灰かぶりの少年

うどん

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灰かぶりの少年45

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「おかえりなさいませ」


「うむ…誰かコイツの準備をしてくれ、到着する直前に薬を吸わしたから意識がおぼつかない状態だ」


「承知しました、すぐにご準備に取り掛かります」


「宜しく頼む」





…………


























「ッ…」


少しの痺れ感ー
いつの間に眠っていたのかとてもボーとして頭がズキズキと痛む、確か自分は馬車に乗っていてお兄様と…


「え…なんで…」


よく見るとシワ一つない清潔な服を着用し、いつも束ねていた長い髪は解かれどこかの令嬢の様にクルクルと巻き髪になっていた


「ここはどこなの?」


目の前には巨大な赤紫色のカーテン
自分の容貌と景色の変化で落ち着かず不安がどんどん募る






バッ!!






「皆様、長らくお待たせしました!」


大きな歓声と共にカーテンが開く


「おお、想像以上の美少年だ!」


「成る程…これは値が張るな~」


大人数の男達が次々と声を荒げながらこちらを見物している


「さぁ、もっと顔を上げろ」


「あ…ぅあ!」


顎をグイッとあげられ鋭い光が目に差し込みすごく眩しい


「5000万!」


「1億!」


「2億っっ‼︎」


「いやっ、私は3億だそう!」


耳を疑うような高額金額が飛び交う…
これは全て自分につけられた金額なのだろうか


「他の方は誰もいませんかっ!3億でよろしいですか!!」


誰も手を挙げる様子はない
高らかな落札の音が鳴り響く


「良かったな、灰かぶりよ。お前をお買い上げされた方はとてもすばらしい貴族のお方で侯爵様だ」


涙が頬をつたう
殺される代わりに売られるんだ…


「しっかり立て、侯爵様のところへ行くぞ」


カチャッと首に首輪をはめられ鎖に繋がれた
固い革製の首輪が首に擦れ少し痛い





「侯爵様、本日はこの場にお越しいただきありがとうございます。」


「ホホッ、こちらこそ有難う。こんな楽しいショータイムに参加できて思ってもみない退屈凌ぎになりましたよ」


「有難いお言葉です…それでは本題に入りましょうか、早速この商品をご紹介致します。まずコレの名はありません、取り敢えず灰かぶりと呼んでおります。足の片方が不自由で杖をついておりますが歩行程度はできますので御心配なさらずお楽しみ下さいませ」


「足が悪いのか?可哀想に…どれどれ私が後で歩行の手助けをしてあげよう」


男は優しく灰かぶりの肩に手を伸ばし自身の方へ引き寄せる


「契約書は後程お持ち致しますので宜しくお願い致します」


「うむ、そうしてくれたまえ」


侯爵様とお兄様は淡々と事を進めていく
何も分からないのが自分だけであった



本当にここから離れてしまうの?
これからはずっと侯爵様の…?




「では灰かぶり君、私の屋敷へ帰ろうか」


「ぁ…!」


一瞬、お兄様の方を見たが既に目も合わせてくれなかった
もうこのお屋敷とは関係が無くなったのだと居た堪れない気持ちが溢れてくる





ごめんね…
今までありがとう、僕が愛した大切なもの達





























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