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第一部:本編
76:野営を繰り返し一ヵ月
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ダンジョンで野営するようになってから一ヶ月が経過した。
僕はヘルトさんの指導のもと野営経験積み重ね、数日連泊しても地上に帰るまで行動できると太鼓判を押されるまでになった。
そして、今日新たな一歩を踏み出そうとしている。
「ここが、十一層……」
今、僕がいるのはパドヴ地下遺跡の第十一層。中級以上の熟練冒険者しか訪れない階層だ。
十層までは、ゴブリンとコボルトの種類が交互に増え、五層からは罠も増えるがそれでも、多くの冒険者が到達できる階層だが……ここからは違う。
「十一層から出るのはオークですよね?」
「そうだ。力が強いから油断したら上級冒険者でも死ぬ事がある相手だ」
その言葉にとんでもない所に来たと思ってしまう。
だけど……それと同時に冒険者の半数近くが進むのを諦める階層にまで到達したという事実が僕に達成感を与えた。
この一ヶ月。メインは野営に慣れる為の探索だったが、それでも魔法の訓練や練習は欠かさなかった。
五層以降に出てくるアーチャー系ゴブリンやコボルトの矢を障壁で防いだり、七層以降に出てくるマジシャン系のゴブリンやコボルトの魔法を障壁で反射させたりとできる事も増えている。
九層以降に出てくるプリースト系に関しては、治癒魔法を使ってくるだけなのであまり訓練らしい訓練にはならなかったけど……回復させないように一撃で倒す大切さを再認識させられたのでいい経験だったとは思う。
ただ、一層ずつモンスターの種類が増えていくせいで、人の訪れない部屋にひしめき合うゴブリンやコボルトに青ざめた事もあった。
十層とか、本当に最短距離以外から離れた場所の部屋とか本当にすごかった。ひしめき合うゴブリンやコボルトを障壁魔法で倒すと一面血と内臓と死骸の海。ダンジョンで死んだ生き物は人間もモンスターも時間を置けば消えるけど……あれは大惨事だった。
それでも、二度三度経験したらなれたし、作業のようなものになったけど。
最初は、血を見るだけでもキツかったのに人間とは慣れるものなんだな。と、実感した一幕でもあった。
そうして、過ごしてきた一ヶ月の果てに今ここにいる。
ヘルトさんの引率こそあれど、今回の探索でのモンスターは全て僕が倒してきた。
そう、モンスターを討伐するだけなら僕は中級冒険者と同じレベルへ到達したと言えるのかもしれない。
……どれもこれもヘルトさんのおかげなんだけどね。
「さて、ここからは俺も戦闘に参加する。油断せずに行くぞ」
「はい!」
ここからダンジョンがより一層僕たちへと牙を向いてくる。
それでも、不安はなかった。
僕も強くなった。
そして、ヘルトさんも隣にいるからこそ……どこまでも潜っていける気がしたんだ。
僕はヘルトさんの指導のもと野営経験積み重ね、数日連泊しても地上に帰るまで行動できると太鼓判を押されるまでになった。
そして、今日新たな一歩を踏み出そうとしている。
「ここが、十一層……」
今、僕がいるのはパドヴ地下遺跡の第十一層。中級以上の熟練冒険者しか訪れない階層だ。
十層までは、ゴブリンとコボルトの種類が交互に増え、五層からは罠も増えるがそれでも、多くの冒険者が到達できる階層だが……ここからは違う。
「十一層から出るのはオークですよね?」
「そうだ。力が強いから油断したら上級冒険者でも死ぬ事がある相手だ」
その言葉にとんでもない所に来たと思ってしまう。
だけど……それと同時に冒険者の半数近くが進むのを諦める階層にまで到達したという事実が僕に達成感を与えた。
この一ヶ月。メインは野営に慣れる為の探索だったが、それでも魔法の訓練や練習は欠かさなかった。
五層以降に出てくるアーチャー系ゴブリンやコボルトの矢を障壁で防いだり、七層以降に出てくるマジシャン系のゴブリンやコボルトの魔法を障壁で反射させたりとできる事も増えている。
九層以降に出てくるプリースト系に関しては、治癒魔法を使ってくるだけなのであまり訓練らしい訓練にはならなかったけど……回復させないように一撃で倒す大切さを再認識させられたのでいい経験だったとは思う。
ただ、一層ずつモンスターの種類が増えていくせいで、人の訪れない部屋にひしめき合うゴブリンやコボルトに青ざめた事もあった。
十層とか、本当に最短距離以外から離れた場所の部屋とか本当にすごかった。ひしめき合うゴブリンやコボルトを障壁魔法で倒すと一面血と内臓と死骸の海。ダンジョンで死んだ生き物は人間もモンスターも時間を置けば消えるけど……あれは大惨事だった。
それでも、二度三度経験したらなれたし、作業のようなものになったけど。
最初は、血を見るだけでもキツかったのに人間とは慣れるものなんだな。と、実感した一幕でもあった。
そうして、過ごしてきた一ヶ月の果てに今ここにいる。
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そう、モンスターを討伐するだけなら僕は中級冒険者と同じレベルへ到達したと言えるのかもしれない。
……どれもこれもヘルトさんのおかげなんだけどね。
「さて、ここからは俺も戦闘に参加する。油断せずに行くぞ」
「はい!」
ここからダンジョンがより一層僕たちへと牙を向いてくる。
それでも、不安はなかった。
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そして、ヘルトさんも隣にいるからこそ……どこまでも潜っていける気がしたんだ。
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