31 / 339
第1章 エイゼル領の伯爵
第1章第029話 王都からの指示
しおりを挟む
第1章第029話 王都からの指示
・Side:ジャック・ランドゥーク
エイゼル市への入り口の関のところで、小休止とばかりに馬車からは皆が降りていたが。いざ出発と馬車に乗り込こもうとすると、一人の男が既に中にいた。
護衛騎士隊長のダンテ殿が思わず身構えるが。
「なんだセーバス殿か。驚かすな」
顔を確認して警戒を解いた。
「セーバス卿、ずいぶん早かったな」
と伯爵も、馬車に乗り込む。伯爵もこの男に面識があるらしい。貴族の屋敷によくいる執事の格好をしているが、うーん彼も五十代くらいか? グレーになりつつある髪をバックにしている。特に特徴がないと言えば特徴なのだが、どこかで見たような気もするが、なんというか気配が薄い男だ。
「昨日の夕方には、トクマクの街から伝令が出ましたからね。夜通し走って王都へ、そこからローザリンテ様とクライス様のご判断を持って今ここに…ってところです」
と、封印のされていない巻物を懐から出して、伯爵に渡した。
「移動時間も流石だが。王宮の判断が早かったなという意味じゃ」
「ローザリンテ様ですから」
とにっこり笑う執事。
伯爵は巻物を広げて、読んでいる。
「ふむ…要は既にしているように、隠すのでは無くそれとなく広めてしまえ。こちらから囲い込むのではなく、この街に依存するように誘導しろってことかね?」
「的確なご理解かと思います」
私とダンテ隊長が、よく分らないという顔をしていると、伯爵が説明してくれた。
「赤竜神様の思惑は分らぬが。状況からしてこの国を選んでレイコ殿達を連れてこられたのは確実じゃ。あの北方山脈のさらに向こうからわざわざ飛んで来られたのだからな。それに応えるという意味でも、捕らえて閉じ込めるなんてのはありえんじゃろ」
赤竜神様が飛んでこられた距離は分らないが。あの山脈を越えられるのならどこへでも、それこそ正教国に連れて行くこともたやすいだろうが。赤竜神様はそうしなかった。そこに意味があると伯爵は考えておられるようだ。
「赤竜神様からおあずかりしたも同然の小竜様と巫女様。当然ながら他の貴族やら他国やら、当然教会や正教国も狙ってくるじゃろう。かといって今、レイコ殿達を屋敷に隠すなんてのは、後で痛くない腹を探られかねないし。なにより彼女らが望むように思えん」
「物腰おだやかで、かなりの教育は受けているとは思いますが。貴族然とはしていませんでしたからな。窮屈な生活は好まれないでしょう」
隊員のために風呂を沸かし、道中の村で肉を焼きまくっていた姿を思い出した。
あ。でも、ボアの解体でキャーキャー言っていたのは、子女らしかったかも。
「で、国としてはじゃが。まだ彼女らをどうべきなのか見極めが付かないが、現時点で放置するのは論外。国としては積極的に取り込まず、それでいて彼女らの意思でこの国に滞在してくれれば理想的。要は、この国を気に入って貰えってことじゃな」
彼女らが自発的にここにいてくれて、この国と仲良くしていますと周知するのが最善…ってことか。かなり大胆にも思うが、話を聞くと良い判断に思う。積極的に所有権を主張するなど悪手もいいところ。貴族と貴族、国と国で取り合うなんて形にでもなれば、対立がどこまで波及するか想像できない。
「まぁ、治安の良さといい賑やかさといい、このに匹敵すると言ったら、この大陸では王都とユルガルムと。あとは南方諸島がかなりなものという評判があるくらいですな」
自画自賛とも言えるが。もしこの街が気に入って貰えないとなったら、他の街も無理だろう。
「というわけで。彼女らはしばらくはジャック会頭のところで預かって貰おう。ギルド預かりとするか、ランドゥーク商会預かりとするかの判断は任せる。王宮の方で対応と諸勢力の出方が固まるまでは、自由でいてもらおう」
「承知しました。ではギルドからはアイリを付けておきましょう。すでに仲が良さそうですからな」
