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第二部:王様に嫁入りした側妃ですが子供達の未来に悩んでいます

40:お茶会開始

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 庭に用意された円卓にイデアルとマリカ嬢を対面する形で座ってもらい、その間に僕とノウリッジ様夫妻が向かい合う形で座る。

 一応公には非公式だけど、公的なものではあるので一挙一動緊張してしまうのは、言うまでもない。

 最初は、用意されたお茶やお菓子の話から始まり、和やかな雰囲気でお茶会が進む。

 挨拶は、元気だったマリカ嬢もお茶を嗜む姿は、綺麗なものでさすがは宰相家のご令嬢だと思った。

「どのお菓子も美味しいです!」

 口を開くとニッコニコなんだけど。貴族的には、感情を抑え込んでこそなんだけど……お披露目を終えた年齢とはいえまだ十一歳。

 社交界デビューの十六歳までには、落ち着くだろうし……僕は、原作の記憶で彼女が公の場で立派な正妃として振る舞っているのを知っている。

 感想としては、素直で可愛い子だと微笑ましく思った。

「マリカ嬢は、甘いものがお好きなんですか?」
「はい!」

 イデアルの問いにマリカ嬢が笑顔で頷く。

「でも、お菓子も好きですけど、お肉も大好きです。運動するのが趣味なので、いっぱい食べないと動けませんから!」
「運動ですか……」

 ご令嬢の趣味としては珍しい趣味にイデアルが呆気に取られている。

 普通は、刺繍とか思い浮かべるもんね。

「騎士に憧れてて……剣術も、乗馬も好きなんです!」
「騎士……」
「はい!」

 外見は深淵の令嬢と言われても納得できる外見から繰り出されていく言葉。

 以前、お転婆だと伝えた事があったがイデアルの想像を上回っていたらしい。

 そんな二人の様子を見ながらノウリッジ様夫妻へ視線を向ければ、困った様に笑っている。

 おそらく自宅でもこの調子なのだろう。

 シュロムやノウリッジ様的には、次期王妃になってほしいけど、本人がこの調子だからイデアルと合わせて意識を変えさせたいっていうのも兼ねての顔合わせだったのかもしれない。

「だから……その……」

 そんな事を考えていたら、今までハキハキ喋っていたマリカ嬢が迷うように言葉をさ迷わせる。

 でも、なんとなく次に出てくる言葉は予想がついた。

「おじい様達は、私をイデアル殿下の妃にしたいのは、わかってるのですが……私は、イデアル殿下の騎士になりたいんです!」

 マリカ嬢の言葉に、イデアルは困った様に僕に視線を向け、ノウリッジ様達は笑みを浮かべているけど、やってしまった……って雰囲気を醸し出している。

 さて、どうするべきかな……。
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