119 / 339
第4章 エルセニム国のおてんば姫
第4章第003話 決闘ですか?
しおりを挟む
第4章第003話 決闘ですか?
・Side:ツキシマ・レイコ
店の外と言っても、ファルリード亭の前は普通に街道ですので、ここでやり合うのは近所迷惑です。
そこで、運輸協会ギルドの訓練場を借りることにしました。皆でそこに移動します。
食堂と宿を従業員に任せて、モーラちゃんにミオンさんまで着いてきましたよ…野次馬ですね。
あの密偵っぽい男の人達も着いてきます。
「あの、お名前を聞いても良いのかな?」
「うーん、もういいか。一応俺はリフト、こっちがクッフとしとしてくれ」
こちらの言葉で、八と七ですね。まぁ本名は教えてくれませんよね。どうも領ではなく国の方の人のようですが。クッフさんの方が強いとすると、番号が若いほど上位ってことかな? なんかかっこいいですね。
「セーバスさんは"1"なんですか?」
「昔"1"だったお方ですね。二十年くらい昔の話だそうですけど」
鎌かけのつもりで聞いてみましたけど。あっさり答えてくれました。ローザリンテ殿下の組織ですね。
やっぱ手練れだったんですね、セーバスさん。執事さんは伊達ではありません。
ギルドの受付で、訓練場の使用許可をいただきます。マーリア様とセレブロ"君"? こちらを睨みつつも大人しく待ってますね。たまたま居合わせた人達が、馬鹿でかい狼見てザワついていますけど。皆さん、近寄らないだけで静観しています。
慌てた受付の人が、ジャック会頭を呼んでくるからちょっと待って下さいだって。マーリアちゃんには、前の予定がつかえているとでも言っといてくださいと言われました。
「先生っ!ありがとうございましたっ! …ってうわぁ!なんだこのでかいのっ!」
ん?子供達が会議室からぞろぞろと出てきましたね。例のギルドの講習会のようですが。セレブロ君を見てみなびっくりしています。肝心のセレブロ君は、こういう反応に慣れているのか落ち着いたもんですけど。
あっと、覇王ラウルさんも出てきました。講師、ご苦労さまです。
「お久しぶりです。ラウルさん」
「おお、レイコ殿。ユルガルムから帰ってきて以来だな。…いろいろあったと聞いているが、達者なら何よりだ。しかしまた凄いのを連れているな、いつぞやの白狼の親の方よりすごいんじゃないか?」
と、マーリア様の銀狼を見て驚いています。
「セレブロ見たいな子が、ここにもいるの?」
マーリア様が気になったのか聞いてきます。
「伯爵家のクラウヤート様のところに、バール君っておっきい狼が居るの」
モーラちゃんも話しに入ってきます。バール君はどこでも人気者です。
「でも、バール君は、かっこいいというより可愛いよね。モフモフ!、すっごいモフモフ!」
モフモフに相当するオノマトペ、あるんですよねこちらにも。
「なによ。セレブロだってすっごいモフモフよ!」
マーリア様が、セレブロ君の首にしがみついて訴えます。変なところで張り合いますね。
…モーラちゃんを手招きしていますね。試してみ?ってこと。
モーラちゃん、物怖じせずに銀狼にしがみついています。
もふっ…てより、首元にズブズブと潜るくらいのもモフモフですね。…ちょっとうらやましいです。
「うおおぅ…たしかにこれは良いモフモフです」
「そうでしょ、そうでしょ」
セレブロ君、じっとされるがままでなんか悟った目をしています。…この子の方が空気読んでいるのかも。
…少女二人がでかい動物にモフモフモしている風景に、なんか和んできましたけど。…決闘ですよね?ここに来た目的。
ジャック会頭とタロウさんがやってきました。息切らしていますね? 馬車は使わなかったんですか? まぁそんなに離れていないんですが。
「レイコ殿に刺客じゃと!」
…ああはい。確かに刺客で間違いないですね。
「ダーコラ国から私の評判聞いて、私をしばくか連行するかしたいそうなので、これから訓練場で決闘するところです」
マーリア様が、その通りよ! という感じで、胸張ってドヤ顔しています。
「…ただまぁ。見ての通りあまり悪い子ではなさそうので、適当にお相手して心折ってから事情を聞こうかなと」
マーリア様が、なにおぉ!という感じで、睨んできます。…どぉどぉとモーラちゃんが宥めています。…なんか仲良くなっていません?
ジャック会頭が、リフトさんとクッフさんの方を見ます。ん?お二人と顔見知りですか?
