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第一部:本編
36:二日目の夜
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購入したものが届く間、一人で自主練習を繰り返してなんとなく魔力の巡らせ方のコツを掴む。
意識しないと止まってしまうけど、止まった状態からも巡らせられるようになるのも早いと褒めてもらえた。
届いた荷物を自分の部屋に片付けたり、届いた食料で料理を作ったりしているうちに夜になった。
料理は、簡単なものしか作れなかったけど、それでもヘルトさんは美味しいと食べてくれた。
「うん、美味い。そうだ、こうやって基礎はできてるんだし、今度本買いに行く時は料理の本も買いに行くか」
「いいんですか?本って、高いんじゃ……」
商館で習った知識では、本は需要はあるが供給が少なく高いらしい。全てが手書きで綺麗な文字でなければ商品にならないからみたいだけど……そんなに気軽に買っていいものなのだろうか……?
……今日の買いっぷりを見る限り、ヘルトさんが気にする事はなさそうだけど。
「先行投資、先行投資。お前がいろんな料理作ってくれるなら安いもんだ。美味いもの作ってくれるんだろ?」
そう言って、僕の作ったステーキを頬張りながら、ヘルトさんは笑う。……そう言ってもらえるのなら、もう頑張るしかないじゃないか。
「わかりました。料理も頑張ります!」
「ははっ、あんまり気張らなくてもいいぞ。でも、楽しみにしておく」
明るい雰囲気で食事を終え、今日はヘルトさんからお風呂に入ってもらう。
昨日は、言われるままに入って、ヘルトさんより先に入ってしまった事を後悔したからだ。
ヘルトさんが出た後にありがたくお風呂に入り、今日も贅沢に湯船に浸かる。温かいお湯は、魔力を巡らせる練習……魔力循環をした後だからか疲れた体に染み渡って気持ちいい。
なんて、ゆっくりと浸かっているうちにウトウトと船を漕ぎそうになったので、慌てて湯船から上がった。
眠い頭をなんとか起こしながら、体を拭き、体の手入れに精を出す。今日買った物ではないけど、ヘルトさんがせっかく買ってくれた物なのだから、手入れに手を抜く事は出来なかった。
全身つやつやになった気分になりながら今日買ったばかりの服に腕を通し、一度ヘルトさんの部屋へと向かう。
「ヘルトさん、お風呂あがりました。お先に失礼します」
しばらくは起きていると言っていたので扉の向こうへと声をかければ、僅かな足跡が聞こえたのでその場に留まる。
「なんだ、もう眠るのか?」
「はい、明日も頑張りたいので」
「そうか」
ヘルトさんが僕の頭を撫でるが、少し動きを止めると待ってろとだけ告げて部屋に戻っていく。
「そうだ、これ。今のうちに渡しておく。俺が今朝読んでた分のギルド新聞。あさ、早く起きて時間があるなら読むといい」
「いいんですか!ありがとうございます!」
ヘルトさんから渡されたのは、今朝ヘルトさんの読んでいたダンジョンについての情報が書かれている新聞。
まさか、新しい物を読ませてもらえるとは思ってもいなかった為、驚きながらも凄く嬉しかった。
意識しないと止まってしまうけど、止まった状態からも巡らせられるようになるのも早いと褒めてもらえた。
届いた荷物を自分の部屋に片付けたり、届いた食料で料理を作ったりしているうちに夜になった。
料理は、簡単なものしか作れなかったけど、それでもヘルトさんは美味しいと食べてくれた。
「うん、美味い。そうだ、こうやって基礎はできてるんだし、今度本買いに行く時は料理の本も買いに行くか」
「いいんですか?本って、高いんじゃ……」
商館で習った知識では、本は需要はあるが供給が少なく高いらしい。全てが手書きで綺麗な文字でなければ商品にならないからみたいだけど……そんなに気軽に買っていいものなのだろうか……?
……今日の買いっぷりを見る限り、ヘルトさんが気にする事はなさそうだけど。
「先行投資、先行投資。お前がいろんな料理作ってくれるなら安いもんだ。美味いもの作ってくれるんだろ?」
そう言って、僕の作ったステーキを頬張りながら、ヘルトさんは笑う。……そう言ってもらえるのなら、もう頑張るしかないじゃないか。
「わかりました。料理も頑張ります!」
「ははっ、あんまり気張らなくてもいいぞ。でも、楽しみにしておく」
明るい雰囲気で食事を終え、今日はヘルトさんからお風呂に入ってもらう。
昨日は、言われるままに入って、ヘルトさんより先に入ってしまった事を後悔したからだ。
ヘルトさんが出た後にありがたくお風呂に入り、今日も贅沢に湯船に浸かる。温かいお湯は、魔力を巡らせる練習……魔力循環をした後だからか疲れた体に染み渡って気持ちいい。
なんて、ゆっくりと浸かっているうちにウトウトと船を漕ぎそうになったので、慌てて湯船から上がった。
眠い頭をなんとか起こしながら、体を拭き、体の手入れに精を出す。今日買った物ではないけど、ヘルトさんがせっかく買ってくれた物なのだから、手入れに手を抜く事は出来なかった。
全身つやつやになった気分になりながら今日買ったばかりの服に腕を通し、一度ヘルトさんの部屋へと向かう。
「ヘルトさん、お風呂あがりました。お先に失礼します」
しばらくは起きていると言っていたので扉の向こうへと声をかければ、僅かな足跡が聞こえたのでその場に留まる。
「なんだ、もう眠るのか?」
「はい、明日も頑張りたいので」
「そうか」
ヘルトさんが僕の頭を撫でるが、少し動きを止めると待ってろとだけ告げて部屋に戻っていく。
「そうだ、これ。今のうちに渡しておく。俺が今朝読んでた分のギルド新聞。あさ、早く起きて時間があるなら読むといい」
「いいんですか!ありがとうございます!」
ヘルトさんから渡されたのは、今朝ヘルトさんの読んでいたダンジョンについての情報が書かれている新聞。
まさか、新しい物を読ませてもらえるとは思ってもいなかった為、驚きながらも凄く嬉しかった。
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