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第一部:本編
52:ダンジョン入り口
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この町のダンジョンは、町外れにある。
ダンジョンで取れるお宝やアイテムを町の特産品とする所は多いけど、町の中心にダンジョンがある事は滅多にない。
なぜなら、ダンジョンでは時折スタンピードという現象が起こるからだ。
スタンピード。それは、ダンジョンのモンスターが地上に溢れて、人々を襲う事をいう。
普段は、ダンジョンにしかいないモンスターが地上に出てくるとまっすぐに人の多い場所を襲いに行くらしい。
その場合、大抵はそのダンジョンを収入源にしているから町が襲われる。
ダンジョンは人を集めるがそれと同時に大きな災害を起こす事も多いのだ。
スタンピードが知られていない大昔は、それでいくつもの大都市が滅んだという記載さえ残るほどに。
だから、ダンジョンから少しでも離れた場所に町を作り、スタンピードが起こっても対応ができるようにされている。
まあ、それでもダンジョンの周辺に小さな宿場町のようなものができてしまうらしいが。
もちろん、このダンジョンも言うまでもなく簡易的な小屋やテントが設置されており、屋台もいくつか建てられている。
中には、買い取りをする商人などもいるらしい。
基本的には町に帰るのが面倒くさい人達や貧困層の人達が使うそうだ。
体が休まりそうもないと思うのだけど……ここを利用する人には、それ以外の理由もあったりするのだろう。
今は、早朝ということもあり、人の数は少ない。
でも、ヘルトさんはここでも有名らしく視線を集めているし、そのヘルトさんについて歩く僕も人目を集めた。
……たぶんヘルトさんが奴隷を連れているが珍しいのと、やはり高い装備を与えられているからだろう。
体に刺さる視線を堪えつつ、ダンジョンの入り口へと到着した。
「おはようございますヘルト様。ギルド証と……そちらの奴隷の認識票の確認をお願いいたします」
ダンジョンの入り口は、冒険者ギルドの職員が管理しているらしく、ヘルトさんのギルド証と僕の認識票を問われる。
「ほらよ。エルツも出せ」
ヘルトさんは、胸元から僕の認識票より大きな金属製のカード……冒険者ギルドカードを提示し、僕にも認識票を確認させるように促す。
「はい」
「よろしいでしょう。どうぞ、ご武運を」
促されるままに認識票を提示すれば、ギルド職員から入場の許可が降りた。
僕の目の前には、地下のダンジョンに続く階段がある。
その事実に、心が踊った。
ダンジョンで取れるお宝やアイテムを町の特産品とする所は多いけど、町の中心にダンジョンがある事は滅多にない。
なぜなら、ダンジョンでは時折スタンピードという現象が起こるからだ。
スタンピード。それは、ダンジョンのモンスターが地上に溢れて、人々を襲う事をいう。
普段は、ダンジョンにしかいないモンスターが地上に出てくるとまっすぐに人の多い場所を襲いに行くらしい。
その場合、大抵はそのダンジョンを収入源にしているから町が襲われる。
ダンジョンは人を集めるがそれと同時に大きな災害を起こす事も多いのだ。
スタンピードが知られていない大昔は、それでいくつもの大都市が滅んだという記載さえ残るほどに。
だから、ダンジョンから少しでも離れた場所に町を作り、スタンピードが起こっても対応ができるようにされている。
まあ、それでもダンジョンの周辺に小さな宿場町のようなものができてしまうらしいが。
もちろん、このダンジョンも言うまでもなく簡易的な小屋やテントが設置されており、屋台もいくつか建てられている。
中には、買い取りをする商人などもいるらしい。
基本的には町に帰るのが面倒くさい人達や貧困層の人達が使うそうだ。
体が休まりそうもないと思うのだけど……ここを利用する人には、それ以外の理由もあったりするのだろう。
今は、早朝ということもあり、人の数は少ない。
でも、ヘルトさんはここでも有名らしく視線を集めているし、そのヘルトさんについて歩く僕も人目を集めた。
……たぶんヘルトさんが奴隷を連れているが珍しいのと、やはり高い装備を与えられているからだろう。
体に刺さる視線を堪えつつ、ダンジョンの入り口へと到着した。
「おはようございますヘルト様。ギルド証と……そちらの奴隷の認識票の確認をお願いいたします」
ダンジョンの入り口は、冒険者ギルドの職員が管理しているらしく、ヘルトさんのギルド証と僕の認識票を問われる。
「ほらよ。エルツも出せ」
ヘルトさんは、胸元から僕の認識票より大きな金属製のカード……冒険者ギルドカードを提示し、僕にも認識票を確認させるように促す。
「はい」
「よろしいでしょう。どうぞ、ご武運を」
促されるままに認識票を提示すれば、ギルド職員から入場の許可が降りた。
僕の目の前には、地下のダンジョンに続く階段がある。
その事実に、心が踊った。
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