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本編

4:幼な妻の決意

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「幸せになりましょうね! アデル様!」
「突然、どうしたんだい? でも、そうだね。そうなれると嬉しいよ」

 私の決意にアデル様が目を瞬かせる。

 でも、それを否定する事なく受け入れてくれる優しさが尊い。

 この方、根っからのお人好しなのだ。

 まあ、お人好しすぎる人を旦那にするのはやめた方がいいと言う人もいるとは思う。

 商家育ちの私としても……お人好し過ぎる人は、ちょっとどうかな? と思わなくもないのだ。

 だけど、ふとした時に気づかってくれる優しさ、穏やかな口調。

 外見の好みも相まって私の心にガッチリとハマってしまった。

 このままだと、こんな可愛い人があのドラ息子に食い物にされる。

 そんな事を許せるわけもない。

 第一、成人しても領地の勉強もせずに遊び呆けているドラ息子を養い続けるのも嫌だ。

 なので、私の実家も含めて、ドラ息子もポイしようと思う。

 といっても、私はこのまま伯爵家を盛り立てて、両方と縁を切るつもりはない。

 伯爵家が盛り返したら、ドラ息子も実家も煩いはずだ。

 欲深い人達なのだから、領収が増えて借金が無くなったらなんか言ってくるに違いない。

 その時に、ドラ息子に領地も爵位も押しつけてやろう。

 たとえ、借金が無くなっても、ドラ息子や伯爵を冷遇する王都の使用人などのいる負債だらけの爵位も領地も必要ない。

 領民には、悪いと思うがいずれあのドラ息子が継ぐのだ。ちょっとくらい早くなってもいいだろう。

 その代わり、ドラ息子に押しつける前にある程度は領地を盛り立てて安定させる努力をするから許してほしい。

 もちろん領地だけではなく、私達もその先で豊かに暮らせるようにする手筈を整えなきゃいけないけどね。

 目標は、領地をいい感じに盛り立てて、それを餌にドラ息子に全部押しつける!

 そして、それまでにアデル様を養える環境を作っておく!

 アデル様には、内緒だけど……絶対納得させてみせるんだから!
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