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第二部:王様に嫁入りした側妃ですが子供達の未来に悩んでいます
36:第一王子の離宮
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「ディロス様!」
イデアルの離宮へと到着すると、庭でお茶会の準備を眺めていたイデアルが僕の元へと駆けてくる。
僕と同じようにいつもより綺麗な服を纏い、金色の長い髪を後ろ手一つに結んだ姿は、まさに貴公子で王子様と言った感じだ。
「イデアル。朝も言ったけど、今日はお世話になるね」
「はい!」
少し緊張しているようだけど、気合いも入っているようで普段より声に力がこもっている。
良いことだとは思うけど……いつものイデアルとはちょっと違うから、深呼吸させた方がいいかな。
「イデアル。僕、ちょっと緊張してるから一緒に深呼吸してくれる?」
「? わかりました」
僕の言葉にイデアルは首を傾げながらも一緒に深呼吸をしてくれた。
「すぅ……はぁ……。……ありがとう、落ち着いた気がするよ」
「……いえ、私も気合いが入りすぎていたようです。お気遣いありがとうございます」
「ふふっ、僕が一緒にして欲しかっただけだよ」
自分の気合いが入りすぎていた事に気づいたイデアルが自身を恥じる様に渋い顔をしたので、軽くイデアルの肩を叩く。
頭を撫でたいところだけど……綺麗に纏められた髪を崩すと悪いからね。
「マリカ嬢とノウリッジ様達が到着するまでもう少し時間あるよね?」
「はい」
「準備は、みんなに任せて少しイデアルの離宮案内してもらえるかな? イデアルの離宮は初めて来るから、普段どう過ごしてるのか気になるんだ」
普段、僕は以前から与えられた離宮からほとんど出ないし、稀に庭園を散歩する事もあるけど、他の離宮に立ち入らないようにしている。
だから、イデアルが普段この離宮でどう過ごしているのか、イデアルから聞く話だけではなく、この目で見てみたかったのだ。
「っ! わかりました! 案内します!」
嫌がられたらどうしようと思ったのだけど、イデアルは目を輝かせて頷いた後……ハッとしたように目を見開いた。
「あの……ディロス様」
「なんだい?」
「父上の側妃であるディロス様に、お願いするのはおこがましいのですが……マリカ嬢を案内する為の練習も兼ねてエスコートさせていただけないでしょうか……」
視線をさ迷わせながらお願いしてきたイデアルの言葉に驚く。
僕は、単純に気になったからお願いしただけなのに……自分からマリカ嬢のエスコートの練習に結びつけるってえらいよね……!
「僕で良いの?」
「はい。侍女に頼むのも悪いので」
今、イデアルについている侍女達は、イデアルの事を敬愛しているから喜んで付き合ってくれそうだと思うんだけど……僕が良いと思ってもらえるのは光栄だ。
「それじゃあ、お願いしようかな」
「はい! ……あの、それではお手をどうぞディロス様」
嬉しそうに笑ったイデアルが僕へと手を差し出す。
「ありがとうイデアル」
その手に手を重ねながら、まだ幼いながらも立派な王子様として振る舞うイデアルの姿を誇らしく思う。
そして、そんなイデアルの成長をシュロムにも教えてあげなきゃと考えながらイデアルに離宮を案内してもらうのだった。
イデアルの離宮へと到着すると、庭でお茶会の準備を眺めていたイデアルが僕の元へと駆けてくる。
僕と同じようにいつもより綺麗な服を纏い、金色の長い髪を後ろ手一つに結んだ姿は、まさに貴公子で王子様と言った感じだ。
「イデアル。朝も言ったけど、今日はお世話になるね」
「はい!」
少し緊張しているようだけど、気合いも入っているようで普段より声に力がこもっている。
良いことだとは思うけど……いつものイデアルとはちょっと違うから、深呼吸させた方がいいかな。
「イデアル。僕、ちょっと緊張してるから一緒に深呼吸してくれる?」
「? わかりました」
僕の言葉にイデアルは首を傾げながらも一緒に深呼吸をしてくれた。
「すぅ……はぁ……。……ありがとう、落ち着いた気がするよ」
「……いえ、私も気合いが入りすぎていたようです。お気遣いありがとうございます」
「ふふっ、僕が一緒にして欲しかっただけだよ」
自分の気合いが入りすぎていた事に気づいたイデアルが自身を恥じる様に渋い顔をしたので、軽くイデアルの肩を叩く。
頭を撫でたいところだけど……綺麗に纏められた髪を崩すと悪いからね。
「マリカ嬢とノウリッジ様達が到着するまでもう少し時間あるよね?」
「はい」
「準備は、みんなに任せて少しイデアルの離宮案内してもらえるかな? イデアルの離宮は初めて来るから、普段どう過ごしてるのか気になるんだ」
普段、僕は以前から与えられた離宮からほとんど出ないし、稀に庭園を散歩する事もあるけど、他の離宮に立ち入らないようにしている。
だから、イデアルが普段この離宮でどう過ごしているのか、イデアルから聞く話だけではなく、この目で見てみたかったのだ。
「っ! わかりました! 案内します!」
嫌がられたらどうしようと思ったのだけど、イデアルは目を輝かせて頷いた後……ハッとしたように目を見開いた。
「あの……ディロス様」
「なんだい?」
「父上の側妃であるディロス様に、お願いするのはおこがましいのですが……マリカ嬢を案内する為の練習も兼ねてエスコートさせていただけないでしょうか……」
視線をさ迷わせながらお願いしてきたイデアルの言葉に驚く。
僕は、単純に気になったからお願いしただけなのに……自分からマリカ嬢のエスコートの練習に結びつけるってえらいよね……!
「僕で良いの?」
「はい。侍女に頼むのも悪いので」
今、イデアルについている侍女達は、イデアルの事を敬愛しているから喜んで付き合ってくれそうだと思うんだけど……僕が良いと思ってもらえるのは光栄だ。
「それじゃあ、お願いしようかな」
「はい! ……あの、それではお手をどうぞディロス様」
嬉しそうに笑ったイデアルが僕へと手を差し出す。
「ありがとうイデアル」
その手に手を重ねながら、まだ幼いながらも立派な王子様として振る舞うイデアルの姿を誇らしく思う。
そして、そんなイデアルの成長をシュロムにも教えてあげなきゃと考えながらイデアルに離宮を案内してもらうのだった。
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