97 / 114
第二部:王様に嫁入りした側妃ですが子供達の未来に悩んでいます
54:甘やかす夕食
しおりを挟む
アグノスを膝に乗せたまま、運ばれてきた夕食を食べる。
とは言っても、いつものカトラリーは使いにくいから使うのはお箸だ。
前世の知識にあったものが西洋風なシィーズにあるのは、驚いたんだけど……ここの世界にも東洋風の国があるからそこ発祥らしい。
以前、僕の前世の出身地らしき現代日本の話をしたのだけど……そしたら、文化圏が似ている国からの交易品をシュロムが見せてくれたのだ。
どれも懐かしいと思う品物が多かったが、どこか違うと言った交易品の数々。
東洋風ではあるものの、中華風と和風が混在していると言うのが正しいと思う。
そんな作りだから特別欲しいものはなかったのだけど、お箸だけはあったら便利かな?と、思って貰って置いたのだ。
螺鈿細工の施された前世の価値観からしてもお高そうな物で日常使いには気が引ける物ではあるのだけど……。
「アグノス、あーん」
「あー」
でも、手に馴染むし……こうやってアグノスに食べさせやすいから助かる。
洋風の料理使ってるから前世の食事のマナー的には怒られそうな使い方だけどね。
一つのお皿に乗った料理をアグノスに食べさせ、アグノスが咀嚼している間に僕も食べ……そんな事を繰り返して、普段より二倍近く時間をかけてから食事を終えた。
少し大変だったけど……こうやって食事を与えるのは久しぶりだったから楽しんでしまった。
二歳から一緒にいるけど……自分で食べれるようになってからは、こんな機会なかったからね。
「アグノス、ご飯美味しかったね」
「ん」
デザートまで食べて少し機嫌が上向いたアグノスと長椅子へと戻り、また膝に乗せて甘やかす事にした。
声をかけて、頭を撫でて……ちょっとぷにぷにの頬をつついたりとじゃれあっていたらお風呂の時間が近づいている事に気づく。
「そうだ、アグノス。お風呂どうしようか。いつも通りティグレ達と入る? それとも僕と入る?」
早い時間にシュロムが帰っている時は、子供達だけで入ったり、僕も子供達と一緒に入ったりする。
だけど、今日は食事と同じように分けた方がいいかと思ってアグノスへと尋ねた。
「父様と」
「うん、わかった。僕とだね」
予想の通りと言うか……ぎゅっと抱きついてきたアグノス。
これは、寝る時も僕と一緒が良いと言いそうだ。
抱きついてきたアグノスの頭を撫でつつ、モリーへと視線を向ける。
「モリー、そう言うことだから別で準備してもらっていいかな?」
「わかりました」
僕の言葉に他の侍女達へと指示を出すモリーを横目に僕はアグノスの頭に頬を寄せたのだった。
とは言っても、いつものカトラリーは使いにくいから使うのはお箸だ。
前世の知識にあったものが西洋風なシィーズにあるのは、驚いたんだけど……ここの世界にも東洋風の国があるからそこ発祥らしい。
以前、僕の前世の出身地らしき現代日本の話をしたのだけど……そしたら、文化圏が似ている国からの交易品をシュロムが見せてくれたのだ。
どれも懐かしいと思う品物が多かったが、どこか違うと言った交易品の数々。
東洋風ではあるものの、中華風と和風が混在していると言うのが正しいと思う。
そんな作りだから特別欲しいものはなかったのだけど、お箸だけはあったら便利かな?と、思って貰って置いたのだ。
螺鈿細工の施された前世の価値観からしてもお高そうな物で日常使いには気が引ける物ではあるのだけど……。
「アグノス、あーん」
「あー」
でも、手に馴染むし……こうやってアグノスに食べさせやすいから助かる。
洋風の料理使ってるから前世の食事のマナー的には怒られそうな使い方だけどね。
一つのお皿に乗った料理をアグノスに食べさせ、アグノスが咀嚼している間に僕も食べ……そんな事を繰り返して、普段より二倍近く時間をかけてから食事を終えた。
少し大変だったけど……こうやって食事を与えるのは久しぶりだったから楽しんでしまった。
二歳から一緒にいるけど……自分で食べれるようになってからは、こんな機会なかったからね。
「アグノス、ご飯美味しかったね」
「ん」
デザートまで食べて少し機嫌が上向いたアグノスと長椅子へと戻り、また膝に乗せて甘やかす事にした。
声をかけて、頭を撫でて……ちょっとぷにぷにの頬をつついたりとじゃれあっていたらお風呂の時間が近づいている事に気づく。
「そうだ、アグノス。お風呂どうしようか。いつも通りティグレ達と入る? それとも僕と入る?」
早い時間にシュロムが帰っている時は、子供達だけで入ったり、僕も子供達と一緒に入ったりする。
だけど、今日は食事と同じように分けた方がいいかと思ってアグノスへと尋ねた。
「父様と」
「うん、わかった。僕とだね」
予想の通りと言うか……ぎゅっと抱きついてきたアグノス。
これは、寝る時も僕と一緒が良いと言いそうだ。
抱きついてきたアグノスの頭を撫でつつ、モリーへと視線を向ける。
「モリー、そう言うことだから別で準備してもらっていいかな?」
「わかりました」
僕の言葉に他の侍女達へと指示を出すモリーを横目に僕はアグノスの頭に頬を寄せたのだった。
74
お気に入りに追加
5,667
あなたにおすすめの小説


侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。



ハッピーエンドのために妹に代わって惚れ薬を飲んだ悪役兄の101回目
カギカッコ「」
BL
ヤられて不幸になる妹のハッピーエンドのため、リバース転生し続けている兄は我が身を犠牲にする。妹が飲むはずだった惚れ薬を代わりに飲んで。

王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
博愛主義の成れの果て
135
BL
子宮持ちで子供が産める侯爵家嫡男の俺の婚約者は、博愛主義者だ。
俺と同じように子宮持ちの令息にだって優しくしてしまう男。
そんな婚約を白紙にしたところ、元婚約者がおかしくなりはじめた……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。