45 / 53
灰かぶりの少年45
しおりを挟む「おかえりなさいませ」
「うむ…誰かコイツの準備をしてくれ、到着する直前に薬を吸わしたから意識がおぼつかない状態だ」
「承知しました、すぐにご準備に取り掛かります」
「宜しく頼む」
…………
「ッ…」
少しの痺れ感ー
いつの間に眠っていたのかとてもボーとして頭がズキズキと痛む、確か自分は馬車に乗っていてお兄様と…
「え…なんで…」
よく見るとシワ一つない清潔な服を着用し、いつも束ねていた長い髪は解かれどこかの令嬢の様にクルクルと巻き髪になっていた
「ここはどこなの?」
目の前には巨大な赤紫色のカーテン
自分の容貌と景色の変化で落ち着かず不安がどんどん募る
バッ!!
「皆様、長らくお待たせしました!」
大きな歓声と共にカーテンが開く
「おお、想像以上の美少年だ!」
「成る程…これは値が張るな~」
大人数の男達が次々と声を荒げながらこちらを見物している
「さぁ、もっと顔を上げろ」
「あ…ぅあ!」
顎をグイッとあげられ鋭い光が目に差し込みすごく眩しい
「5000万!」
「1億!」
「2億っっ‼︎」
「いやっ、私は3億だそう!」
耳を疑うような高額金額が飛び交う…
これは全て自分につけられた金額なのだろうか
「他の方は誰もいませんかっ!3億でよろしいですか!!」
誰も手を挙げる様子はない
高らかな落札の音が鳴り響く
「良かったな、灰かぶりよ。お前をお買い上げされた方はとてもすばらしい貴族のお方で侯爵様だ」
涙が頬をつたう
殺される代わりに売られるんだ…
「しっかり立て、侯爵様のところへ行くぞ」
カチャッと首に首輪をはめられ鎖に繋がれた
固い革製の首輪が首に擦れ少し痛い
「侯爵様、本日はこの場にお越しいただきありがとうございます。」
「ホホッ、こちらこそ有難う。こんな楽しいショータイムに参加できて思ってもみない退屈凌ぎになりましたよ」
「有難いお言葉です…それでは本題に入りましょうか、早速この商品をご紹介致します。まずコレの名はありません、取り敢えず灰かぶりと呼んでおります。足の片方が不自由で杖をついておりますが歩行程度はできますので御心配なさらずお楽しみ下さいませ」
「足が悪いのか?可哀想に…どれどれ私が後で歩行の手助けをしてあげよう」
男は優しく灰かぶりの肩に手を伸ばし自身の方へ引き寄せる
「契約書は後程お持ち致しますので宜しくお願い致します」
「うむ、そうしてくれたまえ」
侯爵様とお兄様は淡々と事を進めていく
何も分からないのが自分だけであった
本当にここから離れてしまうの?
これからはずっと侯爵様の…?
「では灰かぶり君、私の屋敷へ帰ろうか」
「ぁ…!」
一瞬、お兄様の方を見たが既に目も合わせてくれなかった
もうこのお屋敷とは関係が無くなったのだと居た堪れない気持ちが溢れてくる
ごめんね…
今までありがとう、僕が愛した大切なもの達
22
あなたにおすすめの小説
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
たとえば、俺が幸せになってもいいのなら
夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語―――
父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。
弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。
助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
悪夢の先に
紫月ゆえ
BL
人に頼ることを知らない大学生(受)が体調不良に陥ってしまう。そんな彼に手を差し伸べる恋人(攻)にも、悪夢を見たことで拒絶をしてしまうが…。
※体調不良表現あり。嘔吐表現あるので苦手な方はご注意ください。
『孤毒の解毒薬』の続編です!
西条雪(受):ぼっち学生。人と関わることに抵抗を抱いている。無自覚だが、容姿はかなり整っている。
白銀奏斗(攻):勉学、容姿、人望を兼ね備えた人気者。柔らかく穏やかな雰囲気をまとう。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
ある少年の体調不良について
雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。
BLもしくはブロマンス小説。
体調不良描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる