俺と魔王の恋愛事情～召喚勇者ですが、触手な魔王に一目惚れしました！～

本編

23：後悔後に立たず

　自分の欲求不満な体に渋い顔をしながらも、沸き上がる欲にどうするか悩む。

　処理するにしても、今思い浮かぶのは間違いなくヒルドだ。しかも、抱かれる方。

　あの触手が絡まり引き締まったたくましい腕に抱かれ、太い指で愛撫されるのも、崩れた体から伸びる触手で愛撫されるのも……どちらも悪くない……。

　って、想像するなするな！　余計にムラムラする！

　ヒルドの腕や触手に抱かれる想像を頭を振って打ち消し……ふと思う。

　ヒルドのチンコってどうなってんの？　と。

　ヒルドの体は、配線が絡まったような、黒い筋肉図のような体で、特撮ヒーローのヒーロースーツのように股間には何もない。

　だけど、あの体の作りなら生やせる事もできるだろう。それこそサイズは自由自在に……。

　もし、それがあの体格に見合ったものだったら……俺のケツは無事なのだろうか……？

　そんな事を考えていたらひゅっ……と青ざめる。

　ヤバイヤバイヤバイヤバイ。

　男同士のセックスってどうやんの!?　元の世界でのネット知識はあるけど！　詳しくはなんも知らないぞ俺!?

　あれだけヒルドにアピールしたのに！

　ムラムラも全部吹っ飛んでいく現実を直視し、さっきとは別の理由でベッドの上をゴロゴロと転がる。

　どうしようどうしよう。相談できる人いなくねぇかこれ!?

　ヒルド。無理。恥ずかしすぎる。

　メディ。無理。義母に相談するとかなんたる拷問。

　うわぁああああ、オワッタ。オワッターーーーー！

　ヒルドといい雰囲気になりたいけど、それ以上いったらどうしたらいいかわかんねぇよ！

　あんなことしといて、おぼこいとか……俺、処女びっちじゃん！

　あれだろ!?　自分から思わせ振りな行動しといて、いざってなると初な反応見せるんだろ!?

　うわぁああああ！　

　やだーーーーー！

　ヒルドに幻滅されたくなーーーーーい！

　でも、もうあんなことやった後だし！

　俺ってば、ヒルドにふしだらだとか思われてない!?

　でも、反応は悪くなかったと思うし……。

　だけど、知識豊富とか期待されてたらどうしようどうしよう！

　これならヒルドの言葉聞いて健全なお付き合いのまま、ヒルドにリードしてもらえばよかったーーーーー！

　ゴロゴロゴロゴロ、ビタンビタン……とベッドの上でのたうち回る。

　後悔後にたたず。その言葉の意味を今、正しく理解したのであった。