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第一部:本編

3:教育

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 奴隷となった僕が住むことになったのは小さな四人部屋。

 その部屋は、雑用奴隷の中でも、性奴隷も兼用できると判断された者が集められており、仲もそれほど悪くはなかったが良いというわけでもなかったがより下位の部屋に比べたらマシな部類だった。

 付かず離れず。そんな距離感で僕達は雑用として性奴隷として学ぶ。

 家庭内の家事から冒険者に付き従い野営を行ったり、装備の手入れまで雑用とつく名の事は全て教え込まれた。

 そして、性奴隷として体内の洗浄の仕方や張り型を使っての拡張なども教え込まれた。

「っ……あぁっ……!」

 男を知らないという事で、直接抱かれる事はなかったが、それでも男であるはずの僕が抱かれる側として、指で、張り型で、体を開かれていくのは苦痛だった。

 それでも体は快楽を覚えていく。それが惨めで、自分が奴隷という……人としての尊厳すら持たない存在だという事を実感させられた。

 でも、それでも僕の扱いは、良い方なのだと知らされる。

 反抗して、鞭で打たれる人。下位の部屋で他の奴隷の性処理に使われる人。

 反抗したら、今より価値が下がったらどうなるか。そんな見本は沢山居た。

 奴隷として従順でなければ、早めに良い主人に巡り会えなければどうなるかを僕達にわからせるように。

 自分達より酷い扱いの奴隷に怯え、安堵し、今の扱いを維持する為に自ら奴隷として落ちていく。

 従順に、主人を喜ばせるように。

「そろそろ店前に出すか」

 一日、一日と日が経つに連れて商品として完成していく僕に、店主がそんな事を言う。

 店前。それは、売り物としてのお披露目の場らしい。

「とりあえずその眼は見えるように髪を整えて……服ももう少し質のいいものにすれば見映えもするだろう」

 店主が僕の姿を確認しながら呟き、側に控えた人達に指示を出していく。

 それを他人事のように聞いているうちに、僕は髪を切られ、丁寧に着飾られた。

 ここに来てから初めて見た鏡の中には、眉辺りで整えてられた前髪とそこから覗く緑色の瞳が写っている。

 その緑色の瞳が収まった左目の下には、雑用奴隷兼性奴隷としての黒い刻印が刻まれていた。
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