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第6章 エイゼル市に響くウェディングベル
第6章第034話 老眼鏡と傲慢な貴族
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第6章第034話 老眼鏡と傲慢な貴族
・Side:ツキシマ・レイコ
今週は、ダーコラ国との国境の三角州の工事に泊まりがけで出かけたり。帰りにテオーガル領の方にもお呼びがかかったりと、三日ほどエイゼル市を不在にしてました。
昼前に帰宅しましたが、誰もいませんでした。この時間は皆お仕事でしょうね。
と言うことで私も、荷物を部屋に置きお土産にもらったテオーガル産チーズを厨房横の冷蔵庫に入れてから、数日ぶりのファルリード亭へ…ですが。
「ただいま戻りました~っ!」
「あ、レイコちゃん、お帰り」
挨拶したとたん、なんか空気が重たいです。
ミオンさんが出迎えてくれますが。…笑顔でってわけじゃないですね。なにかあったのかな? と、モーラちゃんもフロントの方を見ます。
あれ? フロントに座っているカーラさん、眼鏡かけていないです。壊れたのかな?
「ごめんなさいねレイコちゃん…メガネを手放すことになってしまって…」
試供品が壊れたくらいでそんな深刻な…と思って事情を聞こうと思ったら、カーラさんが謝ってきました。
「何があったんですか? 壊れたんじゃなくて手放したって?」
ミオンさんが事情を話してくれました。
「外国から外交官として来ている貴族がファルリード亭の評判聞きつけて来てね。まぁうちも貴族の客が来ることがあるからそれ自体は特に問題は無いんだけど… その貴族がちょっとね…」
バンシクル王国というところから来たそうですが。正教国から西に二つほど先にある海沿いの国で。正教国とは関係がそこそこ深いようですが、ネイルコード国とは今のところ船での交易先という程度の付き合いだそうで。
そこからエイゼル市に大使として来ているのがオルマラ・タンプ・ヒンゴール伯爵。
昨日、ファルリード亭で風呂入って呑んで食って料金は大使館にツケて。ではお帰り…というところでいろいろごね始めたそうです。
最初はクーラーと冷蔵庫。
件の伯爵、ファルリード亭の涼しい店内と冷したお酒がいたく気に入ったようですが。
「平民には勿体ないから自分が使ってやる。貴族街のバンシクル国大使館にもってこい」
ここは職人街でも中央通りでもなく、町外れの宿屋付きの食堂ですよ。マルタリクで新しいのを売れではなく、ここにあるのを剥がして持ってこいという無茶振りもいいところです…
しかしここに置いてあるのはほぼ毎日職人の方々が点検しに来ている(ついでに食事もしていく)"試験品"ですし。量産が始まっている本番の製品はまず王宮や王都の役所への納品が最優先という状態。さらにネイルコード国の上級貴族からの予約で列が出来ている状態なので。もしマルタリクで正規に注文したとしても、すぐに欲しいのなら貴方を優先するのなら予約している全ての貴族に理由を添えてお断りの連絡をしなくてはいけなくなるので、そこはご自分でどうぞ…と説明したのですが。
「…そんなことは知っているっ!」
クーラー自体はエイゼル市の省庁で体験済みで、欲しかったけど注文待ち状態なのも知っていたようで。さすがにネイルコード貴族の待ち列に横入りは出来ないので、この店のものを剥がして持っていこうとした…らしいです。 えらい短絡的ですね。
まぁ剥がして持っていっても意地出来ないってのは理解したようですが。
次に、アライさんに目を付けやがりましただそうですこの野郎。
「給仕が出来るタヌキなど珍しい動物だから、自分が飼ってやる」
まぁ珍しいことは同意ですし、どうもバンシクル王国にラクーンはいないという情報にはなるのですが。
「ヒャー。アライはタヌキてはないてす。ラクーンてす」
「喋った~っだと! なんと喋るのかっ! これはさらに珍しいっ!」
こちらにもタヌキ、いるんですね? きちんと翻訳されているのかな? …なんてことはともかくとして。
アライさんはラクーン族の代表として、クライスファー陛下直々の承認を得てネイルコード国の"客"枠と告知されています。大使の伯爵格ほどではないですが、動物と軽んじていい待遇でもありません。
馬鹿伯爵は、まさかそんなことが…などと嘯いたそうですが。証拠としてアライさんが付けているゴルゲットの王室許可のロゼットを見せました。ネイルコード王室紋章の小さいロゼット、王室からの許可や勅命を受けた者という意味で交付される物です。私やマーリアちゃんのゴルゲットにも付けています。この馬鹿伯爵のゴルゲットにも、ネイルコード国からこの国での活動承認を得た大使の証として同じ物が付いてました。
ネイルコード国の客を"飼う"と言われたとそちらの国の方に抗議しても良いのか?とかなり強く"説得"したら、これまた渋々引いたそうです。対応していたのはミオンさんですが、ぶち切れそうなのを我慢していたそうで。伯爵の護衛もそれをみてピリピリしてたそうです。
…ミオンさんは強いですよ? 山の民出身の元護衛業というのは伊達ではありません。そこらの騎士顔負けで身体強化も使えますし。しかしながら、護衛が暴力を振るってきたということでもない限り外交官にこちらから手を出しては後々問題が大きくなる可能性が高いです。本気で殴られたら死ねますが。腹が立ったから殴るなんて短気は起こしません。
モーラちゃんも臨戦態勢。
ここまででもすでに国の方に報告されたらアウトだと思うのですが。ここは町外れの陸運関係の施設が集まる区画ですので、そこまで深刻なことになるとは全く考えていなかったようですこの馬鹿伯爵。最後にフロントで眼鏡をかけて業務していたカーラさんを見て、その眼鏡に目を付けました。
一応、ユルガルム産のレンズをマルタリクで細工した眼鏡ですので注文はそちらへどうぞ…という説明をしたのですが。
「なかなかの細工物だな。その眼鏡を売れ。平民には過ぎた物だ」
なんて言ってきたそうです。意地になったのかヤケになったのか、最後に嫌がらせでもしていかないと気が収まらないのか。
当然最初は固辞すると、ネイルコード王国はバンシクル王国を粗略に扱うのか? 良い物なら交易品として推薦してやるぞ、今後の交易がどうなってもいいのか? と。…庶民相手の食堂で大使の権限を振りかざし始めたそうです。
この眼鏡にはネイルコード国の重鎮が関わっていないと思ったのか。相当しつこく言ってきたそうです。
…カーラさんがそこで諦めてしまいました。国レベルの大事になるくらいならと、眼鏡を渡してしまいました。
馬鹿伯爵は一応代金は置いていきましたので、強奪として責めることが出来ないそうです。ただし銀貨三枚、三千円程度ですね。まぁ日本の百均の品より劣る品物ですが、この時代の品としては結構な手間がかかっている一品ですよ。
普段お金を持ち歩かないのか、ポケットの中の持ち合わせを全部出したようではありますが。本来は金貨でも足りません。
護衛騎士さんと"影"はどうしてたんですか? と思ったのですが。
「曲がりなりにも相手は他国の大使ですし、大使の伯爵格扱いだけではなく他国の本物の伯爵です。あれにどこまでの権限があるのかも未調査でしたので、私の立場では苦言を言う以外に出来ることがなかったのです。これであれについていた護衛が無理矢理奪ったということなら、まだ手を出せたのですが… 物自体は、言ってしまえば庶民の持っていた小物ですので、制圧や逮捕という訳にもいかず…」
だそうです。エイゼル領の護衛騎士では、その辺が限界なのでしょうか。
同じく大使にして伯爵位扱い、それどころかエルセニム国の王女たるマーリアちゃんがいますが。あいにくその日は、エルセニム国から到着したマナ技師と技師見習いの人達の受け入れのためにマルタリクに行ってました。当然セレブロさんも一緒。さらなる圧をかけられたでしょう。
"影"の今日の当番はギーンさんというそうですが。番号は15で、その日に初めて警備のローテーションに入ったそうで。高位の人はマーリアちゃんの方に行ってしまいましたし。低位の彼では判断が付かなかったそうで。これが国内の貴族なら、皇室直属の強権発動も出来るのですが、他国の貴族となると…ってことだそうです。
貴族位的な話なら、私も一応"他国の大使"ですので伯爵扱いですし。そもそもあの眼鏡は、カーラさんにモニターを依頼していたものであって、厳密には所有権はまだ私にありますが。
タイミング悪くここに居る人間で一番の高位なのがこの馬鹿伯爵だった…という状態での出来事だったということです。馬鹿が護衛連れた状態で被害が眼鏡だけで済んだのはむしろ僥倖なのかもしれませんが。
「もちろんローザリンテ殿下とネタリア外相には報告済みです。大使館へはもちろん、次の船便にでもバンシクル王国へ抗議の書簡を送ると言ってくださいました」
外相が国として動いてくださるのなら…とは思いましたが。
バンシクル王国のオルマラ・タンプ・ヒンゴール伯爵ですか… バンシクル王国の大使館は、貴族街の中にあるそうです。
もちろんみんなの安全と眼鏡を比ぶるべくはありませんが、せっかくカーラさんのために作った眼鏡です。
ゴネ得が悪い前例とならないように、直々に抗議と行きますか。
「…事情はわかりました。では、ちょっと貴族街に行ってきますね」
ファルリード亭を飛び出します。
「あ、ちょっとレイコ殿っ!」
護衛騎士の方の声が後ろから聞こえましたが。…貴族街でレイコバスターは使わないので安心してください。
・Side:ツキシマ・レイコ
今週は、ダーコラ国との国境の三角州の工事に泊まりがけで出かけたり。帰りにテオーガル領の方にもお呼びがかかったりと、三日ほどエイゼル市を不在にしてました。
昼前に帰宅しましたが、誰もいませんでした。この時間は皆お仕事でしょうね。
と言うことで私も、荷物を部屋に置きお土産にもらったテオーガル産チーズを厨房横の冷蔵庫に入れてから、数日ぶりのファルリード亭へ…ですが。
「ただいま戻りました~っ!」
「あ、レイコちゃん、お帰り」
挨拶したとたん、なんか空気が重たいです。
ミオンさんが出迎えてくれますが。…笑顔でってわけじゃないですね。なにかあったのかな? と、モーラちゃんもフロントの方を見ます。
あれ? フロントに座っているカーラさん、眼鏡かけていないです。壊れたのかな?
「ごめんなさいねレイコちゃん…メガネを手放すことになってしまって…」
試供品が壊れたくらいでそんな深刻な…と思って事情を聞こうと思ったら、カーラさんが謝ってきました。
「何があったんですか? 壊れたんじゃなくて手放したって?」
ミオンさんが事情を話してくれました。
「外国から外交官として来ている貴族がファルリード亭の評判聞きつけて来てね。まぁうちも貴族の客が来ることがあるからそれ自体は特に問題は無いんだけど… その貴族がちょっとね…」
バンシクル王国というところから来たそうですが。正教国から西に二つほど先にある海沿いの国で。正教国とは関係がそこそこ深いようですが、ネイルコード国とは今のところ船での交易先という程度の付き合いだそうで。
そこからエイゼル市に大使として来ているのがオルマラ・タンプ・ヒンゴール伯爵。
昨日、ファルリード亭で風呂入って呑んで食って料金は大使館にツケて。ではお帰り…というところでいろいろごね始めたそうです。
最初はクーラーと冷蔵庫。
件の伯爵、ファルリード亭の涼しい店内と冷したお酒がいたく気に入ったようですが。
「平民には勿体ないから自分が使ってやる。貴族街のバンシクル国大使館にもってこい」
ここは職人街でも中央通りでもなく、町外れの宿屋付きの食堂ですよ。マルタリクで新しいのを売れではなく、ここにあるのを剥がして持ってこいという無茶振りもいいところです…
しかしここに置いてあるのはほぼ毎日職人の方々が点検しに来ている(ついでに食事もしていく)"試験品"ですし。量産が始まっている本番の製品はまず王宮や王都の役所への納品が最優先という状態。さらにネイルコード国の上級貴族からの予約で列が出来ている状態なので。もしマルタリクで正規に注文したとしても、すぐに欲しいのなら貴方を優先するのなら予約している全ての貴族に理由を添えてお断りの連絡をしなくてはいけなくなるので、そこはご自分でどうぞ…と説明したのですが。
「…そんなことは知っているっ!」
クーラー自体はエイゼル市の省庁で体験済みで、欲しかったけど注文待ち状態なのも知っていたようで。さすがにネイルコード貴族の待ち列に横入りは出来ないので、この店のものを剥がして持っていこうとした…らしいです。 えらい短絡的ですね。
まぁ剥がして持っていっても意地出来ないってのは理解したようですが。
次に、アライさんに目を付けやがりましただそうですこの野郎。
「給仕が出来るタヌキなど珍しい動物だから、自分が飼ってやる」
まぁ珍しいことは同意ですし、どうもバンシクル王国にラクーンはいないという情報にはなるのですが。
「ヒャー。アライはタヌキてはないてす。ラクーンてす」
「喋った~っだと! なんと喋るのかっ! これはさらに珍しいっ!」
こちらにもタヌキ、いるんですね? きちんと翻訳されているのかな? …なんてことはともかくとして。
アライさんはラクーン族の代表として、クライスファー陛下直々の承認を得てネイルコード国の"客"枠と告知されています。大使の伯爵格ほどではないですが、動物と軽んじていい待遇でもありません。
馬鹿伯爵は、まさかそんなことが…などと嘯いたそうですが。証拠としてアライさんが付けているゴルゲットの王室許可のロゼットを見せました。ネイルコード王室紋章の小さいロゼット、王室からの許可や勅命を受けた者という意味で交付される物です。私やマーリアちゃんのゴルゲットにも付けています。この馬鹿伯爵のゴルゲットにも、ネイルコード国からこの国での活動承認を得た大使の証として同じ物が付いてました。
ネイルコード国の客を"飼う"と言われたとそちらの国の方に抗議しても良いのか?とかなり強く"説得"したら、これまた渋々引いたそうです。対応していたのはミオンさんですが、ぶち切れそうなのを我慢していたそうで。伯爵の護衛もそれをみてピリピリしてたそうです。
…ミオンさんは強いですよ? 山の民出身の元護衛業というのは伊達ではありません。そこらの騎士顔負けで身体強化も使えますし。しかしながら、護衛が暴力を振るってきたということでもない限り外交官にこちらから手を出しては後々問題が大きくなる可能性が高いです。本気で殴られたら死ねますが。腹が立ったから殴るなんて短気は起こしません。
モーラちゃんも臨戦態勢。
ここまででもすでに国の方に報告されたらアウトだと思うのですが。ここは町外れの陸運関係の施設が集まる区画ですので、そこまで深刻なことになるとは全く考えていなかったようですこの馬鹿伯爵。最後にフロントで眼鏡をかけて業務していたカーラさんを見て、その眼鏡に目を付けました。
一応、ユルガルム産のレンズをマルタリクで細工した眼鏡ですので注文はそちらへどうぞ…という説明をしたのですが。
「なかなかの細工物だな。その眼鏡を売れ。平民には過ぎた物だ」
なんて言ってきたそうです。意地になったのかヤケになったのか、最後に嫌がらせでもしていかないと気が収まらないのか。
当然最初は固辞すると、ネイルコード王国はバンシクル王国を粗略に扱うのか? 良い物なら交易品として推薦してやるぞ、今後の交易がどうなってもいいのか? と。…庶民相手の食堂で大使の権限を振りかざし始めたそうです。
この眼鏡にはネイルコード国の重鎮が関わっていないと思ったのか。相当しつこく言ってきたそうです。
…カーラさんがそこで諦めてしまいました。国レベルの大事になるくらいならと、眼鏡を渡してしまいました。
馬鹿伯爵は一応代金は置いていきましたので、強奪として責めることが出来ないそうです。ただし銀貨三枚、三千円程度ですね。まぁ日本の百均の品より劣る品物ですが、この時代の品としては結構な手間がかかっている一品ですよ。
普段お金を持ち歩かないのか、ポケットの中の持ち合わせを全部出したようではありますが。本来は金貨でも足りません。
護衛騎士さんと"影"はどうしてたんですか? と思ったのですが。
「曲がりなりにも相手は他国の大使ですし、大使の伯爵格扱いだけではなく他国の本物の伯爵です。あれにどこまでの権限があるのかも未調査でしたので、私の立場では苦言を言う以外に出来ることがなかったのです。これであれについていた護衛が無理矢理奪ったということなら、まだ手を出せたのですが… 物自体は、言ってしまえば庶民の持っていた小物ですので、制圧や逮捕という訳にもいかず…」
だそうです。エイゼル領の護衛騎士では、その辺が限界なのでしょうか。
同じく大使にして伯爵位扱い、それどころかエルセニム国の王女たるマーリアちゃんがいますが。あいにくその日は、エルセニム国から到着したマナ技師と技師見習いの人達の受け入れのためにマルタリクに行ってました。当然セレブロさんも一緒。さらなる圧をかけられたでしょう。
"影"の今日の当番はギーンさんというそうですが。番号は15で、その日に初めて警備のローテーションに入ったそうで。高位の人はマーリアちゃんの方に行ってしまいましたし。低位の彼では判断が付かなかったそうで。これが国内の貴族なら、皇室直属の強権発動も出来るのですが、他国の貴族となると…ってことだそうです。
貴族位的な話なら、私も一応"他国の大使"ですので伯爵扱いですし。そもそもあの眼鏡は、カーラさんにモニターを依頼していたものであって、厳密には所有権はまだ私にありますが。
タイミング悪くここに居る人間で一番の高位なのがこの馬鹿伯爵だった…という状態での出来事だったということです。馬鹿が護衛連れた状態で被害が眼鏡だけで済んだのはむしろ僥倖なのかもしれませんが。
「もちろんローザリンテ殿下とネタリア外相には報告済みです。大使館へはもちろん、次の船便にでもバンシクル王国へ抗議の書簡を送ると言ってくださいました」
外相が国として動いてくださるのなら…とは思いましたが。
バンシクル王国のオルマラ・タンプ・ヒンゴール伯爵ですか… バンシクル王国の大使館は、貴族街の中にあるそうです。
もちろんみんなの安全と眼鏡を比ぶるべくはありませんが、せっかくカーラさんのために作った眼鏡です。
ゴネ得が悪い前例とならないように、直々に抗議と行きますか。
「…事情はわかりました。では、ちょっと貴族街に行ってきますね」
ファルリード亭を飛び出します。
「あ、ちょっとレイコ殿っ!」
護衛騎士の方の声が後ろから聞こえましたが。…貴族街でレイコバスターは使わないので安心してください。
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