18 / 114
一部番外編
後日談1-2:第一王子のエスコートと真似したがる弟達
しおりを挟む
見事に二度寝を決めた僕とイデアルを起こしたのは、二度寝の原因になったアグノスとティグレ。
「とーさま!朝だよー!」
「あにうえも!起きて起きて!」
「ん……んー……おはようアグノス……ティグレ……」
「起きる……起きるから……ティグレ、揺らさないで」
元気な幼児二人に起こされて、二度寝を決めた僕とイデアルは、苦笑いしながら身支度を整える。
僕達が着替えている間に、すでに着替え終わっていた元気っ子達は先に食堂へ駆けていったあたり、本当に元気だ。
「ロン、今日はシュロム戻る?」
「ここ最近忙しかったから戻りたそうだと聞いてますよ。戻れるかはわかりませんけど」
シュロムは僕が目覚める前も後も忙しく過ごしている。
国を巻き込む大きな反乱と言うわけではないが、離宮が襲撃される重大事件が起こったわけだし、貴族の処遇が決まっても、忙しさに終わりが見えないのは仕方のないことだと思う。
僕が目覚めた日は、久しぶりに合間を見つけて訪れてくれた日だったみたいだし、僕の離宮を見に行った日も僕のわがままに付き合うべくその日一日をなんとか空けてくれたらしいのだ。
だから今、僕達が暮らしているシュロムの離宮に帰ってくる事すら稀だったりする。
僕が目覚める前も子供達はここで過ごしてたみたいだけど、僕のいる部屋を訪ねても僕は寝てるし、シュロムは滅多に帰って来ないし、本当に寂しい思いをさせたと思う。
本当はシュロムとも一緒に寝たいはずなんだけどね。
そんな事を考えながら着替えを終え、イデアルのエスコートで食堂に向かう。
やらなくていいっていったんだけど……。
「まだ、一人で歩かれるのが心配なのでさせてください」
なんて、微笑まれた。
イデアルの中で僕の扱いがどうなっているのかが気になるところだ……やらかしてる自覚はあるから好きにさせるけどね。
「あ!あにうえずるい!おれもディロスと手繋ぐ!」
「あぐのすも!あぐのすも、とうさまと、て!つなぐ!」
椅子に座っていたのにとてとてと駆けてきて、僕の空いた左手を二人でぎゅっと握るティグレとアグノス。
真似してるのがすごく可愛い。
「二人が先に行ったから、私がエスコートしたんだよ」
二人の様子にちょっとだけ優越感と仕方ないなぁって雰囲気を出して笑うイデアルにティグレが跳ねる。
「じゃあ、あし……あしたはとおいからちょうしょくおわったら、おれとアグノスでエスコートする!」
「する!」
今度は譲らないって表情を浮かべる二人に、僕とイデアルはその姿が可愛くて笑ってしまった。
「いいよ。朝食の後は、談話室までエスコートしてもらえるかな?」
「まかせろ!」
「はーい!」
目をきらめかせる二人が微笑ましくて、朝食後のエスコートを頼む。
男の僕がされるのはちょっと違和感あるけど、子供達の予行練習にはいいだろうし、なにより一生懸命の子供達が可愛いから役得ってやつかな。
三人につれられて、椅子へと座り、いつものように朝食を楽しんだのだった。
「とーさま!朝だよー!」
「あにうえも!起きて起きて!」
「ん……んー……おはようアグノス……ティグレ……」
「起きる……起きるから……ティグレ、揺らさないで」
元気な幼児二人に起こされて、二度寝を決めた僕とイデアルは、苦笑いしながら身支度を整える。
僕達が着替えている間に、すでに着替え終わっていた元気っ子達は先に食堂へ駆けていったあたり、本当に元気だ。
「ロン、今日はシュロム戻る?」
「ここ最近忙しかったから戻りたそうだと聞いてますよ。戻れるかはわかりませんけど」
シュロムは僕が目覚める前も後も忙しく過ごしている。
国を巻き込む大きな反乱と言うわけではないが、離宮が襲撃される重大事件が起こったわけだし、貴族の処遇が決まっても、忙しさに終わりが見えないのは仕方のないことだと思う。
僕が目覚めた日は、久しぶりに合間を見つけて訪れてくれた日だったみたいだし、僕の離宮を見に行った日も僕のわがままに付き合うべくその日一日をなんとか空けてくれたらしいのだ。
だから今、僕達が暮らしているシュロムの離宮に帰ってくる事すら稀だったりする。
僕が目覚める前も子供達はここで過ごしてたみたいだけど、僕のいる部屋を訪ねても僕は寝てるし、シュロムは滅多に帰って来ないし、本当に寂しい思いをさせたと思う。
本当はシュロムとも一緒に寝たいはずなんだけどね。
そんな事を考えながら着替えを終え、イデアルのエスコートで食堂に向かう。
やらなくていいっていったんだけど……。
「まだ、一人で歩かれるのが心配なのでさせてください」
なんて、微笑まれた。
イデアルの中で僕の扱いがどうなっているのかが気になるところだ……やらかしてる自覚はあるから好きにさせるけどね。
「あ!あにうえずるい!おれもディロスと手繋ぐ!」
「あぐのすも!あぐのすも、とうさまと、て!つなぐ!」
椅子に座っていたのにとてとてと駆けてきて、僕の空いた左手を二人でぎゅっと握るティグレとアグノス。
真似してるのがすごく可愛い。
「二人が先に行ったから、私がエスコートしたんだよ」
二人の様子にちょっとだけ優越感と仕方ないなぁって雰囲気を出して笑うイデアルにティグレが跳ねる。
「じゃあ、あし……あしたはとおいからちょうしょくおわったら、おれとアグノスでエスコートする!」
「する!」
今度は譲らないって表情を浮かべる二人に、僕とイデアルはその姿が可愛くて笑ってしまった。
「いいよ。朝食の後は、談話室までエスコートしてもらえるかな?」
「まかせろ!」
「はーい!」
目をきらめかせる二人が微笑ましくて、朝食後のエスコートを頼む。
男の僕がされるのはちょっと違和感あるけど、子供達の予行練習にはいいだろうし、なにより一生懸命の子供達が可愛いから役得ってやつかな。
三人につれられて、椅子へと座り、いつものように朝食を楽しんだのだった。
133
お気に入りに追加
5,672
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

ハッピーエンドのために妹に代わって惚れ薬を飲んだ悪役兄の101回目
カギカッコ「」
BL
ヤられて不幸になる妹のハッピーエンドのため、リバース転生し続けている兄は我が身を犠牲にする。妹が飲むはずだった惚れ薬を代わりに飲んで。

悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。