異能は使い方次第

Mr,Queen

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異能学園

部活動

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入学してから瞬く間に三週間が経過し、今俺は最大の難問に立ち向かっている。
それは、【部活動】入る場所を間違えれば、この後に必ずある三年間は地獄になることは目に見えて分かってはいる。それに、俺の場合は異能学園高等部からの入学なので、小等部から学園にいる奴みたいに同じ部活で顔見知りの奴とやるってことが出来ない、どうすれば良いのか。
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《ガンドラス異能学園》
小等部5歳~8歳
中等部8歳~12歳
高等部12歳~15歳

※何故15歳で終わりなのか?その理由は簡単この世界では、15歳が成人だからさ。
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そんなことを考えていると、聞き覚えのある話し声が聞こえてきた。
「そういえば、部活なんだけどみんなは決まったの?」
「全然決まってないよ、セイちゃんが入った部活に私は入ろっかなって。ヨイちゃんはどうするの?」
「私は三夏食の入った部活にする。」
「へぇ、じゃあ、僕も三夏食のところに行こっかな?」
「レミちゃんは良いけど、お前は来んな。」
「な、ひどいじゃ無いか宵華さん。」
「ふん!」
なんか拗ねてる。可愛い……………………じゃねぇ!
「お~~い、3人とも~、こっちまでおいで~!」
俺がそういうと、猛スピードで俺に突っ込んでくる婚約者。
「わ~~~~~~~~~~い!!」
その他二人、清澄に清澄の婚約者である星流錬美。
「グブォッ!今日も元気だね、宵華。」
「うん、三夏食見たら元気になった。」
「あははは、お二人さんいつもに増していちゃってるんな。ヨイちゃんも急に突っ込んだらダメだって言ったでしょ?大丈夫だった?ミカちゃん。」
「心配ありがとう、大丈夫だよ錬美。でも、いつも言ってるよね?ミカちゃんは女の子ぽいから辞めてって。」
「ごめんごめん、うっかり。」
「それで、みんなはもう【コードネーム】持ってるよな?」
「「うん、持ってるよ。」」
「三夏食がつけてくれたもんね。」
「うん、そうだね。それで、一応これからはコードネーム呼びの方がいいんじゃないかな?」
「そうだけど、みんなでいるときは、名前で呼び合っても良いんじゃ無いのかな?だって、僕たちには普通に聞こえるけど他人からは名前のところだけ聞こえなくなってるんだよね?」
「そうなんだけどさ、せっかく考えたんだから、コードネーム呼びが良いかなって、別嫌なら良いんだけど。」
「「「嫌じゃ無いよ。」」」
「なら、まずお互いのコードネームを知ろうか。俺は、《人鬼》だ。」
「私は《月夜》だよ。」
「僕はね、《涵養》(かんよう)だよ。」
「僕は、《公司》(こうし)だよん。」
なるほど、俺が人鬼、宵華が月夜、清澄が涵養、錬美が公司か。
「そういえば人鬼、何処の部活に入るの?」
「特に入りたい部活も無いし、もう部活自体を作ろうかなって思ってる。」
「ヘェ~、面白そうじゃん!」
「でも、部活動設立は最低人数は5人だよ。あと一人はどうするの?」
そう、設立時には5人の部人が必要。しかし、俺たちは全員合わせて四人、頭数が合わず設立は出来なくなる。でも、心当たりはある。反対されるかもだけど、聞いてみるか。
「なあ、心当たりはあるんだけど、そいつでも良いか?特に月夜。」
「ん?人鬼がいいなら別に私は良いけど。」
「あ、もしかして、加里家の長男?」
「ああ!人鬼に喧嘩売って負けた奴か。」
なんか、あいつに取っては嫌な覚え方されてるけど、まぁ俺には関係ないか。
「そうだよ、だから反対されるんじゃ無いかと思ってたけど、皆んな大丈夫そうだから良かった。それじゃあ、俺は探して話つけてくるから皆んなは学園長の部屋の前で待っていてくれ。」
「うん。」
「わかった。危険は無いかもだけど気をつけてね。」
「りょ~かい。」
よし、それじゃあ探しますか。

探し始めて1分、獅子王は学食が食べられる食堂で大きく口を開けてビーフステーキ丼を食っていた。
だが、そんなことはお構いなしに俺は近づきこう一言言った。
「部活設立で一人足りないから最後の一人お前になったからな。それ食い終わったら学園長の部屋に来てくれ。要件は以上だ、至急来るようにな。」
そう言うと、獅子王はいそいそとご飯を平らげ俺の後をついてきた。
「おい、なんで学園長室なんだよ!最初教員に報告しないとダメだろ。」
何という正論だ。でも、この世の中正論だけじゃ生きていけないんだ。そう、心の中で思いながら、無言で廊下を歩いていった。

《学園長室前》
「おーっす。これで5人集まったから、【第一ステップ】終了。次は【第二ステップ】に移行して、学園長から設立の許可を得ようだ。」
「て言うか、お前らは何の部活を設立しようとしているんだよ!?」
「ん?【異能研究会】だけど?」
「おま!それって……………」
ガチャ、「失礼します、学園長に用があってきました。」
話を遮って俺は学園長室の扉を開けて、学園長と対面した。

