59 / 339
第2章 ユルガルム領へ
第2章第007話 マナ術の練習
しおりを挟む
第2章第007話 マナ術の練習
・Side:ツキシマ・レイコ
最近、レッドさんの真似を練習しています。あれです、マナの雰囲気を検知するやつです。
何というか、実際やってみると"額で見る"という感じですね。気分はチャクラです。
目を瞑って集中すると、音でも色でもないけど、熱?それが一番近い感じかな? 前面のそれが分ります。
今周囲から感じる一番大きい反応はレッドさんが別格。次に多分、護衛騎士のダンテ隊長。あとはタルタスさんと…意外と言ってはなんですが覇王様。ん?エカテリンさんもなかなかですね。
そう言えば、マナ術は体力を上げられるとか言ってましたね。どういう原理なんだろう?と思ってましたけど。細胞内エネルギー物質であるATPを呼吸によらずに大量生産して、それで筋力増加? 理屈はそんなところかな。
問題は、それが自分の意思で制御できるところですが。エカテリンさんによると、電撃が使える人もいるみたいだし。いろいろ奥が深そうです。…念○力ほどの汎用性はなさそうですけど。
さて、お昼休憩です。
キャラバン止めるには丁度良いけど。谷と谷の間という感じで、見晴らしはあまりよくないですね。
ここは、覇王様に手伝って貰いましょう。馬車の御者席で覇王様に立って貰って。その手に私が乗って、頭上に掲げていただきます。もちろん履き物は脱いでいますよ。
馬車プラス覇王様で、五メートルくらいの高さが得られます。
「流石アニキ力持ち」
「ふっふっふ。家でもやらされているからな。知ってるか?一ヶ月もやらないでいると、子供は凄く重くなるんだぞ」
忍者の修行ですか?木を植えて、伸び続けるそれを毎日飛び越える奴ですね。
これくらいの高さでも、一気に数倍の探知距離が稼げます。
斥候が得意な人も居て、気配とかには敏感な方なのですが。この季節、蝉のような鳴く虫が結構いまして、平原も森も無音ではありません。こっちの世界でも、蝉は蝉でしたね。鳴き声はちょっと違うように思いますが。
夜に鳴く虫はまだ少ないようですが。マナ探知は音に頼らずに周囲を警戒できるのは、けっこう重宝されています。
うん、小動物らしき気配はありますが、特に警戒するような異常はないようです。
本日の野営地に着きました。
ここに来るのは何日ぶりでしょう?、あのお風呂に入った野営場所です。
野営の準備に馬の世話と、歩哨以外は皆忙しくしています。
なんと!今回はお風呂セットも持ってきてます。
お風呂セットと行っても、目隠しのついたてとか簀の子とか。湯船に竹で編んだ簀の子を沈めて、そこに入ります。このへんは私のアイデアですね、お風呂当番ですし。
伯爵夫人マーディア様と、ブラインさんの奥さんのメディナール様も、露天風呂に入る気満々のようです。どうも、馬車の中でエカテリンさんに前回の野営の話を聞かされたようですね。いまから楽しみにされています。
クラウヤート様も野営は初めて? キャンプに初めて来た子のように、準備の様子を興味深げに見て回っていますね。
今回も、前より多めでお魚を捕ってきました。料理騎士さん張り切っています。
うーん、なんだろ。なんかみんなテンション高いな。まるでキャンプに遊びに来たって感じですか。
この時期の気候は少し暑くなっていたので、伯爵家の方々は先にお風呂に入ることになりました。
風呂を掘って、手を突っ込んで加熱初めて二分ほど。侍女さんたちが湯加減を確認します。
え?私も一緒に?
