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第5章 クラーレスカ正教国の聖女
第5章第013話 聖女のエイゼル市散策
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第5章第013話 聖女のエイゼル市散策
・Side:リシャーフ・クラーレスカ・バーハル(正教国祭司総長の娘 正教国聖女 正教国聖騎士団団長)
次の日。エイゼル邸で普通の民が着るような服装を借りて、正教国から一緒の二人の女性侍従タルーサとトゥーラと共に、巫女様が定宿にしているという宿に行ってみることにした。ブール・エビルソンとかいう伯爵家の護衛騎士が、案内に付いてきてくれることになった。他にも監視の気配はするが、致し方あるまい。
…普通の民の服にしては、正教国の街で見かける民の服より上等に思える。聞くに、六六と呼ばれるところに住む元スラムの住人が大量に雇われてこれらの服を作っているそうだ。元と言っても、何十年も前の話らしいが。そこの住人でも普通にこれくらいの服は着られるようになったのだとか。
貴族の馬車で行くのも目立つので、ギルドの連絡用馬車に同乗することになった。街の北を東西に通る街道沿いにあるギルドの支部に着くと、そこから歩いてすぐの処に件の宿があった。
「ファルリード亭」。まぁとくに珍しくも無い宿屋だな。食堂の方も、まだ昼前ということもあってさほど混んではいない。ここが巫女様の定宿か。今日は泊まるのが目的ではないので、食事をして様子を見よう。
中に入ると、少女が席まで案内してくれる。ん?この子の耳は… 宿のフロントの方を見るともう一人立っている、こちらはまんま獣人、母娘か?。…正教国では獣人が人前に出るようなところで働いていることはまず無い。しかもこの娘の混じり具合、旦那は普通の"人"のようだな。この国では奴隷は無いので、夫婦なのか?
「いらっしゃいませーっ! あ、ブールさんお久しぶりです」
「はははは。レイコ殿はもうしばらくユルガルムから帰ってこないみたいだからね。ここに詰めるのはもう少し先かな。ここの食事が毎日食べられないのが残念だよ」
「レイコちゃんのことだから、向こうでまたなんかいろいろ作ってるんだろうな…」
レイコちゃん…この少女も巫女様と懇意なのか。侍従の一人が"ちゃん"付けを聞いて眉をひそめている。
少女が、食事のお品書きと水と、…これは茹でた手ぬぐいか? 人数分を並べていく。
「こちらがお品書きです。手ぬぐいはサービスですので、お食事前に手を拭いてくださいね。今日のお昼時のメニューですが。港サンドのセットがフライサンドとしょうが焼きサンド。ミートソースパスタに、なんと今日はビザもありますよ」
「おお、ピザもあるのか…これは迷うな。…リシャーフ殿、侍従のお二方も女性だが、皆さんご健啖かな?」
「はい?」
「いや、せっかくこの店に来られたのですから、一品だけでは勿体ないなと思いまして。サンドはまたの機会があるとしても、パスタとビザは食べておいた方が良いかなと思いまして。パスタは一人前ずつ、ビザは1枚を四人で分けるというのはいかがかなと思いまして」
「なるほど、まぁそれくらいなら。お前たちも食べられるよな?」
「「はい。問題ありません」」
「じゃあモーラちゃん、パスタ4つとピザを1つ。あとまぁレイコ殿に野菜も食べろと言われそうだから、サラダとジュースもセットで」
「はいっ! 少々お待ちくださいっ!」
ブール殿が、出された手ぬぐいで手を拭いているのを見て、我々も真似をする。熱いくらいの手ぬぐいだが。なるほど、これから食事するのにこれは気持ちいいな。
「ブール殿は、この店に良く来られるのか?」
先ほどの少女とも顔見知りみたいだったからな。
「はい、レイコ殿がこの宿を定宿にされていますからな。護衛騎士が交代でこの宿に泊まっているんですよ。まぁレイコ殿自身に護衛は必要ないのですが。我々が監視しているぞと知らしめることで、余計な問題が起きないようにしているわけですな」
「護衛が必要ない?」
「あの方の体は、剣で斬りつけても無傷ですし、毒も効きませんし、剣の刃を握り砕くほどの怪力ですからな。賊が来てもどうこうできるようなものではありませんし、逆に再起不能されるでしょう」
「…ほんとうだったのですか…そこまでの…」
「そうです。レイコ殿は殺せない…いや、レイコ殿と同等以上、例えば赤竜神様が出張ってくれば可能なのかもしれませんが。ユルガルム領での蟻退治の顛末からして、街を消し飛ばすほどのマナ術でもどうなんだろう?…というぐらいですな」
「…本当に赤竜神様の巫女なのですね」
「私も、レイコ殿が降臨された現場の近くにいましたので。すぐ上を飛ばれていた赤竜神様も見ております。…あれはもう、忘れられない光景ですな」
「それは…うらやましいですね」
私もまだ、赤竜神様を直接見たことは無い。父は、遠くで飛んでいる所を一度見たことがあると言っていたが…
「レイコ殿に接触しようとする輩が周囲を徘徊するだけで迷惑ですからな。まぁ我々は虫除けですな。はははは」
「貴族街の方に巫女様の屋敷を用意するということはされないので?」
「もちろん最初はそういう話が合ったのですが、レイコ殿が固辞されましてな。自身を小市民とか言ってましたか、宿屋の一室が丁度良いそうなのです。レイコ殿の部屋のドアに、地球大使館って看板がかけてありますよ。隣は今はエルセニム国大使館になっております」
エルセニム国。マーリア姫がネイルコード国に預けられたという情報は持っていたが。隣室になるほど友誼を深めているか。正教国もエルセニム国にはもう手は出せないな。
「お待たせしました~」
先ほどの少女がカウンターと往復して料理を並べていく。なるほどこれがパスタか。ピザは焼き物か?
「パスタとピザとサラダとお飲み物…注文は揃っておりますでしょうか? ではごゆっくりどうぞ。…あブールさん、手ぬぐい要ります?」
「そうだな。頼むよ」
少女が、濡れていない手ぬぐいを持ってきてくれた。ブール殿はそれをゴルゲットに挟んで前を隠すようにする。それを我々にも勧めてきた。
「さて。冷めないうちにいただきましょう。このパスタとピザはレイコ殿がこの食堂で開発した料理ですからな」
「巫女様がこの食堂で?」
「正確には、レイコ殿がいた世界で人気だった料理だそうで。この食堂の調理師と共に、この街で手に入る材料で再現したそうです」
パスタの食べ方がよく分らなかったが。フォークでクルクルと搦めればいいのか。ブール殿の食べ方を我々も真似をする。
野菜を煮潰したものに、細かくした肉の入ったスープがかかっている。さらに上にある白いのはチーズか?
…なるほどこれはうまい。野菜と肉とチーズの味が調和していて。どんどん食べられるな。侍従達も無言で忙しなく食べている。
ブール殿が切り分けられたビザを素手で採り上げた。素手で食べて良いのかとも思ったが、先ほど手を拭いているから不潔では無いのだろうが。
「ああ失礼。ビザはこう手で取って食べるものだとレイコ殿が言ってましてね。もちろんカトラリーで採り上げても良いのですが。これをこう、このままかぶりつくのが美味いのですよ」
視線に気がついたブール殿が説明する。まぁ上級貴族でもまったく手に取って食べることが無いわけでも無いからいいのか。
伸びるチーズがうまそうだな。わたしも一枚いただこう。
ふむ。味付けとしてはこのパスタに似ているか。台座となる堅めのパンがカリカリとした歯ごたえでうまいな。巫女殿の世界で人気だったというのが分る。これは万人向けだろう。…ただ、巫女様の料理のレシピだけを正教国に持ち帰ってもしょうがない。
「…しかし。赤竜神の巫女様がこのようなところで労働など…」
若い方の侍従であるトゥーラがぼやく。去年付けられた17歳と若い騎士だけあって、いまいち融通が利かない。一方のタルーサは今年で28歳だったか。昔から私に仕えてくれていて、まぁトゥーラよりはどっしりと構えていてくれる。
「以前来たクエッタとかいう祭司も似たようなことを言ったそうですな」
「あっ…」
「レイコ殿は、"このようなところ"で料理を作り、街道の工事に出かけ、職人街で職人達と喧々諤々、市井での生活を楽しんでおられる。あなた方にはあなた方の赤竜神の巫女様に対する理想像があるのでしょうが。それを押しつけようとしたときには猛烈に反発されるだろうことは保証しますよ」
「…私の侍従が失礼しました」
トゥーラも失言に気がついたのか、慌てて頭を下げる。
「レイコ殿に対しては、皆が似たようなことを仰られるので、謝られる程のことでもないのですが。まぁ彼女がこの国の何に価値を感じているのか、その辺をよく考えて、まずそこから理解していただければと思います」
巫女様をこの国から引き剥がすのは無理だろうという自信か…
・Side:リシャーフ・クラーレスカ・バーハル(正教国祭司総長の娘 正教国聖女 正教国聖騎士団団長)
次の日。エイゼル邸で普通の民が着るような服装を借りて、正教国から一緒の二人の女性侍従タルーサとトゥーラと共に、巫女様が定宿にしているという宿に行ってみることにした。ブール・エビルソンとかいう伯爵家の護衛騎士が、案内に付いてきてくれることになった。他にも監視の気配はするが、致し方あるまい。
…普通の民の服にしては、正教国の街で見かける民の服より上等に思える。聞くに、六六と呼ばれるところに住む元スラムの住人が大量に雇われてこれらの服を作っているそうだ。元と言っても、何十年も前の話らしいが。そこの住人でも普通にこれくらいの服は着られるようになったのだとか。
