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第1章 最初の街

救出作戦3

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「なんだ!?今度は一体なんなんだ!?」

ゴンズは苛つき、怒鳴りながら周りの私兵達に当たり散らしている。

何故自分の屋敷が狙われなければならないのか?

浮浪児なぞ売られたからといって誰も困らないだろうが!

街の景観を汚すゴミをリサイクルしてやっているんだから逆に感謝してもらいたいくらいだ。

親指の爪を噛み、書斎の机を蹴りつける。

「私が出て行って収めてきましょうか?」

左頬に傷のある男が話しかけてきた。

「ならん!ガウス、貴様はワシの護衛だろうが!貴様の部下だけで十分だろう。早く侵入者達を消してこい!」

ガウスは部下に顎て命令すると数人を残し部屋を出て行った。

ゴンズの部屋の真ん中には、侵入して来た奴らの1人、女が縛られて横たわっている。

「ワシの屋敷をめちゃくちゃにしよって!楽に死ねると思うなよ!」

思いっきり腹を蹴りつける。
女は呻き声を上げてこちらを睨みつけている。

なんて忌々しいんだ。だが、コイツには色々と聞かなきゃならん事がある。

「おい、貴様らは何処の者達だ?他に仲間はいるのか?」

女は何も喋らない、苛々が増していく。ワシを煩わせるなぞと許しがたい事だ!

女の髪を掴み上げ吐かせようとすると唾を顔に吐かれた。

ゴンズは顔を真っ赤にし、思いっ切り頬を殴りつける。

女は殴り飛ばされ床を転がるが、一泡吹かせたのが嬉しかったのか、フッと笑った。

それに激昂したゴンズはタオルで顔を拭いて床に叩きつけた後、ガウスを呼ぶ。

「少しは痛めつけた方がいいようだな。手足の一本や二本無くなれば自ずと吐くだろう」

ニヤニヤしながらガウスに命令する。

ガウスは溜息1つ吐いて腰に下げていた剣を抜く

キラリと光る刃先が女の方に向かう。

ガウスの部下が2人女の両腕を持ち上げて膝立ちの格好にさせた。

ガウスは剣を振り上げて片腕を斬り落とそうとした瞬間、ドンという音と共に壁が破壊された。

全員の視線が破壊された方へと向かい壁の中から両手に奇妙な武器を持った男が1人入ってきた。



------------------


危なかったーー!ギリギリセーフだ

双銃の威力を上げて壁を撃ち抜きながらショートカットをし、ゴンズのいる部屋へと入ったのだが

ミリィが斬られる寸での所で壁を破壊し侵入出来た。

全員がこっちに注目している。
ミリィも振り向きざまにこちらを見てビックリした顔をしていたが、海斗にとってそれどころじゃない光景が目に入ってきた。


誰だ?女の子の顔を傷つけた奴は?


一緒に付いてきたダンは壁の裏に待機してもらいフォローをお願いしている。

「な!?何者だ!」

ゴンズは慌てていて、声が上擦っている。


誰がミリィの顔を傷つけたのか考え込んでいると、何も喋らないと判断したのか

「どいつもこいつも!喋らないのならば皆殺しだ!ガウス!やれ!」

ガウスが海斗の前まで歩いてくる。2.5m位の間が空いている。

「フン、残念だったな。その若さで命を落とす事になるとはな。

お前みたいな奴でも私の名に聞き覚えがあるだろう?」


何言ってんだろう?なんで敵対する奴に語り掛けてくるんだろうか?


コイツ馬鹿なのか?と思いつつ勝手にベラベラと喋って時間稼ぎしてくれるなら良いかと思い、海斗は双銃の威力を最小に変えておく。

「流石に恐ろしくなって声も出せなくなったのか。まぁ仕方あるまい。
そうだ、貴様の思っている通り死神のガウスと呼ばれている。」

いや、知らんがな

と言うか二つ名とか厨二か!?
海斗の頭に登っていた血はドンドン下がっていき、ミリィの状態を見てこの部屋の全員、どうしてやろうかと考えていた。

「そして貴様に絶望を与えてやろう。この武器が見えるか?
そうだ、魔剣だ。
ダンジョンの奥深くからしか出土しないというあの魔剣なのだよ!

しかも伝説級の代物。万が一にも貴様に勝ち目はない

フフッ、大人しく斬られて死ぬがいい」

・・えっと、いいかな?

もう話が終わったって事でいいのかな?

相手を見ると説明を終えて満足したのか、ドヤ顔で剣を構える。

後ろのゴンズもニヤニヤしながらこちらを見ている。

溜息を付いてガウスの剣を見ながら瞬きを1つ


カシャ!


ガウスの手から魔剣が消えた。

「は??」

ガウスは何が起こったのか分からないでいる。

手から急に重さが無くなった。

よく見ると長年の相棒、いくつもの死線を越えてきた魔剣が消えている。

そして腰に下げていた鞘もいつのまにか消えてしまった。

「な、な、何がーーーうごっ!?」

海斗の銃から一撃、ガウスの腹に目掛けて撃ち抜いた。

流石に鍛えていたのか、なんとか踏み止まり腹を押さえてこちらを見る。

動揺が隠しきれないようだ。

なので遠慮なく双銃を向けて全弾撃ち込んだ。

ガウスは全弾受けて紙のように舞ってボロボロの状態で床に転がる。

あまりにも一方的過ぎた

相手は予想も出来なかった事態が目の前で起きたので、思考が停止してしまったのだろう。

沈黙の時間が流れた。

とりあえずリロードしてミリィを押さえていた部下に2発づつお見舞いする。

2人が吹っ飛んだのを見てダンが駆け寄りミリィを支える。

「ミリィ!大丈夫か?」

「うん、何とか。ねぇ、アイツは誰?」

ミリィはこちらを見ているが海斗は変幻を解いているし、サングラスとマスクにニット帽という不審者丸出しだ。

流石に分からないだろうと思う。

だがダンの耳打ちと双銃で驚いていた。

「ダン、今の内に皆んなと合流して脱出して!グレン達は無事救出出来たみたいだ」

地図上ではグレン達が外へと移動を始めていた。

ダンは頷くとミリィを負ぶって壊した壁から出て行く。

すれ違う瞬間

「海斗、ありがとう」

ミリィが囁くように言って出て行った


「ま、待て!!おい!アイツらを逃がすな!殺せー!」

ゴンズが慌てて叫び私兵達が追いかけようとするが、そうは問屋が卸さない。

双銃で足や頭を撃ち抜き吹き飛ばす。

此方に向かってくる1人には3発、撃ち抜いてから下から顎目掛けて一撃。

最後にアッパーカットの要領で撃つと斜め後ろに飛んでゴンズの前に落ちていった。


「ひいっ!?」

ゴンズは腰を抜かして後退り、此方に指を指してきた。手が物凄く震えている。

「き、き、貴様ワシが誰か分かっておるのか!絶対に許さんぞ!」

何か言ってるけど全力で無視。

取り敢えずコイツが全ての元凶だと思う。
双銃をしまい、NFAのガチャで当てた刃物系の中で唯一のSRの武器を取り出す。

刃物系の筈なのにグローブなのだ。
肘まで覆われた金属製のグローブで、手の甲にはリボルバー、肘の近くには噴射口が2つ付いている。

なんか雷エフェクトでグローブが全体的にバリバリ鳴ってるんだけど気にしない。

拳を握りしめて構える。

リボルバーを意識すると1度ガシャンと音が鳴り噴射口からジェット噴射が発生して、凄い推進力が出来た。

その勢いのままゴンズの顔面をめり込ませる様に殴り飛ばした。

流石に強化はしてなかったけど結構な威力なんだね。だけどゴンズを気絶させるまではいかなかった。
のたうち回っているけど

ゴンズの歯が無くなって鼻血が凄い。

けど結構スッキリしたよ。


地図でダンやグレン達を確認しているとこの部屋の書棚の後ろに変な空間があるのに気付く。

丁度ゴンズのいる壁の背後だ。グローブを仕舞ってビームサーベルを取り出す。

長さを調整して壁を斬りまくった。ゴンズのギリギリを斬ったのはご愛嬌だ。

斬り終わって壁が落ちてくるとゴンズの顔は真っ青になり気を失って倒れた。

怖かったんだろうね。痛みと出血のせいではないと思う。

よく見ると、ゴンズの股がどんどん濡れてきて下の絨毯に広がっていっているけど、見なかった事にしておこう。

現れた空間には、ものすごい量のお金と書類が置いてあり、所謂、裏帳簿とか不正の証拠というやつだ。と思う。

残念な事にこの世界の文字は読めないので取り敢えず保存しておこう。

うっかり周りにあるお金も全部保存してしまったけど、うっかりって怖いよね。

グレン達全員が脱出したのを見計らってからアプリをSCに切り替えて瞬動と空間、走破を駆使して脱出した。
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