「はひーっ」
やっぱ声が出ちゃいますね。いい湯加減です。
奥様方も、声が出そうになってる感じですが。はふーと大きく息を吐き出してます。お風呂はこうなるよね。
「貴族の方でもお風呂は使っていないんですか?」
「王都で一度、経験したことがあります。伯爵邸では、体を洗うために浅い湯に漬かることはありますが。浸かることを目的にお湯に入るってのはあまりないですね」
「あくまで洗うのが優先で。浸かるために大量のお湯を用意する人はあまりいないんじゃないかしら。重たいから部屋の強度からして必要だし。にしても、最初は熱いと思ったけど。このなんか体に熱が滲みてくる感じ、これは気持ちいいですね」
確かに。考えてみれば、一人が入る分だけでもトン近いの水が必要です。それだけの水を汲むのも、それに耐えられる湯船と部屋を用意するのも、結構な手間ですね。
天頂にでかい半月が見えています。要塞砲もくっきり。東の空には、神の玉座も上り始めています。
側には明かり取りのカンテラと、虫除けのお香も持ってきています。
気持ちいいですね、のぼせないように気をつけましょうか。
アイリさんとエカテリンさんは、侍女さんたちと一緒に私たちの後に入ります。女性陣は一緒にという話も出ましたが。流石に貴族と一緒にと言うのは固辞されました。
…クラウヤート様も入りたがったようですが。
「え?ご一緒したいんですか?」
と私が言ったら、真っ赤になっていた。
「レイコ殿、からかわないで上げてください」
と母親のメディナールさん。
もう十歳。流石に女性陣と一緒は恥ずかしいか。それでも一人では寂しいとかで、後でタロウさんや騎士達と一緒に入るそうです。
レッドさんは貸して上げますからね。
夕食です。
料理騎士さんが頑張ってました。新鮮な川魚のソテーに、これはマヨネーズを混ぜたソース? コクがありつつも酸味のあるソースが、さっぱりした川魚に合っています。根菜とお肉のポトフ、タシニで仕入れた野菜のサラダも美味しいです。
「野営でここまでの料理が食べられるとは思っていませんでした。さんざん、堅いパンに干し肉、塩味のスープが出れば上等だと脅されていましたからね」
伯爵夫人のお褒めの言葉に、料理騎士さんもうれしそうです。
焚木の下に、誰かが芋を葉っぱに包んで仕込んでいたようです。これには奥様方も興味津々。こんな料理は、屋敷の中では食べられないですからね。あちちと皮を剥いて、ちょっと塩を振ってホクホクなところを戴きました。サツマイモほど甘くは無いですけど、良いデザートです。
と。ここでレッドさんから警報です。
接近する反応が四つ、まだ遠いですが、街道の通ってきた方向からやってきます。
ただ、私には殆ど分りません。方向と距離を言われないと気づきもしなかったでしょう。
タルタス隊長に知らせると、焚木を中心にまったりしていた護衛と騎士の皆さん、それでも手の届くところに武器を置いていました。さっと臨戦態勢です。
「覇王様、お願いできますか?」
「うむ。承知した」
覇王様にお願いして、御者席でやってもらった感じで私を掲げて貰います。
うーん、反応が1つ、辛うじて分ります。
「レイコ殿、なにか見つかったのか?」
「うーん、南から何か来るようです。距離はまだ三百ベメルくらいなのですが」
タルタス隊長が、周囲に指示する。キャラバンに緊張が走る。
「人か?魔獣か?」
「まだちょっとそこまでは…」
集中するが、レッドさんの言うような四つもの反応は見えない。目をこらす?額をこらしていると、私の肩に乗っていたレッドさんが、私の後頭部に掴まって、翼を広げました。
「わぁ…」
クラウヤート様が感嘆してます。翼を広げたレッドさんは初めてですか。両翼で三メートル近くありますからね、レッドさんの翼は。
おお。さきほどレッドさんから送られてきたイメージより、精細な光景が頭の中で広がる。翼はアンテナですか?
一気に解像度が上がり、一つに重なって見えていた反応が、四つに分解する。
薄目を開けて、実際の光景と重ねてみます。
「タルタス隊長。あと少しであの茂みから出てきます」
街道脇にある茂みを指さす。と、丁度そこから一匹の白い物が飛び出してきた。
白い狼…いやサモエド犬?
狼と言ったらグレーのイメージがあるけのだけど、出てきたのは真っ白ですね。この季節この場所で?という感じもしますが。
ライオンみたいなたてがみが首周りでモフモフとしていて、正面から見るとモサエド犬に見えます。顔はもちっと精悍だけど。
サイズもちょっと大きなモサエドって感じです。
出てきた狼は、茂みを出たところでいきなりキャラバンのみんなに注視されている事に気がついたのか、急停止します。
後続でさらに三匹出てきます。こちらもモフモフですが、うち二匹がさらにでかいです!本当に牛くらいある!。
…うーん、某映画をどうしても思い出しちゃいます。黙れ小娘!とか喋らないよね?
先方は、特に威嚇もして来ずに並んでじっとこちらを見てます。
しばらく睨み合った後、狼たちは茂みの向こうに去って行った。
「多分あれが、タシニで聞いた狼だよな。…あれで狼なのか? 本当に牛くらいあったな」
横モヒカンさんが驚いてます。
覇王様にお願いして、再度レイコ・レーダー展開です。とりあえずレッドさん無しで練習です。
「タルタス隊長…茂みの向こう二百ベメルのところで止ってじっとしている感じですね。」
やっぱ一カ所に固まられると一つに見えます。
「すぐに襲ってくる気は無いようだな」
「狼だって馬鹿じゃないですからね。この人数を襲撃なんてしませんって。ただ、一人になると分りませんから、その辺は皆で注意を」
タルタス隊長が注意を促す。
「…綺麗な狼でしたね」
クラウヤート様がつぶやきます。
「どっから迷い込んだのやら。ユルガルムのさらに北か、西の北方山脈あたりの出だと思うんだけどな。ここであの毛皮では暑いだろうに」
覇王様がこういう獣には一番詳しい感じかな。
ここで討伐しておくか?という話も出ましたけど。キャラバンを攻撃しない分別があるのなら、魔獣や害獣を間引いてくれる益獣だから無闇に狩るべきではないという覇王様の意見が採用されました。
クラウヤート様がちょっとホッとしてました。
・Side:ツキシマ・レイコ
最近、レッドさんの真似を練習しています。あれです、マナの雰囲気を検知するやつです。
何というか、実際やってみると"額で見る"という感じですね。気分はチャクラです。
目を瞑って集中すると、音でも色でもないけど、熱?それが一番近い感じかな? 前面のそれが分ります。
今周囲から感じる一番大きい反応はレッドさんが別格。次に多分、護衛騎士のダンテ隊長。あとはタルタスさんと…意外と言ってはなんですが覇王様。ん?エカテリンさんもなかなかですね。
そう言えば、マナ術は体力を上げられるとか言ってましたね。どういう原理なんだろう?と思ってましたけど。細胞内エネルギー物質であるATPを呼吸によらずに大量生産して、それで筋力増加? 理屈はそんなところかな。
問題は、それが自分の意思で制御できるところですが。エカテリンさんによると、電撃が使える人もいるみたいだし。いろいろ奥が深そうです。…念○力ほどの汎用性はなさそうですけど。
さて、お昼休憩です。
キャラバン止めるには丁度良いけど。谷と谷の間という感じで、見晴らしはあまりよくないですね。
ここは、覇王様に手伝って貰いましょう。馬車の御者席で覇王様に立って貰って。その手に私が乗って、頭上に掲げていただきます。もちろん履き物は脱いでいますよ。
馬車プラス覇王様で、五メートルくらいの高さが得られます。
「流石アニキ力持ち」
「ふっふっふ。家でもやらされているからな。知ってるか?一ヶ月もやらないでいると、子供は凄く重くなるんだぞ」
忍者の修行ですか?木を植えて、伸び続けるそれを毎日飛び越える奴ですね。
これくらいの高さでも、一気に数倍の探知距離が稼げます。
斥候が得意な人も居て、気配とかには敏感な方なのですが。この季節、蝉のような鳴く虫が結構いまして、平原も森も無音ではありません。こっちの世界でも、蝉は蝉でしたね。鳴き声はちょっと違うように思いますが。
夜に鳴く虫はまだ少ないようですが。マナ探知は音に頼らずに周囲を警戒できるのは、けっこう重宝されています。
うん、小動物らしき気配はありますが、特に警戒するような異常はないようです。
本日の野営地に着きました。
ここに来るのは何日ぶりでしょう?、あのお風呂に入った野営場所です。
野営の準備に馬の世話と、歩哨以外は皆忙しくしています。
なんと!今回はお風呂セットも持ってきてます。
お風呂セットと行っても、目隠しのついたてとか簀の子とか。湯船に竹で編んだ簀の子を沈めて、そこに入ります。このへんは私のアイデアですね、お風呂当番ですし。
伯爵夫人マーディア様と、ブラインさんの奥さんのメディナール様も、露天風呂に入る気満々のようです。どうも、馬車の中でエカテリンさんに前回の野営の話を聞かされたようですね。いまから楽しみにされています。
クラウヤート様も野営は初めて? キャンプに初めて来た子のように、準備の様子を興味深げに見て回っていますね。
今回も、前より多めでお魚を捕ってきました。料理騎士さん張り切っています。
うーん、なんだろ。なんかみんなテンション高いな。まるでキャンプに遊びに来たって感じですか。
この時期の気候は少し暑くなっていたので、伯爵家の方々は先にお風呂に入ることになりました。
風呂を掘って、手を突っ込んで加熱初めて二分ほど。侍女さんたちが湯加減を確認します。
え?私も一緒に?