…リフトさんが首を振って、クッフさんが頷いています。
…こんなのでも、なにかしら意思疎通が出来たようです。
「…なんだかよく分らんが、分かった。これから訓練場で戦うってことじゃな」
「おお、これから模擬戦か。ならば不躾ながら私が審判を務めよう!」
ラウルさん、模擬戦ではありませんが…。まぁいいか。
皆で訓練場の方に出ます。以前講習で使った訓練場に併設されている、木の杭やら岩やらが散乱している場所ですね。より実践的な訓練のためだそうです。見学者は柵の外から見ています。さきほどの講習会の子供達までいますよ。
私は、レイコ・ナックルナイフを装備です。練習はしていましたけど、実戦は初めてですね。実戦かな?これ。
マーリア様が、持っている長物のカバーを外します。…自分の身長より長いハルバート…いや、刃が二カ所で固定されているのでバルディッ…皆まで言うまいです。普通の子供なら、とても振り回せないサイズです。
…もう何というか、属性盛りすぎですねこの娘。
「…なんかずるい」
「なにがずるいっていうのよ!あんた! 得意に獲物を使うのは常道でしょ?」
そういえばツン属性もあった。 いや、ずるいのは武器のことではないのですよ?
銀髪ツインテール紅眼エルフ耳長獲物銀狼ツン。なんかもうお腹いっぱいです。
…おもわず本当に「ごちそうさま」と手を合わせてしました。
「…馬鹿にして!」
怒った? オコなの? カルシウム足りている?
そもそもどうしていきなり因縁付けられなきゃ成らないのか。本当なら、私が怒っている良いくらいですよね? ちょっとからかいたくなってきてます。
「ちょっと待て。その戦斧、マジ物じゃ無いか! 駄目だ駄目だ、そんなもの模擬戦で使わせられるか!」
「なによ。生かして連れて帰った方が価値があるって言われているから、手加減はするわよ!」
「ラウルさん、わたしは大丈夫ですから。これで進めてください」
ラウルさん、ジャック会頭の方を見ます。頷くジャック会頭。
一応ラウルさんも、私の体のことは知っているはずですが。子供好きですからね、ラウルさん。見ていられないのか、なんか痛々しいものを見るような目で私達を見ていますが。致し方なしと決心したようです。
「…では、両者ケガには本当に注意するように! …それでは…はじめっ!」
・Side:ツキシマ・レイコ
店の外と言っても、ファルリード亭の前は普通に街道ですので、ここでやり合うのは近所迷惑です。
そこで、運輸協会ギルドの訓練場を借りることにしました。皆でそこに移動します。
食堂と宿を従業員に任せて、モーラちゃんにミオンさんまで着いてきましたよ…野次馬ですね。
あの密偵っぽい男の人達も着いてきます。
「あの、お名前を聞いても良いのかな?」
「うーん、もういいか。一応俺はリフト、こっちがクッフとしとしてくれ」
こちらの言葉で、八と七ですね。まぁ本名は教えてくれませんよね。どうも領ではなく国の方の人のようですが。クッフさんの方が強いとすると、番号が若いほど上位ってことかな? なんかかっこいいですね。
「セーバスさんは"1"なんですか?」
「昔"1"だったお方ですね。二十年くらい昔の話だそうですけど」
鎌かけのつもりで聞いてみましたけど。あっさり答えてくれました。ローザリンテ殿下の組織ですね。
やっぱ手練れだったんですね、セーバスさん。執事さんは伊達ではありません。
ギルドの受付で、訓練場の使用許可をいただきます。マーリア様とセレブロ"君"? こちらを睨みつつも大人しく待ってますね。たまたま居合わせた人達が、馬鹿でかい狼見てザワついていますけど。皆さん、近寄らないだけで静観しています。
慌てた受付の人が、ジャック会頭を呼んでくるからちょっと待って下さいだって。マーリアちゃんには、前の予定がつかえているとでも言っといてくださいと言われました。
「先生っ!ありがとうございましたっ! …ってうわぁ!なんだこのでかいのっ!」
ん?子供達が会議室からぞろぞろと出てきましたね。例のギルドの講習会のようですが。セレブロ君を見てみなびっくりしています。肝心のセレブロ君は、こういう反応に慣れているのか落ち着いたもんですけど。
あっと、覇王ラウルさんも出てきました。講師、ご苦労さまです。
「お久しぶりです。ラウルさん」
「おお、レイコ殿。ユルガルムから帰ってきて以来だな。…いろいろあったと聞いているが、達者なら何よりだ。しかしまた凄いのを連れているな、いつぞやの白狼の親の方よりすごいんじゃないか?」
と、マーリア様の銀狼を見て驚いています。
「セレブロ見たいな子が、ここにもいるの?」
マーリア様が気になったのか聞いてきます。
「伯爵家のクラウヤート様のところに、バール君っておっきい狼が居るの」
モーラちゃんも話しに入ってきます。バール君はどこでも人気者です。
「でも、バール君は、かっこいいというより可愛いよね。モフモフ!、すっごいモフモフ!」
モフモフに相当するオノマトペ、あるんですよねこちらにも。
「なによ。セレブロだってすっごいモフモフよ!」
マーリア様が、セレブロ君の首にしがみついて訴えます。変なところで張り合いますね。
…モーラちゃんを手招きしていますね。試してみ?ってこと。
モーラちゃん、物怖じせずに銀狼にしがみついています。
もふっ…てより、首元にズブズブと潜るくらいのもモフモフですね。…ちょっとうらやましいです。
「うおおぅ…たしかにこれは良いモフモフです」
「そうでしょ、そうでしょ」
セレブロ君、じっとされるがままでなんか悟った目をしています。…この子の方が空気読んでいるのかも。
…少女二人がでかい動物にモフモフモしている風景に、なんか和んできましたけど。…決闘ですよね?ここに来た目的。
ジャック会頭とタロウさんがやってきました。息切らしていますね? 馬車は使わなかったんですか? まぁそんなに離れていないんですが。
「レイコ殿に刺客じゃと!」
…ああはい。確かに刺客で間違いないですね。
「ダーコラ国から私の評判聞いて、私をしばくか連行するかしたいそうなので、これから訓練場で決闘するところです」
マーリア様が、その通りよ! という感じで、胸張ってドヤ顔しています。
「…ただまぁ。見ての通りあまり悪い子ではなさそうので、適当にお相手して心折ってから事情を聞こうかなと」
マーリア様が、なにおぉ!という感じで、睨んできます。…どぉどぉとモーラちゃんが宥めています。…なんか仲良くなっていません?
ジャック会頭が、リフトさんとクッフさんの方を見ます。ん?お二人と顔見知りですか?
…リフトさんが首を振って、クッフさんが頷いています。
…こんなのでも、なにかしら意思疎通が出来たようです。
「…なんだかよく分らんが、分かった。これから訓練場で戦うってことじゃな」
「おお、これから模擬戦か。ならば不躾ながら私が審判を務めよう!」
ラウルさん、模擬戦ではありませんが…。まぁいいか。
皆で訓練場の方に出ます。以前講習で使った訓練場に併設されている、木の杭やら岩やらが散乱している場所ですね。より実践的な訓練のためだそうです。見学者は柵の外から見ています。さきほどの講習会の子供達までいますよ。
私は、レイコ・ナックルナイフを装備です。練習はしていましたけど、実戦は初めてですね。実戦かな?これ。
マーリア様が、持っている長物のカバーを外します。…自分の身長より長いハルバート…いや、刃が二カ所で固定されているのでバルディッ…皆まで言うまいです。普通の子供なら、とても振り回せないサイズです。
…もう何というか、属性盛りすぎですねこの娘。
「…なんかずるい」
「なにがずるいっていうのよ!あんた! 得意に獲物を使うのは常道でしょ?」
そういえばツン属性もあった。 いや、ずるいのは武器のことではないのですよ?
銀髪ツインテール紅眼エルフ耳長獲物銀狼ツン。なんかもうお腹いっぱいです。
…おもわず本当に「ごちそうさま」と手を合わせてしました。
「…馬鹿にして!」
怒った? オコなの? カルシウム足りている?
そもそもどうしていきなり因縁付けられなきゃ成らないのか。本当なら、私が怒っている良いくらいですよね? ちょっとからかいたくなってきてます。
「ちょっと待て。その戦斧、マジ物じゃ無いか! 駄目だ駄目だ、そんなもの模擬戦で使わせられるか!」
「なによ。生かして連れて帰った方が価値があるって言われているから、手加減はするわよ!」
「ラウルさん、わたしは大丈夫ですから。これで進めてください」
ラウルさん、ジャック会頭の方を見ます。頷くジャック会頭。
一応ラウルさんも、私の体のことは知っているはずですが。子供好きですからね、ラウルさん。見ていられないのか、なんか痛々しいものを見るような目で私達を見ていますが。致し方なしと決心したようです。
「…では、両者ケガには本当に注意するように! …それでは…はじめっ!」
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
母に理不尽に当たり散らされたことで家出した私は――見知らぬ世界に転移しました!?
四季
恋愛
幼い頃、同居していた祖母から言われたことがあった。
もしも嫌なことがあったなら、電話の下の棚から髪飾りを取り出して持っていって、近所の神社の鳥居を両足でくぐりなさい――。
◆
十七歳になった真琴は、ある日母に理不尽に当たり散らされたことで家出した。
彼女が向かったのは神社。
その鳥居をくぐると――?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
私は、忠告を致しましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。
ロマーヌ様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる