282 / 339
第8章 東方諸島セイホウ王国
第8章第011話 アライさんを売れとな?
しおりを挟む
第8章第011話 アライさんを売れとな?
・Side:ツキシマ・レイコ
「「「しゅぽしゅぽしゅぽしゅぽ…」」」
子供達は窓に張り付いたままで、流れていく風景に夢中です。これでは席が要らないですね。
三人そろってしゅぽしゅぽと、微笑ましいです。
列車はカラスウ河沿いに北上していきます。その車窓からは、森林地帯とその向こうに緑の山が見えています。
王都とエイゼル市がある平野は、北西から北を経て東に続く山地の間にあり。西の山地の向こうにテオーガル領。東の山地の前には開発中の台地があって、その先の山地の向こう側がアマランカ領。
窓の外、河向こうには農村と農地が増えてきて。ぽつぽつと王都の周辺街も見えてきた頃、そろそろ列車は王都の駅に到着です。
王都の駅は、王都の郊外の南に場所が取られました。エイゼル市と同じく、王都内にはもう駅を作れるような土地はないですから。
ここから西へ、トクマク方面に線路が延びています。開業はもうちょっと先ですが。
駅の外の線路沿いにも、入ってくる列車を見ようと見物人がたくさん居ます。ちゃっかり屋台を出している人なんかもいるみたいですね。
窓に張り付いている子供達が外へ手を振っています。見物していた人も手を振り替えします。
列車がホームに滑り込み、丁寧に停車します。
「王都ネイルコード~王都ネイルコード~。本列車は貨物駅に回送となりますため、この先は御乗車なれません。御降車の際には、忘れ物のないようにお気を付けくだしゃいっ!」
駅員さんが歩きながらメガホンで叫んでいますが…初めてのアナウンスで緊張したのか…噛みましたね。
ちなみに、マイクとスピーカーは、ユルガルムで開発中です。
客を降ろした列車はこの後、ループバックを兼ねた貨物駅に向かいます。そこも結構広い施設で、整備場も併設されていています
エイゼル市の駅の方にも、同様な施設が作られています。線路や駅以外にも土地がたくさん必要です鉄道は。
そちらにいったん入って荷物の積み下ろしのあと、車両の点検に水の補給の後、環状の路線を通って向きを変えて、再度エイゼル市に向かうことになります。
予備の列車も二編成用意されていて。一日交代で運行と点検に入るそうです。まだ試運転の域は出ませんからね。
二編成の列車が三往復。王都発は一日六本の運行です。二時間に一本くらいの間隔。
私たちは今夜、王都にあるタロウさんのご両親のお屋敷に泊まる予定です。その前に私とアライさんは、王宮での宴に出ないといけないですけどね。
王宮に泊まっていかないかとはお誘いを受けましたが。王宮の方は賓客の相手で忙しそうだったので、今回は遠慮しました。
駅前のランドゥーク商会のお店…こちらもしっかりと土地を確保していますね。タロウさんのご両親とはそちらで待ち合わせ予定です。個人用の時計とか正確な運行スケジュールはまだ望めませんので。駅での待ち合わせはまだ難しいのです。
改札に向かってホームを歩いていると。パノラマカー組の集団から離れてきたリシャーフさんが話しかけてきました。
他の賓客と共に王城に直接向かうんじゃなかったのかなと思ったのですが。
「レイコ殿。カラサーム殿が伺いたいことがあるそうなんだけど… ちょっといいかしら?」
申し訳なさそうなリシャーフさんですね。…面倒事かしら?
「今夜の宴の時ではだめなんですか?」
「早めに確認しておきたいんですって」
一礼したカラサーム殿が話しかけてきます。
「お急ぎの所申し訳ないです。リシャーフ様からお伺いしたのですが。そちらの…ラクーンでしたか。正教国で商家の店先に繋がれていたところをレイコ殿が買われたそうで…」
正教国のある街で見かけたアライさん。単なる動物では無く「会話が成立する知性体」だということに気がつきまして、その商家から買い取る形になりました。
引き取る代償として、手持ちの帝国金貨を渡しましたが。私が誰かを知ったその商家、後日慌てて返却してきました。ただ、アライさんは動物扱いはされていたとは言え、別に虐待はされていたわけではないので。代わりとしてネイルコード大金貨を送っています。
ちなみに、件の帝国金貨の方は教会に買い取られて、そこで飾られることになりました。
レッドさんを抱っこしているアライさんがそばに来ます。
「ヒャー。もうなんかなつかしいてすね」
「そんなこともあったなって感じよね」
「クーク」
アライさんと暮らし始めて、もう四年になりますか。
「アライまま、売られていたの?」
「ヒャー。ここにくるまては、わたしもはらんはんしょうたったのてすよ」
波瀾万丈。難しい言葉使いますね。子供達には分かるかな?
