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異能学園
課外活動〜後編〜人鬼VS共喰い
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俺たちは三つの課題が終わったので最後の課題をこなそうとしていた。そうして、俺たちは歩いていたが魔獣には出会ってもせいぜいランク3程度で俺たちの求めるランク5にすら届いてない雑魚ばかりだった。
「それにしても、ここは魔獣が少ないな。」
「いや、黄泉それは違うよ。魔獣が少ないんじゃ無い生き物全てがここ一帯にはあまり居ないんだ。そこがおかしい、ここは魔獣、野獣が大量に出る危険地帯の1つでも、ここには魔獣も野獣も居ない……ということは、」
「なるほど、そいつらが警戒するほどの強力な生物が来たか、それとも、ここ一帯の生物を殺せるほどの強力な異能者いるかの2つだな。」
「そう、だからここより先は各自警戒をもっと強めていこう。でも、過剰の警戒はやめとけ、こちらも疲れるし、もし俺たちに危害を加えるために来た異能者なら俺たちがその存在に気付いたと気づかれるとこちらが不利になるからな。」
下手に全員が警戒すれば相手の思う壺だからな。
「よし、気を取り直していきますか。黄泉は警戒を強めて、獅子王はすぐに動けるところに居て。月夜は全体を見渡せることができるところに居てくれ。俺は異能を全開放するからもし俺が吐いたとしても気にするな。」
「了解だ。」
「問題はねぇ。」
「人鬼……大丈夫なの?あれほどその異能は気持ち悪くなるからあまり使いたく無いって言っていたのに無理してない?」
「大丈夫だ。この状況はあまり俺たちのとって、いや、すごく俺たちにとって良くない状況だ。」
そう、この状況はあまり良い物ではない。見えない敵に警戒をしながらだと休憩をしたとしても休めるものも休めなくなってしまうからな。
「クキャャャャャャャ!」
謎の鳴き声と共に俺の頭上から馬鹿でかい鳥が超高速で落ちてきた。
「流星鳥!?馬鹿な………こいつが出てくるのはもっとこの森の深い所だったはず、でも、こいつのランクは6。こいつの魔石で最後の課題も終了だ。行くぞみんな!」
「「「おぉ!」」」
掛け声と共に俺たちは流星鳥に向かい戦闘を始めようとした。そう、始めようとしただ。その流星鳥の背中に3人の男が乗っていた。それに気づいた俺たちは流星鳥を倒すのではなく回避をすることにした。
しかし、おかしい。流星鳥は背中に物を乗せるのを極端に嫌う。というか、自分以外の生物や物を乗せたり、運んだりするのは嫌いなはず。流星鳥は名の通り流星の如く落下するその姿からついた物。減速してしまう物を乗せることはないはずなのに、何故彼奴らは流星鳥の背中に乗っているのか。これは、久々に嫌な予感がするぞ。
「お前ら何者だ!何故流星鳥に乗っている!」
「これはこれは、失礼しました。私はある組織に仕えるものです。名を【共喰い】と申します。」
「……………………………………………………………………………………………【懐玉】。」
「共喰いの爺さんはは丁寧すぎるぜ。懐玉はもっと喋れや。俺様は【黒牢城】、お前らを殺すものだ!」
やはり敵か。しかし、何故このタイミングで俺たちの前に……
もしかして、俺たちのことを監視していて、絶対負けないと確信したから来たのか?
それなら、的確だな。今は早朝。つまり月夜と黄泉は弱体化が入る。まともに戦えるのが俺と獅子王の2人。それに、あの共喰いと名乗ったやつはあの3人の中では、1番厄介だと感じる。前世で俺が180年間鍛えたこの感覚に違いは無いだろう。ならば………
「月夜と黄泉は黒牢城を獅子王は懐玉を俺は共喰いをやる!全員生きてまた会おう!」
「了解だ!」
「言われるまでもねぇ!」
「人鬼が私の前からいなくならない限り私はずっと一緒いるから大丈夫。人鬼も気をつけてね。」
良い仲間を持った。前世の孤独な俺とは大違いだな。
「嗚呼、任せろ!」
「ふふふ、やはり貴方は慧眼ですね。瞬時に役割配置をして、私たちの強さを見抜いた。嗚呼、素晴らしい。それ程までの技量尊敬いたします。しかし、それが惜しい。もし、私たちが普通に出逢っていたならば良き友になれたでしょう。」
喋っているのにあの爺さん気を抜いてる時間が一瞬もねぇ。隙もねぇ。技量で言えば、少しばかり俺の方が高いが。この爺さん見た目以上に力があるな。
「これは、先に仕掛けた方が良さそうだ!ハァァァァァァァァ!」
掛け声と共に放った最速の一手。
【人鬼流歩行法ー縮地】&【人鬼流身法ー朧影】で相手を撹乱。その次に【人鬼流格闘術ー影打ち】で目を狙い続け様に【人鬼流格闘術ー鬼脚】で胴を狙う。
しかし、それを軽々と受け、避け、さらには反撃まで行なってくる。
「お見事です。この私が受けなければならないほど速く、重い蹴りは。しかし、まだこれは小手調べでしょう。速く本気に成らないと厳しい戦いになりますよ。」
そう言うと、俺の前から姿を消した。
しかし、この体術は見た事がある。確か涵養が使ってたな。と言うことは、この攻撃はここに来る!とっさに頭をガードした。
「なんと、異能を使わずに受け止めるとは。少しばかりいや、大変驚きました。この体術はとても珍しく使っている人はあまり居ないので、初見殺しにはうってつけなんですよ。」
「ハハハ、とても殺意が高いですね。俺がもしその体術を完全に見切れるとしたら貴方はどうしますか?」
「これはこれは、軽い挑発ですな。しかし、答えるとしたら、貴方の知らない体術で戦うまでですよ。」
「それは、楽しみだ。」
まずは、情報を1つ。あの練度の体術を複数個持っている。それに、さっきの攻撃には、異能が使われていた。戦闘系異能を持っていることも確定だ。
そう仮定すると、彼奴は厄介どころの話では無いな。
「ではいきますよ!」
その声と同時に俺の周りの土が一斉に空中に上がり停止した。
これで、判明している異能は2つか。この爺さん後何個持ってるんだろうな!
【人鬼流投擲術ー散り花】&【人鬼流身法ー神脚】。散り花により、散りばめられた小石の上を神脚により瞬間移動並みの速さで移動する。
「な!?これは、想像以上の速さですね。しかし、私の攻撃範囲からはもう出られないですよ!」
そう言うと、爺さんは俺と同等の速さで移動し、攻撃してきた。
「これの状況で貴方は避けられますか?ハァァァァァァァァ!」
足場は全て消えているか…………それならば、【人鬼流身法ー金剛脚】&【人鬼流格闘術ー鬼脚】で対抗する。
「ハァァァァァァァァ!クッ!」
「はぁはぁ、馬鹿みたいな強さですね貴方。私の最高峰の蹴りを蹴り返すとは。しかし、蹴りに関しては私の方が強いようですね。やはり、異能では人の強さを測るには情報が不足しすぎていますね。」
金剛脚のお陰で対抗出来たけど、素面だったら完全に押し負けてたな。クソッ!右脚が麻痺してやがる。どんだけあの爺さんの蹴り重いんだよ。
少し無茶をするか……………………【人鬼流点穴ー快脚】。ウッ!点穴は苦手だが脚が麻痺してる状態では俺の方が不利だ。よし、麻痺は取れたか。
「なるほど、点穴ですか。貴方は本当に面白い。点穴なんて今どき使うのは貴方と私だけですよ。ふふふ、」
流石に点穴は見抜くか。面白い、点穴を使えるもの同士の戦いは長丁場になる。それに点穴は熟練度によって効力が大きく変動する。俺はまだ上級。もし、相手が達人級、仙人級だった場合は俺の方が不利になるか。
同じ体術使いの戦いはやはり面白い!!
【人鬼流歩行法ー縮地】&【人鬼流格闘術ー巴投げ】、縮地で相手の懐に入り、巴投げで相手との距離を無理矢理離す。
「グハッ!少しばかり油断してしまいましたが、次はそう上手くいきませんよ!ハァァァ!」
柔術?いや違うこの動きは、もしかして、空手!?
空手は不味い。防御貫通攻撃を持ってるからな。来た!
「グハッ!!クソが、掠っただけなのにダメージが大きい!予想以上の速さにパワーだ!」
「これはこれは、お褒めいただきありがとうございます。さあさあ、いきますよ!」
俺が爺さんと殴り合っていると、急に岩が飛んできた。
「あっぶな!」
とっさによけた俺の頭に爺さんの蹴りが襲いかかってきた。【人鬼流身法ー金剛身体】&【人鬼流身法ー塞王之楯】の2つの身法で身を極限まで固める。そして俺は蹴られた衝撃で吹き飛び近くの岩に激突した。
「何!?あの状態から瞬時に身を固めるとは、本当に予想以上。それに、おそらく骨すら折れていないでしょう。これは困りました。私の脚が蹴った反動で麻痺してしまっています。久しぶりですね、この難攻不落の体術使いと戦うのは。それに、おそらく金剛身体の他に何か防御できる技を持っているようですね。本当に貴方は厄介だ。」
やばいやばい!俺が持つ中で最高峰の防御をしたと言うのに、中々のダメージを食らった。それに俺の金剛身体はこの世界の金剛身体とは違いこの世界の3倍から4倍の効能があるのにこれかよ!
あの爺さん蹴りが重すぎる。それに、チラッと見たがあの爺さんおそらく気の使い方を知っている。
マジで厄介どころの話じゃなくなってきたな。
でも、まずは先に回復が必要だ。【人鬼流点穴ー恢復】不味いな、この技は使ったら1日は使えない。
またあの蹴りが来てまともに喰らったら俺の勝ち目は完全に無くなるな。
ここからは俺も異能を使うか…………………え?なんで異能が発動しない?もしかして。
「危ないですね。この勝負の勝敗を決める大事な局面で異能を発動するとは、本当に危なかった。もし私が相手では無かったらですがね。」
やはりか、彼奴の3つ目の異能か。それにこの異能は異能の能力を打ち消す能力か。
その証拠に異能により浮いていた土が一斉に落ちてきている。
これは完全に無差別だな。自分にも相手にも発動するのか、ここらは完全なる技術で戦いをしないといけないのか……
やってやろうじゃないか!
気の抜けない緊張感がこの空間いっぱいになったその瞬間彼方が先に動いた。
この動作狙いは足か。これは無難に避ける。空振りしたその隙に【人鬼流格闘術ー氣攻拳】で中距離で攻撃。やはりそれは余裕で避けられ、距離をとった瞬間に俺の顔目掛けて砂を掻き上げた。それに焦らず対応して、逆に目眩しとして使った。彼奴にとっては予想外だったのかほんの一瞬、時間で表すと0.002秒ぐらいの隙をやっと初めて見せた。
俺はその隙を見逃さずにここから一斉に叩き込んだ。【人鬼流点穴ー地獄穴】、相手にある地獄穴と呼ばれる弱点を突く技だ。それから、【人鬼流格闘術ー剛拳】相手が悶絶しているその隙に思い一撃を食らわせた。次に【人鬼流歩行法ー縮地】&【人鬼流身法ー金剛身体】&【人鬼流格闘術ー鬼脚】&【人鬼流格闘術ー巴投げ】、剛拳を食らったら反動で後ろに下がった彼奴に縮地で近づき金剛身体で防御力攻撃力を上げる、次に鬼脚で蹴り飛ばし、次は縮地で懐まで入り巴投げをして最後に【人鬼流暗殺術ー無刀】&【人鬼流剣術ー首斬り】でこの一連の流れを0.1秒の間で叩き込んだ。
これが今の体で出来る最大の連続技だが、彼奴には効くだろうか………
「はぁはぁはぁ………………………これは恐ろしい、私の体を完全に壊されてしまいましたね。これでは、戦いは続行出来ません。この戦いの勝者は今回は貴方に譲りましょう、しかし、次に敵として出会う時はこの様には負けませんよ。」
こいつ………………遠隔操作の機械だったのか………高性能の遠隔操作の機械だったとしても己の体よりは動きにくいはず、それなのにこの強さ………………この世界にはまだ俺の知らぬ強大な脅威が潜んでいるのかも知れぬな。
「しかし、点穴を行えてるところを見ると完全な機械というわけでも無さそうだな。」
「私に勝ったので教えてあげましょうか。これは私達の組織で作られた【自動機構人形】(ホムンクルス)ですよ。まぁ、今回はホムンクルスだったため、不利にしせられましたけどね。点穴の存在を懸念してましたよ。ですが私もタダでは死にませんよ。【自動機構人形ー爆発消滅】最期は綺麗に散ってあげましょう。また、会える日を…………!」
莫大なエネルギーが機械に集まり、機械を中心とした半径200メートルが爆発した。当然その中には俺も入っているのだが反動覚悟で【人鬼流点穴ー恢復】を使った。恢復により俺の体に残された時間はおよそ9秒これだけあれば十分。爆発範囲からは逃れることが出来ない為、俺の持つ防御の技術はもちろん道具も惜しみなく使った。
なかなかのダメージを喰らってしまったがなんとかギリギリで耐えこの勝負は僅差で俺の勝利という事で幕を下ろした。
「はぁはぁ、みんなは大丈夫だろうか。くそッ!体が技の反動でまともに動かせん。しかし、この一帯の破壊痕を見るからに俺たちの戦いは常人には考えられぬ程壮絶な戦いだったのか。みんなと離れたところで戦っておいて良かったな。」
その頃、3人の戦いも終盤に差し掛かっていた。
「それにしても、ここは魔獣が少ないな。」
「いや、黄泉それは違うよ。魔獣が少ないんじゃ無い生き物全てがここ一帯にはあまり居ないんだ。そこがおかしい、ここは魔獣、野獣が大量に出る危険地帯の1つでも、ここには魔獣も野獣も居ない……ということは、」
「なるほど、そいつらが警戒するほどの強力な生物が来たか、それとも、ここ一帯の生物を殺せるほどの強力な異能者いるかの2つだな。」
「そう、だからここより先は各自警戒をもっと強めていこう。でも、過剰の警戒はやめとけ、こちらも疲れるし、もし俺たちに危害を加えるために来た異能者なら俺たちがその存在に気付いたと気づかれるとこちらが不利になるからな。」
下手に全員が警戒すれば相手の思う壺だからな。
「よし、気を取り直していきますか。黄泉は警戒を強めて、獅子王はすぐに動けるところに居て。月夜は全体を見渡せることができるところに居てくれ。俺は異能を全開放するからもし俺が吐いたとしても気にするな。」
「了解だ。」
「問題はねぇ。」
「人鬼……大丈夫なの?あれほどその異能は気持ち悪くなるからあまり使いたく無いって言っていたのに無理してない?」
「大丈夫だ。この状況はあまり俺たちのとって、いや、すごく俺たちにとって良くない状況だ。」
そう、この状況はあまり良い物ではない。見えない敵に警戒をしながらだと休憩をしたとしても休めるものも休めなくなってしまうからな。
「クキャャャャャャャ!」
謎の鳴き声と共に俺の頭上から馬鹿でかい鳥が超高速で落ちてきた。
「流星鳥!?馬鹿な………こいつが出てくるのはもっとこの森の深い所だったはず、でも、こいつのランクは6。こいつの魔石で最後の課題も終了だ。行くぞみんな!」
「「「おぉ!」」」
掛け声と共に俺たちは流星鳥に向かい戦闘を始めようとした。そう、始めようとしただ。その流星鳥の背中に3人の男が乗っていた。それに気づいた俺たちは流星鳥を倒すのではなく回避をすることにした。
しかし、おかしい。流星鳥は背中に物を乗せるのを極端に嫌う。というか、自分以外の生物や物を乗せたり、運んだりするのは嫌いなはず。流星鳥は名の通り流星の如く落下するその姿からついた物。減速してしまう物を乗せることはないはずなのに、何故彼奴らは流星鳥の背中に乗っているのか。これは、久々に嫌な予感がするぞ。
「お前ら何者だ!何故流星鳥に乗っている!」
「これはこれは、失礼しました。私はある組織に仕えるものです。名を【共喰い】と申します。」
「……………………………………………………………………………………………【懐玉】。」
「共喰いの爺さんはは丁寧すぎるぜ。懐玉はもっと喋れや。俺様は【黒牢城】、お前らを殺すものだ!」
やはり敵か。しかし、何故このタイミングで俺たちの前に……
もしかして、俺たちのことを監視していて、絶対負けないと確信したから来たのか?
それなら、的確だな。今は早朝。つまり月夜と黄泉は弱体化が入る。まともに戦えるのが俺と獅子王の2人。それに、あの共喰いと名乗ったやつはあの3人の中では、1番厄介だと感じる。前世で俺が180年間鍛えたこの感覚に違いは無いだろう。ならば………
「月夜と黄泉は黒牢城を獅子王は懐玉を俺は共喰いをやる!全員生きてまた会おう!」
「了解だ!」
「言われるまでもねぇ!」
「人鬼が私の前からいなくならない限り私はずっと一緒いるから大丈夫。人鬼も気をつけてね。」
良い仲間を持った。前世の孤独な俺とは大違いだな。
「嗚呼、任せろ!」
「ふふふ、やはり貴方は慧眼ですね。瞬時に役割配置をして、私たちの強さを見抜いた。嗚呼、素晴らしい。それ程までの技量尊敬いたします。しかし、それが惜しい。もし、私たちが普通に出逢っていたならば良き友になれたでしょう。」
喋っているのにあの爺さん気を抜いてる時間が一瞬もねぇ。隙もねぇ。技量で言えば、少しばかり俺の方が高いが。この爺さん見た目以上に力があるな。
「これは、先に仕掛けた方が良さそうだ!ハァァァァァァァァ!」
掛け声と共に放った最速の一手。
【人鬼流歩行法ー縮地】&【人鬼流身法ー朧影】で相手を撹乱。その次に【人鬼流格闘術ー影打ち】で目を狙い続け様に【人鬼流格闘術ー鬼脚】で胴を狙う。
しかし、それを軽々と受け、避け、さらには反撃まで行なってくる。
「お見事です。この私が受けなければならないほど速く、重い蹴りは。しかし、まだこれは小手調べでしょう。速く本気に成らないと厳しい戦いになりますよ。」
そう言うと、俺の前から姿を消した。
しかし、この体術は見た事がある。確か涵養が使ってたな。と言うことは、この攻撃はここに来る!とっさに頭をガードした。
「なんと、異能を使わずに受け止めるとは。少しばかりいや、大変驚きました。この体術はとても珍しく使っている人はあまり居ないので、初見殺しにはうってつけなんですよ。」
「ハハハ、とても殺意が高いですね。俺がもしその体術を完全に見切れるとしたら貴方はどうしますか?」
「これはこれは、軽い挑発ですな。しかし、答えるとしたら、貴方の知らない体術で戦うまでですよ。」
「それは、楽しみだ。」
まずは、情報を1つ。あの練度の体術を複数個持っている。それに、さっきの攻撃には、異能が使われていた。戦闘系異能を持っていることも確定だ。
そう仮定すると、彼奴は厄介どころの話では無いな。
「ではいきますよ!」
その声と同時に俺の周りの土が一斉に空中に上がり停止した。
これで、判明している異能は2つか。この爺さん後何個持ってるんだろうな!
【人鬼流投擲術ー散り花】&【人鬼流身法ー神脚】。散り花により、散りばめられた小石の上を神脚により瞬間移動並みの速さで移動する。
「な!?これは、想像以上の速さですね。しかし、私の攻撃範囲からはもう出られないですよ!」
そう言うと、爺さんは俺と同等の速さで移動し、攻撃してきた。
「これの状況で貴方は避けられますか?ハァァァァァァァァ!」
足場は全て消えているか…………それならば、【人鬼流身法ー金剛脚】&【人鬼流格闘術ー鬼脚】で対抗する。
「ハァァァァァァァァ!クッ!」
「はぁはぁ、馬鹿みたいな強さですね貴方。私の最高峰の蹴りを蹴り返すとは。しかし、蹴りに関しては私の方が強いようですね。やはり、異能では人の強さを測るには情報が不足しすぎていますね。」
金剛脚のお陰で対抗出来たけど、素面だったら完全に押し負けてたな。クソッ!右脚が麻痺してやがる。どんだけあの爺さんの蹴り重いんだよ。
少し無茶をするか……………………【人鬼流点穴ー快脚】。ウッ!点穴は苦手だが脚が麻痺してる状態では俺の方が不利だ。よし、麻痺は取れたか。
「なるほど、点穴ですか。貴方は本当に面白い。点穴なんて今どき使うのは貴方と私だけですよ。ふふふ、」
流石に点穴は見抜くか。面白い、点穴を使えるもの同士の戦いは長丁場になる。それに点穴は熟練度によって効力が大きく変動する。俺はまだ上級。もし、相手が達人級、仙人級だった場合は俺の方が不利になるか。
同じ体術使いの戦いはやはり面白い!!
【人鬼流歩行法ー縮地】&【人鬼流格闘術ー巴投げ】、縮地で相手の懐に入り、巴投げで相手との距離を無理矢理離す。
「グハッ!少しばかり油断してしまいましたが、次はそう上手くいきませんよ!ハァァァ!」
柔術?いや違うこの動きは、もしかして、空手!?
空手は不味い。防御貫通攻撃を持ってるからな。来た!
「グハッ!!クソが、掠っただけなのにダメージが大きい!予想以上の速さにパワーだ!」
「これはこれは、お褒めいただきありがとうございます。さあさあ、いきますよ!」
俺が爺さんと殴り合っていると、急に岩が飛んできた。
「あっぶな!」
とっさによけた俺の頭に爺さんの蹴りが襲いかかってきた。【人鬼流身法ー金剛身体】&【人鬼流身法ー塞王之楯】の2つの身法で身を極限まで固める。そして俺は蹴られた衝撃で吹き飛び近くの岩に激突した。
「何!?あの状態から瞬時に身を固めるとは、本当に予想以上。それに、おそらく骨すら折れていないでしょう。これは困りました。私の脚が蹴った反動で麻痺してしまっています。久しぶりですね、この難攻不落の体術使いと戦うのは。それに、おそらく金剛身体の他に何か防御できる技を持っているようですね。本当に貴方は厄介だ。」
やばいやばい!俺が持つ中で最高峰の防御をしたと言うのに、中々のダメージを食らった。それに俺の金剛身体はこの世界の金剛身体とは違いこの世界の3倍から4倍の効能があるのにこれかよ!
あの爺さん蹴りが重すぎる。それに、チラッと見たがあの爺さんおそらく気の使い方を知っている。
マジで厄介どころの話じゃなくなってきたな。
でも、まずは先に回復が必要だ。【人鬼流点穴ー恢復】不味いな、この技は使ったら1日は使えない。
またあの蹴りが来てまともに喰らったら俺の勝ち目は完全に無くなるな。
ここからは俺も異能を使うか…………………え?なんで異能が発動しない?もしかして。
「危ないですね。この勝負の勝敗を決める大事な局面で異能を発動するとは、本当に危なかった。もし私が相手では無かったらですがね。」
やはりか、彼奴の3つ目の異能か。それにこの異能は異能の能力を打ち消す能力か。
その証拠に異能により浮いていた土が一斉に落ちてきている。
これは完全に無差別だな。自分にも相手にも発動するのか、ここらは完全なる技術で戦いをしないといけないのか……
やってやろうじゃないか!
気の抜けない緊張感がこの空間いっぱいになったその瞬間彼方が先に動いた。
この動作狙いは足か。これは無難に避ける。空振りしたその隙に【人鬼流格闘術ー氣攻拳】で中距離で攻撃。やはりそれは余裕で避けられ、距離をとった瞬間に俺の顔目掛けて砂を掻き上げた。それに焦らず対応して、逆に目眩しとして使った。彼奴にとっては予想外だったのかほんの一瞬、時間で表すと0.002秒ぐらいの隙をやっと初めて見せた。
俺はその隙を見逃さずにここから一斉に叩き込んだ。【人鬼流点穴ー地獄穴】、相手にある地獄穴と呼ばれる弱点を突く技だ。それから、【人鬼流格闘術ー剛拳】相手が悶絶しているその隙に思い一撃を食らわせた。次に【人鬼流歩行法ー縮地】&【人鬼流身法ー金剛身体】&【人鬼流格闘術ー鬼脚】&【人鬼流格闘術ー巴投げ】、剛拳を食らったら反動で後ろに下がった彼奴に縮地で近づき金剛身体で防御力攻撃力を上げる、次に鬼脚で蹴り飛ばし、次は縮地で懐まで入り巴投げをして最後に【人鬼流暗殺術ー無刀】&【人鬼流剣術ー首斬り】でこの一連の流れを0.1秒の間で叩き込んだ。
これが今の体で出来る最大の連続技だが、彼奴には効くだろうか………
「はぁはぁはぁ………………………これは恐ろしい、私の体を完全に壊されてしまいましたね。これでは、戦いは続行出来ません。この戦いの勝者は今回は貴方に譲りましょう、しかし、次に敵として出会う時はこの様には負けませんよ。」
こいつ………………遠隔操作の機械だったのか………高性能の遠隔操作の機械だったとしても己の体よりは動きにくいはず、それなのにこの強さ………………この世界にはまだ俺の知らぬ強大な脅威が潜んでいるのかも知れぬな。
「しかし、点穴を行えてるところを見ると完全な機械というわけでも無さそうだな。」
「私に勝ったので教えてあげましょうか。これは私達の組織で作られた【自動機構人形】(ホムンクルス)ですよ。まぁ、今回はホムンクルスだったため、不利にしせられましたけどね。点穴の存在を懸念してましたよ。ですが私もタダでは死にませんよ。【自動機構人形ー爆発消滅】最期は綺麗に散ってあげましょう。また、会える日を…………!」
莫大なエネルギーが機械に集まり、機械を中心とした半径200メートルが爆発した。当然その中には俺も入っているのだが反動覚悟で【人鬼流点穴ー恢復】を使った。恢復により俺の体に残された時間はおよそ9秒これだけあれば十分。爆発範囲からは逃れることが出来ない為、俺の持つ防御の技術はもちろん道具も惜しみなく使った。
なかなかのダメージを喰らってしまったがなんとかギリギリで耐えこの勝負は僅差で俺の勝利という事で幕を下ろした。
「はぁはぁ、みんなは大丈夫だろうか。くそッ!体が技の反動でまともに動かせん。しかし、この一帯の破壊痕を見るからに俺たちの戦いは常人には考えられぬ程壮絶な戦いだったのか。みんなと離れたところで戦っておいて良かったな。」
その頃、3人の戦いも終盤に差し掛かっていた。
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