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第7章 Welcome to the world
第7章第024話 蟻の波、本番です
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第7章第024話 蟻の波、本番です
・Side:ツキシマ・レイコ
魔獣蟻の団体様がムラード砦に到着しました。
蟻たちは、さすがに谷を流れている川で泳いだりはしていませんが、両岸を埋め尽くすように押し寄せています。
私は指揮官のウードゥル様ら上層部と胸壁の上に設けられた指揮所にてスタンバイです。いざという時の応援、または、必要となったら最終処理の決断をここでします。
レッドさんもマナ探知で周囲に逸れる群れがいないか観測中で、定時に偵察にも出てくれます。
「"波"とはよく言ったものですね」
「ここまでの襲来は初めてだぞ。あいつら谷の木々を食い尽くさんばかりではないか」
今までも何が"波"を退けた経験のあるウードゥル様が、不安げな顔をしますが、それも一瞬。指揮官が不安な顔をしては士気に関わりますしね。
小ユルガルムに出た蟻は、石炭を食べていたらしいことがわかっています。マナのおかげで、有機物ならなんでも食べるという感じですね。下手に味覚のある哺乳類系の魔獣は決してしませんが。
谷にまばらに生えていた草木は、全部蟻に回収されてしまったようです。
「よしっ! まずは北門からだっ! 始めるぞ!」
砦の構造としては、門を開いて虎口に誘い込んで、そこで迎撃するわけですが。
もともとこの砦には谷に流れていく川の左右に門がありまして。それを交互に開け閉めして、閉じた方の虎口では蟻の死体の除去をします。そうしないと、積もった蟻の死骸を乗り越えられてきた…なんてことになりかねません。
積もるほどの蟻を考えると、戦闘に当たるより片付けの方が大変そうですね。
ケール・ララコートさんの持ってきた魔獣誘引機は、虎口の奥に設置してあり、これまた門と連動して稼働させています。
蟻は、左右の崖に広がることなくまっすく開いている方の門に殺到しています。マナの点滅に誘われるという仮説は間違っていないようですね。
砦の内側から怒声が聞こえてきました。虎口で戦闘が始まったようです。
胸壁の下では、蟻が門に殺到して渋滞してます。今のところ、登ってくるのは無理そうですね。普通の蟻なら壁くらい登りますが。魔獣の蟻はでかい分、壁を登る能力は大分低いのは幸いです。
警戒すべきは、谷の崖を登って来る分ですが。今のところそちらにそれる蟻は大分少ないようです。誘引機が無かったら大変でしたね。
「次の団体さんお着きで~すっ! くそったれっ!」
「おいっ! そっちにもいったぞ!」
「えいっ! 槍を折られた! 次のを早く!」
「第二十九小隊は第十二面に移動、そこの小隊と交代しろっ! 第十一小隊は整列して待機っ! 出番はすぐだぞっ!」
「くぅ…やっと飯かよ」
そろそろ三時くらいかな。良くも悪くもなんとか平衡している感じです。
矢は有限ですので、なるだけ節約してます。壁や崖を上ろうとしている個体を狙うのに使います。
基本的な攻撃は、虎口の城壁の穴や胸壁の上から槍で突きます。皆が持っているのは結構長い槍です。
蟻の弱点は首、まぁ動物なら当たり前ではありますが、向かってくる蟻の首を狙うのはちょっと難しいです。こちらに向けて顎を開けたところを口の中から突くのがコツです。やり損なうと、そのまま槍を食いちぎられますけどね。
生き物である以上、腹を突いてもそのうち死にはしますが。この辺はやはり虫でして、それで即死させることは難しいです。
開放循環系だから、刺しても内出血的なダメージが少ないんですよね。体液が外に流れきれば死にますけど。険や斧でぶった切るのならともかく、槍で刺す分にはなかなか死にません。
停止させるには、神経系を狙うのが確実です。
火攻めの用意もしてありますが、甲羅類が素材として駄目になりますし、火が付いたまま動き回られると被害が広がりますので、最終手段だそうです。
石を積んで作られた第一段目と第二段目の虎口、さらに丸太で増設された第三段目の虎口。
壁の穴から攻撃できる兵士達はそのまま囮にもなります。寄ってきた蟻は複数の兵士によって確実に処理されていきます。
「なんとか今のところはしのげているか」
遅い昼食として港サンドを摘まみながらウードゥル様がつぶやきます。
「今くらいのが続くのなら、丁度良い案配そうですね」
ムラード砦はまだ、フル稼働とはなっていません。戦闘中の兵士さんは大変ではありますが、壁に取り付ける人数にも制限があるのです。今のところ、四チームが三時間ごと交代というシフトですね。
陸峡が丁度良い絞り込みの障害物となっていて、今後も一気に押し寄せる数が増えるということはなさそうです。
この辺も事前に打ち合わせていて、今回のレベルの波を私という戦力無しで防げるのか?の試験でもあります。
