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第5章 クラーレスカ正教国の聖女
第5章第024話 レイコの決断
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第5章第024話 レイコの決断
・Side:ツキシマ・レイコ
エイゼル領の西の山地を黒く染めて夕日が沈みます。
ファルリード亭の片付けはほぼ終わってまして、炭化した柱のカケラが、辛うじてそこで火事があったことを物語っている程度です。
「はぁ…」
あそこにファルリード亭の入り口が。カーラさんがフロントにいつも座っていて。モーラちゃんとミオンさんが接客をし。カヤンさんと料理を開発し。ここに居たのはまだ一年と言うところだけど、けっこう思い出が結構あるなぁ…
後ろから半身を覗かせているレッドさんも、感慨深く見渡しています。
「レイコ、やっぱりここに来ていたのね」
私を追いかけて来たマーリアちゃんが、顔を茜色に染めて立っていました。セレブロさんも後ろに控えています。
「やっぱ行くの?正教国に」
「うん…どうするかは行ってから決めるつもり。私達を寄越せって言っているだけで、正教国に来て何をしろとは言われていないわけだしね」
指をパキパキ鳴らしてみたりします。こんなところまで再現されているマナの体です。
ちょっとビビるマーリアちゃん。
「…じゃ…じゃあ、とりあえず準備が必要ね」
「へ?」
「正教国には私もいたことあるからね、案内くらい出来るわよ。私もあの国には思うところあるし。一緒に行ってあげるわ」
「…安全だとは限らないわよ?」
「私、そこらの騎士よりはよほど戦えるわよ。それにレイコ一人にしておくと、なんか凄い事やらかしそうだし、やらかした後で後悔しそうだし。まぁレイコは友達だからね、一緒に着いてったげる」
「友達?」
「…友達でしょ? 私達」
首をかしげる銀髪紅眼ツインテール美少女。女の私でもずきゅんと来ますわよ!
「…ありがとう、マーリアちゃんっ!」
しかも女だからの役得!ハグします。ハグハグ。はい、セレブロさんも一緒に。ハグハグ。レッドさんも混じってきます、ハグハグ。
「…ホント、ありがとう…マーリアちゃん…」
あー、なんか泣けてくるわ。マーリアちゃんが年上っぽく頭ポンポンしてくれます。中身は私の方が年上だけど。
…正教国め。教都が壊滅を免れたとしたらマーリアちゃんのおかげだからな! 感謝しろよ! むしろマーリアちゃんを拝め! これが本当のアイドル、ご本尊だっ!
「あのっ! そういうことなら私たちも同行させてください!」
護衛だか監視かエイゼル市の護衛騎士を何人か後ろに連れたリシャーフさんたちも来てました。
今までの私との問答でいろいろ思うところがあるのでしょうし。正教国を潰してもいいとは元々考えていないでしょうが。焼け跡を前にして、正教国がこのままでは駄目だというのは理解してもらえたように思います。
トゥーラさん、タルーサさんの侍従のお姉さん方も、同行を希望しています。
「トゥーラさん。ぶっちゃけ私の第一目標は、正教国に対する報復です。第二目標は、正教国を二度とこんなふざけたことが出来ないような国にすることです、それこそぶっ壊してでもです。改心させようとか改善しようとか、面倒なことは後回しです。あなたの思っていたような正教国訪問にはならないと思いますけど、それで良いんですか?」
要は、ぶっとばすぞ~っ!ってやつです。
「…ここに来ては致し方無いと思っております」
焼け跡を横目に見ながら、トゥーラさんが同意します。
まぁトゥーラさんに限らないけど。正教国に期待すること、正教国で守りたい物、この辺を見極める切っ掛けにはなるのかな?
ぶっ壊すだけで終わってしまう可能性も、否定しませんが。ここは一つ当たってみてから後は流れで。
「…じゃあ、ダーコラ国経由の陸路で正教国に入ろうか。船とかで正面から行ったら、教会に監禁される…されそうになって暴れるとか、都合の良いところだけ見せて回らされるとかなりそうだし。偉そうに出迎える人を片っ端にボコるのもなんだしね。国内をいろいろ見て正教国の実体を見てから、教会をどうするか決めます。いいですよね?リシャーフさん」
「…承知いたしました。お供いたします」
リシャーフさん、あなたにも見せたいってのもあるんですよ? 分ってますかね?
アイズン伯爵邸に戻ると、カステラード殿下とネタリア外相が訪れていました。
一方的ではありますが、こちらで決めたことを伝えます。
「と言うわけで。私とマーリアちゃんとリシャーフさん達だけで、正教国に行ってきます。向こうの要求には私の引き渡しなんてのもありますしね、だっだらまず私とレッドさんだけで行った方が手っ取り早そうですから。ただ、後で正教国にフォローが必要になったなら、ネイルコード国にはご協力お願いしたいんですけど… 身勝手な事を言って申し訳ありません。」
「そもそも、ネイルコード側でレイコ殿を引き渡す決定するなんてのはあり得ないからな。レイコ殿が行く必要なんて無いんじゃぞ?」
アイズン伯爵が引き留めますが。
「リシャーフ殿やカリッシュと同じ船で、正教国の祭司が結構な人数ネイルコードに入っている。教会との人の行き来についてこれを妨げないという取り決めは、国内の教会との取り決めでもあるので、今のところ止めることが出来なかった。さすがにカリッシュがやらかした後は、上陸している者達については教会内に留めておくよう布告したがな。ただ、他の領に向かったやつらは、今頃各教会に工作すべく、奔走しているのだろうな」
ブライン様が、入港記録を見てます。
ここで万全の対処を約束するとか言わないのが、誠実な証ですが。入国した者と、国内で同調する新派。テロでもやらかされては、どこまで被害が出るのか…
やはり大元をなんとかするしかないようですね。
「来いと言われたから一度行ってみるだけで。私は向こうに定住する気なんてさらさら無いですよ?」
「そうだろうとは思っているが。正教国をどうするのか、王都の方でも検討しているが、もう少し時間が欲しいところだな。レイコ殿が…まぁ教都でやらかした後、周辺国がどう動くのか細かい情報が足りなくてな。」
ローザリンテ殿下も動いているんだろうな…私が行った後の情勢の分析が事前に必要…てことですね。
…なんだかんだで私が動くと、ネイルコード国の人達も巻き込んでしまうなぁ…
「…正教国を潰すのかい?」
カステラード殿下が率直に聞いてきます。
「私自身、べつに宗教が嫌いなわけじゃないんですよ。だから、本来の宗教の形に矯正したいな…とは思っています。私が出来るかは分りませんが、まず目指すのは政教分離ですかね」
「レイコ、"セイキョウブンリ"って何?」
「施政と宗教は区別しましょうってことよ。例えば、水が必要になってから雨乞いする祭司に喜捨するよりは、そのお金で普段からため池とか水路作っておけってことね」
「…まぁ当たり前に聞こえるわね」
「…祈りに…効果はありませんか?」
ルシャールさんが聞いてきます。
まぁ、聖女様としては認めたくないのでしょうが。
「雨乞いは絶対成功しますよ。雨が降るまで祈るのを止めなければいいだけですから」
「そ…それは祈りの結果とは言えませんね…」
「そりゃ人生楽ばかりじゃないですから。辛いときの心の癒やしに祈りは必要でしょうが。金を払ったら祈りが叶うなんてのは詐欺ですよ」
「…そうですね。たしかにそうです」
カステラード殿下が、リシャーフさんを見てなにか考え込んでいますね。
殿下はまだ難色を示していましたが。ネイルコード国としては火付けまでされて譲歩していては国の面子が立ちません。かといって戦争まで考えるのかというと、そこまでの価値が正教国にはないのでしょう。だったら、赤竜教をなんとかできるかもしれないのなら…と、しぶしぶではありますが私達の正教国行きを認めてくださいました。
翌日。エイゼル市西の関所です。
なんだかんだで、大勢の人が見送りに来てくれました。ファルリード亭のみんな、伯爵家と護衛騎士。教会のザフロ祭司。ギルトや商会の人達。
