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第9章 帝国の魔女
第9章第005話 上陸、ロトリー国
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第9章第005話 上陸、ロトリー国
・Side:ツキシマ・レイコ
セイホウ王国の租借地オーラン島を出航。そのまま北上して三時間くらい。北西の遠くに山脈は見えていますが…やっと正面に陸地が見えてきました。
ロトリーの港町オラサクです。
港の桟橋には、帆船が何隻か並んでいるのが見えています。
今乗っているセイホウ王国の船がクリッパーとガレオンの中間くらいなら。セイホウ王国とロトリー国の船はキャラックかな。大きめの三本マスト船、中くらいの二本マスト船。一本マストは漁業用に見受けられます。
働いているラクーン達も見えます。こちらに気がついて指さしている方もいます。まぁでかい船ですので、目立つでしょうね。
船団は、カララクルさんの指示で、港町から見えていて港の邪魔にならないところに停泊。錨を降ろします。
船首マストには、セイホウ王国とネイルコードの旗を並べて掲げます。
「これて待っていれは、港湾管理のものかやってくるはすてす」
あとはネールソビン島の時と同じでした。
数人のラクーンが乗ったボートがやってきて。カララクルさんが対応してくれて。私たちの乗る船が一番深い桟橋へ誘導されます。他の桟橋で水深が足りるか分からないので、船団の他の船は一旦沖に停泊。上陸はカッターで、荷物の積み下ろしは、この桟橋を交代で使用ということになるそうです。
『"人"だ!』 『"人"だぞっ!』 『なんだあのでかい船はっ?』
さて。桟橋から上陸ですが。ここの役人との話は付いているはずですが。なんか衛兵らしい格好の人に囲まれてしまいましたね。"人"のでかい船ということで、警戒されているようです。
こちらは、遭難したアライさんを送り届けに来たんですけど。そこまで警戒しなくてもとは思いますが。
不穏な雰囲気…とまでは行きませんが。あまり良い感じでもないですね。
カララクルさんが、ここの責任者といろいろ話しています。危険は無いから解散させろ…みたいなことを言っていますね。
念のため。今回は、初っぱなからセレブロさんも一緒に降りて貰います。圧には圧で。
『ハーティーか?』 『ハーティーだっ!』 『"人"はハーティーを従えているのか?』
はい、ラクーンの衛兵さん達がビビっております。さすがに武器を抜くまではいきませんが、さっと輪を作るように退きましたね。
『皆さん、この子はハーティーではなく、西の大陸の銀狼です。ほらっ!"人"も銀狼も大丈夫ですよっ!』
アライさんが呼びかけますが。反応はイマイチですか。
マーリアちゃんがアライさんを抱き上げて、セレブロさんの背中に乗せてあげます。セレブロさんもちょっと背を低くして、乗りやすくしてあげています。
マーリアちゃんもアライさんの後ろに乗って、セレブロさんが立ち上がり。高いところでアライさんとマーリアちゃんが大喜びして手を振る…という演技ですね。
アライさんがマーリアちゃんやセレブロさんと平気で接触していることで、とりあえずこちらに危険は無いと理解してくれたようですし。セレブロさんを従えているこちらに手を出そうとするラクーンは居ないでしょう。
レッドさんはいつもの私の後ろから覗いています。赤いですからね、結構目立つと思いますが。むしろ私の方にびっくりされました。
『黒の女神様? …いやそのお子様? それに赤竜?』
港の役人さんかな?。黒髪の女性ということで、関係者だと思われたようです。まぁ多分正解なのですが。
一般の衛兵さんも、黒の女神を直に見たことあるのかな? この辺の情報収集もやっときたいところですが。
『キュルックル殿。無事のご帰還お喜び申し上げます。つきましては、別室で経緯などをお伺いしたいのですが…』
庁舎の一室に案内されましたが。そこで、ここの役人だという人が、アライさんに用があるそうです。
ちょっと丁寧なのは、アライさんや付いているカララクルさんがが王族の親戚筋ってのもありますかね?
アライさんが"人"に保護されていたというのもありますが。遭難で生き残ったのがアライさんだけということで。船がどこでどうなかったのか、アライさんが西の大陸でどのように過ごしていたのか。その辺の事情聴取は必要なのでしょう。
『キュルックルは、現在もまだこちらの"人"の使節の保護下であり、共に王都に向かわなければなりません。何日も拘留されるのは困るのですが…』
カララクルさんが意見します。
『保護…強制的ではなく?』
いぶかしげな役人さん…って、ラクーンの表情は私たちにわかりにくいですが。
『奴隷とか心配されてるのなら杞憂です。こちらの小さき黒い女神…むこうでは赤竜神の巫女と呼ばれているそうですが、こちらの方の庇護下にあります。こちらの小さき女神がキュルックルの去就を大変気にかけておりまして。そこがはっきりするまで別れがたいとのことです。なんとそのために海を渡ってここまで来たのですよ』
『…なるほど。"人"の国で粗略に扱われていたわけではないのですね。ただ、あの船には二十名以上乗っていたのです。彼らの巣のためにも、詳細は把握しておきたいのですが…』
アライさんが遭難前に乗っていた船。消息が分かったのは、アライさんだけのようです。
『はい。私もその辺の説明をすることは問題ありません』
『では、私も立ち会ってもよろしいかしら。一応親族ですので』
アライさんとカララクルさんが別室で経緯の説明の間。まぁ待つだけなのも何ですから、私は交易品の荷下ろしの方を手伝います。
蒸気帆船に興味を持つラクーンも多いようですが。落ち着いたら親交のために見学会くらいはしてもいいんじゃないですかね? 私たちが王都に行っている間はここで停泊するわけですし。
オーラン島の方に一旦戻っても良いと思ったのですが。「いざというときのため」だそうです。
まぁ外交に関わる事務的なことは、外交官と司令に任せるとして…
庁舎に来た"人"の分の夕食は、こちらで出されました。
メニューはラクーン達のものでしたが。魚と野菜のタコス?ブリトーかな? 小麦や米がないとのことでしたが、何かしら穀物はあるようです。それの粉の薄焼きパンに、肉と香味野菜たっぷりといった感じですね。あと、ここで取れたのでしょう海鮮スープ、同じくサラダと果物ですか。
配膳も丁寧で、もてなしてもらっているのは分かります。新鮮な素材で、大変美味しく頂きました。
夕食のあとの時間、日も暮れた頃。アライさんの友人だというラクーン二人がアライさんを訪ねてきました。
親族ではなく、同じ巣…幼少の頃一緒の育てられた方達だそうです。
二人に抱きしめられるアライさん。
『無事で良かったわ』『私たちには何も出来ないし。もう諦めていたのよ…』
庁舎に事情を知っている知り合いがいて、知らせてくれたそうです。
船で出て行方不明、そのまま二年間音信不通。まぁ普通は諦められます。
『ご両親やご兄弟は健在よ。…ただ去年、あなたのお葬式がね… 船に乗っていた二十五名の方々と一緒に行われているわ』
アライさんは、その辺は覚悟していたようです。カララクルさん曰く。
『もちろん、死亡届は撤回されるよう手続きは取ります』
しばらく三人にしておきます。いなかった間のことも聞きたいでしょうしね。
『小さき黒の女神様。小さき赤竜神様。あなたがキュルックルを助けてくれたということは聞きました。ほんとうにありがとうございます』
落ち着いたのか、三人が部屋から出てきました。
アライさんがアライグマなら。黒の部分が少し多いアライグマ+レッサーの方と、さらに多いアライグマ+タヌキといった方。背丈は同じくらい。両方とも女性のようですが。顔の模様でしっかりと個人が区別できますね。
しかし。巫女様の次は女神様ですか? マーリアちゃんとかネタリア外相に人の言葉で聞かれていなくて良かったですけど。ちょっとプルプルしてしまいます。
『いえいえ。喋れると分かった以上、捨て置けませんでしたから。それにキュルックルさんには、"人"の国でもいろいろ手伝って貰っています。お店では大人気なんですよ』
『食堂でお手伝いしてたの。ものすごくおいしいお店よ』
「クークルルッ!」
人と話したのは初めてのようで緊張していた二人ですが。アライさんがファルリード亭の話をすると、人の国の食堂にもちょっと興味を持ったようです。
