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第6章 エイゼル市に響くウェディングベル
第6章第030話 蒸気機関車のお披露目
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第6章第030話 蒸気機関車のお披露目
・Side:ツキシマ・レイコ
今日は、マルタリクのハンマ親方達とユルガルム領からやって来たサナンタジュさん達と一緒に、ネイルコード国王都の王宮におじゃましています。
「お…俺た第6章第030話 蒸気機関車のお披露目ちなんかが王宮に入ってもいいんだろうか?」
「通行証があるんですから、堂々としてくださいよ」
ハンマ親方と娘のカンナさん、緊張していますね。
まぁ王宮と言っても、従業員?や普段から出入りの業者に役所の人とか、貴族でない人の出入りは普段から多いですよ。 通行証もらっているのですから、落ち着いてください。
今日の用事は、カステラード殿下立ち会いでのサプライズの準備です。
警備の観点から、事前に陛下に催し物があるという知らせを伝えないわけにはいけないそうなのですが。このへんは致し方無しですが。表だって対応してくれるのは、軍のトップであり、王宮警護の責任者でもあるカステラード殿下です。
「ネイルコード国第二王子にしてネイルコード国軍軍相、カステラード・バルト・ネイルコード殿下の御成です」
護衛やお付きと共に参上したカステラード殿下に、マルタリクとユルガルム領の人達が敬礼の意で膝をつきます。
「皆良く来てくれた。まぁ堅苦しい挨拶は最初だけで、あとは礼を失しない程度で構わない。早速だが、"サプライズ"の内容について説明をして欲しいのだが…」
以前、私がレッドさんに吊されて飛んだテラス前の庭、ここがお披露目の舞台となります。
何をお城でお披露目するかと言えば… なんとSLですよっ!スチームロコモーション、蒸気機関車!。
とは言っても、長さ2メートルくらいの模型みたいなSLですが。動作原理は全く同じで、線路の上をキチンと走れます。
客車…というか露天で座れる程度のものですが、それも繋がっていまして。人が乗せて走ることも出来る優れものです。
うーん。わずか数ヶ月でここまで造ってしまうとは。ユルガルムのサナンタジュさん主導ですが、これは凄いです。
まぁ台車部分は木製ですし。サナンタジュさん曰く、ピストン部分の精度とか缶への給水方法とか蒸気管の強度とか、まだいろいろ課題はあるそうですが。原理は完全に理解したっ!とのこと。
レールは、地球でよくあったレールの断面ではなく、鉄の丸い棒です。固定も針金で、列車ががたつかないように針金が当たる部分を溝状に削ってあります。まぁ理想にはほど遠いレールではありますが、金属のローラー成形とか押し出し成形なんて理屈だけですから。完全なレールはまだこれからの話です。
庭に木の板を敷いて一周50メートルくらいのレールを敷設します。
レールを積んだ馬車が何台も庭に入ってきます。一見空荷に見えますが、荷物が鉄なのでたくさんは積めないのです。
レールを降ろすのを私も手伝いましたよ。赤錆でちょっと汚れましたけど。
レッドさんの中のお父さん知識だと、よく知られている様なSLの水蒸気圧力は15気圧前後。一番初期の実用蒸気機関車ロケット号だと3気圧くらいだそうです。結構低いですね。
ちなみに、車のタイヤは3気圧弱。大戦中の日本艦船とかのボイラーで30気圧前後。ロケットエンジンの燃焼室が150気圧前後。サメ退治にも使われたスキューバの空気ボンベになると200気圧。私の生きていた時代で効率が最高水準の火力発電所の蒸気タービンで250気圧。
こう考えると、SLの蒸気圧力は結構低いですね。その分工作難易度はかなり下がるのでありがたいですが。
今回のミニSLの圧力は5気圧程度です。ボイラーと水蒸気配管まわりの圧力テストのために、ユルガルム領の小クレーター外壁の上に水タンクを設置して、そこからパイプで水を工房まで引っ張ってきて、その圧力でテストしたそうです。頭良いですね…
ただそれでも、試験時に蒸気管の破裂事故が一回あったそうです。その時は、破裂した配管からの音と水蒸気の白煙にびっくりした程度で済んだそうですが。下手すると高温の水蒸気で大やけどです。危険が危ない。
