【第一部&番外編・完】故郷の英雄と歩む冒険者生活~家族に売られた僕は憧れの冒険者のものになりました~

海野璃音

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第一部:本編

113:快楽に素直な体《R18》

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「んぁ……ぁ……」

 二度目の深い口づけに酔い、力の抜けた僕の腕からヘルトさんが抜け出し、僕の体を撫でていく。

「ぁ……ヘルトさん、ヘルトさんっ……」
「ん? 気持ちいいか?」
「あぁ……気持ちいぃ……気持ちいいです……」

 大きな手に肌を撫でられる度、体は心地のよい快楽を拾う。

 脇腹から胸元、首筋へと撫で上げるように滑る手。

 ほんの僅かに、胸の粒の縁を擦られた時は声をあげそうになった。

「あぁあ……あっ……!」

 するり、するりと、ヘルトさんの手が僕の胸を撫でる。

 鎖骨をなぞるように撫で上げた手が肩を伝い下がり、腋の側を通るもどかしさで体をよじった。

「ヘルト、さんっ……」

 もどかしくてもどかしくて、触れてほしいままに名前を呼びねだる。

「ずいぶんと期待してるな。そんなに触れてほしいのか?」
「あぁあっ……!」

 柔らかい縁を整えられた爪の先でなぞられて声をあげる。

 もっと……もっと……中心に触れてほしい。

 そう思って胸を張り出すように前に出した。

「可愛らしいおねだりだな……いいぜ。触ってやるよ」

 ヘルトさんの左手の指先が僕の胸の突起を摘まむ。

「っあああ……!」

 焦らされたそこからは甘い快楽が広がり、思わず声が上がる。

「あっ! あぁあっ……! あぁっ!」

 優しく転がすような動き。何度も体験したことのある動きなのに、今までとは比べ物にならないくらいに感じてしまう。

「可愛いなエルツ。でも、右だけじゃ物足りないだろう?」

 快楽に震えている僕に、ヘルトさんがそう囁いて身を屈める。

「っ、あ……あぁあっ、あっ……だめっ……ヘルト、さんっ……舐めちゃああああっ……!」

 ヘルトさんの舌が僕の左胸の突起を舐める。

 その感覚も、快楽も……全てが未知のもので戸惑い、喘ぐ。

「あぁあっ、あっ……! っあ、あぁっ……!」

 右胸の粒を転がされ、左胸の粒は舐められ、吸われ、徐々に快楽に飲まれていく。

 すがるように敷かれたシーツを握り、胸から広がる快楽に腰を揺らし、甘い声をあげる。

 喘いで、喘いで、喘いで……遂には胸だけで達してしまった。

「いくっ……! いっちゃう……っ! あっ、あ……あぁあああっ!」

 快楽を感じやすい体にされていたとはいえ、胸だけで達したのは初めてだ。

 ガクガクと腰を揺らし、荒い息を繰り返して、絶頂の余韻に揺蕩う。

「ぁ……あぁ……」
「すげぇな、胸だけでイったのか」

 僕への愛撫を止め、顔を上げたヘルトさんが左手の甲で自らの口を拭う。

「うぁ……あ……ちがっ、違うんです……胸で、イったの初めてで……初めて、なんですっ……」

 胸だけで達してしまった衝撃で、ポロポロと涙を溢しながら、弁解するように呟く。

「はし、た……なくて、ごめんなさぃ……」
「なんで謝るんだよ。それだけ、俺を感じたって事だろ? 安心しろよどれだけ乱れても、受け入れてやるからよ。好きなだけ俺に溺れろ」
「ぁ……ヘルト、さん……」

 泣き始めた僕を宥めるようにヘルトさんは笑い、零れた涙へと口づけを落とす。

「それに……シーツなんかじゃなくて俺にすがれ。ほら」

 ヘルトさんがシーツを握ったままの僕の右手を外し、自分の首の後ろへと回すように導いてくれる。

「ヘルトさん……っ」

 それが嬉しくて、もう片方の左手も自らヘルトさんの首へと回し、その体に抱きついた。

「いい子だ。……それじゃあ、続けるな? 怖かったらいつでも言えよ」

 耳元で囁かれながら、頬にヘルトさんの頬がくっつくのがわかる。

「は、い……」

 小さく頷いた僕に、ヘルトさんは自身の左手を僕の下腹部へと滑らせた。
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