「はひーっ」
やっぱ声が出ちゃいますね。いい湯加減です。
奥様方も、声が出そうになってる感じですが。はふーと大きく息を吐き出してます。お風呂はこうなるよね。
「貴族の方でもお風呂は使っていないんですか?」
「王都で一度、経験したことがあります。伯爵邸では、体を洗うために浅い湯に漬かることはありますが。浸かることを目的にお湯に入るってのはあまりないですね」
「あくまで洗うのが優先で。浸かるために大量のお湯を用意する人はあまりいないんじゃないかしら。重たいから部屋の強度からして必要だし。にしても、最初は熱いと思ったけど。このなんか体に熱が滲みてくる感じ、これは気持ちいいですね」
確かに。考えてみれば、一人が入る分だけでもトン近いの水が必要です。それだけの水を汲むのも、それに耐えられる湯船と部屋を用意するのも、結構な手間ですね。
天頂にでかい半月が見えています。要塞砲もくっきり。東の空には、神の玉座も上り始めています。
側には明かり取りのカンテラと、虫除けのお香も持ってきています。
気持ちいいですね、のぼせないように気をつけましょうか。
アイリさんとエカテリンさんは、侍女さんたちと一緒に私たちの後に入ります。女性陣は一緒にという話も出ましたが。流石に貴族と一緒にと言うのは固辞されました。
…クラウヤート様も入りたがったようですが。
「え?ご一緒したいんですか?」
と私が言ったら、真っ赤になっていた。
「レイコ殿、からかわないで上げてください」
と母親のメディナールさん。
もう十歳。流石に女性陣と一緒は恥ずかしいか。それでも一人では寂しいとかで、後でタロウさんや騎士達と一緒に入るそうです。
レッドさんは貸して上げますからね。
夕食です。
料理騎士さんが頑張ってました。新鮮な川魚のソテーに、これはマヨネーズを混ぜたソース? コクがありつつも酸味のあるソースが、さっぱりした川魚に合っています。根菜とお肉のポトフ、タシニで仕入れた野菜のサラダも美味しいです。
「野営でここまでの料理が食べられるとは思っていませんでした。さんざん、堅いパンに干し肉、塩味のスープが出れば上等だと脅されていましたからね」
伯爵夫人のお褒めの言葉に、料理騎士さんもうれしそうです。
焚木の下に、誰かが芋を葉っぱに包んで仕込んでいたようです。これには奥様方も興味津々。こんな料理は、屋敷の中では食べられないですからね。あちちと皮を剥いて、ちょっと塩を振ってホクホクなところを戴きました。サツマイモほど甘くは無いですけど、良いデザートです。
と。ここでレッドさんから警報です。
接近する反応が四つ、まだ遠いですが、街道の通ってきた方向からやってきます。
ただ、私には殆ど分りません。方向と距離を言われないと気づきもしなかったでしょう。
タルタス隊長に知らせると、焚木を中心にまったりしていた護衛と騎士の皆さん、それでも手の届くところに武器を置いていました。さっと臨戦態勢です。
「覇王様、お願いできますか?」
「うむ。承知した」
覇王様にお願いして、御者席でやってもらった感じで私を掲げて貰います。
うーん、反応が1つ、辛うじて分ります。
「レイコ殿、なにか見つかったのか?」
「うーん、南から何か来るようです。距離はまだ三百ベメルくらいなのですが」
タルタス隊長が、周囲に指示する。キャラバンに緊張が走る。
「人か?魔獣か?」
「まだちょっとそこまでは…」
集中するが、レッドさんの言うような四つもの反応は見えない。目をこらす?額をこらしていると、私の肩に乗っていたレッドさんが、私の後頭部に掴まって、翼を広げました。
「わぁ…」
クラウヤート様が感嘆してます。翼を広げたレッドさんは初めてですか。両翼で三メートル近くありますからね、レッドさんの翼は。
おお。さきほどレッドさんから送られてきたイメージより、精細な光景が頭の中で広がる。翼はアンテナですか?