~学園長を説得~
「何じゃね君たち。何の目的でこの部屋に来たのだね?」
「俺たちは部活動の設立を申請しに来ました。」
「ほう、ならば何の部活動を申請するつもりなんじゃね?」
「それは……【異能研究会】です。」
「な、なんだと!?お前ら、あの事件を知らないのか!?」
「いえ、知っていますよ。およそ10年前異能研究会にて爆発事件が発生。死者は幸い出なかったものの、軽傷者25名、重傷者38名を出した。異能学園最大の事件。
さらに、その爆発の真相は異能の暴走によるものであった、ですよね?教頭、学園長。」
「知っているのならば、なぜ異能研究会を再開させようとするんだ!この部活の危険性は知っているんだろ!?」
「はい、ですが異能研究会では異能を中心に研究していたと思います。」
「それはそうだろう、異能研究会という名前なんだから。」
「それが間違いだったんです。」
「ほう、間違いとは。どうゆうことじゃ?」
「なぜなら俺は、異能だけ研究しても意味がないと思っているからです。」
「なるほどのう、それならば異能だけでなくどのようにすればいいのか考えておるのじゃろう?」
「はい、異能と身体、魔力を組み合わせた、【実践型異能研究会】と言ったところでしょうか。」
「確かに、異能とは身体、魔力の二つがしっかりしていないと成り立たない、暴走してしまうと言われていますが。その論文が出たのは今朝ですぞ!?」
「教頭よ、此奴らは自身の感覚と少しばかりの経験により、その答えを導き出したのであろう。」
「しかし、学園長やはり再開は難しいと思います。前に事件を起こした部活の顧問になりたいと言う変わり者はこの学園にいるのでしょうか?」
「ふむ、ならば顧問を見つけて来れば、【異能研究会】名を変えて【実践型異能研究会】の設立を許そう。」
「それなら、俺がやらせてもらいましょうか。【実践型異能研究会】の顧問を。」
「貴方は、救療(くりょう)先生!?なぜここに。」
「それはそこいる涵養に呼ばれたんですよ。顧問になって来れって。まさか、【異能研究会】の顧問だとは知りませんでしたけど俺なら皆さんもご安心でしょう?俺の異能を知っているのであれば。」
「確かに救療先生が入れば怪我人は出ないでしょうが、貴方は保健室の先生で保健室を離れてはならなかったと記憶していますが?」
「それはですね。俺の部下である施療(せりょう)が、俺の異能はもっと違うところで活躍するとか何とか言って俺を保健室から追い出したものでこの部活が設立しないと、俺も居場所をなくして困ってしまうんですよ。」
「それならばのう、救療先生は顧問をやる気でいたと言うことで良いのじゃな?」
「はい、そうですね。」
「それならばもう、わしから言うことは無いのじゃ。それでは【実践型異能研究会】設立をここに認める。」
「「「ありがとうございます!」」」
「部室は第3棟の研究室・戦闘実験室を使っておくのじゃ。」

~第3棟 研究室~
「それじゃあ、改めて自己紹介から、ここの部長となった人鬼だ。よろしく。」
「副部長の月夜です。」
「皆さん知っていると思いますが涵養です。知らなかったと言う人は覚えといてください。よろくしお願いします。」
「それじゃあ、次は私だね?私は公司だよ。よろしくね!」
「俺は獅子王だ。よろしく頼む。」
「そんじゃあ、最後に救療だ。お前らには言っておくが俺の異能は【治療】と【障壁】だ。怪我あったらすぐに言ってくれ。」
自己紹介が終わり、今日何もやることがなくなった俺たちは、雑談を知ることになった。
「そういえば人鬼は、一週間後の課外活動どうするんだい?」
「課外活動?なんだそれ?」
なんだか涵養から不穏なフレーズが聞こえたぞ?気のせいであっ欲しいが、気のせいでは無いだろう。
「はぁ、一週間後に行われる課外活動の目的は大きく分けて三つだ。一つ目は、《協調性》自ら作ったチームで仲良く出来るか。二つ目は、《適応力》どのようなことが起こっても慌てずどこまで冷静に最適を選べるかだな。最後の三つ目は、異能をちゃんとコントロール出来るかだ。わかったか?」
なんと丁寧に救療先生が説明してくれた。
「チームって何人ですか?」
「最大で四人。男女混合でも良いし、男だけ女だけのチームでもいいらしい。」
なるほどな、なら獅子王と涵養と俺でいけるな。
「何を思ってるのかなんとなくわかるから言わせてもらうけど、他クラスとは当然組めないからね?」
マジか、て言うことは俺と月夜、獅子王の三人だな。あと一人いれば楽なんだけどな。
「そういえば、今回の課外活動は上位者には特典があったんだっけ?」
「え!?それって本当ですか?」
「嗚呼、本当だとも、俺が嘘を付く理由もないしな。」
と言うことは、次は一週間後。上位目指して頑張ろうか!
まぁ、あと一人戦力でも、支援でも良いし、いた方が百万倍楽なんだけどなぁ。一応募集しとくけど別にいなくても出来ないわけじゃ無いし少し望みを持たせてと言う感じかな。

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「チームあと一人募集中?戦力、支援どちらでも可?なら俺が行かないとな。ウヒヒヒ。」
か細くて小さい笑い声は静かに誰にも気づかれることもなく消えていった。
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