タロウをとも思ったが、人を付けるにしても同性のアイリの方が良かろう。…もうすこし歳がいっていけば、タロウをぶつけるのもありだったかもしれんがな。
「騎士からも人を出した方がよろしいかと。王国側も気にかけているという姿勢もそれとなく示す必要がありましょう」
「王宮からの護衛と監視を兼ねて、既に私の部下が動いております」
ダンテ隊長とセーバス殿からも人が出るようだ。確かにアイリでは、案内はできても護衛は無理だろうからな。
「それでは各自よろしく頼む」
ギルド方向と貴族街への分かれ道で、一旦馬車が止められ。レイコ殿達の乗る馬車に移るためな、私は伯爵の馬車を降りた。
・Side:ツキシマ・レイコ
今進んでいる街道は、市街地の北端に向かっていた。キャラバンの拠点は、街の北端にあるそうです。
ここから見て右の山の向こう、城塞都市の南側には海があって、そちらの港にもキャラバンの拠点があるそうで。海運が絡む場合にはそちらの拠点を使うそうです。
アイズン伯爵の領主邸は、城塞の中にあるので。護衛騎士の人たちとも、次の分かれ道で一旦お別れです。
辻道のところで一旦停止すると、私たちの馬車にジャック会頭が乗ってきました。
「レイコ殿は、一旦私の預かりとなりました。あそこの中は貴族街ですので、今下手に行くと面倒になりかねないので。その辺の根回しが終わるまで、ギルドの方でお世話させていただきます。アイリは、しばらくレイコ殿の専属として、面倒見てやってくれ。タロウもな」
「承知しました」
「レイコちゃん、街を案内して上げるね」
「よろしくお願いします」
「クー」
出発するアイズン伯爵の馬車に礼をする。気がついた伯爵が手を振ってくれた。護衛の騎士達も手を振ってくれるので、私も振り返す。
暗くなった東の空には、地球のそれより倍近く大きく見える、そしてどこかで見たような満月が登っていた。
…ああ、ここではこういう月なんだ。
その月の異様さに、目がチベットスナギツネのように細くなる。
頭の中に、ジャーンジャジャジャーンという有名な帝国のテーマが流れてます。
土星の衛星にミマスというのがあります。直径四百キロもない天体なのですが、見た目に顕著な特徴として、巨大なクレーターがあります。そのクレーターのサイズが星に対して大きすぎるので、まるで超有名SF映画で有名な球状要塞に見えるのです。
今昇っているこの月は、どれくらいのサイズだろうか?。
一日の長さも重力も、日の大きさも明るさも、地球のそれに比べて違和感を感じることはないけど。詳細に量る手段がないので、厳密には比較もできないけど。月齢が七日周期とかエカテリンさんは言っていたので、公転周期の二乗は公転半径の三乗に比例だっけ?ケプラーさん。単純かつ簡単に計算して、公転軌道の半径は地球の月の半分以下、見えるサイズは地球の月より大きいけど、実際のサイズは地球の月より二廻り小さいくらいかな。
この月には、巨大なクレーターがくっきりと見えています。地球の月の雨の海がもう一回りデカくて、クレーターとしてはっきり見えていたら、似たような感じだろうか。
うーん。綺麗だけど、なんか落ち着かないや。
…赤井さんがやったのかな?あれ。
・Side:ジャック・ランドゥーク
エイゼル市への入り口の関のところで、小休止とばかりに馬車からは皆が降りていたが。いざ出発と馬車に乗り込こもうとすると、一人の男が既に中にいた。
護衛騎士隊長のダンテ殿が思わず身構えるが。
「なんだセーバス殿か。驚かすな」
顔を確認して警戒を解いた。
「セーバス卿、ずいぶん早かったな」
と伯爵も、馬車に乗り込む。伯爵もこの男に面識があるらしい。貴族の屋敷によくいる執事の格好をしているが、うーん彼も五十代くらいか? グレーになりつつある髪をバックにしている。特に特徴がないと言えば特徴なのだが、どこかで見たような気もするが、なんというか気配が薄い男だ。
「昨日の夕方には、トクマクの街から伝令が出ましたからね。夜通し走って王都へ、そこからローザリンテ様とクライス様のご判断を持って今ここに…ってところです」
と、封印のされていない巻物を懐から出して、伯爵に渡した。
「移動時間も流石だが。王宮の判断が早かったなという意味じゃ」
「ローザリンテ様ですから」
とにっこり笑う執事。
伯爵は巻物を広げて、読んでいる。
「ふむ…要は既にしているように、隠すのでは無くそれとなく広めてしまえ。こちらから囲い込むのではなく、この街に依存するように誘導しろってことかね?」
「的確なご理解かと思います」
私とダンテ隊長が、よく分らないという顔をしていると、伯爵が説明してくれた。
「赤竜神様の思惑は分らぬが。状況からしてこの国を選んでレイコ殿達を連れてこられたのは確実じゃ。あの北方山脈のさらに向こうからわざわざ飛んで来られたのだからな。それに応えるという意味でも、捕らえて閉じ込めるなんてのはありえんじゃろ」
赤竜神様が飛んでこられた距離は分らないが。あの山脈を越えられるのならどこへでも、それこそ正教国に連れて行くこともたやすいだろうが。赤竜神様はそうしなかった。そこに意味があると伯爵は考えておられるようだ。
「赤竜神様からおあずかりしたも同然の小竜様と巫女様。当然ながら他の貴族やら他国やら、当然教会や正教国も狙ってくるじゃろう。かといって今、レイコ殿達を屋敷に隠すなんてのは、後で痛くない腹を探られかねないし。なにより彼女らが望むように思えん」
「物腰おだやかで、かなりの教育は受けているとは思いますが。貴族然とはしていませんでしたからな。窮屈な生活は好まれないでしょう」
隊員のために風呂を沸かし、道中の村で肉を焼きまくっていた姿を思い出した。
あ。でも、ボアの解体でキャーキャー言っていたのは、子女らしかったかも。
「で、国としてはじゃが。まだ彼女らをどうべきなのか見極めが付かないが、現時点で放置するのは論外。国としては積極的に取り込まず、それでいて彼女らの意思でこの国に滞在してくれれば理想的。要は、この国を気に入って貰えってことじゃな」
彼女らが自発的にここにいてくれて、この国と仲良くしていますと周知するのが最善…ってことか。かなり大胆にも思うが、話を聞くと良い判断に思う。積極的に所有権を主張するなど悪手もいいところ。貴族と貴族、国と国で取り合うなんて形にでもなれば、対立がどこまで波及するか想像できない。
「まぁ、治安の良さといい賑やかさといい、このに匹敵すると言ったら、この大陸では王都とユルガルムと。あとは南方諸島がかなりなものという評判があるくらいですな」
自画自賛とも言えるが。もしこの街が気に入って貰えないとなったら、他の街も無理だろう。
「というわけで。彼女らはしばらくはジャック会頭のところで預かって貰おう。ギルド預かりとするか、ランドゥーク商会預かりとするかの判断は任せる。王宮の方で対応と諸勢力の出方が固まるまでは、自由でいてもらおう」
「承知しました。ではギルドからはアイリを付けておきましょう。すでに仲が良さそうですからな」
タロウをとも思ったが、人を付けるにしても同性のアイリの方が良かろう。…もうすこし歳がいっていけば、タロウをぶつけるのもありだったかもしれんがな。
「騎士からも人を出した方がよろしいかと。王国側も気にかけているという姿勢もそれとなく示す必要がありましょう」
「王宮からの護衛と監視を兼ねて、既に私の部下が動いております」
ダンテ隊長とセーバス殿からも人が出るようだ。確かにアイリでは、案内はできても護衛は無理だろうからな。
「それでは各自よろしく頼む」
ギルド方向と貴族街への分かれ道で、一旦馬車が止められ。レイコ殿達の乗る馬車に移るためな、私は伯爵の馬車を降りた。
・Side:ツキシマ・レイコ
今進んでいる街道は、市街地の北端に向かっていた。キャラバンの拠点は、街の北端にあるそうです。
ここから見て右の山の向こう、城塞都市の南側には海があって、そちらの港にもキャラバンの拠点があるそうで。海運が絡む場合にはそちらの拠点を使うそうです。
アイズン伯爵の領主邸は、城塞の中にあるので。護衛騎士の人たちとも、次の分かれ道で一旦お別れです。
