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1章
アルバイト
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ダリルとミズキの兄妹のお披露目をしてから半年が経った。
ミズキは、お昼時の忙しい時だけ、人手の少ない『どんぐり』で、アルバイトをし始めた。
ダリルは、渋!渋!許したが、今だに辞めるように、言ってくる始末だ!
働くキッカケは、『どんぐり』の女将の、軽いギックリ腰で、ダリルに妹を、昼の間だけ、貸して欲しいと。
ミズキは喜んで、手伝いをかって出たが、ダリルは昼間でも飲み屋で働く事に、反対の様だ。
ダリル曰く、昼間だろうが、飲み屋なので、身体でも触られて、ミズキが、嫌な思いをすると。
ダリルさんは、どれだけ、過保護なのだろう?
偏った考えに、ミズキは絶句した。
このままダリルに甘えていたら、居こごち良すぎて、甘やかされて、ダメ人間になる。
ーーーダメ人間になる、自信がある。
ミズキの中で、ダリルは、ダメ人間養成マシン!
ーーーーー決定!
ダリルを、なだめて、諭して、脅して、アルバイトをゲットした。
~~~
お昼は始まったばかり、これから益々忙しくなる。早くテーブルを片付けなくちゃいけない。
ミズキは素早く、テーブルを片付け、扉の方に顔を向けた。
「いらっしゃいませ~」
入り口に視線を向けると、相変わらず、無精髭が生えた、ジェリドが立っていた。
ミズキは、引きつった顔で、ニコリと笑って、空いている席を進めた。
『今日も来たのか!・・ッチ!』
面倒な奴が来たとミヅキは心の中で毒ついた。
ジェリドは、ミズキが『どんぐり』で働き始めてから、必ずと言って良い程通っていた。
『どんぐり』のマスターも連日来るなんて珍しいね?と言っていた。
出会った次の日から、他の女の子には、歯の浮くような言葉を耳元で、囁くのに、ミズキには、歯の浮くような台詞と共に嫌味をブレンドして囁く。
嫌な奴。
最初の頃は、本当に何かしたのかと、思い悩んだが・・・・・・私は気が付いた。
いいえ、知ってしまった。
ーーージェリドは、ダリルが好き!
そう、ジェリドは、ダリルと仲の良いミズキに、嫉妬して!ミズキに嫌がらせをしている。
私は、そう確信している。
そうであって欲しい。
そうだといいな。
もし違うなら、嫌われる理由を知りたい!
嫉妬は迷惑だが・・・むふふふ・・・悪く無いですね~。
禁断の恋!!!
boys love !
キャーーーーーーーッ!!
高校の時、席が隣の子に、一度だけ見せてもらった。
恋愛の意味すらわからなかった頃の私には、物凄い衝撃を食らった。
アレとコレが合体して、コレはあんな所にも入り、焦らされ、泣かされ・・・。
ミズキは家に帰ってから、知恵熱が出て大変だった。
ほんと大変だったわ~と過去を振り返る。
ーーーまぁ、ダリル兄さんは、相手にすら、してない様だけど!まあ頑張りたまえ、ジェリド君!
わはははは~ざまぁ~~見ろ!不毛な恋は辞めて、明るい恋愛でもしろ!
そして、私に対して!今までの非礼を詫びろ!媚びろ!!そして、土下座だ!!
少しの間妄想の住人になっていたミズキは、ハッとして、注文を取りにジェリドの所まで行った。
「今日は、何になさいます?」
メニューをジェリドに見せながら、引きつった顔で愛想笑いを浮かべて注文をとった。
「その、胡散臭い笑顔が素敵だねぇ、ミズキ!君を頂こうかな?」
ジェリドがウインクした。
引きつる笑顔で何とかかわす。
ボサボサ頭の無精髭でウインクされてもね?
だが、暴言は許すまじ!!
『いい加減にしろよ、このセクハラホモ野郎!!』
心の声を、ぐっと飲み込む。
冷静に!冷静に!今は仕事中!今は仕事中!今は仕事中!!
ミズキは、呪文の様に小さな声で何度も口の中で呟いた・・・。
呪文の様に。
精神統一、完了!!
「本日のオススメは、白身魚のムニエルに、当店オリジナルのアボカドのソースと、蒸し鶏とかぼちゃのコンソメサラダ、食後にリンゴのムースが付くAランチです」
「ふ~ん?ミズキちゃんが俺の為に選んでくれた、Aランチを、お願いしようかな!そう言えば、ミズキちゃんは、手当たり次第に店に来る男達に、色目でも使っているのかな~ダリルの次を探してるのかな~?」
「えっ?」
ジェリドにとって、いつもと同じ嫌味だろうが、聞き捨てならない・・・今?・・・何て・・言った?・・・色目だと?仕事中で無かったら、無かったら、殴っていた。
手はいつの間にか、握りコブシを作っていた。
今からでも遅く無いはず、1発!殴らせろ!!
「嫌ですよ、お客さん、知らない人が聞いたら、信じるじゃないですか?おほほほほ」
頬はひきつきながら、笑った。
「オーダー入りま~す。Aランチ1つ」
Aランチを食べ終わると、ジェリドは、「リンゴのムース!お前が作っただろう、美味かったよ。こんな所で男を漁るより、男が欲しかったら俺に声をかけろよ、一晩くらい相手してやるよ!偽物の妹ちゃん」と言って、『どんぐり』を、出て行った。
「・・・」
酷い・・・ダリルさんにお世話になっているから、少しでも自分で稼いで恩返しがしたい一心でアルバイトもしているのに、ジェリドさんはどうして、意地悪な事を言うの。私が男漁ってると言うの?
一晩の相手?
ジェリドさんの口から出る毒で、悔しくて、切なくなる。
ジェリドさんのバカ!アホ!ホモ!!
・・・でも、手作りデザートを褒められるのは、ほんの少しだけ嬉しかった。
ミズキの頬がほんのり赤くなった。
ジェリドさんは嫌な奴なのに、なんでジェリドさんの言葉が、嬉しく感じるのだろう、暴言は許せないが、基本はいい人なのだろう。
あの、ダリルさんの友達なのだから。
ミズキは、お昼時の忙しい時だけ、人手の少ない『どんぐり』で、アルバイトをし始めた。
ダリルは、渋!渋!許したが、今だに辞めるように、言ってくる始末だ!
働くキッカケは、『どんぐり』の女将の、軽いギックリ腰で、ダリルに妹を、昼の間だけ、貸して欲しいと。
ミズキは喜んで、手伝いをかって出たが、ダリルは昼間でも飲み屋で働く事に、反対の様だ。
ダリル曰く、昼間だろうが、飲み屋なので、身体でも触られて、ミズキが、嫌な思いをすると。
ダリルさんは、どれだけ、過保護なのだろう?
偏った考えに、ミズキは絶句した。
このままダリルに甘えていたら、居こごち良すぎて、甘やかされて、ダメ人間になる。
ーーーダメ人間になる、自信がある。
ミズキの中で、ダリルは、ダメ人間養成マシン!
ーーーーー決定!
ダリルを、なだめて、諭して、脅して、アルバイトをゲットした。
~~~
お昼は始まったばかり、これから益々忙しくなる。早くテーブルを片付けなくちゃいけない。
ミズキは素早く、テーブルを片付け、扉の方に顔を向けた。
「いらっしゃいませ~」
入り口に視線を向けると、相変わらず、無精髭が生えた、ジェリドが立っていた。
ミズキは、引きつった顔で、ニコリと笑って、空いている席を進めた。
『今日も来たのか!・・ッチ!』
面倒な奴が来たとミヅキは心の中で毒ついた。
ジェリドは、ミズキが『どんぐり』で働き始めてから、必ずと言って良い程通っていた。
『どんぐり』のマスターも連日来るなんて珍しいね?と言っていた。
出会った次の日から、他の女の子には、歯の浮くような言葉を耳元で、囁くのに、ミズキには、歯の浮くような台詞と共に嫌味をブレンドして囁く。
嫌な奴。
最初の頃は、本当に何かしたのかと、思い悩んだが・・・・・・私は気が付いた。
いいえ、知ってしまった。
ーーージェリドは、ダリルが好き!
そう、ジェリドは、ダリルと仲の良いミズキに、嫉妬して!ミズキに嫌がらせをしている。
私は、そう確信している。
そうであって欲しい。
そうだといいな。
もし違うなら、嫌われる理由を知りたい!
嫉妬は迷惑だが・・・むふふふ・・・悪く無いですね~。
禁断の恋!!!
boys love !
キャーーーーーーーッ!!
高校の時、席が隣の子に、一度だけ見せてもらった。
恋愛の意味すらわからなかった頃の私には、物凄い衝撃を食らった。
アレとコレが合体して、コレはあんな所にも入り、焦らされ、泣かされ・・・。
ミズキは家に帰ってから、知恵熱が出て大変だった。
ほんと大変だったわ~と過去を振り返る。
ーーーまぁ、ダリル兄さんは、相手にすら、してない様だけど!まあ頑張りたまえ、ジェリド君!
わはははは~ざまぁ~~見ろ!不毛な恋は辞めて、明るい恋愛でもしろ!
そして、私に対して!今までの非礼を詫びろ!媚びろ!!そして、土下座だ!!
少しの間妄想の住人になっていたミズキは、ハッとして、注文を取りにジェリドの所まで行った。
「今日は、何になさいます?」
メニューをジェリドに見せながら、引きつった顔で愛想笑いを浮かべて注文をとった。
「その、胡散臭い笑顔が素敵だねぇ、ミズキ!君を頂こうかな?」
ジェリドがウインクした。
引きつる笑顔で何とかかわす。
ボサボサ頭の無精髭でウインクされてもね?
だが、暴言は許すまじ!!
『いい加減にしろよ、このセクハラホモ野郎!!』
心の声を、ぐっと飲み込む。
冷静に!冷静に!今は仕事中!今は仕事中!今は仕事中!!
ミズキは、呪文の様に小さな声で何度も口の中で呟いた・・・。
呪文の様に。
精神統一、完了!!
「本日のオススメは、白身魚のムニエルに、当店オリジナルのアボカドのソースと、蒸し鶏とかぼちゃのコンソメサラダ、食後にリンゴのムースが付くAランチです」
「ふ~ん?ミズキちゃんが俺の為に選んでくれた、Aランチを、お願いしようかな!そう言えば、ミズキちゃんは、手当たり次第に店に来る男達に、色目でも使っているのかな~ダリルの次を探してるのかな~?」
「えっ?」
ジェリドにとって、いつもと同じ嫌味だろうが、聞き捨てならない・・・今?・・・何て・・言った?・・・色目だと?仕事中で無かったら、無かったら、殴っていた。
手はいつの間にか、握りコブシを作っていた。
今からでも遅く無いはず、1発!殴らせろ!!
「嫌ですよ、お客さん、知らない人が聞いたら、信じるじゃないですか?おほほほほ」
頬はひきつきながら、笑った。
「オーダー入りま~す。Aランチ1つ」
Aランチを食べ終わると、ジェリドは、「リンゴのムース!お前が作っただろう、美味かったよ。こんな所で男を漁るより、男が欲しかったら俺に声をかけろよ、一晩くらい相手してやるよ!偽物の妹ちゃん」と言って、『どんぐり』を、出て行った。
「・・・」
酷い・・・ダリルさんにお世話になっているから、少しでも自分で稼いで恩返しがしたい一心でアルバイトもしているのに、ジェリドさんはどうして、意地悪な事を言うの。私が男漁ってると言うの?
一晩の相手?
ジェリドさんの口から出る毒で、悔しくて、切なくなる。
ジェリドさんのバカ!アホ!ホモ!!
・・・でも、手作りデザートを褒められるのは、ほんの少しだけ嬉しかった。
ミズキの頬がほんのり赤くなった。
ジェリドさんは嫌な奴なのに、なんでジェリドさんの言葉が、嬉しく感じるのだろう、暴言は許せないが、基本はいい人なのだろう。
あの、ダリルさんの友達なのだから。
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