生意気な弟がいきなりキャラを変えてきて困っています!

あああ

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恋編

9話 転校生

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家に帰ると────玄関の前に勇太が立っていた。

「うわぁっ!?」

ドアを開けた瞬間弟の顔があったためとてもびっくりした。

「お兄ちゃん、驚いたの?うけるー。」

そういう勇太の声には何も笑いが存在しなかった。
この頃、疲れているような表情をしていたが…今日は特に酷い。

「勇太…?大丈夫?」

「うん、お兄ちゃん、大丈夫だよ…。」

─────絶対、大丈夫じゃない!


「体調、悪い!?
あ、熱があるのかも!?ダルくない?」

「そんなことより────」

勇太はそういうとにたぁっと笑った。


「─────ねぇ

海翔君────って知ってる?」


──────なんか、怖い。

いつものキャラをめちゃくちゃつくってる感じがとても怖い。

「うん、し、知ってるよ…。今日転校してきた転校生で…あ、凄くかっこいいよね…。」


「──────は?」


「え?」

勇太はぎろっとおれを睨みつけた。


「─────ねぇ、お兄ちゃん。」


「な、なんでしょう…?」

「──────海翔に近づいたら殺す。」

──────え?

勇太のオーラがどんどん黒くなっていくのがわかる。

「海翔には近づかないで。絶対、二度と。話しかけられても無視してよ。
無視だよ無視。わかってる?虫じゃないからね?」

にこにこにこにこ笑いながらおれに顔をどんどん近づけていく。

「海翔に話すことも話しかけることも見ることも禁止ね。
これ絶対。」

そして、どんどん話していることが片言になっていく。

ちょっ…どういうこと!?なんで…勇太こんなことにっ───。

そう思ったとき、おれは思い出した。

こんなこと───前にもあったな、と。


それは────勇太が飛鳥君が好きだと言ったときだ。


───────うそ、まじで?


勇太───今度は海翔君のことが好きに…?

いや、待てよ───?


『僕と──つき合ってくれない?』


そう、海翔君に言われたような──


─────────あ。


ヤバいぞ。

おれ───海翔君に告白っぽいことを受けたような…。

いや、でもあれば冗談っぽいし…。

いや、でも…もし本当だったら…


──────ヤバいんじゃ…。


「う、うっ…ん、近付かないよ…。」

前みたいなことが起こったら困る!!

「お兄ちゃん、───絶対だよ?」

「うん、もう二度と近付かないから!海翔君とは今日少し話しただけだし…。」

おれはヤバい感じがプンプンして頭の中が真っ白になる。

勇太が海翔君が好きだとして…
もしのもし海翔君がおれのことを好きだとしたら──
そしたらおれは───また勇太に監禁されてしまうかもしれない。

そうなる前に───解決しないと。

おれの顔色は真っ青になり、頭がクラクラした。

───────なんとか、しないと。

(というか…勇太、ほんとかっこいい人好きだなぁ…。)
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