辻道のところで一旦停止すると、私たちの馬車にジャック会頭が乗ってきました。
「レイコ殿は、一旦私の預かりとなりました。あそこの中は貴族街ですので、今下手に行くと面倒になりかねないので。その辺の根回しが終わるまで、ギルドの方でお世話させていただきます。アイリは、しばらくレイコ殿の専属として、面倒見てやってくれ。タロウもな」
「承知しました」
「レイコちゃん、街を案内して上げるね」
「よろしくお願いします」
「クー」
出発するアイズン伯爵の馬車に礼をする。気がついた伯爵が手を振ってくれた。護衛の騎士達も手を振ってくれるので、私も振り返す。
暗くなった東の空には、地球のそれより倍近く大きく見える、そしてどこかで見たような満月が登っていた。
…ああ、ここではこういう月なんだ。
その月の異様さに、目がチベットスナギツネのように細くなる。
頭の中に、ジャーンジャジャジャーンという有名な帝国のテーマが流れてます。
土星の衛星にミマスというのがあります。直径四百キロもない天体なのですが、見た目に顕著な特徴として、巨大なクレーターがあります。そのクレーターのサイズが星に対して大きすぎるので、まるで超有名SF映画で有名な球状要塞に見えるのです。
今昇っているこの月は、どれくらいのサイズだろうか?。
一日の長さも重力も、日の大きさも明るさも、地球のそれに比べて違和感を感じることはないけど。詳細に量る手段がないので、厳密には比較もできないけど。月齢が七日周期とかエカテリンさんは言っていたので、公転周期の二乗は公転半径の三乗に比例だっけ?ケプラーさん。単純かつ簡単に計算して、公転軌道の半径は地球の月の半分以下、見えるサイズは地球の月より大きいけど、実際のサイズは地球の月より二廻り小さいくらいかな。
この月には、巨大なクレーターがくっきりと見えています。地球の月の雨の海がもう一回りデカくて、クレーターとしてはっきり見えていたら、似たような感じだろうか。
うーん。綺麗だけど、なんか落ち着かないや。
…赤井さんがやったのかな?あれ。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
母に理不尽に当たり散らされたことで家出した私は――見知らぬ世界に転移しました!?
四季
恋愛
幼い頃、同居していた祖母から言われたことがあった。
もしも嫌なことがあったなら、電話の下の棚から髪飾りを取り出して持っていって、近所の神社の鳥居を両足でくぐりなさい――。
◆
十七歳になった真琴は、ある日母に理不尽に当たり散らされたことで家出した。
彼女が向かったのは神社。
その鳥居をくぐると――?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
転生して捨てられたけど日々是好日だね。【二章・完】
ぼん@ぼおやっじ
ファンタジー
おなじみ異世界に転生した主人公の物語。
転生はデフォです。
でもなぜか神様に見込まれて魔法とか魔力とか失ってしまったリウ君の物語。
リウ君は幼児ですが魔力がないので馬鹿にされます。でも周りの大人たちにもいい人はいて、愛されて成長していきます。
しかしリウ君の暮らす村の近くには『タタリ』という恐ろしいものを封じた祠があたのです。
この話は第一部ということでそこまでは完結しています。
第一部ではリウ君は自力で成長し、戦う力を得ます。
そして…
リウ君のかっこいい活躍を見てください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。
西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ?
なぜです、お父様?
彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。
「じゃあ、家を出ていきます」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる