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第8章 東方諸島セイホウ王国
第8章第023話 セイホウ王国へ到着
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第8章第023話 セイホウ王国へ到着
・Side:ツキシマ・レイコ
「島が見えるぞ~~っ!!」
ネイルコードを出航してし四十八日目の昼前ほど。見張りに付いていた船員さんが知らせます。
見えてきた島は、途中寄った火山島より狭いようですが、その尖り具合からはより高く見えます。その分、周囲は斜面や岸壁だらけで、人が住める感じではないですね。
「あれは東方諸島の西端のシュベルタラン島ですね。無人島ですが、航路の良い目印になっています。他にもいくつか目印になる島があるのですが、この島が見えたと言うことは、航路はどんぴしゃです。ここからセイホウ王国本島まではあと二日ってところですね」
もっとも、朝のレッドさん偵察でこの島は見つけていたんですけど。海図のどの島かまでは判別出来ませんでした。地図に描かれているのはただの丸でしかないですからね。
今までの帆走だけの航海だと、ここまで四ヶ月かかるそうですから。今回の航海は、所要期間が半分を切ってます。
「小竜神さまの偵察のおかげで、良い風向きの海域を選んで航行できましたからね。その分も短縮出来ています。我々だけだと、この蒸気船でもやはり二ヶ月かかると思いますよ」
雲からの観測とは言え、低気圧や前線の位置をおおまかに把握できるのは、やはり大きいみたいです。
前の島と同じく、人が漂着している様子がないかを旗艦だけ島を一周して確認した後、そのまま東進。二日後、無事にセイホウ王国の本島が見えてきました。本島はまんまセイホウという名前だそうです。
島と言っても十分大きく、ここから見たら大陸と区別は付きません。話を聞くに、本島だけで南北四百キロメートルほどあるそうです。九州より大きいですね。
眼前に迫ってきた南北から伸びる陸地。これらは半島だそうで、その向こうに湾が広がっていて、そこが王都に面しているそうです。半島の間を進み、湾に入ったところで一時停泊します。
この湾はタルタ湾というそうですが、入り口がけっこう狭いので、もう内海と言っていいかも。対岸が辛うじて見えるくらいの大きな湾ですね。児島湾の桜島から北部分くらいはありそうです。
入り口の北の方の半島には中規模くらいの港があって、そちらから小型の帆船がやってくるのが見えます。カラサームさん曰く、旗からしてセイホウ王国の臨検船だそうです。
船団は帆を下ろして、無抵抗の意思を示します。この辺は物騒な意味はなく、外国の船が入港するときの標準的な手続きだそうです。
「我らは、セイホウ王国テルローグ港湾警備隊! 隊長のアーラム・タリストである! ネイルコード王国の船とお見受けする! 入港前の臨検のため、乗船の許可を戴きたい!」
近づいてきた船から、ちょっと身なりの良い兵士さんが声をかけてきます。
「ネイルコード王国艦隊司令 オレク・スルクである! 貴殿らの乗船を許可する!」
タラップが下ろされて、臨検の兵士達が昇ってきます。
手旗信号で、他の二隻にも臨検の受け入れが指示されます。セイホウ王国の船は、そちらの方にも向かいます。
「私はカラサーム・ハルク・ビシャーラン五位、ネイルコード王国派遣の大使です。船団に同乗させていたただき、ただいま帰還しました。船団の受け入れを要請致します」
カラサームさんがセイホウ王国の兵士達を出迎えます。
「カラサーム大使、無事のご帰還、僥倖であります。臨検後に御館の方へご案内致します。船員の方々も、陸地が恋しいことでしょう。宿舎が用意されておりますので、諸々の手続きが済むまでそちらでお過ごし…を…?」
ってところで。私の肩に止まっているレッドさんと、マーリアちゃんの後ろに控えているセレブロさん、それにアライさんに気がついたようで。目を丸くしてみています。
「本国には報告は上がっているはずですが、ご存じないですか? ネイルコード王国に降臨された小竜神さま、それと巫女のレイコ・ツキシマ様です。そちらの美しいご婦人と狼は、エルセニム王国王女マーリア・エルセニム・ハイザート様とその従者セレブロ殿となります」
「これはこれは。西の大陸にご降臨されたとの噂はセイホウ王国にも届いております! 姫様も、このたびの御来訪、歓迎致します!」
最敬礼の姿勢を取る隊長さん。…ちょっとビクッとしたけど、膝を突かないのでぎりぎりOK。
『あと。こちらのロトリーがネイルコードで保護されていました。ただ、このロトリーは巫女様達と懇意で、安全が確認されるまで行動をともにしたいそうなので。そういう扱いでお願いいたします』
カラサームさんが隊長さんに小声で語るのが聞こえました。アライさんのことですね。
『承知しました。出来るだけ人目に付かないように取り計らいましょう』
臨検として、船内の案内と積み荷のチェックが始まりましたが。
蒸気機関と冷凍庫の説明はちょっと難しかったですね。とりあえず危険でないことと。後日、国の者に見学させて欲しいとの要望を受け入れることで、ここは許可となりました。
臨検が終わったら、首都に向けて再出発です。
湾内の航行なので、セイホウ王国側の一人が水先案内人として乗り込んでいます。座礁しそうな浅瀬などを避けて、接岸先まで案内してくれます。
ここは蒸気機関だけで航行です。セイホウ王国の人は、帆無しでの航行と、船内から聞こえてくる機関の音にびっくりしていますね。
湾に入ってさらに数時間、目的地が見えてきました。セイホウ王国首都テルローグです。
湾の形はほぼ円形だそうです。カルデラというより、ここもクレーターですかね?
湾の出入り口は西と南東に開けていて。首都は湾の北岸に面しています。セイホウ島自体はここから主に南方に伸びていて、このタルタ湾は島の南端に位置している感じです。このへんも九州の鹿児島っぽいですね。
ここから見る感じ。島の東と西に山地があって、その間に平地があり。街や農地はそこを中心に広がっているようです。
首都も、その山地の端の麓に広がっていて。ネイルコードとはまた違った日本の武家屋敷のようにも見える建物が山地の斜面に連なっています。
木造の建物…和風というほどでもないけど、洋風のネイルコードとはまた違った趣がありますね。高くても三階程度の建物のようです。
「ネイルコードと違って、セイホウ王国では地揺れがたまにあるのですよ。石材は土台やせいぜい一階の部分だけで、だいたい木造で出来ています。防火のために漆喰を塗っている家も多いですね」
カラサームさんが教えてくれます。
ここからも、その漆喰らしい白い壁の建物が見えています。ああ、木造と白い壁がなんか城下町っぽい雰囲気を醸し出しているんですね。
港では、帆をたたんだまま進む船団に気づいてこちらを指さして騒いでいる人がいます。潮に流されているにしては高速ですからね。後でいろいろ質問攻めになりそうです。
船は綺麗に桟橋に近づいていき、スクリュー逆回転で停止。舫を投げて無事に接岸。港の東端、お城っぽいところに一番近い桟橋に停泊しました。
エイゼル市を出航して五十日目。船団は無事にセイホウ王国に到着です。
この日は、船員の三分の一を残して上陸となりました。
「それでは、私は先に御館の方に帰参の報告に向かいます。いきなり今から会談や打ち合わせでは、休まる暇も無いでしょうから、明日にでも今後の予定などをお知らせに参ります。今日の所はそれまで宿舎の方でごゆるりと」
カラサームさんはそのまま馬車に。御館とは王宮と各種省庁を合わせた施設のようで、この辺はネイルコードの王宮と似た感じですかね。
私たちは、桟橋のすぐ近く、倉庫街に併設された宿舎の方に案内されました。
船員用の宿舎は、まんま軍の宿舎という感じですが。清潔なベットに、なにより揺れない地面。真水でのシャワーも使い放題です。さっそく皆が羽を伸ばします。
上陸組の半分は、夕方には船に残っている人たちと交代ではありますが。皆々がしばしの休息を満喫するのでした。また明日からまた忙しくなりそうですからね。
「では。今夜はセイホウ王国到着パーティーだな」
「「「おおおぅっっっ!!!」」」
司令の許可が出ました。
セイホウ王国側から、お手伝いの人は派遣されていますが。相手は主に軍人や船員ですし、他国の料理を真似ろというのも無理がありますので。身の回りのことはなるだけ自分たちでするようになります。
厨房はあるけど食事の用意は船員でやってくれ…とのこと。まぁ百名近い船員の食事として他国の料理をいきなり作れと言われても困るでしょうしね。
代わりにと。セイホウ王国産の新鮮な食材、肉や魚や野菜に、お酒まで用意していたただけました。これだけ食材を用意してくれるだけでも、十分歓待になってますよ。
「米がありますよ!レイコ殿!」
「肉も、いろいろ種類がありますね。鳥とボアと。あ、卵もあります。新鮮な魚も結構な量が届けられています。早々に食べきって良いそうです。こちらには冷蔵庫が無いですからね」
「「レイコ殿! 我々はあのチャーハンが食べたいです!」」
船に積んでいた米は、船員さん皆で食べてしまって、ほとんど残っていません。
ご飯におかずの形態はまだ定着していませんが。チャーハンやらピラフやら炊き込みご飯やらおにぎりやらは、船上でも人気メニューになりました。しかし、無い米は炊けません。
米はセイホウ王国が原産。帰りは多めに積んでいきたいですね。
となるともうメニューは決まりですか。
小麦粉もあるのですが。パンよりはもう餃子とかにした方が良いですね。植物油も結構差し入れられていますので。うん、唐揚げ、トンカツ、魚のフライ。中華メインに揚げ物天国と行きます。かなり重たいメニューになりそうですが、船員さん達ならペロリと行くでしょう。
あ、エビもある。…エビフライとエビチリ、どっちがいいですかね、両方作りますか。船から調味料も持ってこないと。
お酒も、差し入れと船に積んでいた分を放出します。こりゃ大宴会になりそうです。私は飲まないですけどね。
私が料理に参加することが決定してしまいましたが。船の調理担当さん達の他にも、有志がさらに手伝ってくれます。マーリアちゃんやアライさんも手伝ってくれますよ。あ、あとマヨネーズ要員も募集します、芋も潰してね。
最初に、諸々の準備の前に鶏ガラを火にかけてください。時間のかかるスープが優先です。
当直で船に残っている船員さん達にも、料理を届けたいですからね。ここは気張りましょうか。
・Side:ツキシマ・レイコ
「島が見えるぞ~~っ!!」
ネイルコードを出航してし四十八日目の昼前ほど。見張りに付いていた船員さんが知らせます。
見えてきた島は、途中寄った火山島より狭いようですが、その尖り具合からはより高く見えます。その分、周囲は斜面や岸壁だらけで、人が住める感じではないですね。
「あれは東方諸島の西端のシュベルタラン島ですね。無人島ですが、航路の良い目印になっています。他にもいくつか目印になる島があるのですが、この島が見えたと言うことは、航路はどんぴしゃです。ここからセイホウ王国本島まではあと二日ってところですね」
もっとも、朝のレッドさん偵察でこの島は見つけていたんですけど。海図のどの島かまでは判別出来ませんでした。地図に描かれているのはただの丸でしかないですからね。
今までの帆走だけの航海だと、ここまで四ヶ月かかるそうですから。今回の航海は、所要期間が半分を切ってます。
「小竜神さまの偵察のおかげで、良い風向きの海域を選んで航行できましたからね。その分も短縮出来ています。我々だけだと、この蒸気船でもやはり二ヶ月かかると思いますよ」
雲からの観測とは言え、低気圧や前線の位置をおおまかに把握できるのは、やはり大きいみたいです。
前の島と同じく、人が漂着している様子がないかを旗艦だけ島を一周して確認した後、そのまま東進。二日後、無事にセイホウ王国の本島が見えてきました。本島はまんまセイホウという名前だそうです。
島と言っても十分大きく、ここから見たら大陸と区別は付きません。話を聞くに、本島だけで南北四百キロメートルほどあるそうです。九州より大きいですね。
眼前に迫ってきた南北から伸びる陸地。これらは半島だそうで、その向こうに湾が広がっていて、そこが王都に面しているそうです。半島の間を進み、湾に入ったところで一時停泊します。
この湾はタルタ湾というそうですが、入り口がけっこう狭いので、もう内海と言っていいかも。対岸が辛うじて見えるくらいの大きな湾ですね。児島湾の桜島から北部分くらいはありそうです。
入り口の北の方の半島には中規模くらいの港があって、そちらから小型の帆船がやってくるのが見えます。カラサームさん曰く、旗からしてセイホウ王国の臨検船だそうです。
船団は帆を下ろして、無抵抗の意思を示します。この辺は物騒な意味はなく、外国の船が入港するときの標準的な手続きだそうです。
「我らは、セイホウ王国テルローグ港湾警備隊! 隊長のアーラム・タリストである! ネイルコード王国の船とお見受けする! 入港前の臨検のため、乗船の許可を戴きたい!」
近づいてきた船から、ちょっと身なりの良い兵士さんが声をかけてきます。
「ネイルコード王国艦隊司令 オレク・スルクである! 貴殿らの乗船を許可する!」
タラップが下ろされて、臨検の兵士達が昇ってきます。
手旗信号で、他の二隻にも臨検の受け入れが指示されます。セイホウ王国の船は、そちらの方にも向かいます。
「私はカラサーム・ハルク・ビシャーラン五位、ネイルコード王国派遣の大使です。船団に同乗させていたただき、ただいま帰還しました。船団の受け入れを要請致します」
カラサームさんがセイホウ王国の兵士達を出迎えます。
「カラサーム大使、無事のご帰還、僥倖であります。臨検後に御館の方へご案内致します。船員の方々も、陸地が恋しいことでしょう。宿舎が用意されておりますので、諸々の手続きが済むまでそちらでお過ごし…を…?」
ってところで。私の肩に止まっているレッドさんと、マーリアちゃんの後ろに控えているセレブロさん、それにアライさんに気がついたようで。目を丸くしてみています。
「本国には報告は上がっているはずですが、ご存じないですか? ネイルコード王国に降臨された小竜神さま、それと巫女のレイコ・ツキシマ様です。そちらの美しいご婦人と狼は、エルセニム王国王女マーリア・エルセニム・ハイザート様とその従者セレブロ殿となります」
「これはこれは。西の大陸にご降臨されたとの噂はセイホウ王国にも届いております! 姫様も、このたびの御来訪、歓迎致します!」
最敬礼の姿勢を取る隊長さん。…ちょっとビクッとしたけど、膝を突かないのでぎりぎりOK。
『あと。こちらのロトリーがネイルコードで保護されていました。ただ、このロトリーは巫女様達と懇意で、安全が確認されるまで行動をともにしたいそうなので。そういう扱いでお願いいたします』
カラサームさんが隊長さんに小声で語るのが聞こえました。アライさんのことですね。
『承知しました。出来るだけ人目に付かないように取り計らいましょう』
臨検として、船内の案内と積み荷のチェックが始まりましたが。
蒸気機関と冷凍庫の説明はちょっと難しかったですね。とりあえず危険でないことと。後日、国の者に見学させて欲しいとの要望を受け入れることで、ここは許可となりました。
臨検が終わったら、首都に向けて再出発です。
湾内の航行なので、セイホウ王国側の一人が水先案内人として乗り込んでいます。座礁しそうな浅瀬などを避けて、接岸先まで案内してくれます。
ここは蒸気機関だけで航行です。セイホウ王国の人は、帆無しでの航行と、船内から聞こえてくる機関の音にびっくりしていますね。
湾に入ってさらに数時間、目的地が見えてきました。セイホウ王国首都テルローグです。
湾の形はほぼ円形だそうです。カルデラというより、ここもクレーターですかね?
湾の出入り口は西と南東に開けていて。首都は湾の北岸に面しています。セイホウ島自体はここから主に南方に伸びていて、このタルタ湾は島の南端に位置している感じです。このへんも九州の鹿児島っぽいですね。
ここから見る感じ。島の東と西に山地があって、その間に平地があり。街や農地はそこを中心に広がっているようです。
首都も、その山地の端の麓に広がっていて。ネイルコードとはまた違った日本の武家屋敷のようにも見える建物が山地の斜面に連なっています。
木造の建物…和風というほどでもないけど、洋風のネイルコードとはまた違った趣がありますね。高くても三階程度の建物のようです。
「ネイルコードと違って、セイホウ王国では地揺れがたまにあるのですよ。石材は土台やせいぜい一階の部分だけで、だいたい木造で出来ています。防火のために漆喰を塗っている家も多いですね」
カラサームさんが教えてくれます。
ここからも、その漆喰らしい白い壁の建物が見えています。ああ、木造と白い壁がなんか城下町っぽい雰囲気を醸し出しているんですね。
港では、帆をたたんだまま進む船団に気づいてこちらを指さして騒いでいる人がいます。潮に流されているにしては高速ですからね。後でいろいろ質問攻めになりそうです。
船は綺麗に桟橋に近づいていき、スクリュー逆回転で停止。舫を投げて無事に接岸。港の東端、お城っぽいところに一番近い桟橋に停泊しました。
エイゼル市を出航して五十日目。船団は無事にセイホウ王国に到着です。
この日は、船員の三分の一を残して上陸となりました。
「それでは、私は先に御館の方に帰参の報告に向かいます。いきなり今から会談や打ち合わせでは、休まる暇も無いでしょうから、明日にでも今後の予定などをお知らせに参ります。今日の所はそれまで宿舎の方でごゆるりと」
カラサームさんはそのまま馬車に。御館とは王宮と各種省庁を合わせた施設のようで、この辺はネイルコードの王宮と似た感じですかね。
私たちは、桟橋のすぐ近く、倉庫街に併設された宿舎の方に案内されました。
船員用の宿舎は、まんま軍の宿舎という感じですが。清潔なベットに、なにより揺れない地面。真水でのシャワーも使い放題です。さっそく皆が羽を伸ばします。
上陸組の半分は、夕方には船に残っている人たちと交代ではありますが。皆々がしばしの休息を満喫するのでした。また明日からまた忙しくなりそうですからね。
「では。今夜はセイホウ王国到着パーティーだな」
「「「おおおぅっっっ!!!」」」
司令の許可が出ました。
セイホウ王国側から、お手伝いの人は派遣されていますが。相手は主に軍人や船員ですし、他国の料理を真似ろというのも無理がありますので。身の回りのことはなるだけ自分たちでするようになります。
厨房はあるけど食事の用意は船員でやってくれ…とのこと。まぁ百名近い船員の食事として他国の料理をいきなり作れと言われても困るでしょうしね。
代わりにと。セイホウ王国産の新鮮な食材、肉や魚や野菜に、お酒まで用意していたただけました。これだけ食材を用意してくれるだけでも、十分歓待になってますよ。
「米がありますよ!レイコ殿!」
「肉も、いろいろ種類がありますね。鳥とボアと。あ、卵もあります。新鮮な魚も結構な量が届けられています。早々に食べきって良いそうです。こちらには冷蔵庫が無いですからね」
「「レイコ殿! 我々はあのチャーハンが食べたいです!」」
船に積んでいた米は、船員さん皆で食べてしまって、ほとんど残っていません。
ご飯におかずの形態はまだ定着していませんが。チャーハンやらピラフやら炊き込みご飯やらおにぎりやらは、船上でも人気メニューになりました。しかし、無い米は炊けません。
米はセイホウ王国が原産。帰りは多めに積んでいきたいですね。
となるともうメニューは決まりですか。
小麦粉もあるのですが。パンよりはもう餃子とかにした方が良いですね。植物油も結構差し入れられていますので。うん、唐揚げ、トンカツ、魚のフライ。中華メインに揚げ物天国と行きます。かなり重たいメニューになりそうですが、船員さん達ならペロリと行くでしょう。
あ、エビもある。…エビフライとエビチリ、どっちがいいですかね、両方作りますか。船から調味料も持ってこないと。
お酒も、差し入れと船に積んでいた分を放出します。こりゃ大宴会になりそうです。私は飲まないですけどね。
私が料理に参加することが決定してしまいましたが。船の調理担当さん達の他にも、有志がさらに手伝ってくれます。マーリアちゃんやアライさんも手伝ってくれますよ。あ、あとマヨネーズ要員も募集します、芋も潰してね。
最初に、諸々の準備の前に鶏ガラを火にかけてください。時間のかかるスープが優先です。
当直で船に残っている船員さん達にも、料理を届けたいですからね。ここは気張りましょうか。
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