『甘い物は私たちも好きですが。やはり結構なお値段が』
『蜂蜜か、セイホウ王国からの輸入しかないですからね。あとはせいぜい熟した果実とか』
甘味はラクーンの女性でも話題になるようです。
『またね』と挨拶を交わし二人は帰りますが。他の巣…幼少期に一緒に育てられた他のラクーンにも連絡を取るそうですが。電話とかないですからね、けっこう時間がかかるそうです。
庁舎の衛兵さんが一人ついて送っていきました。この辺は人と変わりませんね。
この日は庁舎で一泊。庁舎で一番でかいベットが部屋に運び込まれました。トクスラーさんサイズの別途なら、この中で一番背の高いネタリア外相もギリOKのようです。
次の日は、前日に引き続き外交の打ち合わせが続きます。ネタリア外相とカラサーム大使、お仕事です。
私自身の目的は、まずはアライさんの去就の確保。次に王都へ行って黒い女神に会いたいこと。問題ないだろうとは言われていますが。この辺は王都に行ってからとなります。
砂糖やセイホウ王国の産物を交易品として降ろしていきます。
それにネイルコードからの鉄やらいくつかの製品、冷蔵庫に扇風機とかのマナ動力の電化製品、これらを贈り物として渡したい旨を伝えます。
メンテが必要だから、買いっぱなしでいつまでも使える物ではないけど。ネイルコードとの交易が有用と思わせるには十分かな。
王都までの足と一緒に、馬車を用立てて貰えることになりました。
船団としては、帰りには対価としてはロトリー国の産物を積んでいきたいとのこと。金が最高貨幣として成立しているのは、ロトリー国でも同じそうで。件の帝国金貨がベースになっているそうです。ただ、金の含有量などを精査する設備がないので、価値が担保されません。よって今回はなるだけ物々交換となります。
あとは未来の話ですが。国交がなった暁には、あのネイルコードの蒸気帆船やその技術も販売する意思があることも伝えます。実はこれは、寄港中の船団の安全を図る意味もあります。合法的に入手出来るとなれば、襲ってでも手に入れる必要はなくなりますからね。欲を出すこともないでしょう。
もちろん、ここで即決するような話ではありませんが。検討案件としてどんどん溜まっていきますね。
正直、私やマーリアちゃん、聴取の終わったアライさんは暇しています。
「レイコ、街見に行きたくない? わたし、ここの市場とか興味あるんだけど」
・Side:ツキシマ・レイコ
セイホウ王国の租借地オーラン島を出航。そのまま北上して三時間くらい。北西の遠くに山脈は見えていますが…やっと正面に陸地が見えてきました。
ロトリーの港町オラサクです。
港の桟橋には、帆船が何隻か並んでいるのが見えています。
今乗っているセイホウ王国の船がクリッパーとガレオンの中間くらいなら。セイホウ王国とロトリー国の船はキャラックかな。大きめの三本マスト船、中くらいの二本マスト船。一本マストは漁業用に見受けられます。
働いているラクーン達も見えます。こちらに気がついて指さしている方もいます。まぁでかい船ですので、目立つでしょうね。
船団は、カララクルさんの指示で、港町から見えていて港の邪魔にならないところに停泊。錨を降ろします。
船首マストには、セイホウ王国とネイルコードの旗を並べて掲げます。
「これて待っていれは、港湾管理のものかやってくるはすてす」
あとはネールソビン島の時と同じでした。
数人のラクーンが乗ったボートがやってきて。カララクルさんが対応してくれて。私たちの乗る船が一番深い桟橋へ誘導されます。他の桟橋で水深が足りるか分からないので、船団の他の船は一旦沖に停泊。上陸はカッターで、荷物の積み下ろしは、この桟橋を交代で使用ということになるそうです。
『"人"だ!』 『"人"だぞっ!』 『なんだあのでかい船はっ?』
さて。桟橋から上陸ですが。ここの役人との話は付いているはずですが。なんか衛兵らしい格好の人に囲まれてしまいましたね。"人"のでかい船ということで、警戒されているようです。
こちらは、遭難したアライさんを送り届けに来たんですけど。そこまで警戒しなくてもとは思いますが。
不穏な雰囲気…とまでは行きませんが。あまり良い感じでもないですね。
カララクルさんが、ここの責任者といろいろ話しています。危険は無いから解散させろ…みたいなことを言っていますね。
