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ホタル

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2章

捕まる

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不覚です。

まんまと、捕まってしまいました!
それにしても、女の子のお腹を蹴るってどうゆう教育を受けてきたのでしょうか?

本当にもう!

それにしても、どのくらい気を失っていたのでしょう?
ここは、馬車の中で護衛が1人、この馬車は外が見えない様になってた。

それにしても、蹴られたお腹が未だに痛い言って、どう言う事だ。

馬車が揺れる度に、みぞおち辺りが、痛む。

まだ、目が覚めてる事に気付かれていない様で、もう少し様子を見る事と、逃げ出す算段をしよう。


馬車が止まったと思ったら、護衛の1人が外に出て行った。馬車に誰もいなくなったのを確認すると、そっと、馬車の外をドアの隙間から覗いた。

どうやら、馭者と監視役の護衛が1人、合わせて2人という事か、まあ、女相手にそんな人数は、要らないのか?




「こんな仕事は楽勝だなぁ~、これで大金が入ってくるんだから、この商売はやめらね~、このまま西に向かって、次の街で、合流だろう?何だっけ?盗賊団の名前・・・思い出せね~ゴ、ゴリアテ!そうそう、ゴリアテだ。思い出せて良かったぜ」
「それにしてもよう・・・何で、南の海の海賊が、こんな西の街で待ち合わせ何だ?」
「しらねぇよ!俺たちはただ、あの女を渡して、大金を頂くだけだよ、余計な事考えてないで、明日の取り引きが無事うまくいく事を考えるだけだ」

「それでよ~!俺忘れちまったんだが、合言葉って何だっけ?」
「お前・・・俺もよぉ~うろ覚えでよ~!待ってろ、今おもいだすから待ってろよ、えっと・・・・なんだっけかな~!思い出した。」
「こうだ!海、山。だけかな?」
「なんか、面白みも無いな]
「・・・ああ、ないな・・・」



ホントに面白みも無い合言葉ね・・・・もう少し頭を使いなさいよ!

それにしても、まさか・・・南の海の海賊が、私に一体何の用なの?今回の事は初めから情報が無さすぎだわ、考えられるのは・・・南の大陸の貿易に関税をかけてる事しか思い浮かばない・・・・今後、調査をしないと・・・それに、こんなとこ早く逃げ出さないと・・・。

ミズキは、音を立てずに、ユックリと馬車から抜け出すことに成功した。

そして、森の中へ身を隠した。

最初は気づかれるかと思っていたが、御者と、護衛は本当にだたの役立たずだった。

ミズキに手の舐めて、蹴りを入れた男はここには居ないという事は、まだ王都に潜伏しているという事だ、早くランスロットに伝えないと、ランスロットの側にグレンが居るので安心だが、あの、筋肉バカに余計な余計な負担が掛かり、リヨンが悲しむのは・・・嫌だわ。


街道に出来るだけ近くの森の中を、王都に向かって、歩き出した。
逃げ出してから、だいぶ距離を稼いだと思っているが、速足でも道のない、森は少しでも気をゆるむと、道に迷ってしまう。蹴られたお腹も、正直まだ痛い、それに、微かだが水の流れる音が聞こえる、少しの休憩で、気分を落ち着かせよう。

水辺には、月明かりが見ずに反射し、ホタルのような、虫が、その水辺で光のダンスを舞っている様だった、とても幻想的な場所で、思わず「きれい・・・・」と少しの間、見惚れていた。


ミズキは、今まで緊張していたみたいで、ここにきてやっと、落ち着きを取り戻していた。

ミズキは、ポケットから、ハンカチを取り出し、水につけた、『冷たくて、気持ちがいい』そのまま、濡れた、ハンカチを顔のホコリと傷ついた、腕のかすり傷の泥を落とした。
「・・・つっ!」
傷の痛みで、若干顔が引きつる。
そして、腕の傷をみて、顔がゆがむ・・・。

何が何でも早く帰って、今の居場所に戻ろう・・・もう、私には・・・ダリルとジェリドの側にはもう居場所はないのだから・・・・ジェリドをあんなふうに変えてしまったのは・・・私だと思い知ったら・・・。
時間がたてば、笑って許してくれると思い上がっていた私は、なんと滑稽だったのだろうか?
氷の貴婦人とランスロットの懐刀と言われて、自分の考えに酔いしれていただけの、だたの小娘だ。
本当は、ダリルもジェリドも最初から許してはいなかったのだ。



ミズキは、立ちあがって、街道に出来るだけ近くの、森の中を歩いた。

少し歩いて、前の方にぼんやりと明かりがみえて、ミズキは緊張した・・・。

敵か!味方か!!

判断に悩むところだ。


正直、敵か味方かは、五分五分だった。


ミルでインの様なギルドなら味方だが・・・・それ以外は敵だと判断できる。


ミズキは、敵でも味方でも、ここでの接触はしないと決めた。

ミズキは、そっと、明かりから、遠ざかり始めた。

少しずつ、明かりから遠ざかってるはずなのに、跡をつけられている?

ミズキの足音以外にも、草をかき分ける音がしている・・・それがだんだんと近づいてきている。

まずい、気付かれたか!

姿は見えない・・・ここで走っても、すぐに追いつかれるのは必至、歩きながら、身を隠せる所をさがして、そして、見つけた。

1人は居れるくらいの、木の根っこのくぼみを。


ミズキはそこに、すぐに隠れて、足音が過ぎるのをじっと待ったが、足音はだんだんミズキの居場所が分かるかのように、近づいてきた。


「見つけた」

ミズキは、驚いて、顔を見上げた。

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