…なんか殴り込みに行く雰囲気では無いですね。
「レイコちゃん!大丈夫かどうかは心配していないけど、すっごく心配だよ~」
アイリさんが抱きついてきます。
「…やってられなくなったら、とっとと帰ってきなさいね。教会無しでもこの国は問題無いと思うし」
とミオンさん。モーラちゃんも心配そうに見ています。
「教会が無くてもとは耳が痛いですが。…正教国がなにかしら変わることを期待しております。ご無理はなされないように。リシャーフ殿、あなたも」
「はい、ザフロ祭司」
ザフロ祭司。実はリシャーフさんとは親戚だそうです。びっくり。
…ということは正教国の祭司総長とも親戚と言うことで。正教国トップの血縁にまともな人がいたというのは、吉報といえますかね? マーリアちゃん曰く五割。
「正教国と直接事を構えるというよりは、教会中枢が瓦解した後の周辺国への影響を観察しつつネイルコード国は動くことになる。…贅沢な話だが、分析と対応の時間はいくらでも欲しい。そういう意味でも、海路より陸路というのはありがたいな。せいぜい引っかき回してきてくれ」
カステラード殿下まで来ていますよ。
最初、リシャーフさんの同行は、侵攻速度的に断ろうかと思ってましたけど。時間稼げということなら、騎乗で着いてくるのはむしろありですか?
では、出発しますか。
私は、大きめな背嚢を背負って、季節柄ちょっと暑いけど私は暑くないので、上着のフードにはレッドさんが収まってます。
マーリアちゃんは、セレブロさんと一緒に。セレブロさんが背嚢を積んでくれているので走りです。まぁマーリアちゃんの能力なら問題無いでしょう。
リシャーフさん達は騎乗です。流石にネイルコード国に愛馬は連れてきていませんが、伯爵邸の厩舎にて、クラウヤート様のバール君に慣れている馬を借りたそうです。セレブロさんが側に居てもなんとかなっているようですね。
馬車だと、ダーコラ国との国境を越えるのは無理ですし。リシャーフさんは正教国騎士でもあります。馬なら大丈夫でしょう。
さて。まずは国境の街…サルハラでしたっけ? そこを目指しますか。
・Side:ツキシマ・レイコ
エイゼル領の西の山地を黒く染めて夕日が沈みます。
ファルリード亭の片付けはほぼ終わってまして、炭化した柱のカケラが、辛うじてそこで火事があったことを物語っている程度です。
「はぁ…」
あそこにファルリード亭の入り口が。カーラさんがフロントにいつも座っていて。モーラちゃんとミオンさんが接客をし。カヤンさんと料理を開発し。ここに居たのはまだ一年と言うところだけど、けっこう思い出が結構あるなぁ…
後ろから半身を覗かせているレッドさんも、感慨深く見渡しています。
「レイコ、やっぱりここに来ていたのね」
私を追いかけて来たマーリアちゃんが、顔を茜色に染めて立っていました。セレブロさんも後ろに控えています。
「やっぱ行くの?正教国に」
「うん…どうするかは行ってから決めるつもり。私達を寄越せって言っているだけで、正教国に来て何をしろとは言われていないわけだしね」
指をパキパキ鳴らしてみたりします。こんなところまで再現されているマナの体です。
ちょっとビビるマーリアちゃん。
「…じゃ…じゃあ、とりあえず準備が必要ね」
「へ?」
「正教国には私もいたことあるからね、案内くらい出来るわよ。私もあの国には思うところあるし。一緒に行ってあげるわ」
「…安全だとは限らないわよ?」
「私、そこらの騎士よりはよほど戦えるわよ。それにレイコ一人にしておくと、なんか凄い事やらかしそうだし、やらかした後で後悔しそうだし。まぁレイコは友達だからね、一緒に着いてったげる」
「友達?」
「…友達でしょ? 私達」
首をかしげる銀髪紅眼ツインテール美少女。女の私でもずきゅんと来ますわよ!
「…ありがとう、マーリアちゃんっ!」
しかも女だからの役得!ハグします。ハグハグ。はい、セレブロさんも一緒に。ハグハグ。レッドさんも混じってきます、ハグハグ。
「…ホント、ありがとう…マーリアちゃん…」
あー、なんか泣けてくるわ。マーリアちゃんが年上っぽく頭ポンポンしてくれます。中身は私の方が年上だけど。
…正教国め。教都が壊滅を免れたとしたらマーリアちゃんのおかげだからな! 感謝しろよ! むしろマーリアちゃんを拝め! これが本当のアイドル、ご本尊だっ!
「あのっ! そういうことなら私たちも同行させてください!」
護衛だか監視かエイゼル市の護衛騎士を何人か後ろに連れたリシャーフさんたちも来てました。
今までの私との問答でいろいろ思うところがあるのでしょうし。正教国を潰してもいいとは元々考えていないでしょうが。焼け跡を前にして、正教国がこのままでは駄目だというのは理解してもらえたように思います。
トゥーラさん、タルーサさんの侍従のお姉さん方も、同行を希望しています。
「トゥーラさん。ぶっちゃけ私の第一目標は、正教国に対する報復です。第二目標は、正教国を二度とこんなふざけたことが出来ないような国にすることです、それこそぶっ壊してでもです。改心させようとか改善しようとか、面倒なことは後回しです。あなたの思っていたような正教国訪問にはならないと思いますけど、それで良いんですか?」
要は、ぶっとばすぞ~っ!ってやつです。
「…ここに来ては致し方無いと思っております」
焼け跡を横目に見ながら、トゥーラさんが同意します。
まぁトゥーラさんに限らないけど。正教国に期待すること、正教国で守りたい物、この辺を見極める切っ掛けにはなるのかな?
ぶっ壊すだけで終わってしまう可能性も、否定しませんが。ここは一つ当たってみてから後は流れで。
「…じゃあ、ダーコラ国経由の陸路で正教国に入ろうか。船とかで正面から行ったら、教会に監禁される…されそうになって暴れるとか、都合の良いところだけ見せて回らされるとかなりそうだし。偉そうに出迎える人を片っ端にボコるのもなんだしね。国内をいろいろ見て正教国の実体を見てから、教会をどうするか決めます。いいですよね?リシャーフさん」
「…承知いたしました。お供いたします」
リシャーフさん、あなたにも見せたいってのもあるんですよ? 分ってますかね?
アイズン伯爵邸に戻ると、カステラード殿下とネタリア外相が訪れていました。
一方的ではありますが、こちらで決めたことを伝えます。
「と言うわけで。私とマーリアちゃんとリシャーフさん達だけで、正教国に行ってきます。向こうの要求には私の引き渡しなんてのもありますしね、だっだらまず私とレッドさんだけで行った方が手っ取り早そうですから。ただ、後で正教国にフォローが必要になったなら、ネイルコード国にはご協力お願いしたいんですけど… 身勝手な事を言って申し訳ありません。」
「そもそも、ネイルコード側でレイコ殿を引き渡す決定するなんてのはあり得ないからな。レイコ殿が行く必要なんて無いんじゃぞ?」
アイズン伯爵が引き留めますが。
「リシャーフ殿やカリッシュと同じ船で、正教国の祭司が結構な人数ネイルコードに入っている。教会との人の行き来についてこれを妨げないという取り決めは、国内の教会との取り決めでもあるので、今のところ止めることが出来なかった。さすがにカリッシュがやらかした後は、上陸している者達については教会内に留めておくよう布告したがな。ただ、他の領に向かったやつらは、今頃各教会に工作すべく、奔走しているのだろうな」
ブライン様が、入港記録を見てます。
ここで万全の対処を約束するとか言わないのが、誠実な証ですが。入国した者と、国内で同調する新派。テロでもやらかされては、どこまで被害が出るのか…
やはり大元をなんとかするしかないようですね。
「来いと言われたから一度行ってみるだけで。私は向こうに定住する気なんてさらさら無いですよ?」
「そうだろうとは思っているが。正教国をどうするのか、王都の方でも検討しているが、もう少し時間が欲しいところだな。レイコ殿が…まぁ教都でやらかした後、周辺国がどう動くのか細かい情報が足りなくてな。」
ローザリンテ殿下も動いているんだろうな…私が行った後の情勢の分析が事前に必要…てことですね。
…なんだかんだで私が動くと、ネイルコード国の人達も巻き込んでしまうなぁ…
「…正教国を潰すのかい?」
カステラード殿下が率直に聞いてきます。
「私自身、べつに宗教が嫌いなわけじゃないんですよ。だから、本来の宗教の形に矯正したいな…とは思っています。私が出来るかは分りませんが、まず目指すのは政教分離ですかね」
「レイコ、"セイキョウブンリ"って何?」
「施政と宗教は区別しましょうってことよ。例えば、水が必要になってから雨乞いする祭司に喜捨するよりは、そのお金で普段からため池とか水路作っておけってことね」
「…まぁ当たり前に聞こえるわね」
「…祈りに…効果はありませんか?」
ルシャールさんが聞いてきます。
まぁ、聖女様としては認めたくないのでしょうが。
「雨乞いは絶対成功しますよ。雨が降るまで祈るのを止めなければいいだけですから」
「そ…それは祈りの結果とは言えませんね…」
「そりゃ人生楽ばかりじゃないですから。辛いときの心の癒やしに祈りは必要でしょうが。金を払ったら祈りが叶うなんてのは詐欺ですよ」
「…そうですね。たしかにそうです」
カステラード殿下が、リシャーフさんを見てなにか考え込んでいますね。
殿下はまだ難色を示していましたが。ネイルコード国としては火付けまでされて譲歩していては国の面子が立ちません。かといって戦争まで考えるのかというと、そこまでの価値が正教国にはないのでしょう。だったら、赤竜教をなんとかできるかもしれないのなら…と、しぶしぶではありますが私達の正教国行きを認めてくださいました。
翌日。エイゼル市西の関所です。
なんだかんだで、大勢の人が見送りに来てくれました。ファルリード亭のみんな、伯爵家と護衛騎士。教会のザフロ祭司。ギルトや商会の人達。
…なんか殴り込みに行く雰囲気では無いですね。
「レイコちゃん!大丈夫かどうかは心配していないけど、すっごく心配だよ~」
アイリさんが抱きついてきます。
「…やってられなくなったら、とっとと帰ってきなさいね。教会無しでもこの国は問題無いと思うし」
とミオンさん。モーラちゃんも心配そうに見ています。
「教会が無くてもとは耳が痛いですが。…正教国がなにかしら変わることを期待しております。ご無理はなされないように。リシャーフ殿、あなたも」
「はい、ザフロ祭司」
ザフロ祭司。実はリシャーフさんとは親戚だそうです。びっくり。
…ということは正教国の祭司総長とも親戚と言うことで。正教国トップの血縁にまともな人がいたというのは、吉報といえますかね? マーリアちゃん曰く五割。
「正教国と直接事を構えるというよりは、教会中枢が瓦解した後の周辺国への影響を観察しつつネイルコード国は動くことになる。…贅沢な話だが、分析と対応の時間はいくらでも欲しい。そういう意味でも、海路より陸路というのはありがたいな。せいぜい引っかき回してきてくれ」
カステラード殿下まで来ていますよ。
最初、リシャーフさんの同行は、侵攻速度的に断ろうかと思ってましたけど。時間稼げということなら、騎乗で着いてくるのはむしろありですか?
では、出発しますか。
私は、大きめな背嚢を背負って、季節柄ちょっと暑いけど私は暑くないので、上着のフードにはレッドさんが収まってます。
マーリアちゃんは、セレブロさんと一緒に。セレブロさんが背嚢を積んでくれているので走りです。まぁマーリアちゃんの能力なら問題無いでしょう。
リシャーフさん達は騎乗です。流石にネイルコード国に愛馬は連れてきていませんが、伯爵邸の厩舎にて、クラウヤート様のバール君に慣れている馬を借りたそうです。セレブロさんが側に居てもなんとかなっているようですね。
馬車だと、ダーコラ国との国境を越えるのは無理ですし。リシャーフさんは正教国騎士でもあります。馬なら大丈夫でしょう。
さて。まずは国境の街…サルハラでしたっけ? そこを目指しますか。
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