36 / 89
卒業パーティー
挿話 ローズマリー1
しおりを挟む
ローズマリーの前世のお話です。
受験期の少し辛めの話です。この回を飛ばしてもおそらく話は繋がります。
ーーーーー
「あの『攻略本』、どうだった?」
私は学校で同じ乙女ゲーム『公爵令嬢の憂い~真実の愛を求めて~』にハマっているクラスメイトに声をかけた。
「うん、すごく良かった! あの本を教えてもらって良かったわ。知らなかったらあのゲームの本当に面白いところが分からなかったと思う」
彼女は2年生の頃から同じクラス。特に仲が良い訳ではなかったけど今みんなの中で流行っている乙女ゲームを彼女もやり始めた事を知り、こうして時々話をするようになった。
「そうなのよね! 隠しキャラもいるみたいだしやり込みがいがあるわよね!
あの『攻略本』があればこのゲームの世界でまるで予言のように思い通りにいくのよ! あんなに思い通りにいくなんて楽しすぎるわ!」
そう言って笑う私を、その友人は少し困ったような顔をして合わすように笑った。
当時彼女と私の成績は殆ど同じ。前見えてしまったテストの結果もほぼ同じくらいだった。
そしてあのゲームにハマるまでは、私は成績は結構良い方だった。
……だけど、私は周りがゲームに関心を持ちながらも少しずつ受験モードにシフトチェンジしている事に気付いていなかった。
――学校で3年生は受験についての色んな説明会があったり、周りも少しずつ志望校を決める為に動き出す。だけど私は相変わらずあの乙女ゲームにハマり込んでいた。
親にいい加減志望校を絞れと言われても。
「私と同じレベルのクラスの子と同じくらいに合わせておけばいいよね」
「まだ運動部の子達は受験なんてうるさく言ってないし」
などと言ってずっとあの乙女ゲームをしていた。家でも夜遅くまでゲームをしていると、母親が入って来てそれを咎められる事もあった。
「今、たまたま休憩してたのよ! 前もお母さんが来る時はいつもたまたま休憩中だっただけ! ……なによ、私がずっとゲームしてたなんて、『証拠』でもある訳!?」
そんな風に誤魔化して、家でもあの乙女ゲームをし続けていた。
そして、夏休み前。部活をしていた子達が夏の試合を最後に引退し、皆が受験モードに入る頃。
私はそろそろ受験校を決めなきゃねと、以前同じ成績だったクラスメイトの志望校の紙をチラリと覗いた。
……へえ。このくらいの成績だったらあの辺りの学校が狙えるんだ。私もそこを書いておこう。あの学校ならみんなにすごいねって言われるよね。
そう思って深く考えずに同じ学校名を記入した。
そして、三者面談。
私は先に三者面談を終えた、同じ志望校を書いていたクラスメイトに話を聞く。
「……私? まあ、うん。先生からはこの調子で頑張ればいいんじゃないかって言われたの。まあ最後まで油断は出来ないんだけどね」
そう遠慮がちに言うクラスメイト。……じゃあ、私もいけるってことねと納得する。
「そうなんだー。……良かった。あ、それでねぇ。あの乙女ゲームなんだけど、あれから私裏設定のところまでいって……」
「え? ゲーム? ……あの乙女ゲーム? 今もまだやってるの? 大丈夫?」
その友人は驚いてそう尋ねてきた。
「大丈夫って? だってみんなやってるでしょう?」
私は何言ってるんだと思って言ったんだけど。
「多分、もうみんなやってないよ? 3年生になってからかな……。私の周りの子達も「ゲームは暫く封印だね」って話してたんだけど……」
みんな? そんなはずないじゃない!
「まあ、やらないならやらないでいいよ! 私は『攻略本』のコンプリート目指すんだからね!」
「え!? ちょっと……」
私はまだ何か言っているその子を残して、次の授業の部屋に向かった。
そして、私の三者面談の日――。
「お母さん。お嬢さんのこの志望校ですが……。言いにくいんですが、ちょっと厳しいと思います。……どうでしょう、こちらもなかなかいい学校ですよ」
先生は、私にまさかのダメ出しをしてきた。そして代わりにと提案してきたのはあの子よりも1ランク……下手をしたら2ランク落ちる学校だった。
母もショックを受けているようだった。
「……先生! 厳しいってどうしてですか!? だって一昨日あの子にはいけるって言ってたんでしょう!? 私とあの子は殆ど同じ成績ですよ! 先生そんなの差別です!」
「一昨日……? ああ……。君と彼女の成績は同じではないよ。確かに3年生になった頃は似たような成績だったが、春から彼女はメキメキと力をつけてきた。……反対に、君の成績は今ズルズルと落ちてきている。その辺りを今日はお母さんとも話し合いたいと思っていたんです」
そう言って先生は私の母と話し出した。
3年になってから、何やら私の成績が落ちてきている。そして周りは少しずつ成績を上げてきている。差がどんどん広がっているのだ。今のまま落ちていったなら、先程挙げた2ランク下の学校ですら危うくなる、と。
……そんなバカな! 私はあの子と同じ成績なんだから! この夏前のテストの結果は知らないけれど。そんなに急に変わる訳がない。2年生の時にはずっと同じくらいだったのに!
「……だから、志望校はよく考えて……」
「先生! 私の成績がどんどん下がってくなんて何の証拠があってそんな事言うんですか! それに私だけが志望校が難しいなんて言うなんて、差別です!」
尚も私に志望校を考え直せと言う先生に言い返してやった。母親は慌てて先生に謝っていたけれど、こんな差別をする先生なんて知らない! それにこの時見せられた成績表には昨年度まではほぼ4か5だったものが3か4で占められていた。コレは、この担任の先生が私を差別しているんだわ!
家に帰って、私は両親と話し合った。
母は成績が落ちた事よりも先生に対する私の態度に怒り、父は春からズルズルと成績が落ちてきた理由を聞いてきた。
「担任の先生は私が嫌いだからこんなに成績が落とされたのよ! それにずっと同じ成績の子があの志望校はいけるって言われてるのよ!? お父さん、学校に言ってよ! あの先生が差別するって! 担任を変えてもらって!」
私はそう主張した。
両親は戸惑っていたが、学校側に「今のままの志望校でいく」とだけ連絡したようだった。
――そして、秋。
私は少しずつ勉強をしながらもまだ乙女ゲームを続けていた。そしてとうとう『攻略本』をコンプリート! もうこの本も読み尽くして全て覚えてしまったくらいだ。
私はクラスで1番仲の良い友達に得意げに報告した。
「……えっ!? ああ、そうなんだ……。この時期に、よくそんな事出来たね。すごいよ。
私はもうゲームはしてないんだ。今、将来を決める1番大事な時だよ? ちょっと息抜きのゲームならともかく、のめり込んでゲームする時期じゃないよ」
彼女は呆れたようにそう言った。
「ッ! 何よ、みんななんだかんだ言ってゲームしてるでしょう。それにあんたなんて私よりも成績下じゃない!」
私はカッとなってそう言った。すると彼女はスッと冷たい表情になった。
「……昔はね。言わなかったけど、この間のテストじゃ全部私が上だったよ? アンタがいつまでもゲームしてる間に、みんな頑張って勉強してた。……どうするの? 受験はもうすぐだよ。前に話してた学校を受験するつもりなら、次の三者面談で大分厳しいって言われるんじゃない?」
「なっ……! 今テストを見せもしないで自分の方が上だったなんて、何の証拠もないじゃないの! 受験なんて私は余裕だし! ちょっとゲームしたぐらいでなんともないんだから!」
私はその友達にそう言い張った。その友達は呆れた顔をして行ってしまった。
そうしてやってきた、三者面談。
前回親からクレームを入れたので担任の先生と教頭先生が来ていた。けれどもそこで話された事は前回と同じ……、いや、もっと厳しい現実だった。
先生から、模擬テストのテスト結果を渡される。その内容はとてもではないけれど私の第一志望校はムリだった。
おそらく、夏に担任の先生に勧められた2ランク下の学校でも厳しいくらい……。
「ッ! 先生……! うちの子がこんな……。これじゃあこの第一希望は……、いいえ第三希望だって厳しいという事ですか!?」
お母さんが思わず叫ぶ。
「……そうですね。再三お伝えはしましたが、今の成績ではとても厳しいです。ですからこちらもご検討ください」
教頭先生はそう言って私達母子に冊子を手渡した。それは色んな学校が書かれた資料だった。
「学校から出来るのはここまでです。ご相談には勿論のらせていただきますが、将来を決めるのはあくまで本人とご家族のご意向です。そして、成績はテストや本人の授業への取り組みなどを勘案したものです。これらから、よくお考えください。しかし一つだけ言わせて頂けるなら、今のままではこの第三志望もかなり厳しいです」
――そこからは、よく覚えていない。
ただ、家に帰るまで黙っていた母が帰るなり泣き出した事。そして父に酷く叱られた事。
それらが、何やら頭をグルグルと回っていた。
そして次の日、その頭痛を抱えて学校に行く途中……、私は交通事故に遭い呆気なくこの世を去った。
受験期の少し辛めの話です。この回を飛ばしてもおそらく話は繋がります。
ーーーーー
「あの『攻略本』、どうだった?」
私は学校で同じ乙女ゲーム『公爵令嬢の憂い~真実の愛を求めて~』にハマっているクラスメイトに声をかけた。
「うん、すごく良かった! あの本を教えてもらって良かったわ。知らなかったらあのゲームの本当に面白いところが分からなかったと思う」
彼女は2年生の頃から同じクラス。特に仲が良い訳ではなかったけど今みんなの中で流行っている乙女ゲームを彼女もやり始めた事を知り、こうして時々話をするようになった。
「そうなのよね! 隠しキャラもいるみたいだしやり込みがいがあるわよね!
あの『攻略本』があればこのゲームの世界でまるで予言のように思い通りにいくのよ! あんなに思い通りにいくなんて楽しすぎるわ!」
そう言って笑う私を、その友人は少し困ったような顔をして合わすように笑った。
当時彼女と私の成績は殆ど同じ。前見えてしまったテストの結果もほぼ同じくらいだった。
そしてあのゲームにハマるまでは、私は成績は結構良い方だった。
……だけど、私は周りがゲームに関心を持ちながらも少しずつ受験モードにシフトチェンジしている事に気付いていなかった。
――学校で3年生は受験についての色んな説明会があったり、周りも少しずつ志望校を決める為に動き出す。だけど私は相変わらずあの乙女ゲームにハマり込んでいた。
親にいい加減志望校を絞れと言われても。
「私と同じレベルのクラスの子と同じくらいに合わせておけばいいよね」
「まだ運動部の子達は受験なんてうるさく言ってないし」
などと言ってずっとあの乙女ゲームをしていた。家でも夜遅くまでゲームをしていると、母親が入って来てそれを咎められる事もあった。
「今、たまたま休憩してたのよ! 前もお母さんが来る時はいつもたまたま休憩中だっただけ! ……なによ、私がずっとゲームしてたなんて、『証拠』でもある訳!?」
そんな風に誤魔化して、家でもあの乙女ゲームをし続けていた。
そして、夏休み前。部活をしていた子達が夏の試合を最後に引退し、皆が受験モードに入る頃。
私はそろそろ受験校を決めなきゃねと、以前同じ成績だったクラスメイトの志望校の紙をチラリと覗いた。
……へえ。このくらいの成績だったらあの辺りの学校が狙えるんだ。私もそこを書いておこう。あの学校ならみんなにすごいねって言われるよね。
そう思って深く考えずに同じ学校名を記入した。
そして、三者面談。
私は先に三者面談を終えた、同じ志望校を書いていたクラスメイトに話を聞く。
「……私? まあ、うん。先生からはこの調子で頑張ればいいんじゃないかって言われたの。まあ最後まで油断は出来ないんだけどね」
そう遠慮がちに言うクラスメイト。……じゃあ、私もいけるってことねと納得する。
「そうなんだー。……良かった。あ、それでねぇ。あの乙女ゲームなんだけど、あれから私裏設定のところまでいって……」
「え? ゲーム? ……あの乙女ゲーム? 今もまだやってるの? 大丈夫?」
その友人は驚いてそう尋ねてきた。
「大丈夫って? だってみんなやってるでしょう?」
私は何言ってるんだと思って言ったんだけど。
「多分、もうみんなやってないよ? 3年生になってからかな……。私の周りの子達も「ゲームは暫く封印だね」って話してたんだけど……」
みんな? そんなはずないじゃない!
「まあ、やらないならやらないでいいよ! 私は『攻略本』のコンプリート目指すんだからね!」
「え!? ちょっと……」
私はまだ何か言っているその子を残して、次の授業の部屋に向かった。
そして、私の三者面談の日――。
「お母さん。お嬢さんのこの志望校ですが……。言いにくいんですが、ちょっと厳しいと思います。……どうでしょう、こちらもなかなかいい学校ですよ」
先生は、私にまさかのダメ出しをしてきた。そして代わりにと提案してきたのはあの子よりも1ランク……下手をしたら2ランク落ちる学校だった。
母もショックを受けているようだった。
「……先生! 厳しいってどうしてですか!? だって一昨日あの子にはいけるって言ってたんでしょう!? 私とあの子は殆ど同じ成績ですよ! 先生そんなの差別です!」
「一昨日……? ああ……。君と彼女の成績は同じではないよ。確かに3年生になった頃は似たような成績だったが、春から彼女はメキメキと力をつけてきた。……反対に、君の成績は今ズルズルと落ちてきている。その辺りを今日はお母さんとも話し合いたいと思っていたんです」
そう言って先生は私の母と話し出した。
3年になってから、何やら私の成績が落ちてきている。そして周りは少しずつ成績を上げてきている。差がどんどん広がっているのだ。今のまま落ちていったなら、先程挙げた2ランク下の学校ですら危うくなる、と。
……そんなバカな! 私はあの子と同じ成績なんだから! この夏前のテストの結果は知らないけれど。そんなに急に変わる訳がない。2年生の時にはずっと同じくらいだったのに!
「……だから、志望校はよく考えて……」
「先生! 私の成績がどんどん下がってくなんて何の証拠があってそんな事言うんですか! それに私だけが志望校が難しいなんて言うなんて、差別です!」
尚も私に志望校を考え直せと言う先生に言い返してやった。母親は慌てて先生に謝っていたけれど、こんな差別をする先生なんて知らない! それにこの時見せられた成績表には昨年度まではほぼ4か5だったものが3か4で占められていた。コレは、この担任の先生が私を差別しているんだわ!
家に帰って、私は両親と話し合った。
母は成績が落ちた事よりも先生に対する私の態度に怒り、父は春からズルズルと成績が落ちてきた理由を聞いてきた。
「担任の先生は私が嫌いだからこんなに成績が落とされたのよ! それにずっと同じ成績の子があの志望校はいけるって言われてるのよ!? お父さん、学校に言ってよ! あの先生が差別するって! 担任を変えてもらって!」
私はそう主張した。
両親は戸惑っていたが、学校側に「今のままの志望校でいく」とだけ連絡したようだった。
――そして、秋。
私は少しずつ勉強をしながらもまだ乙女ゲームを続けていた。そしてとうとう『攻略本』をコンプリート! もうこの本も読み尽くして全て覚えてしまったくらいだ。
私はクラスで1番仲の良い友達に得意げに報告した。
「……えっ!? ああ、そうなんだ……。この時期に、よくそんな事出来たね。すごいよ。
私はもうゲームはしてないんだ。今、将来を決める1番大事な時だよ? ちょっと息抜きのゲームならともかく、のめり込んでゲームする時期じゃないよ」
彼女は呆れたようにそう言った。
「ッ! 何よ、みんななんだかんだ言ってゲームしてるでしょう。それにあんたなんて私よりも成績下じゃない!」
私はカッとなってそう言った。すると彼女はスッと冷たい表情になった。
「……昔はね。言わなかったけど、この間のテストじゃ全部私が上だったよ? アンタがいつまでもゲームしてる間に、みんな頑張って勉強してた。……どうするの? 受験はもうすぐだよ。前に話してた学校を受験するつもりなら、次の三者面談で大分厳しいって言われるんじゃない?」
「なっ……! 今テストを見せもしないで自分の方が上だったなんて、何の証拠もないじゃないの! 受験なんて私は余裕だし! ちょっとゲームしたぐらいでなんともないんだから!」
私はその友達にそう言い張った。その友達は呆れた顔をして行ってしまった。
そうしてやってきた、三者面談。
前回親からクレームを入れたので担任の先生と教頭先生が来ていた。けれどもそこで話された事は前回と同じ……、いや、もっと厳しい現実だった。
先生から、模擬テストのテスト結果を渡される。その内容はとてもではないけれど私の第一志望校はムリだった。
おそらく、夏に担任の先生に勧められた2ランク下の学校でも厳しいくらい……。
「ッ! 先生……! うちの子がこんな……。これじゃあこの第一希望は……、いいえ第三希望だって厳しいという事ですか!?」
お母さんが思わず叫ぶ。
「……そうですね。再三お伝えはしましたが、今の成績ではとても厳しいです。ですからこちらもご検討ください」
教頭先生はそう言って私達母子に冊子を手渡した。それは色んな学校が書かれた資料だった。
「学校から出来るのはここまでです。ご相談には勿論のらせていただきますが、将来を決めるのはあくまで本人とご家族のご意向です。そして、成績はテストや本人の授業への取り組みなどを勘案したものです。これらから、よくお考えください。しかし一つだけ言わせて頂けるなら、今のままではこの第三志望もかなり厳しいです」
――そこからは、よく覚えていない。
ただ、家に帰るまで黙っていた母が帰るなり泣き出した事。そして父に酷く叱られた事。
それらが、何やら頭をグルグルと回っていた。
そして次の日、その頭痛を抱えて学校に行く途中……、私は交通事故に遭い呆気なくこの世を去った。
4
お気に入りに追加
166
あなたにおすすめの小説
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
悪役令嬢ですが、ヒロインの恋を応援していたら婚約者に執着されています
窓辺ミナミ
ファンタジー
悪役令嬢の リディア・メイトランド に転生した私。
シナリオ通りなら、死ぬ運命。
だけど、ヒロインと騎士のストーリーが神エピソード! そのスチルを生で見たい!
騎士エンドを見学するべく、ヒロインの恋を応援します!
というわけで、私、悪役やりません!
来たるその日の為に、シナリオを改変し努力を重ねる日々。
あれれ、婚約者が何故か甘く見つめてきます……!
気付けば婚約者の王太子から溺愛されて……。
悪役令嬢だったはずのリディアと、彼女を愛してやまない執着系王子クリストファーの甘い恋物語。はじまりはじまり!
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる