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第一部:番外編
ヘルト視点12:双子人形、忠誠、頼み
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エルツが二体……二人に、俺の命令も聞くように言いつけて、多少はまともに対応してくれるようになったから二人の性能を確認する。
男……ソルの方は、近接物理。
女……ルナの方は、遠距離物理。
どちらも中級冒険者以上と思える実力で、欲しかった役割。
ソルは、俺と一緒に前衛ができるし、殿を任せる事だってできる。
ルナに関しては、エルツについてもらっていて、エルツで対応しきれない敵の処理と万が一接近された時の護衛に向くだろう。
聞けば、魔法も予め設定しておけば使えるというし、本当に俺達の理解を越えた存在だ。
ダンジョンという存在は、本当にわからない。だからこそ、潜る価値がある。
疲れたエルツを先に眠らせて、二人と見張りをしながら話をする。
「ソル、ルナ。お前ら、もし俺がエルツの害になると判断したらどうする?」
「直ちに切り伏せます」
「直ちに射抜きます」
万が一の話をすれば、予想通りの言葉が返ってきて苦笑しつつも安心した。
「そうか。それを聞いて安心した」
「「?」」
敵意を見せたのに笑う俺に二人が首を傾げる。まあ、普通に考えてもそうなるだろうが、魔導人形でもあるから余計に理解ができないのだろう。
「隷属魔法の知識はあるか?」
「「はい」」
頷く二人に隷属魔法の説明を飛ばす。
「なら話が早い。今、エルツは俺の奴隷だから、俺が死ぬと契約者不在の代償で死ぬ可能性があるんだ」
隷属魔法の事を聞いて、二人からの敵意が増した気がする。
「俺としても、不服な事ではあるがな……だから、解呪薬を探している」
「……ここでの出現は低いのでは?」
「まあ、こいつが気にしすぎない様に、俺の魔導義手を探しつつだからな」
そう言って劣化品の魔導義手を見せるように振れば、納得したような表情になる。
「だから、まあ……解呪薬も探しているから、エルツを奴隷から解放するまではいろいろと許してほしい。納得できないと思うけどな」
「なぜ、マスターを奴隷にしたのですか?」
「奴隷にしながら解呪薬を探す理由がわかりません」
「奴隷にしたというか……奴隷になったのを見つけたから買ったが正しいな。元々知人だった。しばらく会わなかったら……奴隷になった後だったんだ」
二人の質問に答えながら、眠るエルツの頭を撫でた。
「俺は、奴隷って身分が嫌いでな。……ああ、必要ないって意味でだ。人が人を隷属させるってのが気に食わねぇ」
俺の言葉にピリついた二人に弁明しながら言葉を続ける。
「だから、奴隷を買うつもりもなかったんだが……知っているヤツが、懐いてくれていた子供が酷い目に会うのを知って見捨てる事もできなかった。こいつには、才能もあるしなおさらな」
魔導人形の二人に理解してもらえるかはわからない。だが、エルツが奴隷であっても大切なことを伝える。
「こいつが奴隷であっても俺にとっては大事な弟子で……なによりも大切な存在なんだ。お前達をエルツに起こさせたのも、俺に何かあった時に守らせる為だ」
静かに俺の言葉を聞く二人へと頭を下げた。
「俺が生きている間に解呪薬は見つける。だが、俺に何かあった時はエルツを頼んだ」
エルツの隷属魔法を解くまでは死ぬつもりはない。だが、ダンジョンではなにがあるかわからねぇし、年齢だって十五も離れている。
どう頑張っても先に死ぬのは俺だろう。
そう考えて、二人へとエルツの事を頼んだ。
「……ヘルト様の考えは理解しました」
「一部理解できない事もありますが、それでもマスターに対して害はないと判断します」
「また、ヘルト様の願いも承諾いたしました」
「私達は、我が身が尽きるまでマスターをお守りいたします」
「ありがとう。助かる」
淡々としながらも、俺の願い聞いてくれた二人に改めて深く頭を下げた。
男……ソルの方は、近接物理。
女……ルナの方は、遠距離物理。
どちらも中級冒険者以上と思える実力で、欲しかった役割。
ソルは、俺と一緒に前衛ができるし、殿を任せる事だってできる。
ルナに関しては、エルツについてもらっていて、エルツで対応しきれない敵の処理と万が一接近された時の護衛に向くだろう。
聞けば、魔法も予め設定しておけば使えるというし、本当に俺達の理解を越えた存在だ。
ダンジョンという存在は、本当にわからない。だからこそ、潜る価値がある。
疲れたエルツを先に眠らせて、二人と見張りをしながら話をする。
「ソル、ルナ。お前ら、もし俺がエルツの害になると判断したらどうする?」
「直ちに切り伏せます」
「直ちに射抜きます」
万が一の話をすれば、予想通りの言葉が返ってきて苦笑しつつも安心した。
「そうか。それを聞いて安心した」
「「?」」
敵意を見せたのに笑う俺に二人が首を傾げる。まあ、普通に考えてもそうなるだろうが、魔導人形でもあるから余計に理解ができないのだろう。
「隷属魔法の知識はあるか?」
「「はい」」
頷く二人に隷属魔法の説明を飛ばす。
「なら話が早い。今、エルツは俺の奴隷だから、俺が死ぬと契約者不在の代償で死ぬ可能性があるんだ」
隷属魔法の事を聞いて、二人からの敵意が増した気がする。
「俺としても、不服な事ではあるがな……だから、解呪薬を探している」
「……ここでの出現は低いのでは?」
「まあ、こいつが気にしすぎない様に、俺の魔導義手を探しつつだからな」
そう言って劣化品の魔導義手を見せるように振れば、納得したような表情になる。
「だから、まあ……解呪薬も探しているから、エルツを奴隷から解放するまではいろいろと許してほしい。納得できないと思うけどな」
「なぜ、マスターを奴隷にしたのですか?」
「奴隷にしながら解呪薬を探す理由がわかりません」
「奴隷にしたというか……奴隷になったのを見つけたから買ったが正しいな。元々知人だった。しばらく会わなかったら……奴隷になった後だったんだ」
二人の質問に答えながら、眠るエルツの頭を撫でた。
「俺は、奴隷って身分が嫌いでな。……ああ、必要ないって意味でだ。人が人を隷属させるってのが気に食わねぇ」
俺の言葉にピリついた二人に弁明しながら言葉を続ける。
「だから、奴隷を買うつもりもなかったんだが……知っているヤツが、懐いてくれていた子供が酷い目に会うのを知って見捨てる事もできなかった。こいつには、才能もあるしなおさらな」
魔導人形の二人に理解してもらえるかはわからない。だが、エルツが奴隷であっても大切なことを伝える。
「こいつが奴隷であっても俺にとっては大事な弟子で……なによりも大切な存在なんだ。お前達をエルツに起こさせたのも、俺に何かあった時に守らせる為だ」
静かに俺の言葉を聞く二人へと頭を下げた。
「俺が生きている間に解呪薬は見つける。だが、俺に何かあった時はエルツを頼んだ」
エルツの隷属魔法を解くまでは死ぬつもりはない。だが、ダンジョンではなにがあるかわからねぇし、年齢だって十五も離れている。
どう頑張っても先に死ぬのは俺だろう。
そう考えて、二人へとエルツの事を頼んだ。
「……ヘルト様の考えは理解しました」
「一部理解できない事もありますが、それでもマスターに対して害はないと判断します」
「また、ヘルト様の願いも承諾いたしました」
「私達は、我が身が尽きるまでマスターをお守りいたします」
「ありがとう。助かる」
淡々としながらも、俺の願い聞いてくれた二人に改めて深く頭を下げた。
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