「レイコ殿。そちらのラクーンも、今夜の王城の宴に出席されるとか伺ったのですが」
「あ、はい。後で馬車で向かう予定ですが」
懸念があるって感じの表情ですね。アライさんが出ることに何か不満があるのかな?
本日の宴は、ユルガルムの方からも、ナインケル辺境候に、婿妻でありアイズン伯爵の娘であるターナンシュ様、孫のシュバール様にパリトゥエール様、さらにシュバール様のところでお世話になっている銀狼のオルト君がやってきているはずなのです。
王城のクリステーナ姫のところにはケルちゃんが居ますからね。セレブロさん一家も久しぶりに勢揃い。
なんならもふもふ組を集めましょう…というクリスティーナ様の提案によって、アライさんも招待されました。
アライさん曰く、ラクーンにも国があるそうですが、国交は現在の所皆無です。それでも王宮から、ラクーン代表としてのアライさん招待されました。
「ずいぶんと子供達も懐いているような所、心苦しいのですが。そのラクーン、私に売っていただけませんかな?」
「…え?」
なんかとんでもないこと言い始めましたよ、セイホウ王国のカラサーム大使…
「レイコまま、なんか恐いの出てるよ…」
「クックルークルッ!!」
おっと、マナ支配が漏れてしまいました。レッドさんに注意されます。
カラサーム殿は…気づかないふりですかね? リシャーフさんは真っ青になっています。
「…労働力として買われたのであれば。人を何人も雇えるくらいの対価はお支払いしますよ」
「別に奴隷として買ったわけじゃないんだけど」
「ヒャー。はたからさるものくうへからすてす」
ファルリード亭での給仕の仕事は、アライさんが自発的に言い出してくれたことです。言葉を覚えるのにも丁度いいですからね。
「ふむ… キゥル、カルキゥーキゥールクル、クァルケルキゥ?」
ん? このカラサームという人。ラクーンの言葉が話せるんですか? ちょっと発音に"人訛り"はありますが。
「ヒャー、キールクル、キュルックル、キュ」
周囲の人にはキュルキュル言っているだけに聞こえますが。私には何会話しているか分かってしまいます。
名前を聞いたり。現在不遇な目に遭っていないかとか…
「ヒャー。みなにはすこくよくしてもらってます。まいにちたのしいてすよ」
皆が耳を傾けているのを知ってか、こちらの言葉で返事するアライさん。
「…アライさんを売るつもりはまったくありませんけど。一応聞いておきます。アライさんを買ってどうなさるおつもりで?」
「なにか誤解させてしまったようですな。あまり公言できる話ではないのですが。お仲間のところにお連れすることが出来る…と言えばいかがですかな?」
…この人がラクーンを買い集めているってことですか? 他にも捕まっているラクーンが居る?