今回のミニSLは運転席の前は防壁が取り付けられていますし。圧力逃がし弁も発明して、さらにいざとなったら下部にある配管の一部が故意に壊れて前方に吹き出すようになっています。 客車の方に乗りたがる人は大勢居ると思いますが。もし機関車が破裂したとしても、後方には被害が及ばないように対策は万全です。
釜に火を入れてから点検する技師さんも、全身革鎧と革手袋にガラス付きバイザーで、瞬間的な高温水蒸気程度なら耐えられるようにしてあります。
護衛騎士隊長のラコールさんが、興味深そうにあちこち見ています。危険性と安全対策についてもいろいろ質問していますね。
「…対策が十分されているは分かったが。故意に妨害工作されたとしても安全か?」
「故意…ですか。妨害工作までは考えてませんでしたが。まぁ危険な形で工作するにしても、相当にこの機関車を熟知していないと出来ないでしょう」
サナンタジュさんは、ボイラーの一部に故意に傷が付けられると、後ろ向きに蒸気が噴き出す可能性を指摘しました。客車の方には支障はありませんが、急遽そこが壊れても蒸気が上に逃げるように防壁を追加して対策をします。
夜は、庭に設置されたテントに保管されますが。警備の衛士を付けてくれるそうです。
さて、レールの敷設も済んで試運転です。
庭からは人払い。陛下はかわいそうですが執務棟に追いやられての執務中。庭を見かけた人には口外しないように注意。
別途会議に出ていたアイズン伯爵を、準備が出来たと言うことでお呼びしました。アイズン伯爵も、普段から開発進捗の報告は受けてはいますが、実物を見るのは今日が初めてです。伯爵にもサプライズ?とか思ってましたが、計画の総責任者であるアイズン伯爵には先に見ていただいても良いでしょう。
運転手はサナンタジュさんです。
うっわー、すっごいうれしそうな顔している。あれですあれ、買ってもらった玩具をお披露目する男の子。うんうん。試運転は何度もしているはずなのですけどね。やっぱり楽しいみたいです。
運転席は、機関車の後方。このへんのレイアウトは地球のSLに近いですね。もっともSLの方が小さいので、座席の付いた耕運機?ってサイズバランスですが。
クランクロッドの一部をスライドさせて、正転位置へ。ここを逆転位置にすることでなんとバックも出来るようにしてあります。この小さいSLに必要かはともかく、実用化に向けての技術検証です。
しばらくして、安全弁の所から蒸気が漏れるようになってきました。サナタンジュさんが圧力計を見ながらバルブをゆっくり開いていきます。おお、ピストンが動き始めました。それに合わせて動輪も回り始めます。客車の方には人が乗っていないせいか、けっこう軽々と動き始めましたね。
熱源がマナなので、地球のSLの様な黒煙を吐いてと言うことはありませんが。上に向けて白い水蒸気を断続的に吐きつつ快調に進んでいきます。水蒸気の排出はどちらに向けた方が一番安全か?というのも検討しまして。結局、地球のSLの煙突位置が一番安全だろうということになりました。
シュッ シュッ シュッシュッシュッシュッ ポーッ!
蒸気逃がし弁の隣に警笛も付けてもらいましたよ。名前通り警告のための物ですので、風物詩というよりは実用的な物ですが、蒸気機関車と言えばこれですよ。
線路のつなぎ目とレール固定のための凹み部分でのガタンゴトン。ちょっとうるさいですが、これも良い雰囲気です。
私もこのミニSLが実働するところは初めて見ましたが。そう言えばSLの実物が動くところを生で見ること自体が初めてですね。私の生きていた時代では、既に観光でしか動かしていませんでしたし、映像くらいでしか知りませんでした。
見物している警備兵と護衛騎士の方々もびっくりしています。
「…これを大きくしたものが、街と街の間を走って、人と物を運ぶわけじゃな、レイコ殿」
アイズン伯爵が感慨深そうにミニSLを見ています。
「はい伯爵。10年後くらいでエイゼルと王都の間で開通してても、驚きませんよ」
最初は旅客ですかね? 貨物となるとやはりテオーガル経由でユルガルムを目指したいところですが。
石炭からコークスを作って製鉄に使う目処も立ったとかで。ユルガルム西部に有るらしい鉱山の近くの海沿いに製鉄所が作られるそうです。高炉と転炉と、圧延などの基礎加工工場群。
後は一段階ずつ大規模化していくだけですね。結構な予算が国から付けられているそうです。今後の鉄の需要を考えるとますます大きくなっていくことでしょう。
この製鉄所で出来た鉄は船でまずユルガルムに運ばれます。この海がエイゼル市の方にまで繋がっていれば良いのですが、このへんはまだ未踏破な海域。ただ、冬は凍る海なのでやはり陸路を鉄道つかうことになりそうですね。
