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第一部:本編
85:帰り道
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さて、双子人形な二人に無事名前をつけたけど……このまま探索続行と言うわけにもいかないのでこの隠し部屋で一泊して帰る事となった。
一泊するのは僕の魔力が枯渇一歩手前まで迫っていたから。
覚悟の上だったけど……魔力枯渇ってこんなに辛いんだぁー。と、感動してしまった。
ヘルトさんからは……。
「魔力枯渇も楽しんじまうのは、お前も根っからの冒険者気質だな」
と、笑われてしまった。
だってね。今までなったことなかったらちょっと面白いし……ね?
なので、初めて魔力を起こした時の気持ち悪さと体を動かすのも億劫なくらい疲れた体を楽しみながら、その日は隠し部屋で休んだ。
食事は、僕が料理できないのでヘルトさんが簡単に作ってくれたけど、その様子を魔導人形達が興味深く眺めているのが面白かった。
料理はちょっと譲れないけど他の家事にも興味があるなら、やらせてみても面白いかもしれない。
ヘルトさんの料理を食べた後は眠らせてもらったんだけど、安全地帯の広間ではないからか僕が眠っている間に度々オーク敵襲があったみたい。
でも、ヘルトさんも居るし、魔力が切れない限り動き休みなく続ける魔導人形の二人も居たから僕が起こされる事はなかったらしい。
魔力が枯渇してたから仕方ないけど……何も気づかず寝ていた僕の呑気さにため息を吐いた。
「大丈夫か?」
「はい、すみませんヘルトさん」
自分の不甲斐なさにため息を吐いていたらヘルトさんに心配されてしまった。
今は地上に戻る道中、ソルとルナの性能も見たいので戦闘は二人に任せ、僕はヘルトさんについてもらいながら通路を歩いている。
魔力枯渇の症状は落ち着いたけど、疲労と体力が完全に回復していなかったからだ。
そんな足手まといな僕が居ても無事に来た道を戻る事が出きているのはソルとルナのおかげだろう。
「しっかし、アイツら強いな」
「そうですね」
どちらも物理攻撃主体の為、僕の魔法やヘルトさんの斬撃に比べると殲滅力はない。
でも、互いに互いの思考が読めるのか連携に乱れはないし、攻撃の一撃も重い。
十一層のオーク相手でも遅れはなかった。
「あれなら深層でもやっていけるだろうな」
「じゃあ、また深く潜れますね」
深層。それは、上級冒険者が潜るのを推奨されている十六層以下の階層だ。
ヘルトさんは特級だけど、今までソロだったのと、右腕のハンデがあるせいで潜る階層を制限していた。
だから、あの子達の強さをヘルトさんが認めたと言うことは、より深く潜れると言うわけである。
「意外と……俺らで完全攻略できるかもしれねぇな」
「そうなると嬉しいですね!」
このダンジョンの最高到達階層は二十層。そこに立ち塞がるはオークより強いオーガの群れ。
赤い巨体の鬼は、役職を持つものだと手に負えなくなるらしい。
数多の冒険者を屠った階層。
完全攻略する為にはそこを攻略しなければならなかった。
そして、そこを攻略してもまだ未知の階層が潜んでいるかもしれない。
怖いという気持ちもある。でも、同時に完全攻略という魅力的な言葉に心が沸いたのだった。
一泊するのは僕の魔力が枯渇一歩手前まで迫っていたから。
覚悟の上だったけど……魔力枯渇ってこんなに辛いんだぁー。と、感動してしまった。
ヘルトさんからは……。
「魔力枯渇も楽しんじまうのは、お前も根っからの冒険者気質だな」
と、笑われてしまった。
だってね。今までなったことなかったらちょっと面白いし……ね?
なので、初めて魔力を起こした時の気持ち悪さと体を動かすのも億劫なくらい疲れた体を楽しみながら、その日は隠し部屋で休んだ。
食事は、僕が料理できないのでヘルトさんが簡単に作ってくれたけど、その様子を魔導人形達が興味深く眺めているのが面白かった。
料理はちょっと譲れないけど他の家事にも興味があるなら、やらせてみても面白いかもしれない。
ヘルトさんの料理を食べた後は眠らせてもらったんだけど、安全地帯の広間ではないからか僕が眠っている間に度々オーク敵襲があったみたい。
でも、ヘルトさんも居るし、魔力が切れない限り動き休みなく続ける魔導人形の二人も居たから僕が起こされる事はなかったらしい。
魔力が枯渇してたから仕方ないけど……何も気づかず寝ていた僕の呑気さにため息を吐いた。
「大丈夫か?」
「はい、すみませんヘルトさん」
自分の不甲斐なさにため息を吐いていたらヘルトさんに心配されてしまった。
今は地上に戻る道中、ソルとルナの性能も見たいので戦闘は二人に任せ、僕はヘルトさんについてもらいながら通路を歩いている。
魔力枯渇の症状は落ち着いたけど、疲労と体力が完全に回復していなかったからだ。
そんな足手まといな僕が居ても無事に来た道を戻る事が出きているのはソルとルナのおかげだろう。
「しっかし、アイツら強いな」
「そうですね」
どちらも物理攻撃主体の為、僕の魔法やヘルトさんの斬撃に比べると殲滅力はない。
でも、互いに互いの思考が読めるのか連携に乱れはないし、攻撃の一撃も重い。
十一層のオーク相手でも遅れはなかった。
「あれなら深層でもやっていけるだろうな」
「じゃあ、また深く潜れますね」
深層。それは、上級冒険者が潜るのを推奨されている十六層以下の階層だ。
ヘルトさんは特級だけど、今までソロだったのと、右腕のハンデがあるせいで潜る階層を制限していた。
だから、あの子達の強さをヘルトさんが認めたと言うことは、より深く潜れると言うわけである。
「意外と……俺らで完全攻略できるかもしれねぇな」
「そうなると嬉しいですね!」
このダンジョンの最高到達階層は二十層。そこに立ち塞がるはオークより強いオーガの群れ。
赤い巨体の鬼は、役職を持つものだと手に負えなくなるらしい。
数多の冒険者を屠った階層。
完全攻略する為にはそこを攻略しなければならなかった。
そして、そこを攻略してもまだ未知の階層が潜んでいるかもしれない。
怖いという気持ちもある。でも、同時に完全攻略という魅力的な言葉に心が沸いたのだった。
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