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第2章 ユルガルム領へ
第2章第017話 レイコ・バスター
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第2章第017話 レイコ・バスター
・Side:ツキシマ・レイコ
砦で作戦会議です。講義に参加していた鉱山技師さん達も参加してくれています。
レッドさんからの偵察結果を領軍の指揮官に報告します。やはり炭鉱の攻略は必須と言うことになりますが。どれだけの兵が必要で、どれだけの犠牲が出るか、見当も付きません。
火攻めも検討されました。実は一部の領軍が、油を使って試したそうですが。火が付いても、死ぬまで動き続けるだけで怯むこともなく。帰って味方にも被害が出て進軍を防ぐ対策としてはあまり効果が無かったそうです。そもそも全部の蟻を焼くほどの油もありません。
水攻めはどうか?という話も出ました。小ユルガルムには、鉱山からの廃水を溜める池が散在していますが。簡単に鉱山に水を流し込めるような所に池はなく、その水を引き込む工事をしている隙が無いということで、廃案です。
鉱山技師の人が、坑道などの説明をしてくれました。炭鉱には、人が出入りするための採掘穴とは別に、ほぼ中央に排水のための縦穴が掘られているそうで。普段は井戸と同じやり方で水を汲み出しているそうですが。その縦穴からなら一気に最奥に行けそうです。
私が炭鉱の中心部まで一気に侵攻して、レイコ・バスターで巣の中心部を爆破しましょう。
作戦を領軍の指揮官に提案します。彼とは初対面ですが、タルタス隊長が私について説明してくれました。レイコ・バスターを直接見てはいませんが、巨大白蛇の最後については、覇王様から報告を聞いてます。
「…まぁ失敗しても犠牲は子供一人…なんて言うと思ったか? ナインケル様の客人をそんな危険にさらすことなどできん!」
指揮官さんが反対してますが。…はい、最初にダンテ隊長に会ったときと同じく握手で黙らせました。私の言っていることを信用してくれたようです。
砦で辛うじて蟻を食い止めていますが。このままではじり貧です。すぐにでも出発します。
アイリさんが泣いて止めますが。ここを突破されたら街は蹂躙されます。城での籠城で他領からの増援は待てるでしょうけど、そんな被害は出したくありません。
「もともと私は殺しようがないんですから、心配しないで下さい。…そこまで真剣になられると、逆にちょっと引きますよ」
「…ひどいよレイコちゃん…」
くすっと笑ったアイリさん。少しほぐれたようです。でも抱きついて離してくれません…。
ほら、時間が無いんですから。
さて。レッドさんはアイリさんに預けます。
実は、この作戦で一番恐いのは私が鉱山で埋まることです。
白蛇の洞窟でも思いましたが。私は埋まったくらいで死ぬことはありません。死ねません。
ただ、埋まった状態から自力で出られるのかが問題です。土砂の中で手足をばたつかせたくらいで移動できるのか。地面の中を泳ぐイメージしか湧きませんが、掘った土を除ける場所がないのですから進めるのか分りません。
もし埋まったとしても、この国の人は私を掘り出そうとしてくれるでしょう。ただ、一体それにどれだけ時間が必要やら。もし、半年間地面の中にとかなったら、気が狂ってしまいそうです。
至近でレイコ・バスターを炸裂させ、その爆発で脱出…とかも考えましたが。誰もいない山の中とかならともかく、周囲への被害が想定できません。最後の手段ですね。
レッドさんのマナ探知は、遮蔽物には弱いですが。私の体はほぼ全てがマナです。蟻の巣の底の反応が辛うじて見えたことからも、私が埋まっても見つけてくれると思います。そのためにも、レッドさんをアイリさんに預けます。
出撃です。レイコ行きまーす!
蟻が比較的少ないところを狙って、一旦炭鉱の向こう側から回り込みます。兵隊蟻でしょうか、顎の大きい個体が紛れていて襲ってきますが。蟻の体のどこも私が握れば砕ける程度の強度です。ただ、服を咬まれて全身に組み付かれると進み辛くなるので。できるだけ相手にはせずに、跳躍しながら先を急ぎます。
小ユルガルムのクレーターの中央丘。その天辺からちょっと外れたところに、件の水汲み出し用の縦穴がありました。まぁ見た目は井戸以上の物ではないのですが。
のぞき込むと、私でも結構な大きさのマナの反応をはっきり感じます。女王みたいなのかいるのか、単に大量に集まっているだけなのかは、レッドさんがいないので解像出来ませんが。ともかくあそこを潰すのが目標です。
ただ。縦穴にも蟻が入り込んでいて、底が直接見えません。
穴の上からレイコ・バスターを撃った場合、メーザーと弾頭の着弾点がずれて、目標のずっと上で爆発する可能性があります。…私が穴に降りていくしか無いようですね。
その辺を無視できるような大威力で撃つという選択肢もあるのですが。その場合、もう一個クレーターが出来てしまいそうです。大ユルガルムにも被害が及ぶかもしれないので、却下ですね。
穴の底で至近でレイコ・バスターを撃つとなると、ガンマ線フリーズの可能性が高いですが。レッドさんを預けてきたので、なんとかなるでしょう。
まぁ、蟻の巣に飛び込むというのもゾッとする話ではありますが。死ぬわけでも無いし、覚悟を決めますか。
先に、右手の中に、レイコ・バスターを形成します。チャージ完了したところで、釣瓶を掴んで穴に突入です。
途中にいる蟻をかき分けて降りていきます。ここにいる蟻は攻撃してきませんね? ともかく、なるだけ奥へ。
でかいマナの反応を感じます。…女王蟻説が正解だったようです。
女王がいる場所は、どうも蟻たちが掘り広げたようで、ドーム状の空間になっています。そのドーム状の空洞のちょうど真上に縦穴が繋がる形になっていて。穴にいた蟻を蹴落とすと、穴の途中からも女王が見えて来ました。
うわー。ぶよぶよの腹から濃いマナの反応がありますね。周囲に、卵を運ぶ働き蟻が蠢いています。卵は別の所に運んでいるようですが。次々と卵を生んでいるようですね。
…女王が石炭を食べている? 石炭に栄養となるものがあるのでしょうか? いや、石炭層の下に何かある? 女王と蟻たちのマナの反応がごっちゃになって、その辺がよく見通せません。
いろいろ興味はあるところですが。長居したくも、長く見ていたい光景でもありません。さっさと終わらせましょう。
右手を下に向けて、レイコ・バスターを発射します。赤井さんのところで試した0.1グラム版です。
寸前先に照射されたメーザーが、通過した空域の空気をプラズマ化し、衝撃波とともにほぼ真空の通り道が出来ます。そこを電磁加速された励起直前のマナの針が打ち出されます。マナの針は、女王蟻の腹に潜り込み、そこでエネルギーを解放します。
閃光と同時に発生した強烈なガンマ線で、私の意識はブラックアウトしました。
・Side:ツキシマ・レイコ
砦で作戦会議です。講義に参加していた鉱山技師さん達も参加してくれています。
レッドさんからの偵察結果を領軍の指揮官に報告します。やはり炭鉱の攻略は必須と言うことになりますが。どれだけの兵が必要で、どれだけの犠牲が出るか、見当も付きません。
火攻めも検討されました。実は一部の領軍が、油を使って試したそうですが。火が付いても、死ぬまで動き続けるだけで怯むこともなく。帰って味方にも被害が出て進軍を防ぐ対策としてはあまり効果が無かったそうです。そもそも全部の蟻を焼くほどの油もありません。
水攻めはどうか?という話も出ました。小ユルガルムには、鉱山からの廃水を溜める池が散在していますが。簡単に鉱山に水を流し込めるような所に池はなく、その水を引き込む工事をしている隙が無いということで、廃案です。
鉱山技師の人が、坑道などの説明をしてくれました。炭鉱には、人が出入りするための採掘穴とは別に、ほぼ中央に排水のための縦穴が掘られているそうで。普段は井戸と同じやり方で水を汲み出しているそうですが。その縦穴からなら一気に最奥に行けそうです。
私が炭鉱の中心部まで一気に侵攻して、レイコ・バスターで巣の中心部を爆破しましょう。
作戦を領軍の指揮官に提案します。彼とは初対面ですが、タルタス隊長が私について説明してくれました。レイコ・バスターを直接見てはいませんが、巨大白蛇の最後については、覇王様から報告を聞いてます。
「…まぁ失敗しても犠牲は子供一人…なんて言うと思ったか? ナインケル様の客人をそんな危険にさらすことなどできん!」
指揮官さんが反対してますが。…はい、最初にダンテ隊長に会ったときと同じく握手で黙らせました。私の言っていることを信用してくれたようです。
砦で辛うじて蟻を食い止めていますが。このままではじり貧です。すぐにでも出発します。
アイリさんが泣いて止めますが。ここを突破されたら街は蹂躙されます。城での籠城で他領からの増援は待てるでしょうけど、そんな被害は出したくありません。
「もともと私は殺しようがないんですから、心配しないで下さい。…そこまで真剣になられると、逆にちょっと引きますよ」
「…ひどいよレイコちゃん…」
くすっと笑ったアイリさん。少しほぐれたようです。でも抱きついて離してくれません…。
ほら、時間が無いんですから。
さて。レッドさんはアイリさんに預けます。
実は、この作戦で一番恐いのは私が鉱山で埋まることです。
白蛇の洞窟でも思いましたが。私は埋まったくらいで死ぬことはありません。死ねません。
ただ、埋まった状態から自力で出られるのかが問題です。土砂の中で手足をばたつかせたくらいで移動できるのか。地面の中を泳ぐイメージしか湧きませんが、掘った土を除ける場所がないのですから進めるのか分りません。
もし埋まったとしても、この国の人は私を掘り出そうとしてくれるでしょう。ただ、一体それにどれだけ時間が必要やら。もし、半年間地面の中にとかなったら、気が狂ってしまいそうです。
至近でレイコ・バスターを炸裂させ、その爆発で脱出…とかも考えましたが。誰もいない山の中とかならともかく、周囲への被害が想定できません。最後の手段ですね。
レッドさんのマナ探知は、遮蔽物には弱いですが。私の体はほぼ全てがマナです。蟻の巣の底の反応が辛うじて見えたことからも、私が埋まっても見つけてくれると思います。そのためにも、レッドさんをアイリさんに預けます。
出撃です。レイコ行きまーす!
蟻が比較的少ないところを狙って、一旦炭鉱の向こう側から回り込みます。兵隊蟻でしょうか、顎の大きい個体が紛れていて襲ってきますが。蟻の体のどこも私が握れば砕ける程度の強度です。ただ、服を咬まれて全身に組み付かれると進み辛くなるので。できるだけ相手にはせずに、跳躍しながら先を急ぎます。
小ユルガルムのクレーターの中央丘。その天辺からちょっと外れたところに、件の水汲み出し用の縦穴がありました。まぁ見た目は井戸以上の物ではないのですが。
のぞき込むと、私でも結構な大きさのマナの反応をはっきり感じます。女王みたいなのかいるのか、単に大量に集まっているだけなのかは、レッドさんがいないので解像出来ませんが。ともかくあそこを潰すのが目標です。
ただ。縦穴にも蟻が入り込んでいて、底が直接見えません。
穴の上からレイコ・バスターを撃った場合、メーザーと弾頭の着弾点がずれて、目標のずっと上で爆発する可能性があります。…私が穴に降りていくしか無いようですね。
その辺を無視できるような大威力で撃つという選択肢もあるのですが。その場合、もう一個クレーターが出来てしまいそうです。大ユルガルムにも被害が及ぶかもしれないので、却下ですね。
穴の底で至近でレイコ・バスターを撃つとなると、ガンマ線フリーズの可能性が高いですが。レッドさんを預けてきたので、なんとかなるでしょう。
まぁ、蟻の巣に飛び込むというのもゾッとする話ではありますが。死ぬわけでも無いし、覚悟を決めますか。
先に、右手の中に、レイコ・バスターを形成します。チャージ完了したところで、釣瓶を掴んで穴に突入です。
途中にいる蟻をかき分けて降りていきます。ここにいる蟻は攻撃してきませんね? ともかく、なるだけ奥へ。
でかいマナの反応を感じます。…女王蟻説が正解だったようです。
女王がいる場所は、どうも蟻たちが掘り広げたようで、ドーム状の空間になっています。そのドーム状の空洞のちょうど真上に縦穴が繋がる形になっていて。穴にいた蟻を蹴落とすと、穴の途中からも女王が見えて来ました。
うわー。ぶよぶよの腹から濃いマナの反応がありますね。周囲に、卵を運ぶ働き蟻が蠢いています。卵は別の所に運んでいるようですが。次々と卵を生んでいるようですね。
…女王が石炭を食べている? 石炭に栄養となるものがあるのでしょうか? いや、石炭層の下に何かある? 女王と蟻たちのマナの反応がごっちゃになって、その辺がよく見通せません。
いろいろ興味はあるところですが。長居したくも、長く見ていたい光景でもありません。さっさと終わらせましょう。
右手を下に向けて、レイコ・バスターを発射します。赤井さんのところで試した0.1グラム版です。
寸前先に照射されたメーザーが、通過した空域の空気をプラズマ化し、衝撃波とともにほぼ真空の通り道が出来ます。そこを電磁加速された励起直前のマナの針が打ち出されます。マナの針は、女王蟻の腹に潜り込み、そこでエネルギーを解放します。
閃光と同時に発生した強烈なガンマ線で、私の意識はブラックアウトしました。
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