実はもう一つ、披露する物があります。こちらも発展していけば人の生活を変える物です。
明日が楽しみです。
・Side:ツキシマ・レイコ
今日は、マルタリクのハンマ親方達とユルガルム領からやって来たサナンタジュさん達と一緒に、ネイルコード国王都の王宮におじゃましています。
「お…俺た第6章第030話 蒸気機関車のお披露目ちなんかが王宮に入ってもいいんだろうか?」
「通行証があるんですから、堂々としてくださいよ」
ハンマ親方と娘のカンナさん、緊張していますね。
まぁ王宮と言っても、従業員?や普段から出入りの業者に役所の人とか、貴族でない人の出入りは普段から多いですよ。 通行証もらっているのですから、落ち着いてください。
今日の用事は、カステラード殿下立ち会いでのサプライズの準備です。
警備の観点から、事前に陛下に催し物があるという知らせを伝えないわけにはいけないそうなのですが。このへんは致し方無しですが。表だって対応してくれるのは、軍のトップであり、王宮警護の責任者でもあるカステラード殿下です。
「ネイルコード国第二王子にしてネイルコード国軍軍相、カステラード・バルト・ネイルコード殿下の御成です」
護衛やお付きと共に参上したカステラード殿下に、マルタリクとユルガルム領の人達が敬礼の意で膝をつきます。
「皆良く来てくれた。まぁ堅苦しい挨拶は最初だけで、あとは礼を失しない程度で構わない。早速だが、"サプライズ"の内容について説明をして欲しいのだが…」
以前、私がレッドさんに吊されて飛んだテラス前の庭、ここがお披露目の舞台となります。
何をお城でお披露目するかと言えば… なんとSLですよっ!スチームロコモーション、蒸気機関車!。
とは言っても、長さ2メートルくらいの模型みたいなSLですが。動作原理は全く同じで、線路の上をキチンと走れます。
客車…というか露天で座れる程度のものですが、それも繋がっていまして。人が乗せて走ることも出来る優れものです。
うーん。わずか数ヶ月でここまで造ってしまうとは。ユルガルムのサナンタジュさん主導ですが、これは凄いです。
まぁ台車部分は木製ですし。サナンタジュさん曰く、ピストン部分の精度とか缶への給水方法とか蒸気管の強度とか、まだいろいろ課題はあるそうですが。原理は完全に理解したっ!とのこと。
レールは、地球でよくあったレールの断面ではなく、鉄の丸い棒です。固定も針金で、列車ががたつかないように針金が当たる部分を溝状に削ってあります。まぁ理想にはほど遠いレールではありますが、金属のローラー成形とか押し出し成形なんて理屈だけですから。完全なレールはまだこれからの話です。
庭に木の板を敷いて一周50メートルくらいのレールを敷設します。
レールを積んだ馬車が何台も庭に入ってきます。一見空荷に見えますが、荷物が鉄なのでたくさんは積めないのです。
レールを降ろすのを私も手伝いましたよ。赤錆でちょっと汚れましたけど。
レッドさんの中のお父さん知識だと、よく知られている様なSLの水蒸気圧力は15気圧前後。一番初期の実用蒸気機関車ロケット号だと3気圧くらいだそうです。結構低いですね。
ちなみに、車のタイヤは3気圧弱。大戦中の日本艦船とかのボイラーで30気圧前後。ロケットエンジンの燃焼室が150気圧前後。サメ退治にも使われたスキューバの空気ボンベになると200気圧。私の生きていた時代で効率が最高水準の火力発電所の蒸気タービンで250気圧。
こう考えると、SLの蒸気圧力は結構低いですね。その分工作難易度はかなり下がるのでありがたいですが。
今回のミニSLの圧力は5気圧程度です。ボイラーと水蒸気配管まわりの圧力テストのために、ユルガルム領の小クレーター外壁の上に水タンクを設置して、そこからパイプで水を工房まで引っ張ってきて、その圧力でテストしたそうです。頭良いですね…
ただそれでも、試験時に蒸気管の破裂事故が一回あったそうです。その時は、破裂した配管からの音と水蒸気の白煙にびっくりした程度で済んだそうですが。下手すると高温の水蒸気で大やけどです。危険が危ない。
今回のミニSLは運転席の前は防壁が取り付けられていますし。圧力逃がし弁も発明して、さらにいざとなったら下部にある配管の一部が故意に壊れて前方に吹き出すようになっています。 客車の方に乗りたがる人は大勢居ると思いますが。もし機関車が破裂したとしても、後方には被害が及ばないように対策は万全です。
