異世界へようこそ

2章

リカルドの事情

「あらあらあら～、結構！細かい怪我があるのね？尋問って言うより、拷問にでもあっていたようね」

リカルドは薬師イオルの薬草園の一室で、傷の手当を受けていた。

弟子のオルバはリカルドの傷に魔石の塗り薬を塗り包帯を巻いた。
ミズキはそんなリカルドを治療を見ていた。

「これでよしと」オルバが治療を終えると、ミズキはリカルドの目の前に来て「ここなら、気兼ねなく話せるでしょう？」

「・・・・・」
「話してくれるでしょう？」


王宮では誰に話しを聞かれるかわからない、それにここには治療にもってこいいの薬師オルバが居る。
話しをするには、もってこいの場所だった。


リカルドは、まだミズキの言葉を疑っていた。

ミズキとはいうと、簡単にを牢屋からリカルドを連れ出した。流石にリカルドは驚いてミズキを見ていた。

身分の高いのだろうか？
こんな少年に看守はペコペコと頭を下げて言いなりになっていたからだ。


リカルドは、このままミズキを殺して逃げたらどうする？とミズキを試した。

「それは困ったわね～、逆に聞くけど、私を殺して、何処に逃げるの？南のファラリスの港？それとも、貴方との約束を破ったギルバルト・フォン・オーエングリムの所にでも逃げるの？少なくとも私なら約束は守るわよ！それに私！メチャクチャ暴れるわよ！まだ死にたく無いから」と言ってミズキは真っ直ぐにリカルドの目を射抜いた。

この少年に試すどころか逆に、少年の瞳に囚われてしまった様だ。とリカルドは思った。

さらにミズキはリカルドの正体も知っていた。

「ここから出たければ、私の条件を飲んでからよ。南の海賊のリカルドさん！」

「・・・どうしてそれを知っている？」

「私を舐めてもらっては困るわ！貴方には、1人娘が居たわよね？1ケ月前からその1人娘が行方不明だって事も知っているわよ、きっと、ギルバルト・フォン・オーエングリムにでも誘拐されたのね？そして、二週間前に貴方は脱獄をして・・・今に至るって事かしら？ギルバルト・フォン・オーエングリムに何を言われたの？氷の貴婦人をさらって、西の大陸にでも連れて行けって脅されたの？」
「・・・・そうだ、どうて・・・それを知っている？あの男の気分一つで、エマは殺される」

「お嬢さんは、エマちゃんっていうの？」
「ああそうだ。それに、あの子は体が弱い！ちゃんとした薬師に見せないと・・・・」
リカルドは顔を歪めていた。

「ちゃんとした薬師はここに居るとして、エマちゃんの居場所はわかっているの？」

「それを聞いてどうする！」

「勿論、助けに行くのよ」何バカな事を聞くのよとミズキはリカルドを睨んだ。

「何を企んで居る？」
険しい顔をミズキぬ向ける。

「気にしないでよ！ただ貴方に恩を売るだけだから」
ニコリとミズキはリカルドに微笑んだ。

そうあの微笑みは、悪魔の微笑みだった。
ここにグレンがいたら、顔を青くしていただろう。

「話し中申し訳ないがの・・・そろそろ、ここにあんたの知り合いがやって来る時間なんだがの？」
薬師イオルが、ミズキに向かって話しかけてきた。

「・・・まずい」
ミズキは、リカルドをイオルに預けて、また後で来ると言って、あっという間に出て行った。