「ちょっとカラサーム殿! 言い方っ!言い方っ! かえって誤解を招いていますっ! レイコ殿ごめんなさいね、まともな理由はちゃとんとあるからっ! 話だけは聞いておいた方が良いと思ったのよ」
「うーむ。できれば宴の前に話を付けたいと思っていたのですが。…これも時期が来たということでしょうか。 私だけで判断して良いことでも無いのですが、巫女様のご意向ということなら致し方ありますまい」
なにか意味深なつぶやいていますね。
「ここでお話しするのも耳目が多いようですからな。宴の後にでも、少しお時間をいただけませんかな?レイコ殿」
・Side:ツキシマ・レイコ
「「「しゅぽしゅぽしゅぽしゅぽ…」」」
子供達は窓に張り付いたままで、流れていく風景に夢中です。これでは席が要らないですね。
三人そろってしゅぽしゅぽと、微笑ましいです。
列車はカラスウ河沿いに北上していきます。その車窓からは、森林地帯とその向こうに緑の山が見えています。
王都とエイゼル市がある平野は、北西から北を経て東に続く山地の間にあり。西の山地の向こうにテオーガル領。東の山地の前には開発中の台地があって、その先の山地の向こう側がアマランカ領。
窓の外、河向こうには農村と農地が増えてきて。ぽつぽつと王都の周辺街も見えてきた頃、そろそろ列車は王都の駅に到着です。
王都の駅は、王都の郊外の南に場所が取られました。エイゼル市と同じく、王都内にはもう駅を作れるような土地はないですから。
ここから西へ、トクマク方面に線路が延びています。開業はもうちょっと先ですが。
駅の外の線路沿いにも、入ってくる列車を見ようと見物人がたくさん居ます。ちゃっかり屋台を出している人なんかもいるみたいですね。
窓に張り付いている子供達が外へ手を振っています。見物していた人も手を振り替えします。
列車がホームに滑り込み、丁寧に停車します。
「王都ネイルコード~王都ネイルコード~。本列車は貨物駅に回送となりますため、この先は御乗車なれません。御降車の際には、忘れ物のないようにお気を付けくだしゃいっ!」
駅員さんが歩きながらメガホンで叫んでいますが…初めてのアナウンスで緊張したのか…噛みましたね。
ちなみに、マイクとスピーカーは、ユルガルムで開発中です。
客を降ろした列車はこの後、ループバックを兼ねた貨物駅に向かいます。そこも結構広い施設で、整備場も併設されていています
エイゼル市の駅の方にも、同様な施設が作られています。線路や駅以外にも土地がたくさん必要です鉄道は。
そちらにいったん入って荷物の積み下ろしのあと、車両の点検に水の補給の後、環状の路線を通って向きを変えて、再度エイゼル市に向かうことになります。
予備の列車も二編成用意されていて。一日交代で運行と点検に入るそうです。まだ試運転の域は出ませんからね。
二編成の列車が三往復。王都発は一日六本の運行です。二時間に一本くらいの間隔。
私たちは今夜、王都にあるタロウさんのご両親のお屋敷に泊まる予定です。その前に私とアライさんは、王宮での宴に出ないといけないですけどね。
王宮に泊まっていかないかとはお誘いを受けましたが。王宮の方は賓客の相手で忙しそうだったので、今回は遠慮しました。
駅前のランドゥーク商会のお店…こちらもしっかりと土地を確保していますね。タロウさんのご両親とはそちらで待ち合わせ予定です。個人用の時計とか正確な運行スケジュールはまだ望めませんので。駅での待ち合わせはまだ難しいのです。
改札に向かってホームを歩いていると。パノラマカー組の集団から離れてきたリシャーフさんが話しかけてきました。
他の賓客と共に王城に直接向かうんじゃなかったのかなと思ったのですが。
「レイコ殿。カラサーム殿が伺いたいことがあるそうなんだけど… ちょっといいかしら?」
申し訳なさそうなリシャーフさんですね。…面倒事かしら?
「今夜の宴の時ではだめなんですか?」
「早めに確認しておきたいんですって」
一礼したカラサーム殿が話しかけてきます。
「お急ぎの所申し訳ないです。リシャーフ様からお伺いしたのですが。そちらの…ラクーンでしたか。正教国で商家の店先に繋がれていたところをレイコ殿が買われたそうで…」
正教国のある街で見かけたアライさん。単なる動物では無く「会話が成立する知性体」だということに気がつきまして、その商家から買い取る形になりました。
引き取る代償として、手持ちの帝国金貨を渡しましたが。私が誰かを知ったその商家、後日慌てて返却してきました。ただ、アライさんは動物扱いはされていたとは言え、別に虐待はされていたわけではないので。代わりとしてネイルコード大金貨を送っています。
ちなみに、件の帝国金貨の方は教会に買い取られて、そこで飾られることになりました。
レッドさんを抱っこしているアライさんがそばに来ます。
「ヒャー。もうなんかなつかしいてすね」
「そんなこともあったなって感じよね」
「クーク」
アライさんと暮らし始めて、もう四年になりますか。
「アライまま、売られていたの?」
「ヒャー。ここにくるまては、わたしもはらんはんしょうたったのてすよ」
波瀾万丈。難しい言葉使いますね。子供達には分かるかな?
