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第5章 クラーレスカ正教国の聖女
第5章第007話 孫かわいや爺ども
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第5章第007話 孫かわいや爺ども
・Side:ツキシマ・レイコ
カイゼル髭に見送られ、オーガル領を北上すれば、そこがユルガルム領です。
西の山脈が、去年東迂回のコースで行ったときより大きく見えますね。もう初夏ですが、まだ冠雪しています。
ユルガルム領の大ユルガルムの外輪山が見えてきましたが。まぁここから見るとあまりクレーターっぽくはないですね。
外輪山を穿つ谷を越えれば、ユルガルムの領都の街並みが広がります。以前来たときと変わらない通り…まぁ季節柄、街の皆さんがちょっと薄着なくらいの差ですが。中央の通りを進み、領主館たる領城に着きました。
先触れで、屋敷の前にはユルガルム辺境候の皆様が出てきています。
アイズン伯爵の奥さんマーディア様と、領主嫡男ウードゥル様とターナンシュ様夫妻。そしてターナンシュ様に抱かれている赤ん坊がシュバール様。
「おお、この子がシュバールかぁっ! うんうん可愛いのぉ。 ターナもよく頑張ってくれたの。良い子じゃ良い子じゃ、はっはっはっ」
アイズン伯爵が母子を見て相好を崩しています。
「…あらあなた。そのお顔…」
マーディア様が気づかれたようですね。
アイズン伯爵の顔の表情、前よりは自然になってきましたが。ただ、知らない人が見るとまだ結構怖いままです。このへんは、流石長年連れ添った奥様ですね。
「そういえばお父様、笑顔がちょっと柔らかくなったような…」
「ふはは。まぁいろいろあってな。それよりシュバールをわしにも抱かせてくれんか?」
「お父様ったら… まだナインケル様やウードゥルにも挨拶がまだでしょ?」
「ははは。あの強面のアイズン伯爵も、娘と孫には形無しか。まぁわしは、毎日バールを抱っこしているけどな。あはははは」
「…貴様言うに事欠いて。やはりターナはエイゼルに連れて帰るぞぃっ! こんな処に居ては、シュバールにナインの性格が伝染るっ!」
「ふんっ! おまえのところにはすでにクラウヤート君がいるだろ? 私にはバールが初孫なんだ! それくらいの役得で目くじら立てるなっ!」
うん。娘馬鹿かつ孫馬鹿同士で、いい年した紳士が低レベルな言い合いをしています。
エカテリンさんとアイリさん、こんな伯爵見るのは初めてなのか、肩を揺らして笑いを堪えています。
「あなた、お義父様。他にもお客様がおられるのですから、お待たせしては悪いわよ。屋敷に入っていただきましょう」
「これは失礼した。レイコ殿、ユルガルム領の恩人として歓迎いたしますぞ。あとそちらのご令嬢は…エルセニム国のマーリア姫でよろしいか?」
銀髪紅眼の美少女ですからね。むしろこれ以上に特徴を書きやすい娘もいないでしょう。
「あ、はい。初めまして。エルセニム国王バヤルタ・エルセニム・ハイザートと王妃コリーマ・エルセニム・ハイザートの娘、マーリア・エルセニム・ハイザートと申します。この度はお世話になります」
「これはご丁寧に。私、ネイルコード国ユルガルム領領主ナインケル・ユルガムル・マッケンハイバーと申します。こちらが嫡男のウードゥル、その妻のターナンシュ、そして"私の孫"のシュバールです」
「おい、わしの娘と孫じゃぞ」
孫の取り合いに、さすがにマーリアちゃんも苦笑ですが。シュバール君、愛されているようで何よりです。
今更ではあるのですが、ナインケル様の奥様は既に亡くなられているそうです。ウードゥル様には弟が二人おりまして、ユルガルム領の別の街を治めてられるとか。
女性の家族が不在のユルガルム家だからこそ、ターナンシュ様の出産にマーディア様が呼ばれたんですね。
賢者院のコッパーさんとナガルさんも紹介されます。コッパーさんは賢者院の先生の上に男爵ですので、今回は賓客扱いですね。後日、私が小ユルガルムに行くのにも同行する予定で、いまからワクワクしています。主にコッパーさんが。
「レイコ様、ぜひバールを抱いてみていただけませんか?」
ターナンシュ様がシュバール君をアイズン伯爵から奪い返して私の所に来ました。
もちろんOKですよ。
「あ、はいっ!よろこんでっ!」
柔い赤ちゃんを抱っこ、ちょっとヒヤヒヤしますね。
もう首は座っているようですが、用心して首を支えるように抱っこします。
目が合って、私がニコっとすると、赤ちゃんもニコッと笑い返してきます。
「あ~う~ きゃっきゃう」
ちっちゃい手を伸ばしてきます。あーもう、可愛いですね~。
「はっはっは。赤竜神の巫女様に抱いていただければ、これ以上の祝福はあるまいて」
ナインケル様もご満悦です。
背中で私のフードに収まっていたレッドさんが、肩越しに覗き込んできます。ん?赤ちゃんが手を伸ばしてきますね。レッドさんが反対側からちょんちょんと尻尾で答えます。
伸ばされた尻尾をちっちゃい手で掴んできた赤ちゃん。
「あうっ!あうっ!」
あ、咥えた! 別にレッドさんは汚くは無いですが。いいのかな?