今回、レッドさんが波を見つけたのはたまたまです。もし発見が遅れたら。私が間に合わなかったら。そのときには砦とユルガルムの戦力だけで対処する必要がありますし。次期領主としては、それで領を守り切れないという事態はなんとしてでも避けたいところでしょう。
一応、火計も虎口に用意してありますし。川の上流脇の池から水を流すなんてこともできるようになっています。そして保険としてレイコバスター。砦を壊すことは避けたいですが、谷を埋めることくらいはしなくてはいけないかもしれません。
リスク管理のテストを実戦でってのも、いい度胸していますが。
倒した蟻が万を数えた当たりで夕暮れです。今回の波の1割くらいは削りましたか。
「今日はここまでのようだな」
「本当に暗くなると止まるんですね…」
日は西に傾き、砦の陰が谷を這い進み伸びていきます。
空を見ると、一番星どころではない数の神の御座の星々が煌めいています。
「さすがに今夜は篝火が立てられないが。神の御座のおかげでなんとか谷の様子はわかるな」
星明かりなのに、地球の満月くらいは明るいです。
地面の下に巣を作る蟻でも、不思議なことに夜は活動しないんですよね。このへんの活動時間は、レッドさんの偵察からわかった陸峡を渡ってくるアリの速度と位置から推測されています。
ただ。撤退するという行動はまったく取らず。まだたどりついていない蟻がその場で集団を作って動かなくなるだけです。もちろん、虎口に取り付いた分についてはきっちり処理しますが、戦闘はぐんと減りました。
とはいえ。門を閉じて油断するわけにも行かず。
片方の虎口は開けて、誘引機も動かしっぱなしとし。常に一割くらいの兵士が起きていて、もし蟻が動き出しても奇襲にはならないよう構えています。
篝火が要所に灯る砦の内側。街からやってきたおばちゃん達が、兵士達に食事を振る舞い始めました。さすがに今夜はお酒は出ませんけど、空元気かもしれませんが喧噪も聞こえてきますね。
食べられるときに食べるのが良い兵士。
ともかく。初日はなんとか乗り越えました。
今のところ順調ですね。まだ私の出番はありません。出番が無いように立ち回る…が今回のムラード砦の目標ではありますが。
まぁ、私がいないと駄目となる方が問題ですから。私が暇なほうが良いのですけど。
私も今夜は砦の中で詰めることになります。士官用の個室が割り当てられました。
蟻じゃ無いけど、暗くなると私も眠たくなりますね。今夜はお言葉に甘えて休みましょう。
寝られるときに寝るのが良い兵士。
次の日の朝です。事態が急変しました。
・Side:ツキシマ・レイコ
魔獣蟻の団体様がムラード砦に到着しました。
蟻たちは、さすがに谷を流れている川で泳いだりはしていませんが、両岸を埋め尽くすように押し寄せています。
私は指揮官のウードゥル様ら上層部と胸壁の上に設けられた指揮所にてスタンバイです。いざという時の応援、または、必要となったら最終処理の決断をここでします。
レッドさんもマナ探知で周囲に逸れる群れがいないか観測中で、定時に偵察にも出てくれます。
「"波"とはよく言ったものですね」
「ここまでの襲来は初めてだぞ。あいつら谷の木々を食い尽くさんばかりではないか」
今までも何が"波"を退けた経験のあるウードゥル様が、不安げな顔をしますが、それも一瞬。指揮官が不安な顔をしては士気に関わりますしね。
小ユルガルムに出た蟻は、石炭を食べていたらしいことがわかっています。マナのおかげで、有機物ならなんでも食べるという感じですね。下手に味覚のある哺乳類系の魔獣は決してしませんが。
谷にまばらに生えていた草木は、全部蟻に回収されてしまったようです。
「よしっ! まずは北門からだっ! 始めるぞ!」
砦の構造としては、門を開いて虎口に誘い込んで、そこで迎撃するわけですが。
もともとこの砦には谷に流れていく川の左右に門がありまして。それを交互に開け閉めして、閉じた方の虎口では蟻の死体の除去をします。そうしないと、積もった蟻の死骸を乗り越えられてきた…なんてことになりかねません。
積もるほどの蟻を考えると、戦闘に当たるより片付けの方が大変そうですね。
ケール・ララコートさんの持ってきた魔獣誘引機は、虎口の奥に設置してあり、これまた門と連動して稼働させています。
蟻は、左右の崖に広がることなくまっすく開いている方の門に殺到しています。マナの点滅に誘われるという仮説は間違っていないようですね。
砦の内側から怒声が聞こえてきました。虎口で戦闘が始まったようです。
胸壁の下では、蟻が門に殺到して渋滞してます。今のところ、登ってくるのは無理そうですね。普通の蟻なら壁くらい登りますが。魔獣の蟻はでかい分、壁を登る能力は大分低いのは幸いです。
警戒すべきは、谷の崖を登って来る分ですが。今のところそちらにそれる蟻は大分少ないようです。誘引機が無かったら大変でしたね。
「次の団体さんお着きで~すっ! くそったれっ!」
「おいっ! そっちにもいったぞ!」
「えいっ! 槍を折られた! 次のを早く!」
「第二十九小隊は第十二面に移動、そこの小隊と交代しろっ! 第十一小隊は整列して待機っ! 出番はすぐだぞっ!」
「くぅ…やっと飯かよ」
そろそろ三時くらいかな。良くも悪くもなんとか平衡している感じです。
矢は有限ですので、なるだけ節約してます。壁や崖を上ろうとしている個体を狙うのに使います。
基本的な攻撃は、虎口の城壁の穴や胸壁の上から槍で突きます。皆が持っているのは結構長い槍です。
蟻の弱点は首、まぁ動物なら当たり前ではありますが、向かってくる蟻の首を狙うのはちょっと難しいです。こちらに向けて顎を開けたところを口の中から突くのがコツです。やり損なうと、そのまま槍を食いちぎられますけどね。
生き物である以上、腹を突いてもそのうち死にはしますが。この辺はやはり虫でして、それで即死させることは難しいです。
開放循環系だから、刺しても内出血的なダメージが少ないんですよね。体液が外に流れきれば死にますけど。険や斧でぶった切るのならともかく、槍で刺す分にはなかなか死にません。
停止させるには、神経系を狙うのが確実です。
火攻めの用意もしてありますが、甲羅類が素材として駄目になりますし、火が付いたまま動き回られると被害が広がりますので、最終手段だそうです。
石を積んで作られた第一段目と第二段目の虎口、さらに丸太で増設された第三段目の虎口。
壁の穴から攻撃できる兵士達はそのまま囮にもなります。寄ってきた蟻は複数の兵士によって確実に処理されていきます。
「なんとか今のところはしのげているか」
遅い昼食として港サンドを摘まみながらウードゥル様がつぶやきます。
「今くらいのが続くのなら、丁度良い案配そうですね」
ムラード砦はまだ、フル稼働とはなっていません。戦闘中の兵士さんは大変ではありますが、壁に取り付ける人数にも制限があるのです。今のところ、四チームが三時間ごと交代というシフトですね。
陸峡が丁度良い絞り込みの障害物となっていて、今後も一気に押し寄せる数が増えるということはなさそうです。
この辺も事前に打ち合わせていて、今回のレベルの波を私という戦力無しで防げるのか?の試験でもあります。
今回、レッドさんが波を見つけたのはたまたまです。もし発見が遅れたら。私が間に合わなかったら。そのときには砦とユルガルムの戦力だけで対処する必要がありますし。次期領主としては、それで領を守り切れないという事態はなんとしてでも避けたいところでしょう。
一応、火計も虎口に用意してありますし。川の上流脇の池から水を流すなんてこともできるようになっています。そして保険としてレイコバスター。砦を壊すことは避けたいですが、谷を埋めることくらいはしなくてはいけないかもしれません。
リスク管理のテストを実戦でってのも、いい度胸していますが。
倒した蟻が万を数えた当たりで夕暮れです。今回の波の1割くらいは削りましたか。
「今日はここまでのようだな」
「本当に暗くなると止まるんですね…」
日は西に傾き、砦の陰が谷を這い進み伸びていきます。
空を見ると、一番星どころではない数の神の御座の星々が煌めいています。
「さすがに今夜は篝火が立てられないが。神の御座のおかげでなんとか谷の様子はわかるな」
星明かりなのに、地球の満月くらいは明るいです。
地面の下に巣を作る蟻でも、不思議なことに夜は活動しないんですよね。このへんの活動時間は、レッドさんの偵察からわかった陸峡を渡ってくるアリの速度と位置から推測されています。
ただ。撤退するという行動はまったく取らず。まだたどりついていない蟻がその場で集団を作って動かなくなるだけです。もちろん、虎口に取り付いた分についてはきっちり処理しますが、戦闘はぐんと減りました。
とはいえ。門を閉じて油断するわけにも行かず。
片方の虎口は開けて、誘引機も動かしっぱなしとし。常に一割くらいの兵士が起きていて、もし蟻が動き出しても奇襲にはならないよう構えています。
篝火が要所に灯る砦の内側。街からやってきたおばちゃん達が、兵士達に食事を振る舞い始めました。さすがに今夜はお酒は出ませんけど、空元気かもしれませんが喧噪も聞こえてきますね。
食べられるときに食べるのが良い兵士。
ともかく。初日はなんとか乗り越えました。
今のところ順調ですね。まだ私の出番はありません。出番が無いように立ち回る…が今回のムラード砦の目標ではありますが。
まぁ、私がいないと駄目となる方が問題ですから。私が暇なほうが良いのですけど。
私も今夜は砦の中で詰めることになります。士官用の個室が割り当てられました。
蟻じゃ無いけど、暗くなると私も眠たくなりますね。今夜はお言葉に甘えて休みましょう。
寝られるときに寝るのが良い兵士。
次の日の朝です。事態が急変しました。
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