お飾り婿の嫁入り 血の繋がらない息子のために婿入り先の悪事を暴露したら、王様に溺愛されました

海野璃音

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一部番外編

後日談6-3:仕返しのその先《R18》

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「はぁっ……ぁ……」

 シュロムの愛撫から解放されて、なんとか息を整える。

 最初はシュロムを抱き締めていた手も絶頂する事に、力が入らなくなり、最後は力なくすがりつくだけになっていた。

 快楽の余韻に揺蕩いながら呼吸を続ける僕をシュロムは、濡れた唇を親指で拭いながら見下ろしている。

 その姿は、先程まで僕の胸を唇で蹂躙していたと思えなくて、やっぱりずるいと思った。

「ディロス」
「ぁ……っ……」

 薄暗いランプの明かりに照らされたシュロムの赤い瞳と視線が交わる。

 まだ満足していないというような飢えた目に……補食されるのを期待するような被虐心が僕の心をざわめかせた。

「これで終わるか」

 口ではそう言っているのに、目はじっと僕を見据えている。

 ここまで僕を昂らせているのに……まるで焦らすような言葉。

 だが、ここで僕が終わるといえば、自分を押さえて終わらせるのだろうと言う信頼がある。

 だから、これは最終確認なのだ。このまま悪戯と悪戯の仕返しで終わるか、その先に進むかの。

「シュロム……」
「なんだ?」

 余裕のない僕に、シュロムは余裕そうな顔で笑みを浮かべる。

「もっと……僕を愛して……」
「……心得た」

 僕からの懇願にシュロムの笑みが深まり、僕の唇へとシュロムの唇が重なった。

「んふっ……ふっ……!」

 最初から舌が唇を割って入ってきて、シュロムの舌が僕の口の中を嬲る。

 上顎や歯列を嘗められ、舌を絡めるように嬲られ、飲みきれなかった唾液が口の端から伝うのがわかった。

「っ……はっ……ぁ……」

 先程までの胸からの快楽と口づけによる酸欠で、口づけから解放されてもぼんやりとする僕をシュロムは抱き起こし、容易く夜着を脱がせていく。

 どうして、ここまで手慣れさせてしまったんだろう……それほどまでにシュロムに世話を焼かせていただろうか……最初っから世話を焼いてくれていたな……。

 そんな事を思いながら、ベッドに横たわるように戻され、僕はぼんやりとしたまま夜着を脱ぎ捨てるシュロムを眺めていた。
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