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第一部:本編
68:第三層での休憩
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ヘルトさんからダンジョンで一泊すると告げられた翌日。
僕らは早朝からダンジョンに潜っていた。
一層は通り過ぎ、二層からは宝探しを兼ねて探索をする。
といっても、今日のメインはダンジョンでの野営。
目標が四層入り口の為、二層の探索は、最短距離を少し迂回しながら向かうかたちになる。
ゴブリンやコボルトを倒しながら、隠し部屋を探していたが今日も成果はなく二層の階段へとたどり着いた。
「疲れてはないか?」
「大丈夫です!」
「そうか。だが、そろそろ昼時だし、三層に降りたら休憩しよう」
「はい!」
ヘルトさんの提案に頷いて、階段を下りる。
階段を下りた三層では、僕らと同じように休憩の為に滞在している冒険者達の姿がちらほら見られた。
すでに場所を取っている冒険者達から距離を取って、僕とヘルトさんも休憩を取るために石タイルの床に座った。
「ほら、エルツ」
「ありがとうございます」
冒険者がちらほら居る中、僕とヘルトさんの姿は周囲と比べて浮いていた。
元々、雑用奴隷なのに荷物を持たず、新人冒険者どころか、熟練冒険者でも持っていれば珍しい装備に身を包んでいる僕。
そんな奴隷が主人と同じように座って、主人から食事を貰っているからだ。
それはそれは、目立った。
ダンジョンデビューのあの日。ギルドであった事も広まっていたので、絡まれるような事がないのは幸いだったけど……。
「さて、ここまでは今まで下りてきた事があったが……ここからは初のエリアだ。出現モンスターは覚えているか?」
携帯食料を食べながら、ヘルトさんが訪ねてくる。
「ゴブリンソルジャーですよね?」
「正解だ」
この第三層での追加モンスターは、ゴブリンソルジャー。
普通のゴブリンより一回り大柄で、棍棒の代わりにショートソードを持っている。
また、ゴブリンソルジャーのいる群れは統率が上がり、手強くなる。
その為、新人冒険者が躓くのは、この階層からが多いらしい。
そして、引き続きコボルトも出現するのだが……ゴブリンソルジャーがいる為、勢力は劣勢で遭遇する事は少ないようだった。
「ま、まだ罠もないし、不意打ちさえくらわなければ問題ない。だが……」
「油断はしない。ですよね」
「ああ、そうだ」
ヘルトさんの言葉を先取りすれば、ヘルトさんは満足そうに頷く。
「さて、そろそろ行くか」
僕が食事を食べ終わったのを見て、ヘルトさんが立ち上がる。
「はい」
それに続いて立ち上がると、僕は初めて第三層の通路へと足を踏み入れるのだった。
僕らは早朝からダンジョンに潜っていた。
一層は通り過ぎ、二層からは宝探しを兼ねて探索をする。
といっても、今日のメインはダンジョンでの野営。
目標が四層入り口の為、二層の探索は、最短距離を少し迂回しながら向かうかたちになる。
ゴブリンやコボルトを倒しながら、隠し部屋を探していたが今日も成果はなく二層の階段へとたどり着いた。
「疲れてはないか?」
「大丈夫です!」
「そうか。だが、そろそろ昼時だし、三層に降りたら休憩しよう」
「はい!」
ヘルトさんの提案に頷いて、階段を下りる。
階段を下りた三層では、僕らと同じように休憩の為に滞在している冒険者達の姿がちらほら見られた。
すでに場所を取っている冒険者達から距離を取って、僕とヘルトさんも休憩を取るために石タイルの床に座った。
「ほら、エルツ」
「ありがとうございます」
冒険者がちらほら居る中、僕とヘルトさんの姿は周囲と比べて浮いていた。
元々、雑用奴隷なのに荷物を持たず、新人冒険者どころか、熟練冒険者でも持っていれば珍しい装備に身を包んでいる僕。
そんな奴隷が主人と同じように座って、主人から食事を貰っているからだ。
それはそれは、目立った。
ダンジョンデビューのあの日。ギルドであった事も広まっていたので、絡まれるような事がないのは幸いだったけど……。
「さて、ここまでは今まで下りてきた事があったが……ここからは初のエリアだ。出現モンスターは覚えているか?」
携帯食料を食べながら、ヘルトさんが訪ねてくる。
「ゴブリンソルジャーですよね?」
「正解だ」
この第三層での追加モンスターは、ゴブリンソルジャー。
普通のゴブリンより一回り大柄で、棍棒の代わりにショートソードを持っている。
また、ゴブリンソルジャーのいる群れは統率が上がり、手強くなる。
その為、新人冒険者が躓くのは、この階層からが多いらしい。
そして、引き続きコボルトも出現するのだが……ゴブリンソルジャーがいる為、勢力は劣勢で遭遇する事は少ないようだった。
「ま、まだ罠もないし、不意打ちさえくらわなければ問題ない。だが……」
「油断はしない。ですよね」
「ああ、そうだ」
ヘルトさんの言葉を先取りすれば、ヘルトさんは満足そうに頷く。
「さて、そろそろ行くか」
僕が食事を食べ終わったのを見て、ヘルトさんが立ち上がる。
「はい」
それに続いて立ち上がると、僕は初めて第三層の通路へと足を踏み入れるのだった。
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