転生冒険者と男娼王子

海野璃音

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1-1.転生冒険者は男娼王子を攫う

十話★

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「っあ……はっ、ぁ……」

 力の入らない腕でフレデリック様が俺の頭を抱く。片方だけでは不釣り合いだともう片方の乳首も念入りに愛撫したからその快楽で息も絶え絶えな様子なのだ。

「あまりこちらの刺激は慣れませんか?」
「調教の際に、薬を使われて……感度を、あげられてはあるが……抱かれる時にこんなに、弄られたのは、初めてだ……だいたいは、突っ込んで……満足するのが……ほとんど、だからな……」

 愛撫する為に抱えるように支えていたフレデリック様を降ろし、横抱きに抱えた。乱れるフレデリック様が愛らしくて、加減をせず愛でてしまったが見かけ通り体力がないらしく、少し休憩させることにする。これからが本番だしな。

「なら、あの可愛い姿を知るのは俺だけなんですね」
「……嬉しそうだな」
「そりゃあもう、今まであなたを愛おしいと思って抱いた男がいない事に喜んでいます」

 じとりと恨みがましい目で見てくるフレデリック様に満面の笑みを向けて答えれば、呆れたように首を軽く横に振り俺の肩に頭を寄せた。

「……しつこかったのを叱ろうと思ったのにそこまで喜ばれては叱る気も起きん。まったく……そんなお前を見て嬉しいと感じる私もどうかしている」
「いいじゃないですか。俺に愛されて嬉しいと感じてくれるなら俺も嬉しいです」

 悩まし気に表情を歪めるフレデリック様の額にキスを落とせば、大人しくそれを受け入れる。

「もっと感じてください。あなたを愛する男が与える快楽を。今まで与えられたものを忘れるほどに」
「私に刻まれたものは根深いぞ……そこまで言うなら塗り替えてみせろ」

 呆れたように、それでも期待しているというような笑みを浮かべ、フレデリック様は俺を見上げた。

「塗り替えてみせますとも……まずはこの忌々しいものから」

 それに応えるように笑みを浮かべ、薄い腹に浮かぶ淫紋をなぞる。

「んっ……」
「この薄い腹に今から俺の陰茎を奥までねじ込んで、中と外から俺の魔力で満たします。外からこうして手を当てて、魔力を流し込み、ある程度所有権を塗り替えた所で腹の奥に精液を注ぐ。そうすれば、最初に淫紋が刻まれた通り、俺に所有権が書き変わります。なかなか辛い事になると思いますが堪えてくださいますか?」

 魔力が元の主より高ければ塗り替えること自体は難しくないが、刻まれている本人には淫紋が塗り替えられる際に魔力が抵抗するので激しい快楽が襲う。それで心が壊れると言う事はないものの、それでもあまりの快楽に泣き叫ぶ者も多かった。

「侮るな、お前から与えられるものなら受け入れてやる」

 心配して表情の曇った俺を見上げフレデリック様は不敵に笑う。

 受け入れる。俺から与えられるものは苦痛に近い快楽であっても堪えるのではなく受け入れるのだと言われた嬉しさと安堵から笑みが浮かぶ。

「ありがとうございます。それでは……続きといきましょうか」

 淫紋を撫でていた手をフレデリック様の恥部へと滑らせる。

「っ……」

 陰茎に触れた俺の手にフレデリック様が小さく息をもらす。

「本当はこちら後で可愛がらせて頂きますね」
「っああ……!」

 乳首への愛撫で先走りを滴らせる陰茎を緩く撫で、先走りで濡れた指をさらに下へと伸ばし、僅かに中の玩具の覗く秘部へと指を滑らせた。

「あっ……!ニコラっ……」
「触れるだけでも玩具が反応するようですね普段はどのように?」
「ぁ……はぅ……いつもは、自ら……排泄、するのを……見られたり……一個、づつ……抜かれて……また、押し込まれたり……あぁあっ!」
「なるほど……肛門で感じるあなたを恥ずかしめて楽しむ男が多かったということですか」

 乳首で感じる体も滑稽だが、排泄するはずの肛門で快楽を感じ、自ら排泄させることで尊厳が傷ついていくのを楽しむと。随分と悪趣味だと思いながら、玩具から伸びる紐の先の輪に指をかけた。

「俺は、そんなことはしませんが一気に抜くにはきついでしょうから、体が傷つかぬようゆっくり抜きますね」
「っあ……ニコ、ら……ぁああっ!」

 指を軽く引けば、子供のこぶし大の球体がフレデリック様のアナルから姿を現す。直径にすると五センチちょっと……と言ったところか。随分と大きなものを仕込まれていたものだ。

 そのおかげとは思いたくないが、俺のを挿入(いれ)ても問題なさそうなほどにフレデリック様のアナルは解れているみたいだが。

「ぁ、にこら、にこ……っ」
「落ち着いて、まだ一つ目です」

 俺に縋りつき、快楽を堪えるフレデリック様の姿は痛々しい。今まで中に収めていた玩具によって抑えられていた快楽が解放されて辛いのだろう。これは、胸を可愛がったのは悪手だったかもしれない。

「にこ……っ、あぁあ、あっ……あああっ!」
「二つ目」

 ゆっくりと、体を傷つけないように引っ張り出した二つ目の球体が一番太い所を抜けたと同時にぷぽっと排出された。その勢いとその後の揺れる球体にフレデリック様が絶頂し、飛び散った精液が俺とフレデリック様の腹を汚した。

「あぅ゛……ぅ、あぁあああっ!」
「三つ目……フレデリック様、息を吸ってください」
「あ゛……っ、はっあ゛っ……ぁ゛……」
「そう、上手ですよ」

 快楽で痙攣し、震える体を支えながら、涙に濡れ、ぐったりと宙を見上げるフレデリック様の額へと口づけを落とした。

「あと二つ。頑張ってください」
「っ……、……っ」

 俺の言葉にフレデリック様が頷く。無理をさせているとは思うが、これが終わらなければ何も始まらない。心を鬼にして、残りの二つを引き抜くべく……俺は、指へと力を込めた。

「い゛……あ゛ぁあああっ!」
「四つ目……」

 しがみつく力すらなくなったフレデリック様の体が仰け反る。その体が落ちないように強く抱きしめ、最後の一つを引き抜いた。

「五つ」
「あ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛っ゛!」

 がに股のように足を大きく開き、ブリッジをするように仰け反ったままフレデリック様が絶頂する。反り返った恥部の頂点にそそり立つ陰茎からは、透明な潮がぷしっと吹き出し、俺やフレデリック様の体だけでなく、ベッドの上すら汚したのだった。
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