釜に火を入れてから点検する技師さんも、全身革鎧と革手袋にガラス付きバイザーで、瞬間的な高温水蒸気程度なら耐えられるようにしてあります。
護衛騎士隊長のラコールさんが、興味深そうにあちこち見ています。危険性と安全対策についてもいろいろ質問していますね。
「…対策が十分されているは分かったが。故意に妨害工作されたとしても安全か?」
「故意…ですか。妨害工作までは考えてませんでしたが。まぁ危険な形で工作するにしても、相当にこの機関車を熟知していないと出来ないでしょう」
サナンタジュさんは、ボイラーの一部に故意に傷が付けられると、後ろ向きに蒸気が噴き出す可能性を指摘しました。客車の方には支障はありませんが、急遽そこが壊れても蒸気が上に逃げるように防壁を追加して対策をします。
夜は、庭に設置されたテントに保管されますが。警備の衛士を付けてくれるそうです。
さて、レールの敷設も済んで試運転です。
庭からは人払い。陛下はかわいそうですが執務棟に追いやられての執務中。庭を見かけた人には口外しないように注意。
別途会議に出ていたアイズン伯爵を、準備が出来たと言うことでお呼びしました。アイズン伯爵も、普段から開発進捗の報告は受けてはいますが、実物を見るのは今日が初めてです。伯爵にもサプライズ?とか思ってましたが、計画の総責任者であるアイズン伯爵には先に見ていただいても良いでしょう。
運転手はサナンタジュさんです。
うっわー、すっごいうれしそうな顔している。あれですあれ、買ってもらった玩具をお披露目する男の子。うんうん。試運転は何度もしているはずなのですけどね。やっぱり楽しいみたいです。
運転席は、機関車の後方。このへんのレイアウトは地球のSLに近いですね。もっともSLの方が小さいので、座席の付いた耕運機?ってサイズバランスですが。
クランクロッドの一部をスライドさせて、正転位置へ。ここを逆転位置にすることでなんとバックも出来るようにしてあります。この小さいSLに必要かはともかく、実用化に向けての技術検証です。
しばらくして、安全弁の所から蒸気が漏れるようになってきました。サナタンジュさんが圧力計を見ながらバルブをゆっくり開いていきます。おお、ピストンが動き始めました。それに合わせて動輪も回り始めます。客車の方には人が乗っていないせいか、けっこう軽々と動き始めましたね。
熱源がマナなので、地球のSLの様な黒煙を吐いてと言うことはありませんが。上に向けて白い水蒸気を断続的に吐きつつ快調に進んでいきます。水蒸気の排出はどちらに向けた方が一番安全か?というのも検討しまして。結局、地球のSLの煙突位置が一番安全だろうということになりました。
シュッ シュッ シュッシュッシュッシュッ ポーッ!
蒸気逃がし弁の隣に警笛も付けてもらいましたよ。名前通り警告のための物ですので、風物詩というよりは実用的な物ですが、蒸気機関車と言えばこれですよ。
線路のつなぎ目とレール固定のための凹み部分でのガタンゴトン。ちょっとうるさいですが、これも良い雰囲気です。
私もこのミニSLが実働するところは初めて見ましたが。そう言えばSLの実物が動くところを生で見ること自体が初めてですね。私の生きていた時代では、既に観光でしか動かしていませんでしたし、映像くらいでしか知りませんでした。
見物している警備兵と護衛騎士の方々もびっくりしています。
「…これを大きくしたものが、街と街の間を走って、人と物を運ぶわけじゃな、レイコ殿」
アイズン伯爵が感慨深そうにミニSLを見ています。
「はい伯爵。10年後くらいでエイゼルと王都の間で開通してても、驚きませんよ」
最初は旅客ですかね? 貨物となるとやはりテオーガル経由でユルガルムを目指したいところですが。
石炭からコークスを作って製鉄に使う目処も立ったとかで。ユルガルム西部に有るらしい鉱山の近くの海沿いに製鉄所が作られるそうです。高炉と転炉と、圧延などの基礎加工工場群。
後は一段階ずつ大規模化していくだけですね。結構な予算が国から付けられているそうです。今後の鉄の需要を考えるとますます大きくなっていくことでしょう。
この製鉄所で出来た鉄は船でまずユルガルムに運ばれます。この海がエイゼル市の方にまで繋がっていれば良いのですが、このへんはまだ未踏破な海域。ただ、冬は凍る海なのでやはり陸路を鉄道つかうことになりそうですね。
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