…レッドさんがシュバール君のバイタルチェックしています。健康問題なしだそうです。
「…かわいいわね。指ちっちゃい…」
マーリアちゃんも微笑みながら見ています。
「マーリア姫も抱いてみます?」
ターナンシュ様が薦めてきます。
「はい!ぜひっ!」
はい。レッドさんの尻尾は離してね。私がそっとシュバール君をマーリアちゃんに渡します。
「頭を支えるように。そうそう」
「うわ~ なんかふにゃふにゃで恐いわね」
うーん。私が抱っこするより御利益ありそうな絵面ですね。聖母マリアの肖像画みたいな。おもわず拝みたくなります。
「レイコ、また手を合わせている…」
「いや。何というか絵に残したいくらいだなぁと思ってしまいまして…」
「ふむ…、確かにな。マーリア殿、バールが成人した暁には、家に嫁にこないかね?」
へっ?と変な顔になるマーリアちゃん。
「お義父様、マーリア様がびっくりしているでしょ。何年先になると思っているんですか?」
「いやまぁ。これだけ美しいお嬢さんだ、今の内に打診しても遅くは無いだろ?」
遅くはないだろって、バール君まだ半年経ってないですよ?
「早すぎるじゃろ、いくらなんでも。それに年の差もけっこうあるぞ」
十二歳の少女と赤ちゃんで年の差ってのもなんですが。
当のバール君は、マーリアちゃんのツインテールを掴んで、きゃっきゃっとご満悦です。マーリアちゃんも顔が溶けてます。
…クラウヤート様、なんか焦ってますね。によによ。
すでにライバルは多そうですが、半年の赤ちゃんをライバル視はしないで下さいね。
・Side:ツキシマ・レイコ
カイゼル髭に見送られ、オーガル領を北上すれば、そこがユルガルム領です。
西の山脈が、去年東迂回のコースで行ったときより大きく見えますね。もう初夏ですが、まだ冠雪しています。
ユルガルム領の大ユルガルムの外輪山が見えてきましたが。まぁここから見るとあまりクレーターっぽくはないですね。
外輪山を穿つ谷を越えれば、ユルガルムの領都の街並みが広がります。以前来たときと変わらない通り…まぁ季節柄、街の皆さんがちょっと薄着なくらいの差ですが。中央の通りを進み、領主館たる領城に着きました。
先触れで、屋敷の前にはユルガルム辺境候の皆様が出てきています。
アイズン伯爵の奥さんマーディア様と、領主嫡男ウードゥル様とターナンシュ様夫妻。そしてターナンシュ様に抱かれている赤ん坊がシュバール様。
「おお、この子がシュバールかぁっ! うんうん可愛いのぉ。 ターナもよく頑張ってくれたの。良い子じゃ良い子じゃ、はっはっはっ」
アイズン伯爵が母子を見て相好を崩しています。
「…あらあなた。そのお顔…」
マーディア様が気づかれたようですね。
アイズン伯爵の顔の表情、前よりは自然になってきましたが。ただ、知らない人が見るとまだ結構怖いままです。このへんは、流石長年連れ添った奥様ですね。
「そういえばお父様、笑顔がちょっと柔らかくなったような…」
「ふはは。まぁいろいろあってな。それよりシュバールをわしにも抱かせてくれんか?」
「お父様ったら… まだナインケル様やウードゥルにも挨拶がまだでしょ?」
「ははは。あの強面のアイズン伯爵も、娘と孫には形無しか。まぁわしは、毎日バールを抱っこしているけどな。あはははは」
「…貴様言うに事欠いて。やはりターナはエイゼルに連れて帰るぞぃっ! こんな処に居ては、シュバールにナインの性格が伝染るっ!」
「ふんっ! おまえのところにはすでにクラウヤート君がいるだろ? 私にはバールが初孫なんだ! それくらいの役得で目くじら立てるなっ!」
うん。娘馬鹿かつ孫馬鹿同士で、いい年した紳士が低レベルな言い合いをしています。
エカテリンさんとアイリさん、こんな伯爵見るのは初めてなのか、肩を揺らして笑いを堪えています。
「あなた、お義父様。他にもお客様がおられるのですから、お待たせしては悪いわよ。屋敷に入っていただきましょう」
「これは失礼した。レイコ殿、ユルガルム領の恩人として歓迎いたしますぞ。あとそちらのご令嬢は…エルセニム国のマーリア姫でよろしいか?」
銀髪紅眼の美少女ですからね。むしろこれ以上に特徴を書きやすい娘もいないでしょう。
「あ、はい。初めまして。エルセニム国王バヤルタ・エルセニム・ハイザートと王妃コリーマ・エルセニム・ハイザートの娘、マーリア・エルセニム・ハイザートと申します。この度はお世話になります」
「これはご丁寧に。私、ネイルコード国ユルガルム領領主ナインケル・ユルガムル・マッケンハイバーと申します。こちらが嫡男のウードゥル、その妻のターナンシュ、そして"私の孫"のシュバールです」
「おい、わしの娘と孫じゃぞ」
孫の取り合いに、さすがにマーリアちゃんも苦笑ですが。シュバール君、愛されているようで何よりです。
今更ではあるのですが、ナインケル様の奥様は既に亡くなられているそうです。ウードゥル様には弟が二人おりまして、ユルガルム領の別の街を治めてられるとか。
女性の家族が不在のユルガルム家だからこそ、ターナンシュ様の出産にマーディア様が呼ばれたんですね。
賢者院のコッパーさんとナガルさんも紹介されます。コッパーさんは賢者院の先生の上に男爵ですので、今回は賓客扱いですね。後日、私が小ユルガルムに行くのにも同行する予定で、いまからワクワクしています。主にコッパーさんが。
「レイコ様、ぜひバールを抱いてみていただけませんか?」
ターナンシュ様がシュバール君をアイズン伯爵から奪い返して私の所に来ました。
もちろんOKですよ。
「あ、はいっ!よろこんでっ!」
柔い赤ちゃんを抱っこ、ちょっとヒヤヒヤしますね。
もう首は座っているようですが、用心して首を支えるように抱っこします。
目が合って、私がニコっとすると、赤ちゃんもニコッと笑い返してきます。
「あ~う~ きゃっきゃう」
ちっちゃい手を伸ばしてきます。あーもう、可愛いですね~。
「はっはっは。赤竜神の巫女様に抱いていただければ、これ以上の祝福はあるまいて」
ナインケル様もご満悦です。
背中で私のフードに収まっていたレッドさんが、肩越しに覗き込んできます。ん?赤ちゃんが手を伸ばしてきますね。レッドさんが反対側からちょんちょんと尻尾で答えます。
伸ばされた尻尾をちっちゃい手で掴んできた赤ちゃん。
「あうっ!あうっ!」
あ、咥えた! 別にレッドさんは汚くは無いですが。いいのかな?
…レッドさんがシュバール君のバイタルチェックしています。健康問題なしだそうです。
「…かわいいわね。指ちっちゃい…」
マーリアちゃんも微笑みながら見ています。
「マーリア姫も抱いてみます?」
ターナンシュ様が薦めてきます。
「はい!ぜひっ!」
はい。レッドさんの尻尾は離してね。私がそっとシュバール君をマーリアちゃんに渡します。
「頭を支えるように。そうそう」
「うわ~ なんかふにゃふにゃで恐いわね」
うーん。私が抱っこするより御利益ありそうな絵面ですね。聖母マリアの肖像画みたいな。おもわず拝みたくなります。
「レイコ、また手を合わせている…」
「いや。何というか絵に残したいくらいだなぁと思ってしまいまして…」
「ふむ…、確かにな。マーリア殿、バールが成人した暁には、家に嫁にこないかね?」
へっ?と変な顔になるマーリアちゃん。
「お義父様、マーリア様がびっくりしているでしょ。何年先になると思っているんですか?」
「いやまぁ。これだけ美しいお嬢さんだ、今の内に打診しても遅くは無いだろ?」
遅くはないだろって、バール君まだ半年経ってないですよ?
「早すぎるじゃろ、いくらなんでも。それに年の差もけっこうあるぞ」
十二歳の少女と赤ちゃんで年の差ってのもなんですが。
当のバール君は、マーリアちゃんのツインテールを掴んで、きゃっきゃっとご満悦です。マーリアちゃんも顔が溶けてます。
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