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第9章 帝国の魔女
第9章第019話 霊廟と国交会議
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第9章第019話 霊廟と国交会議
Side:ツキシマ・レイコ
一番下の引き出しからは、ボロボロになった服と。これまた相当に古い冊子。その横に指輪が一つ。
古い冊子。材質は植物紙ですね。ちょっと脆くなってきているので、開くのに注意が必要ですが。
内容は、日記というよりは年代記ですか。大人のレイコがまとめた帝国勃興の経緯が、なぜか日本語で書かれていました。
ボロボロになった服と指輪。詳細は分かりませんが、一緒に入っていたのですから、大切にしていたものだろうことは分かります。
とりあえず。ロトリーのメイドさんに手伝ってもらって。衣装部屋から、普段着と運動服っぽいのと、ロトリーの貴族女性の正装だという衣装。それに下着に靴下をなんセットか。
メイドさん曰く、選んだ物はロトリーの職人が比較的最近作ったものなので、気兼ねなく持っていってくださいとのこと。ありがたく頂きます。ロトリー貴族の女性服とかは、アイリさんに見せたら喜びそうですし。
早速動きやすい服に着替えたところで、外から呼ばれた別のメイドさん達が寝室の方を掃除して出てきたのですが。…二つの壺を手にしていますね。
まるで骨壺のようですが。まぁ、あれを集めて入れておくには壺が適しているのでしょう。
『これは、女神様と赤竜神様の痕跡であるのですから。聖遺物として保管させていただきます』
だそうです。タンスにあったボロの服と指輪も、パンダ王に渡しました。まとめて管理したうほが良いでしょう。
この大人のレイコが済んでいた家の裏には、そこそこ大きい石造りの建物があって。そこが帝国の王城だったころからあるの霊廟だそうで。大人のレイコの旦那さん、つまり初代皇帝もそこに眠っています。
帝国が滅んだ後は、帝国そのものの墓標として、大人のレイコが管理していたそうです。
大人のレイコが頼んでいたお墓って、そこの事だったんですね。
砂の入った壺と、最後に着ていた服。タンスから出てきた服と指輪。パンダ王曰く、これらまとめて霊廟に収めてくれるそうです。別に大人のレイコが死んだわけではないですが。親しい方達が眠るこここそが、一番ふさわしいでしょう。
パンダ王と侍従の方達といっしょに、ランタンを持って霊廟の中に入ります。
鉄製の扉があって…帝国時代のものでしょうが、これだけの量の鉄はかなり貴重だと思います。
南京錠っぽいもので施錠されていて、パンダ王が持っていた鍵で開けて入ります。
そこから少し進むと、開けた部屋が。壁には棚が並んでたくさんの箱が。そして部屋の真ん中に石棺が横たわっています。
『石棺には歴代の王と王妃の骨が。周囲の棚の箱には、他の王族と親族の骨が収められています。石棺を開けるので、少々お待ちを』
侍従達がなにか棒を組み立てています。重量がある石棺を開けるための器具のようですね。
ただ。石棺を開けるだけなら、私だけで出来ます。ロープを通すところらしいくぼみに指を引っかけて、石棺の蓋の端をチョイと持ち上げて横にずらします。三百キログラムくらいかな?
びっくりするロトリーの侍従さん達。
『な…なるほど。確かに女神様に連なる方ですね』
石棺の中にも、壁のと同じように箱が並んでいるのが見えます。皇帝が何世代続いたのか不確かですが。箱の数からして、何十代とはならなかっったようです。大人のレイコの旦那様も、ここに入っているはずです。
ロトリーの侍従さんが、砂の入った壺と、タンスから出てきた服と指輪を収めます。
冊子の方は、私が読んでから返却することになっています。さすがにこちらは、お墓で朽ちさせて良い物では無いでしょうし。
石棺を閉じ、皆で黙祷を捧げ。霊廟から出る途中。
『…レイコ様…我が国に残って頂くことは出来ないでしょうか?』
パンダ王がお願いしてきました。
『…ごめんなさい。私の今の家は…家族は、ネイルコードにいるわ』
メンターが必要な安全保障面なら、こちらのレッドさんが残るそうですしね。
『すみません、つまらないことを言ってしまって。あなたが女神様と別人…別人のようなものとは理解しているのですが。…こう言った方が良いのでしょう…いつでもこの城へ遊びに来てください』
「それはもう。約束いたします」
蒸気帆船の改良が急務ですね。
昭和初期の時代の貨客船は、太平洋横断に二週間ほどだったと聞きます。おそらくネイルコードの蒸気帆船の四倍くらいの速度ですか。
航空機の方の開発も急ぎたいです。セイホウ王国経由で二日くらい。とりあえず、ボーキサイトを蒸気帆船で運べるだけ運びたい所…ああ、なんか寂しそうなパンダ王を見ていると、なんか焦ってしまいますね。
赤井さんが言った、一週間後の日没後三十分。大人のレイコ…いえもうロトリー国のレイコと呼びましょうか。太陽リングから彼女の乗った宇宙船が射出されるときまで。ここロトリー国の王宮で過ごすこととなりました。
ネタリア外相とオレク司令は、ロトリー国側と連日会議となっています。
ネイルコード国、ロトリー国だけではなく、カララクルさんがセイホウ王国代表として参加しています。大陸間の貿易ともなれば、中間のセイホウ王国も重要な拠点となりますし。"人"とラクーンの関係についても、今後の動向は無視は出来ません。
私も通訳がてら会議に参加する時間が多いですが。
昼間は、アライさんとマーリアちゃんと一緒に王都の市場なんかにも出かけています。観光は大切です。
ここに来て。パンダ王の息子、ロトリー国の王太子が、南大陸の視察から帰ってきました。
ネイト・ロトリー・ナインティーンス。
パンダ王がエイティーンスですが、これは"パンダ柄の王"というだけの意味で、国王の代数ではないそうです。…完全に大人のレイコの趣向ですね。多分、二世三世と付けていたら、止められなくなったのでしょう。
ネイト君。アライさんの一つ下くらいの年齢だそうです。十六歳くらいですか。顎と眉間に縞模様がちょっとありますが、見事なパンダ柄です。
『間に合ったのかと思ったのですが。父上…私も女神様にご挨拶したかった…』
私を見て、それでいて私が前のレイコでは無いことを知って。ちょっとがっかりしていました。
数日、遅かったです。
『五日後の女神様の旅立ちは皆で見られるのだ。それでよしとしなさい』
季節で言えば十二月に入ったくらいの感覚ですが。雨がほとんど無い季節なので、今週は晴天が続くだろう…とロトリー国の役人…農務関係の職場で天候の記録をしているそうです…が予報しているとのことです。
『初めまして、巫女様。パンタ・ロトリー・エイティーンスの息子、ロトリー国王太子、ネイト・ロトリー・ナインティーンスと申します。にしても、女神様とうり二つですね』
『初めましてネイト殿下。あなたもお父さんにそっくりですね』
ロトリー国の王太子ネイト殿下。会議の間に、王宮の見学…帝国時代の王宮の宝物や遺物を保存してあるところが図書室と併設されていまして。いろいろ説明しながら案内してくれます。あと、街の散策にも付いてきてくれます。
私達はけっこう視線を集めています。ロトリー国のレイコも女神としての姿はあまり知られていないですし、そもそも"人"ですから。王族が一緒に居るのなら、トラブルも避けられるという物です。
あと、ネイト殿下、アライさんとけっこう打ち解けた感じですね。正直、年齢が人ほどわかりにくいラクーンですが。近い年代ということで話が合いそうです。
人との対話…というより、大人のレイコとの会話のために、ある程度の人語の習得が王族として義務づけられているそうなのですが。アライさんやマーリアちゃんと話すことが勉強になるようです。今後この技能は、人との外交にも役に立つでしょう。
国同士の会議は続いています。
資源の交易もですが。現在のセイホウ王国との付き合いが健全とも言いがたく。今後は西の大陸とも積極的に人材交流をさせたい…とは思っていますが。司法権や財産権等、個人の権利権限をどこまで認めるのか?あたりもけっこう揉めていますね。
政治経済で"人"と"ロトリー"を混ぜるのは、時期尚早というのは、一致した見解ですが。全くの没交渉も危険です。 ただ。個人で購入した所有物だけではなく、例えば事業への投資、商売上の債権、こういった物が自分の国の中でしか有効でないのなら、そもそも商取引すら危ういです。かといって野放図にしては、互いに国の資源設備、はたまた土地や人材まで所有権で揉めかねません。
この辺地球では。一般商取引については基本的にそれらを保障。土地や資源、税金の使用先が絡むような事業産物については、所有する時点で国の許可を得て、それで得た権利は国が保障する…という形態だったと思います。細かい法律については不案内ですが。
ボーキサイトや硝石があるのは、ここから南の大陸です。
さらに、ゴムの木なんかもあるそうで。硫化の技術が未発達なのでブーツにコーティングして長靴にするくらいにしか使っていないようですが。これは多分、日用品よりは電線の加工に必須になってくると思います。
南の大陸に有るロトリー国の港町。資源貯蔵やら精錬施設やらの建造。今後、船舶が短い期間でさらに大型化するのは目に見えていますので、それを見越した規模の港湾整備計画。これらを提示されたロトリー国の役人さんは面食らっています。おそらく最初想像していたことより、桁が二つ三つ違うでしょうし。
当然、ロトリー国だけでは資本も技術も人手も足りません。ロトリーの職人や学者らの教育も必要ですし、"人"の国々の投資や援助は必須でしょうが。他国の人材、投資、施設、資源、これらを国として互いにどう扱うかで揉めているわけです。
不平等条約は許しませんよ。私と言えば、いちゃもん担当。
その取り決めだと、こういう事例の時こういう問題が発生する…みたいなのを指摘しまくります。
商業だけではなく、事故災害時の対応、犯罪の対応と補償、国の安全保障やら。…ここにいる十名にも満たない会議で決まる話でも無いですが。
突っ込みが多すぎて、なんか三方から睨まれている感じがしますが。懸念される問題、ここで正答が出ないとしても、ここで出せるだけ出しておくべきでしょう。あとで慌てるより良いのです。
準備会議は続きます。
Side:ツキシマ・レイコ
一番下の引き出しからは、ボロボロになった服と。これまた相当に古い冊子。その横に指輪が一つ。
古い冊子。材質は植物紙ですね。ちょっと脆くなってきているので、開くのに注意が必要ですが。
内容は、日記というよりは年代記ですか。大人のレイコがまとめた帝国勃興の経緯が、なぜか日本語で書かれていました。
ボロボロになった服と指輪。詳細は分かりませんが、一緒に入っていたのですから、大切にしていたものだろうことは分かります。
とりあえず。ロトリーのメイドさんに手伝ってもらって。衣装部屋から、普段着と運動服っぽいのと、ロトリーの貴族女性の正装だという衣装。それに下着に靴下をなんセットか。
メイドさん曰く、選んだ物はロトリーの職人が比較的最近作ったものなので、気兼ねなく持っていってくださいとのこと。ありがたく頂きます。ロトリー貴族の女性服とかは、アイリさんに見せたら喜びそうですし。
早速動きやすい服に着替えたところで、外から呼ばれた別のメイドさん達が寝室の方を掃除して出てきたのですが。…二つの壺を手にしていますね。
まるで骨壺のようですが。まぁ、あれを集めて入れておくには壺が適しているのでしょう。
『これは、女神様と赤竜神様の痕跡であるのですから。聖遺物として保管させていただきます』
だそうです。タンスにあったボロの服と指輪も、パンダ王に渡しました。まとめて管理したうほが良いでしょう。
この大人のレイコが済んでいた家の裏には、そこそこ大きい石造りの建物があって。そこが帝国の王城だったころからあるの霊廟だそうで。大人のレイコの旦那さん、つまり初代皇帝もそこに眠っています。
帝国が滅んだ後は、帝国そのものの墓標として、大人のレイコが管理していたそうです。
大人のレイコが頼んでいたお墓って、そこの事だったんですね。
砂の入った壺と、最後に着ていた服。タンスから出てきた服と指輪。パンダ王曰く、これらまとめて霊廟に収めてくれるそうです。別に大人のレイコが死んだわけではないですが。親しい方達が眠るこここそが、一番ふさわしいでしょう。
パンダ王と侍従の方達といっしょに、ランタンを持って霊廟の中に入ります。
鉄製の扉があって…帝国時代のものでしょうが、これだけの量の鉄はかなり貴重だと思います。
南京錠っぽいもので施錠されていて、パンダ王が持っていた鍵で開けて入ります。
そこから少し進むと、開けた部屋が。壁には棚が並んでたくさんの箱が。そして部屋の真ん中に石棺が横たわっています。
『石棺には歴代の王と王妃の骨が。周囲の棚の箱には、他の王族と親族の骨が収められています。石棺を開けるので、少々お待ちを』
侍従達がなにか棒を組み立てています。重量がある石棺を開けるための器具のようですね。
ただ。石棺を開けるだけなら、私だけで出来ます。ロープを通すところらしいくぼみに指を引っかけて、石棺の蓋の端をチョイと持ち上げて横にずらします。三百キログラムくらいかな?
びっくりするロトリーの侍従さん達。
『な…なるほど。確かに女神様に連なる方ですね』
石棺の中にも、壁のと同じように箱が並んでいるのが見えます。皇帝が何世代続いたのか不確かですが。箱の数からして、何十代とはならなかっったようです。大人のレイコの旦那様も、ここに入っているはずです。
ロトリーの侍従さんが、砂の入った壺と、タンスから出てきた服と指輪を収めます。
冊子の方は、私が読んでから返却することになっています。さすがにこちらは、お墓で朽ちさせて良い物では無いでしょうし。
石棺を閉じ、皆で黙祷を捧げ。霊廟から出る途中。
『…レイコ様…我が国に残って頂くことは出来ないでしょうか?』
パンダ王がお願いしてきました。
『…ごめんなさい。私の今の家は…家族は、ネイルコードにいるわ』
メンターが必要な安全保障面なら、こちらのレッドさんが残るそうですしね。
『すみません、つまらないことを言ってしまって。あなたが女神様と別人…別人のようなものとは理解しているのですが。…こう言った方が良いのでしょう…いつでもこの城へ遊びに来てください』
「それはもう。約束いたします」
蒸気帆船の改良が急務ですね。
昭和初期の時代の貨客船は、太平洋横断に二週間ほどだったと聞きます。おそらくネイルコードの蒸気帆船の四倍くらいの速度ですか。
航空機の方の開発も急ぎたいです。セイホウ王国経由で二日くらい。とりあえず、ボーキサイトを蒸気帆船で運べるだけ運びたい所…ああ、なんか寂しそうなパンダ王を見ていると、なんか焦ってしまいますね。
赤井さんが言った、一週間後の日没後三十分。大人のレイコ…いえもうロトリー国のレイコと呼びましょうか。太陽リングから彼女の乗った宇宙船が射出されるときまで。ここロトリー国の王宮で過ごすこととなりました。
ネタリア外相とオレク司令は、ロトリー国側と連日会議となっています。
ネイルコード国、ロトリー国だけではなく、カララクルさんがセイホウ王国代表として参加しています。大陸間の貿易ともなれば、中間のセイホウ王国も重要な拠点となりますし。"人"とラクーンの関係についても、今後の動向は無視は出来ません。
私も通訳がてら会議に参加する時間が多いですが。
昼間は、アライさんとマーリアちゃんと一緒に王都の市場なんかにも出かけています。観光は大切です。
ここに来て。パンダ王の息子、ロトリー国の王太子が、南大陸の視察から帰ってきました。
ネイト・ロトリー・ナインティーンス。
パンダ王がエイティーンスですが、これは"パンダ柄の王"というだけの意味で、国王の代数ではないそうです。…完全に大人のレイコの趣向ですね。多分、二世三世と付けていたら、止められなくなったのでしょう。
ネイト君。アライさんの一つ下くらいの年齢だそうです。十六歳くらいですか。顎と眉間に縞模様がちょっとありますが、見事なパンダ柄です。
『間に合ったのかと思ったのですが。父上…私も女神様にご挨拶したかった…』
私を見て、それでいて私が前のレイコでは無いことを知って。ちょっとがっかりしていました。
数日、遅かったです。
『五日後の女神様の旅立ちは皆で見られるのだ。それでよしとしなさい』
季節で言えば十二月に入ったくらいの感覚ですが。雨がほとんど無い季節なので、今週は晴天が続くだろう…とロトリー国の役人…農務関係の職場で天候の記録をしているそうです…が予報しているとのことです。
『初めまして、巫女様。パンタ・ロトリー・エイティーンスの息子、ロトリー国王太子、ネイト・ロトリー・ナインティーンスと申します。にしても、女神様とうり二つですね』