一気に解像度が上がり、一つに重なって見えていた反応が、四つに分解する。
薄目を開けて、実際の光景と重ねてみます。
「タルタス隊長。あと少しであの茂みから出てきます」
街道脇にある茂みを指さす。と、丁度そこから一匹の白い物が飛び出してきた。
白い狼…いやサモエド犬?
狼と言ったらグレーのイメージがあるけのだけど、出てきたのは真っ白ですね。この季節この場所で?という感じもしますが。
ライオンみたいなたてがみが首周りでモフモフとしていて、正面から見るとモサエド犬に見えます。顔はもちっと精悍だけど。
サイズもちょっと大きなモサエドって感じです。
出てきた狼は、茂みを出たところでいきなりキャラバンのみんなに注視されている事に気がついたのか、急停止します。
後続でさらに三匹出てきます。こちらもモフモフですが、うち二匹がさらにでかいです!本当に牛くらいある!。
…うーん、某映画をどうしても思い出しちゃいます。黙れ小娘!とか喋らないよね?
先方は、特に威嚇もして来ずに並んでじっとこちらを見てます。
しばらく睨み合った後、狼たちは茂みの向こうに去って行った。
「多分あれが、タシニで聞いた狼だよな。…あれで狼なのか? 本当に牛くらいあったな」
横モヒカンさんが驚いてます。
覇王様にお願いして、再度レイコ・レーダー展開です。とりあえずレッドさん無しで練習です。
「タルタス隊長…茂みの向こう二百ベメルのところで止ってじっとしている感じですね。」
やっぱ一カ所に固まられると一つに見えます。
「すぐに襲ってくる気は無いようだな」
「狼だって馬鹿じゃないですからね。この人数を襲撃なんてしませんって。ただ、一人になると分りませんから、その辺は皆で注意を」
タルタス隊長が注意を促す。
「…綺麗な狼でしたね」
クラウヤート様がつぶやきます。
「どっから迷い込んだのやら。ユルガルムのさらに北か、西の北方山脈あたりの出だと思うんだけどな。ここであの毛皮では暑いだろうに」
覇王様がこういう獣には一番詳しい感じかな。
ここで討伐しておくか?という話も出ましたけど。キャラバンを攻撃しない分別があるのなら、魔獣や害獣を間引いてくれる益獣だから無闇に狩るべきではないという覇王様の意見が採用されました。
クラウヤート様がちょっとホッとしてました。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
母に理不尽に当たり散らされたことで家出した私は――見知らぬ世界に転移しました!?
四季
恋愛
幼い頃、同居していた祖母から言われたことがあった。
もしも嫌なことがあったなら、電話の下の棚から髪飾りを取り出して持っていって、近所の神社の鳥居を両足でくぐりなさい――。
◆
十七歳になった真琴は、ある日母に理不尽に当たり散らされたことで家出した。
彼女が向かったのは神社。
その鳥居をくぐると――?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
転生して捨てられたけど日々是好日だね。【二章・完】
ぼん@ぼおやっじ
ファンタジー
おなじみ異世界に転生した主人公の物語。
転生はデフォです。
でもなぜか神様に見込まれて魔法とか魔力とか失ってしまったリウ君の物語。
リウ君は幼児ですが魔力がないので馬鹿にされます。でも周りの大人たちにもいい人はいて、愛されて成長していきます。
しかしリウ君の暮らす村の近くには『タタリ』という恐ろしいものを封じた祠があたのです。
この話は第一部ということでそこまでは完結しています。
第一部ではリウ君は自力で成長し、戦う力を得ます。
そして…
リウ君のかっこいい活躍を見てください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。
西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ?
なぜです、お父様?
彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。
「じゃあ、家を出ていきます」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる