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第2章 学園都市ウォーレン

まさかの在校生!

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海斗は冒険者ギルドを出て少し放心状態で街を歩いている。

それは数十分前の出来事

「お、お待たせ致しました。ぜ、全部合計しまして、162万ゴールドと、な、なります・・」

「おっふ!?」

沢山貯め込んだもんだと思っていたら、恐ろしい金額になっていた。

お金を受け取る時、お姉さんの手が震えていた。海斗の手も震えている

周りを見てみると職員の方々の視線が痛かった。怖がられたのは初めてだなぁ

ずっと貯め込んでいたんです!と説明しても聞いてくれなかった。
まあ、オークの魔石とかあったからね。

あれをオークとは認めないけど。

はぁ、ギルドに行きづらくなってしまった。

半ば放心状態でも道は間違えない。地図があるから

着いたのはマツキヨ商会

マツキヨさんに魔道具科学校の事を聞いてみようと思い立ち寄ってみたのだ

「「いらっしゃいませ!」」

元気の良い声が聞こえてくる。店の中は明るく、色々な商品が綺麗にディスプレイされて雰囲気がいい。

思わず店の中を見て歩いていると

「おや、海斗さんではないですか!」

目的のマツキヨさんが向こうから来てくれた。

「こんにちは、今日は少し聞きたい事がありまして」

「そうですか!ならこちらはどうぞ」

マツキヨさんに案内された部屋は所謂VIPルームというやつだ

高級そうな調度品の数々、座るのに躊躇しそうなソファ、高そうなカップに良い香りが漂う紅茶

一介の大学生には場違い過ぎるよ

零さないように慎重に紅茶を口に運ぶ。味は緊張で分からない

「さて、今日は何を知りたいのでしょうか?」

「実は魔道具科学校に興味をもちまして、で、この街に知り合いがマツキヨさんだけでしたので何か知っていれば教えて頂けないかと思いまして」

「成る程、それは非常に良いタイミングでした」

「え?」

マツキヨさんは呼び鈴を鳴らし入ってきた従業員に何か指示を出し、従業員は部屋を出て行った

「ちょうど娘が課題の為に戻って来た所なのですよ。なので現役の学生に聞いてみるのが一番いいと思いまして」

え、ちょっと待って!

マツキヨさん娘がいるのー!?

まだ20台後半位に見えるんだけど!?娘さんいくつですか!?

聞くとマツキヨさんが17の時に産まれた子供なんだそうだ。

因みにマツキヨさんの年齢は29才、娘さんは12才という事になる。

小4という事か。それで魔道具科学校に入っているとか凄いな!?

「失礼致します。お父様お待たせしましたか?」

「いや、大丈夫だよ。ほら、挨拶なさい」

部屋に入って来た女の子は赤い髪がウェーブしておりマツキヨさんの髪の色と一緒だった。
白を基調としたワンピースを着ており、綺麗なカーテシーで挨拶してくる。

「初めまして、キキと申します。この度は父を助けて頂いて大変感謝しております。なんと御礼を申し上げればよいか」

12才のセリフじゃないよね!?ヴィン様の所のアリアと言い、教育凄くない!?

「あ、初めまして海斗と言います。マツキヨさんにはこちらこそお世話になってます。」

たどたどしく挨拶を交わしてソファに座ってもらう。

「ーー私の学校の事に興味がおありなのですか?」

「と、言うより通常のバッグをマジックバッグに出来るらしいと聞きまして。
マツキヨさんに教えて頂けないかと思って伺った次第なんです」

横に置いてあったバッグを見ながら答える

キキがクスリと笑って

「お父様言葉使いを元に戻してもよろしいでしょうか?海斗様がお辛そうです」

「ああ、構わないよ」

「ありがとうございます。海斗さん、そちらのバッグを見せてもらっても良いですか?」

フランクになったキキの口調でホッとした海斗はバッグをキキに渡す。

「うーん、これならマジックバッグに加工可能ですよ」

え!やった!

「1週間程お借り出来れば大丈夫だと思います。内容量としては10m四方という所でしょうか」

そんなに入るの!?あ、材料が良い物使っているからですか。合成皮なんですけどね。

勿論2つ返事でお願いする事にした。加工料金は要らないそうだ。

恩人からは取れないと。いやいや、それとこれは別でしょうと何故か払う払わないで争う事となった。

そして折れたマツキヨさんが代わりの条件として出来上がるまでキキの身辺警護をしてくれないかと言ってきた。

護衛は貴族とか商会の子供ならつける事が当たり前に存在して、学校の中も普通に歩く事が出来ますよ!

学校の授業とか色々興味があるんじゃないですか?

と、誘惑されて負けてしまった形だ

流石商売人、口で勝てる気がしない。明日から支払いの代わりとして警護に当たる事になった

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