貴族の馬車で行くのも目立つので、ギルドの連絡用馬車に同乗することになった。街の北を東西に通る街道沿いにあるギルドの支部に着くと、そこから歩いてすぐの処に件の宿があった。
「ファルリード亭」。まぁとくに珍しくも無い宿屋だな。食堂の方も、まだ昼前ということもあってさほど混んではいない。ここが巫女様の定宿か。今日は泊まるのが目的ではないので、食事をして様子を見よう。
中に入ると、少女が席まで案内してくれる。ん?この子の耳は… 宿のフロントの方を見るともう一人立っている、こちらはまんま獣人、母娘か?。…正教国では獣人が人前に出るようなところで働いていることはまず無い。しかもこの娘の混じり具合、旦那は普通の"人"のようだな。この国では奴隷は無いので、夫婦なのか?
「いらっしゃいませーっ! あ、ブールさんお久しぶりです」
「はははは。レイコ殿はもうしばらくユルガルムから帰ってこないみたいだからね。ここに詰めるのはもう少し先かな。ここの食事が毎日食べられないのが残念だよ」
「レイコちゃんのことだから、向こうでまたなんかいろいろ作ってるんだろうな…」
レイコちゃん…この少女も巫女様と懇意なのか。侍従の一人が"ちゃん"付けを聞いて眉をひそめている。
少女が、食事のお品書きと水と、…これは茹でた手ぬぐいか? 人数分を並べていく。
「こちらがお品書きです。手ぬぐいはサービスですので、お食事前に手を拭いてくださいね。今日のお昼時のメニューですが。港サンドのセットがフライサンドとしょうが焼きサンド。ミートソースパスタに、なんと今日はビザもありますよ」
「おお、ピザもあるのか…これは迷うな。…リシャーフ殿、侍従のお二方も女性だが、皆さんご健啖かな?」
「はい?」
「いや、せっかくこの店に来られたのですから、一品だけでは勿体ないなと思いまして。サンドはまたの機会があるとしても、パスタとビザは食べておいた方が良いかなと思いまして。パスタは一人前ずつ、ビザは1枚を四人で分けるというのはいかがかなと思いまして」
「なるほど、まぁそれくらいなら。お前たちも食べられるよな?」
「「はい。問題ありません」」
「じゃあモーラちゃん、パスタ4つとピザを1つ。あとまぁレイコ殿に野菜も食べろと言われそうだから、サラダとジュースもセットで」
「はいっ! 少々お待ちくださいっ!」
ブール殿が、出された手ぬぐいで手を拭いているのを見て、我々も真似をする。熱いくらいの手ぬぐいだが。なるほど、これから食事するのにこれは気持ちいいな。
「ブール殿は、この店に良く来られるのか?」
先ほどの少女とも顔見知りみたいだったからな。
「はい、レイコ殿がこの宿を定宿にされていますからな。護衛騎士が交代でこの宿に泊まっているんですよ。まぁレイコ殿自身に護衛は必要ないのですが。我々が監視しているぞと知らしめることで、余計な問題が起きないようにしているわけですな」
「護衛が必要ない?」
「あの方の体は、剣で斬りつけても無傷ですし、毒も効きませんし、剣の刃を握り砕くほどの怪力ですからな。賊が来てもどうこうできるようなものではありませんし、逆に再起不能されるでしょう」
「…ほんとうだったのですか…そこまでの…」
「そうです。レイコ殿は殺せない…いや、レイコ殿と同等以上、例えば赤竜神様が出張ってくれば可能なのかもしれませんが。ユルガルム領での蟻退治の顛末からして、街を消し飛ばすほどのマナ術でもどうなんだろう?…というぐらいですな」
「…本当に赤竜神様の巫女なのですね」
「私も、レイコ殿が降臨された現場の近くにいましたので。すぐ上を飛ばれていた赤竜神様も見ております。…あれはもう、忘れられない光景ですな」
「それは…うらやましいですね」
私もまだ、赤竜神様を直接見たことは無い。父は、遠くで飛んでいる所を一度見たことがあると言っていたが…
「レイコ殿に接触しようとする輩が周囲を徘徊するだけで迷惑ですからな。まぁ我々は虫除けですな。はははは」
「貴族街の方に巫女様の屋敷を用意するということはされないので?」
「もちろん最初はそういう話が合ったのですが、レイコ殿が固辞されましてな。自身を小市民とか言ってましたか、宿屋の一室が丁度良いそうなのです。レイコ殿の部屋のドアに、地球大使館って看板がかけてありますよ。隣は今はエルセニム国大使館になっております」
エルセニム国。マーリア姫がネイルコード国に預けられたという情報は持っていたが。隣室になるほど友誼を深めているか。正教国もエルセニム国にはもう手は出せないな。
「お待たせしました~」
先ほどの少女がカウンターと往復して料理を並べていく。なるほどこれがパスタか。ピザは焼き物か?
「パスタとピザとサラダとお飲み物…注文は揃っておりますでしょうか? ではごゆっくりどうぞ。…あブールさん、手ぬぐい要ります?」
「そうだな。頼むよ」
少女が、濡れていない手ぬぐいを持ってきてくれた。ブール殿はそれをゴルゲットに挟んで前を隠すようにする。それを我々にも勧めてきた。
「さて。冷めないうちにいただきましょう。このパスタとピザはレイコ殿がこの食堂で開発した料理ですからな」
「巫女様がこの食堂で?」
「正確には、レイコ殿がいた世界で人気だった料理だそうで。この食堂の調理師と共に、この街で手に入る材料で再現したそうです」
パスタの食べ方がよく分らなかったが。フォークでクルクルと搦めればいいのか。ブール殿の食べ方を我々も真似をする。
野菜を煮潰したものに、細かくした肉の入ったスープがかかっている。さらに上にある白いのはチーズか?
…なるほどこれはうまい。野菜と肉とチーズの味が調和していて。どんどん食べられるな。侍従達も無言で忙しなく食べている。
ブール殿が切り分けられたビザを素手で採り上げた。素手で食べて良いのかとも思ったが、先ほど手を拭いているから不潔では無いのだろうが。
「ああ失礼。ビザはこう手で取って食べるものだとレイコ殿が言ってましてね。もちろんカトラリーで採り上げても良いのですが。これをこう、このままかぶりつくのが美味いのですよ」
視線に気がついたブール殿が説明する。まぁ上級貴族でもまったく手に取って食べることが無いわけでも無いからいいのか。
伸びるチーズがうまそうだな。わたしも一枚いただこう。
ふむ。味付けとしてはこのパスタに似ているか。台座となる堅めのパンがカリカリとした歯ごたえでうまいな。巫女殿の世界で人気だったというのが分る。これは万人向けだろう。…ただ、巫女様の料理のレシピだけを正教国に持ち帰ってもしょうがない。
「…しかし。赤竜神の巫女様がこのようなところで労働など…」
若い方の侍従であるトゥーラがぼやく。去年付けられた17歳と若い騎士だけあって、いまいち融通が利かない。一方のタルーサは今年で28歳だったか。昔から私に仕えてくれていて、まぁトゥーラよりはどっしりと構えていてくれる。
「以前来たクエッタとかいう祭司も似たようなことを言ったそうですな」
「あっ…」
「レイコ殿は、"このようなところ"で料理を作り、街道の工事に出かけ、職人街で職人達と喧々諤々、市井での生活を楽しんでおられる。あなた方にはあなた方の赤竜神の巫女様に対する理想像があるのでしょうが。それを押しつけようとしたときには猛烈に反発されるだろうことは保証しますよ」
「…私の侍従が失礼しました」
トゥーラも失言に気がついたのか、慌てて頭を下げる。
「レイコ殿に対しては、皆が似たようなことを仰られるので、謝られる程のことでもないのですが。まぁ彼女がこの国の何に価値を感じているのか、その辺をよく考えて、まずそこから理解していただければと思います」
巫女様をこの国から引き剥がすのは無理だろうという自信か…
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