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魔王はエリーと目が合うと、真っ黒くて大きい翼をバッと広げ、一瞬でエリーの目の前に飛んで、翼でエリーの周りを包んだ。
エリーの眼に映るのは、この大きな翼と整いすぎた顔。
「エリー?どこに行こうとしたの?」にっこりと、にっこりと笑いながら、冷たい声で問う。
「ロイズ、寝たんじゃなかったの?」若干引き気味なエリーが問うと、当然だと言うように魔王は答える。
「君の手が離れたのが辛くて起きちゃった…………、って、僕の質問にも答えて?質問を質問で返すなんて、ずるいよ」
「他の部屋。行けば私がねれるベッドあるかなぁって。」正直眠気は限界だ。
「………なんだ。そんな事なの?この部屋のベッドで一緒にねればいいじゃん。」子供のように頰をぷくっとさせながら、不服そうな顔で訴える。
「でも、そしたらロイズ、寝にくいかなって」
「ははっ。何言ってるの。僕はエリーと一緒の方がよく寝れるよ」
話は終わりだとばかりにロイズはエリーを抱き上げてベッドに乗せると、自分もベッドに寝転んで抱きしめた。翼でエリーの周りを囲ったため、簡単には出られない制度である。
「なら、いっかぁ」深く考えない主義のエリーは、眠そうにあくびをすると直ぐに眠りについた。
もう眠りについた少女をあやすようにしながら
「離れるのだけは、本当にダメだよ」と、懇願するように呟いた声がエリーに聞こえる事はなかった。
エリーの眼に映るのは、この大きな翼と整いすぎた顔。
「エリー?どこに行こうとしたの?」にっこりと、にっこりと笑いながら、冷たい声で問う。
「ロイズ、寝たんじゃなかったの?」若干引き気味なエリーが問うと、当然だと言うように魔王は答える。
「君の手が離れたのが辛くて起きちゃった…………、って、僕の質問にも答えて?質問を質問で返すなんて、ずるいよ」
「他の部屋。行けば私がねれるベッドあるかなぁって。」正直眠気は限界だ。
「………なんだ。そんな事なの?この部屋のベッドで一緒にねればいいじゃん。」子供のように頰をぷくっとさせながら、不服そうな顔で訴える。
「でも、そしたらロイズ、寝にくいかなって」
「ははっ。何言ってるの。僕はエリーと一緒の方がよく寝れるよ」
話は終わりだとばかりにロイズはエリーを抱き上げてベッドに乗せると、自分もベッドに寝転んで抱きしめた。翼でエリーの周りを囲ったため、簡単には出られない制度である。
「なら、いっかぁ」深く考えない主義のエリーは、眠そうにあくびをすると直ぐに眠りについた。
もう眠りについた少女をあやすようにしながら
「離れるのだけは、本当にダメだよ」と、懇願するように呟いた声がエリーに聞こえる事はなかった。
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