しと言われました。」

白と言った時にまたびっくりされた。うーん、スキルと魔法の違いが分からない。

何故、魔法と間違われていたんだろうと聞いたら、スキルでは使えても1つだけと言われた。

なので物を出し入れするのと自身を移動させるのは同じ時空間系でも別物なのだそうだ。

なので魔法と勘違いしたそうだ。

成る程、言い訳ができなくなってきたぞ。『スマホ』なんてどう説明すれば良いのだろうか?

この世界には無い概念だからなぁ、説明のしようもない。

よし、ここは必殺!

「そう言えば先程から何を熱心に話されていたのですか?」

「ああ、今度の校内選抜の試合で出場選手を見ていたんだが、中々良い選手が居なくてね

それで、この前地方に凄い魔法を使う人物がいると言われて直接スカウトしに行ったんだが、着いた時にはもう居なくなっていてな

その帰りに海斗殿に助けて貰ったのだ」



良し!話のすり替えに成功したぞ。

そういえば、とある予定がどうのこうの言ってたな。直接スカウトしに行くとかアクティブ過ぎない!?

「何故居なくなってしまったんでしょうね?」

ヴィン様が苦い顔をしながら言うには

・最初、村にゴブリンの群れが襲ってきた。

・村人の必死の抵抗も虚しく絶体絶命の危機に2人の男女がやってきた。

・2人の内、男の方が凄い火の魔法を使い、女の方も水の魔法を使いゴブリンの群れを討伐してみせた。

・村人達は喜んで2人を歓迎したのだが、言葉が通じなかった

・身振り手振りで話し、泊まってもらっている内にヴィン様に連絡がきたそうだ。

・年齢的にも10代なので言葉を学校で習い、ヴィン様は凄い魔法使いを確保できるWIN-WINの関係になれるじゃないかと

・2人は何を勘違いしたのか遠くから人が来るのを悪い事に感じたらしくヴィン様が到着する前に居なくなってしまった


「確か男の名前がヨシユキ、女の方がスミレといったか?」

え?ヨシユキ?スミレ?言葉が通じなかった・・

それってさ、一緒に飛ばされた人だよね

「ん?どうした?海斗殿?」

「い、いえいえ!」

まさかこんな所で他の人の情報が入ってくるとは思ってもみなかったよ

そっか、皆んな色々頑張っているんだね

このまま旅を続けていたら何処かで出逢う事もあるかもね

いや、びっくりだよ
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