転生冒険者と男娼王子

海野璃音

文字の大きさ
上 下
33 / 47
1-3.男娼王子の療養と王国のこれから

三十三話★

しおりを挟む
 中を清め終えたスライムを元の瓶へと戻し、蓋をする。その為だけに作られた存在は、役目を終えたら紐づけられている巣へと戻るように躾けられているのが便利だ。

 フレデリック様の精液で汚れた服を脱ぎながらベッドに横たわるフレデリック様を見下ろす。スライムに蹂躙されるというのは初めてだったのか、人ならざる快楽にぐったりとその四肢をベッドへと投げ出している姿は色香が溢れていた。

「大丈夫ですか?」
「……ああ、問題ない」

 荒い息をしながら白い四肢を投げ出しているというのに言葉には余裕を感じる。先ほどまで洗浄で乱れていた事への虚勢にも思えるが、その様な虚勢を張るプライドも愛おしく、その体に覆いかぶさるように額へと口づけを落とした。

「それで、俺を後に引けなくしたのは俺へのご褒美ですか?」
「なんだ……気づいていたのか」
「つい先ほど。少し、性急すぎる気がしたので」

 先にフレデリック様の述べた理由も理由の一つだろうが、俺への報償も兼ねてと言うのが大きな理由だと思ったのだ。

「ふふ……褒美だと言ってもお前は素直に受け取らないだろう?」

 フレデリック様は笑みを浮かべながら、俺の背中へと両手を回す。

「それは……まあ」

 フレデリック様の言葉に視線を逸らしながら頷く。未だ療養中なのだから、いくら褒美とはいえ、気軽にその体を味わうわけにもいくまい。淫紋の禁断症状予防という理由付けがなければ今日も抱きしめあって寝るだけで終えたはずだ。

「本来は奉仕もしてやりたいところだが、そこまで回復していないという自覚もある」

 俺を見つめる碧い瞳が蠱惑的に細められる。

「だから、せめて……この体を好きにしていいぞ」

 囁かれた言葉は俺の雄としての欲求を滾らせるには十分だった。

「ホント、すっげぇ殺し文句ですよそれ」

 滾る欲望を笑みで抑え、フレデリック様の唇を奪う。

「っ……!あ……んんっ!」

 体重をかけ過ぎぬようにその体に覆いかぶさり、フレデリック様の股に差し込んだ脚でゆるやかに立ち上がったフレデリック様の陰茎を擦りあげれば、快楽に体が跳ねる。

 細い体を撫で、口の中を味わい、時折零れる吐息に酔った。

「ぁ……はっ……に、にこら……」

 唇を離せば、熱に浮かされた瞳が俺を見つめる。

「まだこれからですよ」

 フレデリック様のこめかみにキスをし、体を起こす。フレデリック様の陰茎を嬲っていた太ももは先走りと精液の混じったモノで汚れ、フレデリック様の腹も同じように汚れていた。

 それらを拭い、フレデリック様の両脚を抱えるように体を滑り込ませる。俺の猛った陰茎をスライムによって解されたアナルへと近づければ、その雰囲気を感じたのかフレデリック様のアナルがその時を待ち望むかのようにひくついた。

「っあ……!あぁあっ!」

 俺の巨根がフレデリック様の柔らかく解れたアナルにつくとフレデリック様から嬌声が上がる。

 柔らかなそこは先端だけでも確かな質量を誇るそれを待っていたとばかりに受け入れ、奥へと誘うように蠢く。

「っ……!」

 久しぶりの快楽に思わず息を飲む。いや、健全な男ゆえに自慰をする事もある。が、愛おしく何よりもかけがえのない方の胎を開くと言うのはそれだけで、男としての欲を滾らせ、精を吐き出させようという威力があった。

「あぁっ……あっ!っぅううう!」

 射精しそうになるのを堪え、じわりじわりとその胎を切り開いていけば、中を擦られる快楽にフレデリック様の体が跳ねる。

 アナルを開かれる感覚に、肉壁を擦られる感覚に、前立腺を擦り潰される感覚に。その全てが快楽へと変わり、フレデリック様は淫らに体を跳ねさせ踊った。

 白く華奢な裸体が踊り、長い金糸が白いシーツの海で広がる姿は神聖さを感じるほどに淫靡だ。

 この方が俺の働きに自ら体を差し出したと言うのは、何よりも代えがたい報奨だろう。

「フレデリック様……フレデリック様……!」

 受け入れる苦痛と快楽を必死に耐える姿が愛おしく、その名前を呼ぶ。堪え性のない俺の姿に、フレデリック様は涙に濡れた瞼を開き、碧い瞳で俺を見つめた。

「っあ……にこら……」

 快楽に震える声で俺を呼び、柔らかく慈しみを持った笑みでフレデリック様が笑う。

「……いいぞ」

 たった一言。ただそれだけで、俺を押さえつけていた箍が外れた。

 フレデリック様の細い腰を両手で掴み、グッと腰を突き入れる。

「っ、あぁあああっ!」

 四割ほど入っていた陰茎を最奥まで進め、フレデリック様の体が絶頂に仰け反った。

「ぁ、は……ぁ……あぁっ!」

 ピアスに塞がれた尿道から漏れるような射精を繰り返すフレデリック様を眺めながら、ゆるゆると腰を動かす。まだ二割ほど残っている陰茎をその最奥を越えて、埋める為に。

「あっ、あっ……!にこらっ♡にこらぁっ♡」

 最奥を緩く突く度にフレデリック様は髪を振り乱し、シーツをかき乱す。俺の名前を呼ぶ度に欲望に突き動かされそうなのを僅かに残った理性で押しとどめながら、最後の壁を突き崩す為に腰を動かし続けた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

主人公の兄になったなんて知らない

さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を レインは知らない自分が神に愛されている事を 表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

愛され末っ子

西条ネア
BL
本サイトでの感想欄は感想のみでお願いします。全ての感想に返答します。 リクエストはTwitter(@NeaSaijou)にて受付中です。また、小説のストーリーに関するアンケートもTwitterにて行います。 (お知らせは本編で行います。) ******** 上園琉架(うえぞの るか)四男 理斗の双子の弟 虚弱 前髪は後々左に流し始めます。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い赤みたいなのアースアイ 後々髪の毛を肩口くらいまで伸ばしてゆるく結びます。アレルギー多め。その他の設定は各話で出てきます! 上園理斗(うえぞの りと)三男 琉架の双子の兄 琉架が心配 琉架第一&大好き 前髪は後々右に流します。髪の毛の色はご想像にお任せします。深い緑みたいなアースアイ 髪型はずっと短いままです。 琉架の元気もお母さんのお腹の中で取っちゃった、、、 上園静矢 (うえぞの せいや)長男 普通にサラッとイケメン。なんでもできちゃうマン。でも弟(特に琉架)絡むと残念。弟達溺愛。深い青色の瞳。髪の毛の色はご想像にお任せします。 上園竜葵(うえぞの りゅうき)次男 ツンデレみたいな、考えと行動が一致しないマン。でも弟達大好きで奮闘して玉砕する。弟達傷つけられたら、、、 深い青色の瞳。兄貴(静矢)と一個差 ケンカ強い でも勉強できる。料理は壊滅的 上園理玖斗(うえぞの りくと)父 息子達大好き 藍羅(あいら・妻)も愛してる 家族傷つけるやつ許さんマジ 琉架の身体が弱すぎて心配 深い緑の瞳。普通にイケメン 上園藍羅(うえぞの あいら) 母 子供達、夫大好き 母は強し、の具現化版 美人さん 息子達(特に琉架)傷つけるやつ許さんマジ。 てか普通に上園家の皆さんは顔面偏差値馬鹿高いです。 (特に琉架)の部分は家族の中で順列ができているわけではなく、特に琉架になる場面が多いという意味です。 琉架の従者 遼(はる)琉架の10歳上 理斗の従者 蘭(らん)理斗の10歳上 その他の従者は後々出します。 虚弱体質な末っ子・琉架が家族からの寵愛、溺愛を受ける物語です。 前半、BL要素少なめです。 この作品は作者の前作と違い毎日更新(予定)です。 できないな、と悟ったらこの文は消します。 ※琉架はある一定の時期から体の成長(精神も若干)がなくなる設定です。詳しくはその時に補足します。 皆様にとって最高の作品になりますように。 ※作者の近況状況欄は要チェックです! 西条ネア

悪辣と花煙り――悪役令嬢の従者が大嫌いな騎士様に喰われる話――

BL
「ずっと前から、おまえが好きなんだ」 と、俺を容赦なく犯している男は、互いに互いを嫌い合っている(筈の)騎士様で――――。 「悪役令嬢」に仕えている性悪で悪辣な従者が、「没落エンド」とやらを回避しようと、裏で暗躍していたら、大嫌いな騎士様に見つかってしまった。双方の利益のために手を組んだものの、嫌いなことに変わりはないので、うっかり煽ってやったら、何故かがっつり喰われてしまった話。 ※ムーンライトノベルズでも公開しています(https://novel18.syosetu.com/n4448gl/)

もう人気者とは付き合っていられません

花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。 モテるのは当然だ。でも――。 『たまには二人だけで過ごしたい』 そう願うのは、贅沢なのだろうか。 いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。 「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。 ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。 生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。 ※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中

悪役令息に転生したけど…俺…嫌われすぎ?

「ARIA」
BL
階段から落ちた衝撃であっけなく死んでしまった主人公はとある乙女ゲームの悪役令息に転生したが...主人公は乙女ゲームの家族から甘やかされて育ったというのを無視して存在を抹消されていた。 王道じゃないですけど王道です(何言ってんだ?)どちらかと言うとファンタジー寄り 更新頻度=適当

処理中です...