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第一部:本編
97:作戦決定
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「わかった。お前の言葉を信じよう」
僕の言葉にヘルトさんが頷く。
「ヘルト! 本当に大丈夫なのか!?」
「大丈夫だ。エルツはお前達が思っている以上に強いぞ」
ヘルトさんの言葉を信じきれない冒険者にヘルトさんが笑う。
「さて、エルツ。どうやればお前の魔法で道を切り開ける? 考えを聞かせてくれ」
信頼する瞳がまっすぐ僕を見る。
「どうにか村の中まで行けば、最効率での障壁で村の人を守れると思います」
ここからだと離れすぎて魔力の消費が大きくなるからあまり長時間障壁を持たせるのは厳しい。
だけど、村の中央から直接張れば、必要な広さの分だけ張れるし、自分を起点にすれば大きな障壁を張っても魔力の消費を押さえる事ができると判断した。
「だが、その問題がどうやって行くかだ」
「それも、なんとか……障壁で足場を作ってモンスターの上を越えていけば……上空さえ抑えてもらえれば行けると思います」
「なるほど……確かにそれなら少人数なら送り込めるかもしれん」
僕の提案にヘルトさんが頷く。
「となると……内部の状況も把握できるといいんだが……」
「ヘルト様、よろしいでしょうか」
「なんだ、ルナ」
今まで静かに話を聞いていたルナが発言する。
「私がマスターをお連れするのはいかがでしょう? ヘルト様より教えていただいた身体強化で駆け抜ければ、危険も減りますし、ソルへの通信も可能です。内部の状況を把握したいのならそれが最善かと」
「……確かにその通りだ」
ルナの言葉に周りがざわざわし始めるけど、今はそれどころじゃない。
「ならば、エルツとルナで村に突入してもらうとする。中にどれだけ怪我人がいるかわからない。ギルドから渡されている物資の一部を渡しておく。使うのは出し惜しみするな」
「はい」
「かしこまりました」
ヘルトさんからギルドの支給品が入ったアイテムバッグを受けとる。
「あとは、これも渡しておく。魔力回復ポーションと魔力回復速度上昇のポーションだ。これは、状況に応じて、自分で使え」
「はい」
ヘルトさんから渡された二種類のポーションを自分のアイテムバッグへと入れた。
「よし! 俺らは、エルツとルナが突入するまで、上空のモンスターの撃墜優先! 地上モンスターがこちらに気づいたら迎撃だ! いいな!」
「おう!」
「了解だ大将!」
「腕がなるわね!」
ヘルトさんの激励に冒険者達が口々に気合いを入れる。
「エルツ。絶対迎えに行くからな」
「はい」
僕を見下ろすヘルトさんの視線は、心配してくれているように揺れていた。
だけど、同時に僕ならやりきって見せるという信頼も感じた気がしたのだった。
僕の言葉にヘルトさんが頷く。
「ヘルト! 本当に大丈夫なのか!?」
「大丈夫だ。エルツはお前達が思っている以上に強いぞ」
ヘルトさんの言葉を信じきれない冒険者にヘルトさんが笑う。
「さて、エルツ。どうやればお前の魔法で道を切り開ける? 考えを聞かせてくれ」
信頼する瞳がまっすぐ僕を見る。
「どうにか村の中まで行けば、最効率での障壁で村の人を守れると思います」
ここからだと離れすぎて魔力の消費が大きくなるからあまり長時間障壁を持たせるのは厳しい。
だけど、村の中央から直接張れば、必要な広さの分だけ張れるし、自分を起点にすれば大きな障壁を張っても魔力の消費を押さえる事ができると判断した。
「だが、その問題がどうやって行くかだ」
「それも、なんとか……障壁で足場を作ってモンスターの上を越えていけば……上空さえ抑えてもらえれば行けると思います」
「なるほど……確かにそれなら少人数なら送り込めるかもしれん」
僕の提案にヘルトさんが頷く。
「となると……内部の状況も把握できるといいんだが……」
「ヘルト様、よろしいでしょうか」
「なんだ、ルナ」
今まで静かに話を聞いていたルナが発言する。
「私がマスターをお連れするのはいかがでしょう? ヘルト様より教えていただいた身体強化で駆け抜ければ、危険も減りますし、ソルへの通信も可能です。内部の状況を把握したいのならそれが最善かと」
「……確かにその通りだ」
ルナの言葉に周りがざわざわし始めるけど、今はそれどころじゃない。
「ならば、エルツとルナで村に突入してもらうとする。中にどれだけ怪我人がいるかわからない。ギルドから渡されている物資の一部を渡しておく。使うのは出し惜しみするな」
「はい」
「かしこまりました」
ヘルトさんからギルドの支給品が入ったアイテムバッグを受けとる。
「あとは、これも渡しておく。魔力回復ポーションと魔力回復速度上昇のポーションだ。これは、状況に応じて、自分で使え」
「はい」
ヘルトさんから渡された二種類のポーションを自分のアイテムバッグへと入れた。
「よし! 俺らは、エルツとルナが突入するまで、上空のモンスターの撃墜優先! 地上モンスターがこちらに気づいたら迎撃だ! いいな!」
「おう!」
「了解だ大将!」
「腕がなるわね!」
ヘルトさんの激励に冒険者達が口々に気合いを入れる。
「エルツ。絶対迎えに行くからな」
「はい」
僕を見下ろすヘルトさんの視線は、心配してくれているように揺れていた。
だけど、同時に僕ならやりきって見せるという信頼も感じた気がしたのだった。
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