「レイコ殿。そちらのラクーンも、今夜の王城の宴に出席されるとか伺ったのですが」
「あ、はい。後で馬車で向かう予定ですが」
懸念があるって感じの表情ですね。アライさんが出ることに何か不満があるのかな?
本日の宴は、ユルガルムの方からも、ナインケル辺境候に、婿妻でありアイズン伯爵の娘であるターナンシュ様、孫のシュバール様にパリトゥエール様、さらにシュバール様のところでお世話になっている銀狼のオルト君がやってきているはずなのです。
王城のクリステーナ姫のところにはケルちゃんが居ますからね。セレブロさん一家も久しぶりに勢揃い。
なんならもふもふ組を集めましょう…というクリスティーナ様の提案によって、アライさんも招待されました。
アライさん曰く、ラクーンにも国があるそうですが、国交は現在の所皆無です。それでも王宮から、ラクーン代表としてのアライさん招待されました。
「ずいぶんと子供達も懐いているような所、心苦しいのですが。そのラクーン、私に売っていただけませんかな?」
「…え?」
なんかとんでもないこと言い始めましたよ、セイホウ王国のカラサーム大使…
「レイコまま、なんか恐いの出てるよ…」
「クックルークルッ!!」
おっと、マナ支配が漏れてしまいました。レッドさんに注意されます。
カラサーム殿は…気づかないふりですかね? リシャーフさんは真っ青になっています。
「…労働力として買われたのであれば。人を何人も雇えるくらいの対価はお支払いしますよ」
「別に奴隷として買ったわけじゃないんだけど」
「ヒャー。はたからさるものくうへからすてす」
ファルリード亭での給仕の仕事は、アライさんが自発的に言い出してくれたことです。言葉を覚えるのにも丁度いいですからね。
「ふむ… キゥル、カルキゥーキゥールクル、クァルケルキゥ?」
ん? このカラサームという人。ラクーンの言葉が話せるんですか? ちょっと発音に"人訛り"はありますが。
「ヒャー、キールクル、キュルックル、キュ」
周囲の人にはキュルキュル言っているだけに聞こえますが。私には何会話しているか分かってしまいます。
名前を聞いたり。現在不遇な目に遭っていないかとか…
「ヒャー。みなにはすこくよくしてもらってます。まいにちたのしいてすよ」
皆が耳を傾けているのを知ってか、こちらの言葉で返事するアライさん。
「…アライさんを売るつもりはまったくありませんけど。一応聞いておきます。アライさんを買ってどうなさるおつもりで?」
「なにか誤解させてしまったようですな。あまり公言できる話ではないのですが。お仲間のところにお連れすることが出来る…と言えばいかがですかな?」
…この人がラクーンを買い集めているってことですか? 他にも捕まっているラクーンが居る?
「ちょっとカラサーム殿! 言い方っ!言い方っ! かえって誤解を招いていますっ! レイコ殿ごめんなさいね、まともな理由はちゃとんとあるからっ! 話だけは聞いておいた方が良いと思ったのよ」
「うーむ。できれば宴の前に話を付けたいと思っていたのですが。…これも時期が来たということでしょうか。 私だけで判断して良いことでも無いのですが、巫女様のご意向ということなら致し方ありますまい」
なにか意味深なつぶやいていますね。
「ここでお話しするのも耳目が多いようですからな。宴の後にでも、少しお時間をいただけませんかな?レイコ殿」
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
母に理不尽に当たり散らされたことで家出した私は――見知らぬ世界に転移しました!?
四季
恋愛
幼い頃、同居していた祖母から言われたことがあった。
もしも嫌なことがあったなら、電話の下の棚から髪飾りを取り出して持っていって、近所の神社の鳥居を両足でくぐりなさい――。
◆
十七歳になった真琴は、ある日母に理不尽に当たり散らされたことで家出した。
彼女が向かったのは神社。
その鳥居をくぐると――?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる