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第一部:本編
116:満たされた心
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喉の渇きで目が覚める。
「っ……」
寝ぼけた頭で起き上がろうとしたけど……体のダルさと体を抱き締める腕に阻まれた。
「っ!? へぅっ……!」
予想していなかった状況に一気に目が覚め、目を見開くと目の前にヘルトさんの顔があって悲鳴をあげそうになったが喉の痛みに言葉を失う。
な、なんで!? なんで、ヘルトさんが!?
寝起きの頭でしばらく混乱していたけど、喉の痛みと体のダルさに全てを思いだし、羞恥心で頭を抱えたくなった。
僕のお願いに応えてくれたヘルトさんに抱かれた。
そこまではいい。
でも、快楽に……愛される事に溺れた僕は、何度も何度もヘルトさんにねだり、意識を失うまで抱かれていた事を思い出したのだ。
ま、まさか、あんな事になるなんてっ……!
教育されて快楽に弱い体だと言う自覚はあった。
でも、相手がヘルトさんだからって……愛する人だからって、あそこまで我を忘れるなんて思ってもいなかった。
うわぁああああっ! と声なく呻いている僕の横でヘルトさんが身動ぎ、瞼を開ける。
「……エルツ。……起きたのか?」
「あ、ぅ……あ……」
言葉にならない声をあげながら、僕を見て微笑むヘルトさんに顔が赤く染まった気がした。
「やっぱ、喉枯れてんな。ちょっと待ってろ」
眠そうにしながらも僕の頭を左手で撫でて、ヘルトさんが起き上がる。
「ほら、飲めるか?」
起き上がったヘルトさんが手を伸ばしたのはサイドテーブルに置かれた水差しとカップで……動けない僕を抱えて、水の入ったカップを口にあててくれた。
「んっ……っ……はぁ……」
与えられるままにカップの中の水を飲み干せば生き返った気がする。
喉が潤い、ホッとするままにヘルトさんの肩にもたれかかれば、優しく頬を撫でられた。
「無理させて悪かったな。あまりにもお前が魅力的だったからよ」
謝るヘルトさんに首を横に振る。
「僕も、望んでました……から……」
水を飲んでマシになった喉で呟く。
「そうか」
そう言って、ヘルトさんは優しい声で僕の髪を梳くように頭を撫でる。
抱いてもらった後だから少し恥ずかしいけど、こうやって甘やかしてもらえるのは心地いい。
でも、あれだけ抱かれて、後処理もされた形跡すらあるのだから恥ずかしいと言うのもおかしい気がしてくる。
服は着ているし、体は汗一つかいた後もないし、お腹も痛くない。あれだけ汚したはずのシーツだって綺麗なものに変わっていた。
恥ずかしくは……いや、けっこう恥ずかしいな?
後処理をしてもらった恥ずかしさに頭を抱えてるとヘルトさんが小さく笑う。
「どうした?」
「いえ……その、……後処理も、全部してもらったみたいで……申し訳ないなって……」
ぽつぽつと言葉を溢せば、ヘルトさんはさらに笑う。
「俺がしてやりたかったんだよ。大事なヤツの腹壊させたくないし、綺麗な状態で寝かせてやりたいだろう?」
隠すことなく本心を伝えてくるヘルトさんに照れつつも、口を開く。
「その……ありがとうございます」
「どういたしましてだ」
照れながら呟けば、ヘルトさんは嬉しそうに笑う。
「さて、もう一眠りするか。まだ、起きるには早いからな」
窓から見える空は、僅かに白み始めている。起きてもいい時間だと思うけど……僕が何か言う前にヘルトさんは僕を抱えて横になってしまった。
「ヘルトさん……起きても、いいんじゃ……」
「たまにはいいだろ? 愛し合ったあとこうやって過ごすのも」
そう言って愛おしそうに微笑まれると何も言えない。
「はい……」
ヘルトさんの腕に抱かれ、厚い胸板額をくっつける。
ああ、幸せだなぁ……。
愛される事、甘やかされる事への幸せで胸がいっぱいになる。
「……ヘルトさん」
「どうした?」
視線を上げてヘルトさんを見上げながら、幸せで溢れそうな想いを告げる。
「愛してます……」
ぽつりと呟いた言葉だったけど、ヘルトさんは目を見開いた後……笑みを浮かべた。
「ああ、俺もだ。愛してる」
優しく頭を撫でられ、額に落とされたキス。
それは、ささやかだけど確かに心が満たされるものだった。
「っ……」
寝ぼけた頭で起き上がろうとしたけど……体のダルさと体を抱き締める腕に阻まれた。
「っ!? へぅっ……!」
予想していなかった状況に一気に目が覚め、目を見開くと目の前にヘルトさんの顔があって悲鳴をあげそうになったが喉の痛みに言葉を失う。
な、なんで!? なんで、ヘルトさんが!?
寝起きの頭でしばらく混乱していたけど、喉の痛みと体のダルさに全てを思いだし、羞恥心で頭を抱えたくなった。
僕のお願いに応えてくれたヘルトさんに抱かれた。
そこまではいい。
でも、快楽に……愛される事に溺れた僕は、何度も何度もヘルトさんにねだり、意識を失うまで抱かれていた事を思い出したのだ。
ま、まさか、あんな事になるなんてっ……!
教育されて快楽に弱い体だと言う自覚はあった。
でも、相手がヘルトさんだからって……愛する人だからって、あそこまで我を忘れるなんて思ってもいなかった。
うわぁああああっ! と声なく呻いている僕の横でヘルトさんが身動ぎ、瞼を開ける。
「……エルツ。……起きたのか?」
「あ、ぅ……あ……」
言葉にならない声をあげながら、僕を見て微笑むヘルトさんに顔が赤く染まった気がした。
「やっぱ、喉枯れてんな。ちょっと待ってろ」
眠そうにしながらも僕の頭を左手で撫でて、ヘルトさんが起き上がる。
「ほら、飲めるか?」
起き上がったヘルトさんが手を伸ばしたのはサイドテーブルに置かれた水差しとカップで……動けない僕を抱えて、水の入ったカップを口にあててくれた。
「んっ……っ……はぁ……」
与えられるままにカップの中の水を飲み干せば生き返った気がする。
喉が潤い、ホッとするままにヘルトさんの肩にもたれかかれば、優しく頬を撫でられた。
「無理させて悪かったな。あまりにもお前が魅力的だったからよ」
謝るヘルトさんに首を横に振る。
「僕も、望んでました……から……」
水を飲んでマシになった喉で呟く。
「そうか」
そう言って、ヘルトさんは優しい声で僕の髪を梳くように頭を撫でる。
抱いてもらった後だから少し恥ずかしいけど、こうやって甘やかしてもらえるのは心地いい。
でも、あれだけ抱かれて、後処理もされた形跡すらあるのだから恥ずかしいと言うのもおかしい気がしてくる。
服は着ているし、体は汗一つかいた後もないし、お腹も痛くない。あれだけ汚したはずのシーツだって綺麗なものに変わっていた。
恥ずかしくは……いや、けっこう恥ずかしいな?
後処理をしてもらった恥ずかしさに頭を抱えてるとヘルトさんが小さく笑う。
「どうした?」
「いえ……その、……後処理も、全部してもらったみたいで……申し訳ないなって……」
ぽつぽつと言葉を溢せば、ヘルトさんはさらに笑う。
「俺がしてやりたかったんだよ。大事なヤツの腹壊させたくないし、綺麗な状態で寝かせてやりたいだろう?」
隠すことなく本心を伝えてくるヘルトさんに照れつつも、口を開く。
「その……ありがとうございます」
「どういたしましてだ」
照れながら呟けば、ヘルトさんは嬉しそうに笑う。
「さて、もう一眠りするか。まだ、起きるには早いからな」
窓から見える空は、僅かに白み始めている。起きてもいい時間だと思うけど……僕が何か言う前にヘルトさんは僕を抱えて横になってしまった。
「ヘルトさん……起きても、いいんじゃ……」
「たまにはいいだろ? 愛し合ったあとこうやって過ごすのも」
そう言って愛おしそうに微笑まれると何も言えない。
「はい……」
ヘルトさんの腕に抱かれ、厚い胸板額をくっつける。
ああ、幸せだなぁ……。
愛される事、甘やかされる事への幸せで胸がいっぱいになる。
「……ヘルトさん」
「どうした?」
視線を上げてヘルトさんを見上げながら、幸せで溢れそうな想いを告げる。
「愛してます……」
ぽつりと呟いた言葉だったけど、ヘルトさんは目を見開いた後……笑みを浮かべた。
「ああ、俺もだ。愛してる」
優しく頭を撫でられ、額に落とされたキス。
それは、ささやかだけど確かに心が満たされるものだった。
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