『初めましてネイト殿下。あなたもお父さんにそっくりですね』
ロトリー国の王太子ネイト殿下。会議の間に、王宮の見学…帝国時代の王宮の宝物や遺物を保存してあるところが図書室と併設されていまして。いろいろ説明しながら案内してくれます。あと、街の散策にも付いてきてくれます。
私達はけっこう視線を集めています。ロトリー国のレイコも女神としての姿はあまり知られていないですし、そもそも"人"ですから。王族が一緒に居るのなら、トラブルも避けられるという物です。
あと、ネイト殿下、アライさんとけっこう打ち解けた感じですね。正直、年齢が人ほどわかりにくいラクーンですが。近い年代ということで話が合いそうです。
人との対話…というより、大人のレイコとの会話のために、ある程度の人語の習得が王族として義務づけられているそうなのですが。アライさんやマーリアちゃんと話すことが勉強になるようです。今後この技能は、人との外交にも役に立つでしょう。
国同士の会議は続いています。
資源の交易もですが。現在のセイホウ王国との付き合いが健全とも言いがたく。今後は西の大陸とも積極的に人材交流をさせたい…とは思っていますが。司法権や財産権等、個人の権利権限をどこまで認めるのか?あたりもけっこう揉めていますね。
政治経済で"人"と"ロトリー"を混ぜるのは、時期尚早というのは、一致した見解ですが。全くの没交渉も危険です。 ただ。個人で購入した所有物だけではなく、例えば事業への投資、商売上の債権、こういった物が自分の国の中でしか有効でないのなら、そもそも商取引すら危ういです。かといって野放図にしては、互いに国の資源設備、はたまた土地や人材まで所有権で揉めかねません。
この辺地球では。一般商取引については基本的にそれらを保障。土地や資源、税金の使用先が絡むような事業産物については、所有する時点で国の許可を得て、それで得た権利は国が保障する…という形態だったと思います。細かい法律については不案内ですが。
ボーキサイトや硝石があるのは、ここから南の大陸です。
さらに、ゴムの木なんかもあるそうで。硫化の技術が未発達なのでブーツにコーティングして長靴にするくらいにしか使っていないようですが。これは多分、日用品よりは電線の加工に必須になってくると思います。
南の大陸に有るロトリー国の港町。資源貯蔵やら精錬施設やらの建造。今後、船舶が短い期間でさらに大型化するのは目に見えていますので、それを見越した規模の港湾整備計画。これらを提示されたロトリー国の役人さんは面食らっています。おそらく最初想像していたことより、桁が二つ三つ違うでしょうし。
当然、ロトリー国だけでは資本も技術も人手も足りません。ロトリーの職人や学者らの教育も必要ですし、"人"の国々の投資や援助は必須でしょうが。他国の人材、投資、施設、資源、これらを国として互いにどう扱うかで揉めているわけです。
不平等条約は許しませんよ。私と言えば、いちゃもん担当。
その取り決めだと、こういう事例の時こういう問題が発生する…みたいなのを指摘しまくります。
商業だけではなく、事故災害時の対応、犯罪の対応と補償、国の安全保障やら。…ここにいる十名にも満たない会議で決まる話でも無いですが。
突っ込みが多すぎて、なんか三方から睨まれている感じがしますが。懸念される問題、ここで正答が出ないとしても、ここで出せるだけ出しておくべきでしょう。あとで慌てるより良いのです。
準備会議は続きます。
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