念のため。今回は、初っぱなからセレブロさんも一緒に降りて貰います。圧には圧で。
『ハーティーか?』 『ハーティーだっ!』 『"人"はハーティーを従えているのか?』
はい、ラクーンの衛兵さん達がビビっております。さすがに武器を抜くまではいきませんが、さっと輪を作るように退きましたね。
『皆さん、この子はハーティーではなく、西の大陸の銀狼です。ほらっ!"人"も銀狼も大丈夫ですよっ!』
アライさんが呼びかけますが。反応はイマイチですか。
マーリアちゃんがアライさんを抱き上げて、セレブロさんの背中に乗せてあげます。セレブロさんもちょっと背を低くして、乗りやすくしてあげています。
マーリアちゃんもアライさんの後ろに乗って、セレブロさんが立ち上がり。高いところでアライさんとマーリアちゃんが大喜びして手を振る…という演技ですね。
アライさんがマーリアちゃんやセレブロさんと平気で接触していることで、とりあえずこちらに危険は無いと理解してくれたようですし。セレブロさんを従えているこちらに手を出そうとするラクーンは居ないでしょう。
レッドさんはいつもの私の後ろから覗いています。赤いですからね、結構目立つと思いますが。むしろ私の方にびっくりされました。
『黒の女神様? …いやそのお子様? それに赤竜?』
港の役人さんかな?。黒髪の女性ということで、関係者だと思われたようです。まぁ多分正解なのですが。
一般の衛兵さんも、黒の女神を直に見たことあるのかな? この辺の情報収集もやっときたいところですが。
『キュルックル殿。無事のご帰還お喜び申し上げます。つきましては、別室で経緯などをお伺いしたいのですが…』
庁舎の一室に案内されましたが。そこで、ここの役人だという人が、アライさんに用があるそうです。
ちょっと丁寧なのは、アライさんや付いているカララクルさんがが王族の親戚筋ってのもありますかね?
アライさんが"人"に保護されていたというのもありますが。遭難で生き残ったのがアライさんだけということで。船がどこでどうなかったのか、アライさんが西の大陸でどのように過ごしていたのか。その辺の事情聴取は必要なのでしょう。
『キュルックルは、現在もまだこちらの"人"の使節の保護下であり、共に王都に向かわなければなりません。何日も拘留されるのは困るのですが…』
カララクルさんが意見します。
『保護…強制的ではなく?』
いぶかしげな役人さん…って、ラクーンの表情は私たちにわかりにくいですが。
『奴隷とか心配されてるのなら杞憂です。こちらの小さき黒い女神…むこうでは赤竜神の巫女と呼ばれているそうですが、こちらの方の庇護下にあります。こちらの小さき女神がキュルックルの去就を大変気にかけておりまして。そこがはっきりするまで別れがたいとのことです。なんとそのために海を渡ってここまで来たのですよ』
『…なるほど。"人"の国で粗略に扱われていたわけではないのですね。ただ、あの船には二十名以上乗っていたのです。彼らの巣のためにも、詳細は把握しておきたいのですが…』
アライさんが遭難前に乗っていた船。消息が分かったのは、アライさんだけのようです。
『はい。私もその辺の説明をすることは問題ありません』
『では、私も立ち会ってもよろしいかしら。一応親族ですので』
アライさんとカララクルさんが別室で経緯の説明の間。まぁ待つだけなのも何ですから、私は交易品の荷下ろしの方を手伝います。
蒸気帆船に興味を持つラクーンも多いようですが。落ち着いたら親交のために見学会くらいはしてもいいんじゃないですかね? 私たちが王都に行っている間はここで停泊するわけですし。
オーラン島の方に一旦戻っても良いと思ったのですが。「いざというときのため」だそうです。
まぁ外交に関わる事務的なことは、外交官と司令に任せるとして…
庁舎に来た"人"の分の夕食は、こちらで出されました。
メニューはラクーン達のものでしたが。魚と野菜のタコス?ブリトーかな? 小麦や米がないとのことでしたが、何かしら穀物はあるようです。それの粉の薄焼きパンに、肉と香味野菜たっぷりといった感じですね。あと、ここで取れたのでしょう海鮮スープ、同じくサラダと果物ですか。
配膳も丁寧で、もてなしてもらっているのは分かります。新鮮な素材で、大変美味しく頂きました。
夕食のあとの時間、日も暮れた頃。アライさんの友人だというラクーン二人がアライさんを訪ねてきました。
親族ではなく、同じ巣…幼少の頃一緒の育てられた方達だそうです。
二人に抱きしめられるアライさん。
『無事で良かったわ』『私たちには何も出来ないし。もう諦めていたのよ…』
庁舎に事情を知っている知り合いがいて、知らせてくれたそうです。
船で出て行方不明、そのまま二年間音信不通。まぁ普通は諦められます。
『ご両親やご兄弟は健在よ。…ただ去年、あなたのお葬式がね… 船に乗っていた二十五名の方々と一緒に行われているわ』
アライさんは、その辺は覚悟していたようです。カララクルさん曰く。
『もちろん、死亡届は撤回されるよう手続きは取ります』
しばらく三人にしておきます。いなかった間のことも聞きたいでしょうしね。
『小さき黒の女神様。小さき赤竜神様。あなたがキュルックルを助けてくれたということは聞きました。ほんとうにありがとうございます』
落ち着いたのか、三人が部屋から出てきました。
アライさんがアライグマなら。黒の部分が少し多いアライグマ+レッサーの方と、さらに多いアライグマ+タヌキといった方。背丈は同じくらい。両方とも女性のようですが。顔の模様でしっかりと個人が区別できますね。
しかし。巫女様の次は女神様ですか? マーリアちゃんとかネタリア外相に人の言葉で聞かれていなくて良かったですけど。ちょっとプルプルしてしまいます。
『いえいえ。喋れると分かった以上、捨て置けませんでしたから。それにキュルックルさんには、"人"の国でもいろいろ手伝って貰っています。お店では大人気なんですよ』
『食堂でお手伝いしてたの。ものすごくおいしいお店よ』
「クークルルッ!」
人と話したのは初めてのようで緊張していた二人ですが。アライさんがファルリード亭の話をすると、人の国の食堂にもちょっと興味を持ったようです。
『甘い物は私たちも好きですが。やはり結構なお値段が』
『蜂蜜か、セイホウ王国からの輸入しかないですからね。あとはせいぜい熟した果実とか』
甘味はラクーンの女性でも話題になるようです。
『またね』と挨拶を交わし二人は帰りますが。他の巣…幼少期に一緒に育てられた他のラクーンにも連絡を取るそうですが。電話とかないですからね、けっこう時間がかかるそうです。
庁舎の衛兵さんが一人ついて送っていきました。この辺は人と変わりませんね。
この日は庁舎で一泊。庁舎で一番でかいベットが部屋に運び込まれました。トクスラーさんサイズの別途なら、この中で一番背の高いネタリア外相もギリOKのようです。
次の日は、前日に引き続き外交の打ち合わせが続きます。ネタリア外相とカラサーム大使、お仕事です。
私自身の目的は、まずはアライさんの去就の確保。次に王都へ行って黒い女神に会いたいこと。問題ないだろうとは言われていますが。この辺は王都に行ってからとなります。
砂糖やセイホウ王国の産物を交易品として降ろしていきます。
それにネイルコードからの鉄やらいくつかの製品、冷蔵庫に扇風機とかのマナ動力の電化製品、これらを贈り物として渡したい旨を伝えます。
メンテが必要だから、買いっぱなしでいつまでも使える物ではないけど。ネイルコードとの交易が有用と思わせるには十分かな。
王都までの足と一緒に、馬車を用立てて貰えることになりました。
船団としては、帰りには対価としてはロトリー国の産物を積んでいきたいとのこと。金が最高貨幣として成立しているのは、ロトリー国でも同じそうで。件の帝国金貨がベースになっているそうです。ただ、金の含有量などを精査する設備がないので、価値が担保されません。よって今回はなるだけ物々交換となります。
あとは未来の話ですが。国交がなった暁には、あのネイルコードの蒸気帆船やその技術も販売する意思があることも伝えます。実はこれは、寄港中の船団の安全を図る意味もあります。合法的に入手出来るとなれば、襲ってでも手に入れる必要はなくなりますからね。欲を出すこともないでしょう。
もちろん、ここで即決するような話ではありませんが。検討案件としてどんどん溜まっていきますね。
正直、私やマーリアちゃん、聴取の終わったアライさんは暇しています。
「レイコ、街見に行きたくない? わたし、ここの市場とか興味あるんだけど」
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